Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

夏に合うオルタナロック/パンク 陽の35曲【Best Summer Hot Rock Song of 1987 Born】

1987年生まれが選ぶ夏に合うサマーロックソングサウンドトラック!陽の 35曲編!

 

2019.07.23 リライト

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不快指数が倍々ゲームで日に日に増していく梅雨がいよいよ明けそうである。

皆様はどうお過ごしだろうか?

今年もまだまだどこへ行ってもインスタ映えを求めてスマホ片手に彷徨ってる人が、昨年比2倍くらいいるんだろうか。熱中症には気をつけてね。

悪くはないと思うけど、僕的にもこのブログ的にもタピオカよりミュージックな生活をおすすめしたいのだ。

 

夏の音楽、サマーソングは他のどの季節のものより特別だ。

夏のロックソングのうだる様な暑さも、熱気に変えて空高く吹き飛ばしていくような陽性のエネルギー。

強烈な引力を持っていて、誰もが自分だけの’あの頃の夏’を想わずにはいられない。

夏ってのはそれを感じられるやつもいるし、ただ暑いって言ってるだけのやつもいる。

夏を感じる絶好のコンテンツはインスタグラムよりも彼らにあるはずだ。

 

そんな夏のROCKなキラーソング達を集めた、個人的暑中お見舞い的サウンドトラック。

メロコアにスカパンクからオルタナティブロックにポップパンク。

エルレ・アジカンからWeezer、GreenDayそしてBeckにガガガSPまで。

1987年生まれの僕的に集めたベストサマーソングまずは陽の選。

今回は保存版です。気になるバンドがあればその付随した記事も貼ってあるのでそちらもよろしければお楽しみください。

是非、聴きながら読んで頂き、素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

1.ELLEGARDEN 'Surfrider Association’

思わず手をかざしてしまうド真夏の陽射しの様に眩いELLEGARDEN必殺のサマーソング。

我々の青春であって、バンドと言えば彼らを差してこういう事だったと言える、そのもの、なバンド。

徐々に高鳴る大振りのボルテージの波に、軽やかに乗る音速のギターメロディーの鮮やかさと絶妙なノイジーさ。それが巧みに混ざり重なるバンドサウンドの妙。

'暑すぎんぜ…'って心をこじ開けてあっさりと僕らを跳ばせる細美の声は、夏ド真ん中に聞くと一段とクリアで眩しくて、彼らが帰ってくるまで僕らの夏を彩り続けた。

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2.Weezer 'Surf Wax America’

心のバンドWeezerからブルーアルバム屈指のサマーソング。

彼らのトラックの中でも屈指の疾走感のパワーポップは、白く目映いキラキラしたギターリフが歪んで疾るウィーザーサウンド王道の展開。

超爽やかな曲かと思いきや、サーフィンだビーチだの陽キャラの夏に軽く毒づいてるリバースらしい陰もある。

とはいえ完成度は絶対的な陽性のサマーチューンには間違いなくて、憂鬱なブルーと何処までも高い青空の青は実は一緒で、この季節お守り的に聴くには間違いない一曲だ。

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3.HI-STANDARD 'Summer Of Love'

夏は恋だ。HI-STANDARDの彼らNo.1のファニーサマーパンクチューン。

トロピカルでエッジーなキラーパンクメロディーにコミカルな掛け合い。

涙が乾くほど疾走し、陽性のビートにぐちゃぐちゃに飛び跳ねながら本当の恋だった夏のあの子を思う。

センチメンタルさは内包しながらファニーに笑ってみせるやり方、これで男は強くなると学んだ最高の夏が詰まったサウンド。

アイスクリームの様に溶けちゃっても、暑くなきゃ始まんないもんもあるのだ。

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4.Beck 'Hotwax'

天才オルタナ王子Beckのグルーピーなサマーファンクナンバー。

うだる様に暑さでアスファルトが歪むような景色の向こうで、不思議な踊りでライムを刻むベック。

雑多なデジタリズムと、生々しいロウなベックの声が最高にカッコいいし、摂氏40度超えで聴けるのは意外とこういう曲だけかもしれない。

気だるくて超絶スタイリッシュ、あっついなー、って溶けそうな日に聞きたいクールな陽性ファンク。

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5.The Offspring 'What Happened to You?'

現代パンク最強バンドThe Offspringの必殺スカソング。

説明不要&問答無用の圧倒的ダンサブルな、最強のリズム&グルーヴそしてコールアンドレスポンス。

オーソドックスに夏!という王道を、恐れること無くタフにエキセントリックに鳴らせるオフスプのビックスケールはこの季節こそ映える。

夏の高い空の様な突き抜けたハイトーンのボーカルは世界一夏に響きやすい。

硬派に腕組んだパンクスが最後は踊っちゃうような、無敵の多幸感はオフスプならではだ。

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6.New Found Glory 'It's Been A Summer'

ポップパンクキラーチューンファクトリーのNew Found Gloryからサマーポップパンクチューン。

テンション爆発系の即効性を持ちつつ、がっちり心を掴む歌心がまさにNFG節。

間違いなくガツンと来るが焦ることなくじっくりと心に噛み締めつつ、ギラギラに気持ちを持っていける夏のポップパンクの理想形だ。

一生大切にしたいと想えるポップパンクのフェイバリット感は、この季節こそ色濃く映える。

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7.Jack's Mannequin 'Holiday From Real'

彼を知っている誰もが再始動を望む圧倒的支持を受けたアンドリュー・マクマホンのそろプロジェクトJack's Mannequinの1曲。

限りなく透明ながらドラマチックに広がっていく美声と、この世のどの夏の光景よりも爽やかな風が吹くサウンド。

伝説のバンドってのはこういうバンドを言うのだ。

この曲だけでワンランク上の夏にしかねない、圧倒的な一曲。

 

8.311 'Hey You'

伝説的なサマーミクスチャーバンド、311のグルーヴィーなナンバー。

レゲエのダブさはベースに漂いつつ、ギターのエッジの重力がかかり、そこを泳いでるかのようなニックのボーカルがタイドに乗る。

サマーグッドメロディの一つの間違いない必殺の型は、この夏いつでも聴けるようにしといた方がいい。

 

9.Smash Mouse 'Why Can't We Be Friends'

90sレジェンドのミクスチャーダブバンド、Smash Mouseのキラーチューン。

入り乱れて誰もが踊るサザンオールスターズ的なロックサマーパーティーチューンは、僕より一世代上のおじ様達を直撃した。

絶対的なダブでポゴなリズム感は、どこまでもキャッチーで今クラシックに鳴るのも頷ける夏の定番チューン。

 

10.Sublime 'What I Got'

こっちも伝説のスカパンクバンド、SUBLIMEのホットチューン。

ヒップでホップなリズム、タイドに流れるアコギのグルーヴに味のあるサマーレイドな声。

ブラッドの声は完璧に夏を体現していた。

非業の死で時を止めてしまったバンドだが、全く夏ってのが変わらないからこそ、どこまでも自由に響き続けられる。

 

11.Sugar Ray'When It's Over'

世界屈指のビーチバンドSugar Rayのサマーチューン。登場人物かなりみんなセクシー。

この曲をサマソニのビーチステージ、夕暮れ時で聞いた時の光景は一生モノで毎夏思い出す強烈な絵だった。

超滑らかなナチュラルな肌触りの優しく降り注ぐグルーヴ。

ダヴなボーカルで音に乗りやすい陽性なビーチチューンは夏のエロスもほのかに香らせるアダルトな魅力。

 

12.Fauntain Of Wayne 'Stacy's Mom'

世界一のメランコリックパワーポップバンドFountains of Wayneのリードトラック。

友達のお母さんがエロ過ぎるんだ…!という煩悩にまみれた少年の心を赤裸々過ぎる程に描写した最高の歌詞。

これまた夏らしい光景だし、ビタースウィートなギターサウンドとチルな歌声がセンチメンタル&ポップネスを保って混ざるサウンドも実に名曲。

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13.The White Stripes 'Hotel Yorba'

セブンネーションアーミーでサッカー界にも永遠に残りそうな世界最高のガレージロックバンド、The White Stripesのホットチューン。

全く気合の入ってないメグの顔で分かるように、超絶ラフなカントリーサウンドが無邪気にかき鳴らされるナチュラルな鮮やかさは味わった様で味わっていない類のオルタナさ。

カラッとしながら、吸うだけで焼け付きそうな空気も感じさせつつ、どこまでも爽快な聴きざわりは彼らの妙技だ。

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14.Red Hot Chili Peppers 'Give It Away'

現代ロックの王者のひとつ、Red Hot Chili Peppersのキラーチューン。

夏らしいトラックばかりで難しいけど、空間を歪めるほどの暑さ溢れるこの曲に。

ピーカン照りの元ビンビンに弾け、ねじれまくったファンキーなグルーヴがめちゃくちゃに絡んで拳を突き上げたくなる。

暑さで頭がおかしくなりそうなら、なっちまえばいいじゃねーかって解決法がレッチリ流だ。

 

15.Third Eye Blind 'Semi Charmed Life'

 

オルタナティヴロックの金字塔を作ったThird Eye Blindの誰もが知るアンセム。

いや、夏に限らずどこにだって合うだろ。

でもやっぱりこの何百年経っても色褪せない爽やかなグルーヴは夏にこそ映えさせたい。

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16.The Libertines 'Don't Look Back Into The Sun'

2000年以降の最高のロックアイコン、The Libertinesのド名曲。

夏ってのは酒にも、それ自体にも酔わないと楽しくない。

ヨレヨレでも途方もなくロマンチックなギターと、酩酊してるピートの声で生まれる至高の陶酔感は、夏のギラギラと相まって危ないぐらいハイになっちまう。

めちゃくちゃになりたい夏におすすめ。

 

17.ASIAN KUNG-FU GENERATION '藤沢ルーザー'

多分一生夏が来ると想い出すだろう忘れられない恋の思い出のあるASIAN KUNG-FU GENERATIONのロックナンバー。

ディストーションの効いたギターはロックにクールに渦巻くアジカンギターの粋。

ゴツゴツとラフに刻まれたロックサウンドが、デカい音塊になってこっちに放り込まれるような爽快感。

趣き深い歌詞の味わいが情景を思い起こさせるのを助けるのも日本語詞のいい所。

神奈川県を誇る名曲は日本屈指の夏の光景に抜群に合うサーフパンク。

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18.Descendents 'One More Day'

イーストベイパンクの伝説Descendentsの鮮やかなパンクチューン。

ボードウォークを吹き抜ける潮風の様に爽やかで、吸い込まれそうなくらい眩しいメランコリックなパンクサウンド。

まるで自分を癒すかのように穏やかで優しく言葉を紡ぐマイロの声は、夏の宝物みたいな光景に出くわした時涙が出そうなくらい心を震わせる。

 

19.MONOEYES 'Two Little Fishes'

MONOEYESのこの曲は、きっと一生モノになる予感がビンビンだ。

ドライヴィンでアンセミックなギターメロディーが空高く溶け合い、キラキラした水面に飛び込むような最高の爽快感。

魔法的なポップネスなメロディーと、ロックサウンドの引力は、穏やかに夏を感じさせながらぎゅっと心の琴線を締め付けるのだ。

この夏はこの曲と過ごすと何度も決めた、間違いのないアンセム感は僕の人生にも残った。

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20.All Time Low 'Damned If I Do Ya (Damned If I Don't)

ポップなパンクをシーンの最前線で昇華しつづけるAll Time Lowのポップロックナンバー。

どイケメンで陽性のキャラクターで、あざといくらい格好良くても、どうしても抗えないキラッキラのポップネス。

アレックスのボーカルの見事なアイコンぶりも、ここまで一体感のある潤ったサウンドも彼らのスタイルが結実したようなビックロックチューンだ。

バカみたいに高い空をどこまでも染める、伸びやかでド陽性のポップネスは夏を彩るにふさわしい。

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21.No Use For A Name 'Dumb Remiders'

どこまでも青く、その色は永遠になったパンクバンドNo Use For A Nameも夏は必聴。

突き抜けるようなメロディアスなパンクサウンドに、柔らかく馴染む暖かいトニーのボーカル。

サラリと肌に馴染む爽快感と、淡く心に染み入るメランコリーの両面性を持ったメロディーだから、いつどんな夏の光景にも優しく寄り添うのだ。

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22.Bodyjar 'One In a Million'

オーストラリアンポップパンクバンドBodyjar

恐れること無くまっすぐなポップパンクサウンドは抜群の信頼感を伴って青空に映える。

虹がかかったような鮮やかなメロディーラインはポップパンクのロマンチシズムをまるっと体現してて、夏の情景にもぴったり。

 

23.Sugarcult 'Stuck In America'

大好きなSugarcultのアツいポップパンク。

キャッチーさ漲り文字通り突き刺す様な、このくらいのわかりやすさがポップパンクの夏には必要。

劇的に爽やかなクリアバンドサウンドには、暑い夏にスーツ着てようがバシッとキマるだろうスタイリッシュさがある。

彼ららしい、程良く混ざったスモーキーなエッジの濃さも、ちょうど良く爽やかさを際立たせる。

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24.Yellowcard 'Miles Apart'

バイオリン擁するメロディックパンクバンドYellowcardのポップパンクチューン。

オレンジ色のギターサウンドに眩いライアンのハイトーンボーカルと美しいコーラスにトドメのバイオリンの旋律。

美しくもポップパンク的なインスタントな魅力も抜群で、どこか賑々しい火を点けられるナンバー。

 

25.Sum41 'In To Deep'

バンド名の由来すら夏のSUM41からキラーチューン。

サマーもあったけどこっちが夏に映えて良く聞く。

冒頭からフリーキーなバンドサウンド、あちこちで火がついて、小さな波が大きくなってく様に巨大に盛り上がるサビと引っ掛かりやすいキャッチーな展開。

スイング気味のギターサウンドはキャッチーでもささくれてる彼ららしさ。

飛び跳ねる様なリズムに太陽の様なデリックの声が懐かしく眩しい。

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26.The Ataris 'The Boys of Summer'

ポップパンク界で最もエモく、圧倒的な人気があったThe Atarisの代表曲。

ドン・ヘイリーのカバー曲でありつつも、彼らのエモーショナルを完璧に弾けさせた力強くアツい熱風は迫力満点。

夏には哀愁多めかもしれないが、こそ汗が迸るような疾走感はジャストだ。

 

27.NoFX 'Bob'

インディーでパンクな世界の中心にいるNoFXのダヴなパンクナンバー。

アグレッシブにロウに屈指のパンクソング。

暴力的な熱量もありながら、フリーキーにダブに転調する西海岸らしい痛快な自由さ。

トランペットが実に涼しく響くのが、夏らしい。

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28.Rancid 'The 11th Hour'

生涯パンクスを貫くRancidのキラーナンバー。

パンクスの夏の過ごし方はこれがきっと正しいと思わせるオーセンティックなパンクスタイル。

湿度ゼロの風通しのいいパンクメロディーに、ザラつきがクセになるパンクボーカル。

ラフに小気味良く、畳み掛けるような痛快なサマーパンクチューン。

 

29.Simpleplan 'Vacation'

僕らのポップパンクバンド、Simpleplanのレアサマートラックチューン。

映画内で本人役で出た時のトラックで、ライブアルバムのボーナストラックに入っていた。

曲名通り夏のバケーションを彷彿とさせる夏らしい溌剌なポップパンクナンバー。

映画がコケて、日本での公開がなくなったというレアっぷりも、シンプルプランが走り続けている今絶妙に鳴る。

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30.B-DASH '平和島'

夏の匂いに溢れるB-DASHのサマーチューン。

この土っぽさ田舎っぽさとゴンゴンの優しくファニーな声の不思議と暖かいグルーヴ。

加速してからも透き通った夏の香りを感じるメロディーがコアに残って、心に突き刺さる。

アスファルトなんかじゃない道を歩きたくなる、シンプルで眩いメッセージは、きっと何年経ってもいつまでも心に残る。

 

31.ガガガSP '線香花火'

個人的にあんまり青春パンクは好きではないがそれでも当時を強烈に思い出し、とてつもない夏の力を感じるガガガSPの名曲。

一生耳に残る系のガリガリとささくれだった甲本ヒロト的な日本パンク情緒あふれるボーカル 。

一切振り返らないと決めたハイスピードなパンクサウンドに、実直でナードで暑苦しい歌詞が、実にいいじゃないか。

僕ら世代にはたまらなく懐かしい一曲。

 

32.THE HIGH-LOWS ’夏なんだな’

日本のパンクレジェンド、THE HIGH-LOWSの直球サマーパンク。

伸びやかなギターサウンドのポップなパンク。

キラキラしていた夏の日本の田舎風景を無邪気で純粋な日本語で描くレトロでタイムレスな世界。

ロックンロール的なリズムがそんな野山の風景に丁度よくハマる。

聴き終わったとき少し切ない心地とちょうど歩き出せそうなエネルギーが残る。 

 

33.Sandy Beach Surf Coaster 'SOS'

知る人ぞ知る女性ボーカルメロコアバンドSandy Beach Surf Coasterのサマーナンバー。

陽光に包まれるような眩しいギターメロディーが、十分にエッジの効いたメロコアビートに引っ掻き回される。

一見似つかわしくないくらい耳に鮮やかなチルなボーカル、これは心を掴むに絶好のファニーさだ

知らない人は是非知ってほしい夏らしいバンド。

 

34.Ken Yokoyama 'Summer Of '99'
Summer Of '99

Summer Of '99

  • Ken Yokoyama
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

KEN YOKOYAMAのパンクサマーソング。

1999年。僕は小5だ、サッカーしながら1つ上の女の子に恋をしてた頃だ。

そういう光景を思い出すスイッチを押される郷愁パンクサウンド。

熱い渦を起こすギラギラのダイナミックなパンクギター、すぐケンのギターとわかる記名性はアツい夏にこそ信頼感持って心を預けられる。

儚げな声、アツい熱風の向こうにあるノスタルジーが滲むのもケンならではの味。

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35.Green Day ’Nice Guys Finish Last’

最後は永遠のポップパンクヒーロー、Green Dayからニムロッドのキラーチューン。

思えば底抜けに明るい瞬間があるわけではないけど、最初から最後までマキシマムに走り抜ける淡々とした圧巻のパフォーマンス。

メロディアスなフレーズを散りばめて、可能な限りレイドバックしたファストなサウンドは、彼らの巧みさに他ならない。

湿度ゼロの、どこまでも青い空が似合いのグリーンデイサウンドの一つの型だ。

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陽性の35曲 次は涼の曲

以上35曲の陽性のロックソング。お楽しみ頂けていれば幸いです。

夏は想いを馳せるというか、昔を思い出す再開の季節でもある。

クリスマスの甘い想い出より、ほろ苦い夏の想い出の方がなぜ色褪せないんだろうか。

多分、それが夏の良い所、あんまり昔と香りも光景も変わりがないからなんだろう。

素晴らしい音楽とともに、今年も8月がはじまった。

皆様の夏が少しでも素晴らしいモノになりますように。

 

それでは次は涼のサウンドトラックで。

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【洋楽コラム】いつだって僕を救うのはGREEN DAYだ

GREEN DAYとブロッコリー

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皆様はストレスが溜まった時、お決まりの解消方法はありますか?

 

どうしたって、どうすりゃ良いかわからない時がある。
やる事やってるだけなのに、妬みとかやっかみが降り掛かってきて過敏になってストレスで鼻血が出る。
体動かして忘れようと思って、ボール蹴ってもまだ50%くらい晴れない。
腹減った。
どうせなら、なんて思って’ストレスにいい食べ物’なんて初めて検索してみた。
緑黄色野菜を生でかじりつくのがいいらしい、特にブロッコリー。
ココらへんで、ヤバイなオレ、と思いつつ最寄り駅についたので、家帰ってグリーンデイを聞こうと思った。
'Warnig'からがいいな。
 

Warnig

 
パニック障害だったりセックスだったりマスターベーションだったり、もっとどうしたら良いかわからないボーディーな日常を、ゆるくも反逆的に、ポップでパンクに歌った彼らグリーンデイ。
その身近なヒーロー感で誰にもフェイバリットなバンドとなり、僕らを救ってきた。
硬軟使い分け、ドラマチックにもナチュラルにもなる、ビリーの声は他のどのボーカルよりも内省的に刺さる。
3人の叩き出すサウンドは、真っ先にどんな姿で彼らが演奏し歌っているかが目に浮かぶアンセミックでシンボリックなものだ。
1回聴いても爆発的な衝撃なのに、もう何万回と聴いても色褪せず、単純明快なメロディーは全く違和感のない親しみやすさとして、ある日突然口ずさんだりしてる。
そんなグリーンデイは、苦しい時にこそ彼らに立ち戻りたいと思える心のバンドだと言っていい。
 

Basket Case

 

本当に凄いバンドだ。
ちょっと最近大人しいけど、十年以上前からロック界のアイコンであり、きっと僕みたいなフォロワーは世界中にいる。
1994年’ドゥーキー’の時は7歳だが、2000年’ウォーニング’で12歳、2004年’アメリカン・イディオット’で16歳の僕も十分グリーンデイ世代って言っていいだろう。
最大の真骨頂のポップなパンクも、サーフなムードも香らせるポップ・ロックも、フォーキーでオルタナティヴなメロディーも、余りにも簡単に僕を踊らせインスタントな瞬間着火式にロックンロールを香らせる。
めちゃくちゃどうしようもない内容でも、センチメンタルでエモーショナルな歌声は荒んだ心にダイレクトにヒットするし、必ず何処かにあるユーモアが笑顔にしてくれる。時に哲学的ですら有るからもちろん油断できない。
こうやって僕の世界がグリーンデイで染まるまで、何曲もかからない。
それも僕は知っていたからこそ、今日こそそうだと思った。
毎日聞こうがそりゃ響くが、そいう話はちょっとずるくて、もっと深くのめり込ませてくれるのは、自分がやられちまいそうな時だ。
いつだって僕を救うのはグリーンデイなのだ。

Waiting , Good Riddance

1987年から生きてれば、好きなやつもぶっ飛ばしたいやつも大勢出て来る
ぶっ飛ばしたいやつが良く頭に浮かんでくる時はウォーニングな時期だ。
グリーンデイの身近さの本質は、きっときっと彼らもおんなじ様なテンションの反骨の思いでこの曲達を作ったんだろうなって思えるとこにある。
でも彼らはそれを音に載せ、いつの間にかそんなおんなじ環境のやつを、あっさりと前向かせてる。
そこが格好いい。 
凄いことなんだけど、その身近さで彼らのようになりたいとかイメージしやすい、心強さも同時にある。
自らギター持ってとかでもいいけど、それぞれがそれぞれなりにグリーンデイの歌に自己投影して、何かやりゃいいのだ。
少なくともこんなこと考えてる間は、僕の部屋の中と頭の中はグリーンデイで一杯で、それはそれは幸せな時間だった。
 

ちょっと緑色の僕は、無敵

 
サブスクリプション全盛の昨今、データ通信環境もギガモンスター級で、どこでも何時でも流しっぱなしで音楽が聴ける。
意外とじっと、聴いたことは少ないかもしれない。
まっすぐ向かって、その音楽の事にだけ没頭する。それこそストレスゼロの瞬間だったのだ。
死ぬほど野菜食べるより、ちょっと今の僕は緑色だろう。
このラッキカラーで身体が覆われてる限り、多分無敵だ。
 
想いにふけるままに書いたコラムシリーズ。
お読み頂きありがとうございました。
それではまた別の記事で。
 

The Raconteurs 'HELP US STRANGER'とロック音楽に想いを馳せる【ラカンターズ】

ディスクレビュー!ジャック・ホワイト、ブレンダン・ベンソン率いるロック界の巨星ラカンターズが11年ぶりの3rdアルバムは、盤石で圧倒的なロックアルバム❕

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White Strypsで彗星の様にシーンに表れ、革新的で伝統的なロックを鳴らし天才の頂きでロック音楽を牽引し続けるジャック・ホワイトと、穏やかで甘い唯一無二の歌声と、オルタナティヴでナチュラルなメロディーを武器に活躍しているブレンダン・ベンソン

アメリカ南部、デトロイトが同郷の2人が、同じくデトロイト出身のGreen Hornsのリズム隊と結成したオルタナティヴロック界きってのスーパーバンド'The Raconteurs'

数十年前から瀕死だったロック界において、初期衝動的でありつつ異様な程のクオリティのロックを叩き鳴らし、2006年1stのリリース直後からそのオーセンティックさで圧倒的な支持を獲得する伝説のバンドに瞬時になった。

2008年2ndの名盤ぶりも今でも記憶に新しいロックファンは多いが、その後は各々の活動に戻り、その2枚のアルバムを残しラカンターズはもう伝説のまま額縁に入れられたのだと思っていた。

当時ライブに行きそびれた僕は、また一生見れないバンドが増えてしまったと、ヘヴィにラカンターズを聴きつつ悔やんだ10年間を過ごしていた。

 

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そんな2019年初め。

突然シングル曲をリリースし、更には単独公演決定&NEWアルバムも制作というニュースが飛び込んできた。

声にならない声を上げ、嬉しさを抑えきれない日々を過ごし、圧巻のライブを会場で見れた事は早くも今年1番の思い出だ。

そのライブでも何曲かこの3rdアルバムからの楽曲も演奏していて、このアルバムのリリースもめちゃくちゃ待ち遠しかったが、ついに6/21にリリースされた。

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超強力なロックアルバム。

その強烈であり味わい深い印象は1stとも2ndとも何も変わっちゃいない。

彼らのルーツであるアメリカの南風に乗せた、荒野の真ん中でどこまでも空気を切り裂く様なギターは、一発でこれがロックなんだと分からせるアジテートだった。

まるでロックの無い世界の荒野で彼らだけで鳴らしているようで、都会の真ん中でAir Podsで鳴っている事に全く違和感のない、超越的本物感。

ロックが終わっちまうんじゃないか、と不安になる昨今、このアルバムは大いなる勇気をあまりにユージュアルにくれたのだ。

そんなロックアルバムに想いを馳せます。

 

 

The Raconteursの2ndアルバムに想いを馳せた記事はコチラ

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The Raconteurs 'HELP US STRANGER'

 


The Raconteurs - "Help Me Stranger" (Official Music Video)

あまりにもナチュラルに聴きやすく、それでいてロックならではの鳴りと揺れのグルーヴを醸すタイトルトラック'Help Me Stranger'は、日本の千葉のレトロな街でMVを撮ったらしい。

このメンバーに街で会ったら顎外れるくらい口が塞がんないだろうな。

そんなチープな想いを馳せたくなるくらいナチュラルに、ロックのアンナチュラルが響くから、このアルバムはモダンで全時代的なのだ。

 

ロックが終わるかもしれない時、救世主は人知れず現れる。

それが彼らと言ってしまうのは簡単だけど、それさえ彼らの的を射てないんではないか。


The Raconteurs Perform 'Bored And Razed'

確かに、無骨さとモダンさを同居させたオープニングトラック'Bored And Razed'の様に、引力は抜群。

無骨なほど即興的でありながら、激しく甘い。

彼らの表現力の高さとカリスマ性が、余りにレベルの高いアーティフィカルなものになって、ド迫力の音圧と同時に耳を掴む。

この堂々としたロックのパワーを、彼らはあまりに自然に慣らしてみせるのだ。

 

ロックが瀕死だとか、そういう切迫感はない。

アメリカ南部のデトロイトでロックを聴いて育った彼らには、余りにも普通で世界でロックが終わろうと、俺達はこれを選ぶけどね、っていう超自然発生的な余裕がある。

元々ラカンターズというバンドもそういう側面がある。

ジャックとブレンダンの気ままな創作から、あらゆる事が形になっていく初期衝動的な楽しさ。
だからこそお互いが火が点いた時の振れ幅はとんでもないし、ラカンターズをそういうバンドだと初期衝動・2ndを経てわかっているからこそ、ジャック・ホワイトはソロの曲作りの際にラカンターズの為に残した曲もあったらしい。
 
ロックの楽しさが詰まったリフに、着いてこい歌おうぜっていう挑発的でセクシーなボーカル。
穏やかに破顔的な展開の中で、サイケに燃え盛る瞬間を自然に盛り込むバカ格好いいメリハリを産むシングルトラック'Sunday Driver'の様に、時代に背きすぎて奇を衒う事なんか一切なく、堂々と圧倒的に制されてそして自然と捻られたロックが鳴るのだ。 
 
耳に飛び込んでくる鮮やかなツインボーカルは挑発的で絡みつくセクシーさ。
お茶目なブレンダンと、ちょっとぶっ飛んだジャック。
どのメンバーも千葉の町中にいたら、えっ?と振り返るオーラ。
曲に合わせて姿を変えるギターサウンドとの、美麗なハーモニーの音楽的興奮と爽やかさはここにしかないと確信できる。
オーセンティックなレトロな趣向があって、泥臭くも鮮やか。
決してポップではなくとも、ドンっとパワーのあるメロディーになる。
彼らの魂が、本質がロックにあるのだ。
それをこの達人達が、カントリーもブルースもプログレもサイケも、ギターもピアノもコーラスも、あらゆる深みを使って、ストレートにロック方向に混ぜ合わさった至高の1枚。
今回も冴え渡ってる途轍もないケミストリーは、ロックがこの世から無くなろうが、こここそロックの宿る場所として残り続けるのだ。
 

ロックとは

何回目かのリピートを終えてふと思うに、ロックは酒みたいなものだ。

組み合わせたらカクテルになるし、そこは甘いも激しいも自在だ。
独創的な料理の元になることもあって、でもどんなに形が変わっても、それを感じることが出来る。
そして通な奴ほどそのまま飲むのだ。
国が禁止しようが、誰もが隠れて飲んでいた。
 
それこそジミヘンが、ジャニスがそうだったように、そんな魅力とシンクロするような色気が、このアルバムにもあるのではと思うのだ。
是非聴いてみて下さい。酔えるぜ。
 
それではまた別の記事で。
 
HELP US STRANGER

HELP US STRANGER

 

 

雨に合うロックソング20選-20rock songs for a rainy day【雨に唄えば】

雨とROCKを結ぶ20曲 2019年6月リライト

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梅雨である。雨の季節である。

という事でブログのテーマになる企画、音楽とサッカーの橋渡しfootballsoundtrack番外編、雨に唄えば編をお送りします。

 


Creedence Clearwater Revival: Have You Ever Seen The Rain?

 

数々、雨をテーマにしたロックな名曲がある。

雨って言っても種類は色々だ。

土砂降りから小雨まで、或いはもっと広く光景を捉えれば雨上がりの表情や虹だってだって一部だ。

雨のお陰で、何か想いを馳せられる事も多い。

そんな雨とロック音楽。

鮮やかに雨の情景を描いた美しい曲、雨を見つめながら物思いに耽るような思慮深い曲、雨でも変わらず明快にバカやりたい曲….雨をどう捉えるかもバンド次第。

雨の日外を歩きながらだったり、窓の外の雨を眺めながらだったり、雨の中で傘差さないで踊りながらだったり、雨上がりの匂いを感じながらだったり。

そんな雨に映えるオルタナティヴなロックソングを1987年生まれ的に厳選しました。

TravisもOasisもFoo FighteesもBeckもWeezerもNUFNも、ELLEもアジカンも斉藤和義も美しい曲で雨に唄ってみるソングリスト。

是非聴きながらご覧頂き、素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

  • 雨とROCKを結ぶ20曲 2019年6月リライト
    • サッカーに合うロック音楽❕フットボールサウンドトラックはコチラ!
    • 1.Travis 'Why Does It Rain On Me'
    • 2.Oasis 'Champagne Supernova'
    • 3.Weezer 'Say It Ain't So’
    • 4.Red Hot Chili Peppers 'Naked In The Rain'
    • 5.Green Day 'Brain Stew'
    • 6.Beck 'The Golden Age'
    • 7.Eric Clapton 'Let It Rain'
    • 8.Hi-STANDARD 'Have You Ever Seen The Rain'
    • 9.Foo Fighters 'Everlong'
    • 10.Nirvana 'Polly'
    • 11.MXPX 'Rainyday'
    • 12.Blind Melon 'No Rain'
    • 13.the HIATUS 'Ghost In The Rain'
    • 14.ELLEGARDEN 'Raindrops’
    • 15.ASIAN KUNG-FU GENERATION ’或る街の群青’
    • 16.斉藤和義 '破れた傘に口づけを'
    • 17.the pillows 'ハイブリッド レインボウ'
    • 18.The Swellers 'Rain Check'
    • 19.No Use for a Name 'Chasing Rainbows'
    • 20.Audioslave 'Shadow on the Sun'
    • 雨に唄えば。

 

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1.Travis 'Why Does It Rain On Me'


Travis - Why Does It Always Rain On Me? (Official Video)

僕らの世代が、未来に誇るイギリスロックの良心Tarvisの伝説のレイニーチューン。

フジロックでもグラストンベリーでも、まさに曲が始まろうかと言う時に雨が降り出したという、寓話みたいな伝説を持つ1999年発表のこの曲の内容は、そんな凄みとは対照的に優しく穏やかなユーモアに満ちている。

柔らかいテンポと物憂げなメロディー、そしてノスタルジックに広がるフランの声。

元々はボーカルのフランが自身の雨男っぷりにうんざりした所から生まれたリリックも、まるで自分にだけかのように振り続ける雨を、ため息付きながらテンダーに見つめられる温かさがあるからこそ、自然と溶け合うのだ。

心が弱くなっている時、一生晴れないのかもしれないという孤独な想いと、薄明るい雨の情景を見事に歌いきった稀代の名曲。

何十回と雨の日に聴こうが、また雨が降れば聴きたくなる奇跡の一曲である。

 

2.Oasis 'Champagne Supernova'


Oasis - Champagne Supernova

Oasisの中でも指折りの名バラードも雨に合う。

1995年の2ndアルバムに収録、それ以降彼らの曲の中でも特別な曲で有り続けてきた。

最初に聴いた時はこんなメロディーのいい曲、伝説の誰かのカバーに違いないと思った、というオアシスあるあるの1つでもある。

まるでスローモーションで雨粒が落ちていく光景を浮かべられる、アンニュイさを濃密に醸す、でもどこか自然体に美しい浮遊感を持つ。

オアシスの空間を染め上げるレベルのグッドギターメロディーは支配的で、その中央で1ミリもブレないリアムのボーカルに掴まれ、降りしきる雨の中、この世界に彼らと僕らしかいない様な空想に包まれる。

こういういつの間にか全ての景色が、鮮やかに色づいていく様は名曲にしかない特権だ。

全くの造語だと言う’シャンパン・スーパーノヴァ’が空に、というフレーズもどこか雨模様とリンクさせても面白い。

 

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3.Weezer 'Say It Ain't So’


Weezer - Say It Ain't So

WeezerのNo1キラートラックは、くもり空にこそ映えるのだ。

1994年1stのブルーアルバムに収録されて以降、オルタナティヴパワーポップの金字塔として愛され続けるナンバー。

世界一物憂げでメロウなギターリフが流れれば、溺れる程のメランコリアに包まれるウィーザーワールド。

そのリフを中心に、メロウでポップな瞬間を散りばめつつも、曇った憂いを伴いながら妖しく進むサウンドは、切なすぎるフックを持つ。

曇天を裂くような雷鳴の様なノイジーなギターカットに頭の中のコードを外され、不安定さを孕んだ心模様と雨雲の曇天がリンクする様で胸が熱くなる。

もちろん、雨じゃなくても映えるが、Weezerサウンドという特性が活きる、暗く気分を落としそうな雨模様の時にも聴きたい1曲。

 

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4.Red Hot Chili Peppers 'Naked In The Rain'


Red Hot Chili Peppers- Naked In The Rain

トンデモグルーヴィーなRed Hot Chili Peppersのレイニーソング。

1991年の名盤ブラッド・シュガー・セックス・マジック収録。

立体的で複雑に絡み合う情熱的なサウンドラインと、強力なフックの聴いたメロディー。

雨の中でもいつもと変わらず裸になって狂った様に踊る、ハチャメチャな衝動感は終始曲を彩る。

どこか何時ものカラッとした音だけでなく、湿度の高さを入れ込めるのもレッチリの表現力ならでは。

 

5.Green Day 'Brain Stew'


Green Day - Brain Stew/Jaded [Official Music Video]

Green Dayの初期のオルタナティヴなロックチューンも降りしきる雨の中で聴きたいと思える。

4thアルバム’Insomniac'から1995年にシングルカットされた、’Jade’とのメドレーナンバー。

ローファイに歪ませたギターリフとビリーの声で’眠りたいけど眠れないんだよ’と始まるタイドな1曲。

ぐちゃぐちゃの脳みそ、というタイトルの通り、頭の中が整理できないままベッドの上で怠惰に時間が過ぎていく様子を歌ってる。

キャッチーなサウンドが武器でありながら、時折みせる深い陰りこそ彼らの魅力の真髄で、混乱した頭の中をオルタナティヴなロックサウンドで見事に表現し切る。

雨の中、一歩も外に出たくない日に、ずっと家で聴きたい1曲。

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6.Beck 'The Golden Age'


Beck - The Golden Age

オルタナ宇宙人Beckのアコースティック・フェイズの名曲。

Beckの創作パターンでミクスチャーパンク的な作品とアコースティック的な作品を交互に発表するというパターンがある。2002年発表のこの曲は、そのアコースティック的側面の最高峰だ。

アコギの自然な音が漂う穏やかなフィーリングに、浮遊的で幻想的なエコーをかけるデジタルな味付け。

コズミックに宇宙的な聴き心地は、普通の雨だって違うように見えてきてしまう音楽の力。

ベックの声は非日常を彩る大事なファクターなのだ。

 

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7.Eric Clapton 'Let It Rain'


Let it rain- Eric Clapton.

人類の誇るギターレジェンド、Eric Claptonのギターポップ的名曲。

1970年、もう50年前の曲とは思えないほど完成されたメロディー。

ビートルズかと思うほどキャッチーに跳ね上がるポップネス。

クラシックな曲ほど、雨を楽しむ余裕を感じる。

雨を愛に例えるあたりがニクい。多分一生そんな事僕には言えない。

魔法にかけられたように羽根のように軽やかで浮遊感あるドライヴィンなギターは、カラフルに雨の色を変えていくのだ。

 

8.Hi-STANDARD 'Have You Ever Seen The Rain'


Have you ever seen the rain

CCRの名曲はHi-STANDARD得意のカバーでパンクになった。

数々のバンドやアーティストにカバーされる雨の名曲、1997年の'Angry Fist'収録このカバーも名カバーだ。

パンク色も色濃い中、抜群のメロディックセンスでしっとりとした感触もきっちり残す職人技。

相変わらずロックへの深い愛を感じるリスペクトに溢れたパンクカバーだ。

彼らの陽性のオーラはカバーにおいても変わらずに、雨だけど晴れやかにするパワーも持っている名曲。

 

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オーストラリアのロックバンド11選-世界の中心でRockを叫ぶ-

世界の中心から鳴るロック

楽園的なイメージと洗練的なイメージが共存するオセアニアの大っきな島・オーストラリア

世界第6位の面積の国土には、最近パソコン開くと出て来る「気に入りましたか?」みたいな壁紙にいつか出てくるだろう、美しいグレートバリアリーフと巨大なエアーズロック、最先端のスタイリッシュ建築まで揃っていて、雄大な自然と多様な文化が混ざり合う大陸らしい独特で強靭な風土の国になっている。

豪州という呼ばれ方が国名の略称の中でもトップクラスに心地いい。

だから行ったこと無くても凄く存在感がデカイ外国なのだ。

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オーストラリアといえば何を思い浮かべるだろうか?

行ったことがない1987年生まれの僕からしたら、ベタにコアラだカンガルーだから始まり、長澤まさみが世界一可愛かったセカチューのエアーズロックだ、テニプリがビームとか出す前の超初期のオーストラリアンフォーメーションだ、水曜どうでしょうの縦断だ、中田がPK外した黄金世代のシドニー五輪だ、と色々浮かんでくる何かと気になる国。

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そしてロック音楽大国なのだ。

地理的に文化の結節点となり、あらゆるミュージックカルチャーが大胆に吸収され大陸的であり、独自のロックカルチャーの流れを自然と汲むバンドたちは、絶妙な存在感で僕の心に刻まれる。

一見するとわからなくて、あのバンドそうなんだ、と思うこともあるクオリティの遜色の無さもありながらも、大陸的なオルタナティブさが雄大に作用して世界のロックシーンを引っ張るバンドが出て来る事もしばしば。

今回はそんなバンドを1987年生まれロック好き的に11個選んでみました。

雄大さと自由さが上手く醸造されて、実に味わい深く力強いロックのキレの良さ、フジロックも御用達でアップルがiTunes関係のCMでも乱起用したりと世界もほっとけない輝きを放つのだ。

行ったこともないが、何かと僕らの目に耳に飛び込んでくる巨大なオーストラリア。

こういう音楽の聞き方もある、今回はオーストラリアという地域に区切ってのロックコラムだ。

素敵な暇つぶしになれば幸い。

 

 

その他のバンド・カテゴリー集はコチラ!

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1.AC/DC

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オーストラリアンロック最初の開拓者にして、世界的なレジェンドになった超巨大バンド。

1978年のアルバム'Back In Black'は世界で5000万枚を超える天文学的な売上で、その上を行く売上は歴代でもあのマイケル・ジャクソンのスリラーしか存在しない。

つまり史上最も売れたロックアルバムを作ったのは、オーストラリアのバンドなのだ。

もじゃもじゃ半ズボンのアンガス兄弟のリフを中心にした音は、無骨で強力なハードロックサウンドでありながら、エネルギッシュで色気があって実にキャッチー。

かなりパンクなバンドのバイオグラフィーの中で、メンバーチェンジが多くともブレないぶっといロックスタイルは大きな自信に満ちていた。

パンクロックビックバンをデコピンで弾き飛ばす程の、桁違いのロックパワーでロック界で最もオルタナティヴ=パーフェクトなまま頂点に居続け、ロックのオーソドックスさを強靭に叩き上げる精神とパフォーマンスは世界中のバンドの敬愛を集めてきた。

'Back In Back'の人類史上最強のロックリフに電撃を浴び続ける限り、きっとこの世からロックは不滅なのだ。


AC/DC - Back In Black (Official Video)

 

2.The Vines

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そのAC/DC以来、オーストラリアのバンドとして20年ぶりにローリング・ストーンズ誌の表紙を飾った純度100%のロックアイコンThe Vines。

Nirvana meets Beatlesと称された、今にも壊れそうな荒々しさと今にも壊れそうな美しさが、爆発寸前で同居するサウンドがどこまでもナチュラルに鳴っていたパンクさ。

オーストラリア史上最高にパンクなフロントマン、クレイグ・ニコルズのキャラクターに大きく左右されたバンドは、不安定で破天荒で、そして苛烈で世界で一番カッコ良かったのだ。

再びオージーロックから世界を制すと共に、00年代ガレージロック・リバイバルの大陸からの担い手として、ロックそのものを救ったんじゃないかという稀代の評価を得る時代性を越えるバンドだった。忘れたくない大好きなバンド。

'Ride'はipodのCMでも使われたキャッチーで攻撃的なギターロック。

'Outtathaway'の緑のパーカー姿は一生目に焼き付いているほどアイコニックだ。


The Vines - Ride

 

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3.Jet

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’え?これカバー?’と頭が考える前に身体が動き出す華麗なロックンロール、快楽度合いは天井知らずなそのビートをモダンに蘇らせたJETは、オーストラリアから世界にロックンロールの灯をつけた。

2003年アルバム'Get Born'の衝撃は強烈で、ガレージロックリバイバルとはこういう事か、ロックンロールが蘇るとはこういう事か、と瞬時に理解できるロックンロールの原初を鮮烈に色付けしたサウンドは、大げさでなく当時世界を席巻していた。

フジロックにはデビュー前にすでに出演していて実に親日なバンド。

オージー・インベイジョン・ツアーというツアーを前述のヴァインズと一緒に行っていた事もある近代オージーロック最重要バンドの1つ。

数々のタイアップと表彰を受け、ゴキゲンなロックンロールサウンド・似すぎとまで言われたクラシックへのオマージュとセクシャルなパフォーマンスで彼らの代表曲'Are You Gonna Be My Girl'は誰もがその再点火に歓喜した時代を彩るキラートラックとなった。


Jet - Are You Gonna Be My Girl

 

4.Living End

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現代のオーストラリアの国民的バンドで2000年代オージー・インヴェイジョン三銃士の1つにして最初のバンド。

1994年結成され、GreenDayのオーストラリア公演のサポートから火が点いたバンドで、パンクロックのアティテュードにロカビリーのエッセンスを取り入れたスタイルが抜群にキャッチーでオルタナティブだった。

ポップパンクブームとも少し一線を画される、クラッシュとかイギー・ポップ寄りのオリジナルなパンクのリヴァイバルに近い音、それも抜群の技術でタイトに鳴らされる彼らにしか出来ない=オルタナティブに繋がるバンドの理想形が彼らだった。

'Roll On'は彼らの味わいの詰まった看板の一曲。


The Living End - Roll On (Video)

 

5.5 Seconds Of Summer

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何故か毎回彗星の様に現れる今最前線を走るポップロックアイコン。

元々はYouTuberという現代らしい経緯もポップパンクの間口の広さ・裾野の広さを象徴する進化の証でもある。

ボーイズグループと勘違いされがちだが、ポップバンドとしてきっちり演奏するイケメン4人組だ。

ポップソングをカバーできる鮮やかなポップセンス、本人達もカバーしてたがAmerican Idiotが最初に買ったという世代が脈々とポップにパンクに時代の先頭に立つのは、イケメンだから、と腹が立つ前に普通に嬉しい。

億超えの再生回数を誇る曲も多いがやっぱりアメリカン・イディオットのカバーが彼らを象徴していて好き。


5 Seconds of Summer Covers "American Idiot" On The Howard Stern Show

 

6.DMA's

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2012年にシドニーから出現した3人組、天才オルタナティブロックバンド。

オアシスの再来と言う「またまた…」という触れ込みの斜め上を行く、超独自路線のオルタナ的ソングライティングセンスと、全く異質の良さながら触れ込みに存分に比肩しうるグッドメロディーぶり。

超メロディアスでタイドで、マッドチェスター?いやブリットポップ?あれREM?とさ、まざまな香りを香らせながらスルスルと掴みどころ無く雄大に鳴る不思議なポップ・ロック。

雄大過ぎるオージー屈指の素朴な才能のデカさは、初めて聴いた時からちょっと只事ではない感がずっとつきまとう。

'Your Low'は超絶タイドなグルーヴにマジカルなポップネスの絡んだキラーチューン。

ちなみにライブの時はバンドの人数が倍になる。


DMA's - Your Low (Live) - Vevo UK @ The Great Escape 2015

 

7.Silverchair

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1979年に生まれカート・コバーンの死で揺れた1994年に結成したオーストラリアの伝説的なバンド。

グランジを引きずる世界のド真ん中を撃ち抜くアツく重い曲を15歳にして作り、あっという間にオージーで世界で大成功を収めた。

サウンド・ガーデンやパールジャムや、もちろんニルヴァーナのアルバムと共に彼らが15歳で作ったアルバム’Tomorrow’はグランジ・ロック史に残る事になった。

こういう唐突もない突出した才能ってのも底の見えないオーストラリアらしい。

2011年の活動休止までグランジからポップネスを昇華した独自のサウンドデザインも賞賛を浴びたが、やはり'Tomorrow'のピュアで鈍く眩しいグランジの炎のような燦めきは何年たっても聴き続けたい。


Silverchair - Tomorrow (Video/Australian Version)

 

8.Bodyjar

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メロコア/メロディックパンク好きには外せないオージーパンク界の大物バンド。

世界中の数々のバンドが芽吹いたメロコアパンク旋風で、こうやってオーストラリアのバンドと出会えたのは嬉しい限り。

キャッチーでファストでメロディックなパンクサウンドは、どこか他のバンドより大らかで途轍もなく聞きやすかった。

きっとオーストラリアのパンクキッズが、こっからバンドやろうぜ、ってなるのが余りにも自然なロールモデルたる純然なポップパンクサウンドは確実に時代を紡いでいる。

'Not The Same'のキラーチューン辺りは世界的にクラシックスとして広まる、仮に知っていなくとも頭振れる超キャッチーなポップパンクソング。


Bodyjar - Not The Same

 

9.Local Resident failure

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オーストラリアのストリート・パンクシーンから世界に飛び出したパンク界隈では噂のバンド。

超気になっていたYouTuberのバンドなのだ。

ドラマーのKye Smithは元々ノーエフやブリンク、サムにグリーンデイと言ったパンクバンドからBECKやフーファイまであらゆるドラムをメドレー形式で叩きまくり大人気のYouTuberだった。

そんな彼のバンドもファットレック直系DIY精神に溢れるストリートなパンク。

Kye SmithのドラムカバーYou Tubeチャンネルも一見の価値あり。


Local Resident Failure - Around the World [Official Video]


Green Day: A 5 Minute Drum Chronology - Kye Smith [HD]

 

9.Wolfmother

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モジャ毛のロッカー、アンドリュー・ストックデイル率いるハードロックバンド。

70sを思い起こさせるエレクトリックでサイケに’魅せる’音でギンギンのハードロックを鳴らし、世界中から絶賛を浴びグラミー賞まで獲った。

寝かさられ良い感じに醸造された抜群のオーセンティック感はずば抜けてエロかった。

オリジナルメンバーはもうアンドリューしか残っていない。

'Love Train'もオージーロック大好きAppleのCMで使われ全世界で死ぬほど流された。


Wolfmother - Love Train (Official Video)

 

10.Tame Impala

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各方面から絶賛を浴びる現代最高のサイケデリック・ロックバンド。

70年代ラブ・アンド・ピースの時代だからこそ花開いたサイケデリックロックを、モダンに昇華させる神業的な音創りで、今世界最高にアーティスティックなバンドの名をほしいままにする。

陶酔感の深さとか、ドリーミーな世界感の支配力では現代では比肩するものがいない、魔術的で究極の自然的な’体験’となって身体に浸透していく。

凄すぎて怖くて、まだ深く聴いていない自分もいる。そんな自分も納得できる飲み込まれそうなほど深くデカイ時代を背負ったバンド。


Tame Impala - Feels Like We Only Go Backwards

 

11.John Butler trio

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オーガニックギターの神様ジョン・バトラーを中心に結成された神業ジャム・トリオ。

サーフ・ファンクを独自にミックスさせ、超絶技巧によって成る究極的にナチュラルなグルーヴは人類の財産。

ギター1本でコレだけの人を静まり返らせ、全く同時に心を動かせるのは今この人しかいないのかもしれないと思わせる、音楽の力を最も感じる人物は雄大なオージーの文化から生まれた。

フジロックのヌシでもある。


John Butler Trio - Ocean Live @Fuji Rock Festival '10


John Butler Trio - "I'd Do Anything" Live from Red Rocks

 

地球のへそで、ロックを叫ぶ

あらゆる音楽が混ざりあい、醸造されたからこそ独特の香りになって花開いたオーストラリアのロック。

或いは、だが、きっと世界の中心たる場所でなる音楽はこういう事をいうのかもしれない。

世界中を巡り巡って、時代を超えてきた音が、雄大な大地の元に帰るように。

天の川がそのまま落ちてきた様な燦めきも雄大な大地はしかと受け止め、再び新たな流星を空に流していく。

そんなロマンチックな光景すら浮かぶ、オーストラリアのロック。

これからも是非、注目していきたい。

 

それではまた別の記事で。

曲の中にバンド名が出て来るロックソング11選 【音楽ファンを悶絶させるバンド間の浪漫飛行コラム】

溢れる思いを歌詞に載せて 曲の中にバンド名が出てくるロックソング特集

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曲の中の歌詞に、他のバンドの名前が、単語として出て来る事がある。

こういう曲のジャンルに、誰か格好いい名前をつけて欲しい。

聞いてて分かるとドキッと心が躍り、その関係性にゾクゾクしてくる音楽ファン悶絶の瞬間。

彼らも、あの彼らを聴いてたのか。

大体想像通りのバンド名が出てくると、感動の電流が流れじわーっと胸に幸福感が広がる。

バンド名というワードだけで音楽ファンにとっては一般的なワードより多くの情報量を詰めることが出来るし、’ロックバンド’という単語が何よりもロマンのあるモノなのだ。

横の繋がり、縦の憧れ、たまにディスり、彼らもあの時聴いてたあのバンド、単純に強い意味を込めた単語として使用する、色んな形で出て来る。

曲の中にバンド名が出て来る、それだけでスペシャルに鳴るロックソングの11選。

今回は歌詞も覚えてて、思い入れのある曲を1987年生まれロック好き的にピックアップしました。

きっとまだまだあるはずなので、見つけ次第追記していきます。

音楽ファン垂涎の浪漫飛行コラム。

素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

 

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1.Simpleplan 'Grow Up'


Grow Up

永遠のポップパンクアイドルSimple Planの1stの最後の曲に収録され彼らのライフアンセムになったナンバー。

'This is Who I Am and This Is What I Like.GC,SUM and BLINK and Mxpx Rock'n My Room.'とキャッチーでロールなリフに載せて、その瞬間は冒頭から訪れる。

「これが僕の好きなモノ、グッドシャーロットにサム41にブリンク182にMXPXが僕の部屋でなるのさ。」

と、憧れのポップパンクバンド達の名前が、小気味よく畳み込まれる。

彼らより少しだけ先輩のポップパンク旋風のド真ん中にいたヒーロー達。

それが鳴り続ける暮らしを選ぶのだ。
親や教師が眉をひそめる事に気を配って、その部屋から出る、ライブハウスに行かなくなるっていうあんたらの言う成長はクソだ。

ポップなパンクの蒼いエネルギーが純度100%でキャッチーに鳴り、シンプルプランならではのファニーな朗らかさが満点、それを相乗して加速させるパワーワードのバンド達には、’そんな生活最高だよな’って途轍もない説得力が有るのだ。

 

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2.Mxpx 'The Way We Do'


MxPx - "The Way We Do"

今度はMXPXからSimple Planへ向けて。

'When Face To Face destroyed our van Our freezing balls, crossed Canada with Simple Plan Or stealing third, from Bad Religions dressing room''とメロコアパンク神バッド・レリジョンの名前も出てくる。

クラウドファンディングで制作費を募り実現した、2018年のモダンなパンクアルバムに入った一曲。

彼ららしい爽やかなスケートサウンドのMXPX版これが俺の生きる道。

リフとビートとボーカルが箒星の様に火花引きつつ流れていき、ナチュラルに枯れた良いムードがポップになりすぎずどこまでもリアルで、ほんの少しだけ立ち止まり振り返る事の出来るベテランならでは味わいすらある。

こんなに年取ってちょっと弱音が溢れそうだけど、 でも今これだけ爽やかに高らかに宣言できるポップパンクライフストーリーは間違いなく本物で、絶対に自分たちだけじゃ出来なかった。
数多くのバンドがきっといるはず、もちろんシンプルプランとの関係性は飛び抜けて良くても、このお互いたくさんの年を過ごしたタイミングで名前が出てくる事は両バンドのファンとしては嬉しいし、どこか上のGrow Upに対するお返しみたいな想像までしてしまう。

 

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3.Green Day 'Amy'


Green Day - Amy [Unofficial Video]

27才の若さでこの世を去った稀代の歌姫Amy Winehouseへ捧げるグリーンデイのバラッド。

ポツリポツリと鳴るアシッドで艷やかなギターメロディーに優しく抱きしめる様で大きな愛情に溢れる声。

パンクシンガーの攻撃性を脱いだナチュラルな姿、これぞビリー・アームストロングのシンガーとしての本領だ。

'Amy Don't You Go.I Want You Around'

グリーンデイより年下の後輩シンガーでありながら、その死に大きなショックを受け自らの公式サイトにいち早くこのリリックを載せた。

圧倒的な存在感の清涼な歌声を持っていつつ、パンクな姿勢でオルタナティブな存在だったエイミーと、パンクなアイコンでありながら稀代のロックシンガーであるビリーは、どこかシンパシーのある存在だったのかもしれない。

そう思わせるには十分な程優しいし、純粋な音楽家同士の愛が華麗なレトリックで彩られ降り注ぐ音は心に残る。

 

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4.Weezer 'Heart Songs'


Weezer - Heart songs + lyrics

Weezerのソングライター、リバース・クォモに影響を与えたハートソング「心の歌」を自伝的に振り返った1曲。

指の滑る音まで暖かく聞こえるギターのしらべに乗せた全キャリアにおいて最高のアコースティックバラッド。

穏やかなレイドバックからパワーポップビートを帯びてついに彼らの曲がハートソングとなるのだ。

アバからアイアンメイデン、ジューダスプリースト、プリンスマイケルに、ニルヴァーナと幅広くボーダーなど無い音楽愛に満ちた名前達。

焚火の前でCDラック眺めてるような、優しくオーガニックな浮遊感はリバースのメロディーセンスが冴えるし、徐々に熱を帯びるハードなサウンドも彼らの真骨頂的で、音的にもライフストーリーを彩るよう。

'Michael Jackson's in the mirror' 'Had a baby on it, he was naked on it'

「マイケル・ジャクソンは鏡の中に」「そこには裸の赤ん坊が映っていて」

こういうリバースらしい奥ゆかしい表現も凄く好き。

 

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5.Bowling For Soup '1985'


Bowling For Soup - 1985

アメリカを代表するポップロックバンド、Bowling For Soupの代表作となったキラーチューン。

もともとは同年代に活躍したちょっと先輩のSR-71というバンドの曲で、その曲の世界観に心を打たれたカバーを頼み込んで了承をもらったらしい。

デビーという名のしがない主婦を主人公に、彼女が1985年に青春時代を懐かしみ現実を嘆く姿を明快でちょっと切ないポップパンクサウンドに乗せる。

ブルース・スプリングスティーンマドンナニルヴァーナがMTVを席巻する少し前の時代。

U2ブロンディーワム!モトリー・クルーと、アメリカン・ロックの当時がわかるストーリーも僕らの知らない世界。

もう途轍もなく良いポップメロディーセンスと鮮やかにザラつくギター、そこにストーリーの相乗効果でセピアな色彩が信じられないほど鮮やかに広がり、それこそパーソナルな想いも投影し涙が出てくる様なエモーションが迸る名曲。

 

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6.NoFX 'I'm Sorry Tonny'


NOFX - I'm So Sorry Tony - with Lyrics

最もパンクを貫く現役最強パンクバンドNOFXが贈るNo Use For A Nameのボーカルで2012年急死したトニースライへの献歌。

’お前より凄いソングライターにあったことない’

’トニーの悪口を言ってる奴にあったこと無いよ。アイツが作った歌みたいだろ?’

いつも吐き捨てる様な中指立てまくりのリリックとは違う、本当に真っ直ぐで純情な友情は、社会のはみ出し者のパンクス同士だからこそ美しい何かがある。

ファット・マイクの涙も枯れた様な語りから、まるでNUFNの様な爽やかなポップパンクサウンドに乗せて、トニーへ届けと歌う。

残された子供達への描写や、自分も怖くなったって赤裸々な言葉、更には最後にもっと話したかったという後悔の念で、I'm Sorryという言葉になっている。

そういうマジな思いを言葉にするのも、パンクスならでは。

 

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7.ELLEGARDEN 'Cuomo'

Cuomo

Cuomo

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

ELLEGAREDENのボーカルでありソングライターの細美武士が敬愛してやまない、Weezerのボーカルギター、リバース・クォモへ捧げたショートチューン。

事ある毎にWeezer愛を語る細美にとって、最高級のリスペクトを結晶にしたこの歌は、クォモやウィーザーというワードこそ出てこないものの、ファンであれば心から頷ける鮮やかなトラック。

泣き虫ロックだ、弱虫だ、と言われてるけど、それは唯一無二で貴方だけしか持ち得ないめちゃめちゃ素敵なマインドだ。

ファンとして、そしてミュージシャンとなった時、ますます深まる愛を曝け出したメッセージ。

王道なんか無くてもいい、と教えてくれたのはWeezerであり細美武士だったのだ。

ざらつくギターと呆気にとられるほどのポップさ、Weezerっぽいパワーポップサウンドを凝縮したサウンドデザインも素敵。

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8.Sugar Ray 'Under The Sun'


Under the Sun - Sugar Ray

誰もがうっとりするサーフロック・バンド、シュガー・レイの夏にピッタリのレイドチューン。

Run DMCだったり、Culture Club,The Crash,Men Without Hatsといったレジェンドの名前が出てくる。

海沿いの道路に車を停めて、夕日を眺めて、その車から流れてくる美しいロック達。

あの夏の情景というテーマで歌わせれば、シュガー・レイは多分歴代最強かもしれない。
あらゆる人のパーソナルな情景にもリンクする、鮮やかなソングライティングは圧巻。

 

9.SR-71 'Axl Rose'


SR-71 - Axl Rose

上のボウリング・フォー・スープの'1985'の原曲を作った、SR-71のナンバー。

'1985'でもそうだったけど、あの頃に強烈な想い出を残してきた、という郷愁的・懐古的なテーマが得意なバンドなのだ。

まさしくガンズ・アンド・ローゼスのアクセル・ローズがタイトルになっていて、80年代に黄金期を迎えていた歌の主人公が、”アクセルはどこへ行った?”と、取り残された現状を嘆き、そして強がる一曲。

The VinesThe White Stripesについていけない、というワードも出てくる。気付いたら僕もそんな事言ってるかもしれない。
そんなセンチメンタルさを絶妙に倍増させるメロディーワークが伝えていきたい一曲。

 

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10.椎名林檎 '丸の内サディスティック'


丸の内サディスティック - 椎名林檎(フル)

日本のロック界を震撼させた、シンガーソングライター椎名林檎という存在を、歴史に刻みつけた最強の1曲。

ベンジーことBLANKEY JET CITYのボーカル/ギター、浅井健一が登場する。

どこまでも赤裸々で容赦のないワードの飛ぶ椎名林檎的シティロック、その象徴となる’そしたらベンジー、あたしをグレッチでぶって’というワード。
どこまでも淫靡でリアルで、衝撃的でロック的な愛情が、色んな人の目を覚まさせた「誰か」の歴史を動かし続ける驚異的な一曲だと思う。

11.斉藤和義 '僕の見たビートルズはTVの中'


「僕の見たビートルズはTVの中」斉藤和義

日本の誇るシンガー・ソングライター、斉藤和義の古き良きレトロな名曲。

ビートルズの名前が、怠惰で冴えない生活の対比、TVの中という憧れの先で出て来る。

「おじさんは言う。あの頃は良かったな。解る気もするけど、タイムマシンはない」

多分死ぬまで後100回くらいは思いそうな事、ズバッと鮮やかに言ってくれるじゃないか。

胸を締め付けつつ、爽やかに感情を煽る、斉藤和義の声は日本のシンガーとして後世に残したい。

 

バンド名に単語以上の想いを込めて

きっと、恐れ多くて、リスペクトが強すぎて、そのバンド名を使えないって事もあるだろう。

まとめながらそんな事も思った。

ただ、ここに出てくるバンド達も、並々ならぬ思いをそれぞれ言葉と音にしている。

それが僕らの耳にも、さり気なく届いた時、こっちも並々ならぬ幸福感で満たされるのだ。

 

それではまた、別の記事で。

 

NIRVANA 'Incesticide'に想いを馳せるレビュー【ニルヴァーナ ディスクレビュー】

ニルヴァーナの問題作に想いを馳せる

Nirvanaが好きである。
Smells Like Teen SpiritもAbout A GirlもServe The ServantsもBlewもPollyもLithiumもAll Apologiesも。
 
洋楽のロックの道に入って誰もが序盤に見つける大きな分岐点にNirvanaはいると思う。 
鈍色の空の下いわゆるアメリカの一本道の途中に、あの有名なスマイリーのマークでようこそ!と看板がかかっていて、でもその裏側をめくると真っ黒で血を流したスマイリーがいてここは終着点と書かれていそうな、ブラックユーモアなイメージが沸く。
 
有史以降ロックの歴史を振り返ってみても5本の指に入るくらい重要なバンドだし、影響力・カリスマ性はボーカル・カートの死後20年以上経った今でも増す一方だ。
隙あらば、何回カート・コバーンの死の真相が暴かれた事か。
でもそんなゴシップを読む暇があるならこのアルバムを聞いてくれ。
 
Nirvana 'Incesticide'
 
Nirvanaを好きという事はもれなく心はカート・コバーンに囚われているに等しい。
心がざわめく程カリスマ的でアンタッチャブルでアンビバレントでピュアな存在。
初めて知って言い様のないスリリングな好感に襲われ、好きになっていく事に比例して怖いほど彼を理解出来ない。
華と毒が驚くほどナチュラルに同在して、その焦がす様なヒリヒリとした美しさがカートの魅力なのだと思うのだ。
 
このアルバムは所謂Bサイド集である。
だが、ただのシークレットトラック集ではない何かが潜む問題作でもある。
狂ったピュアネスとシニカルな悪戯心が渦巻く衝撃的な一枚。
今回はこのアルバムに想いを馳せる。
素敵な暇つぶしになれば幸い。
 

Nirvana 'Incesticide'

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カートが書いたおぞましく奇妙な絵がジャケットのこのアルバムは1992年リリースされた。インセスティサイドはカートの造語だ。
CDを売りたいレーベル側からすれば、天文学的な売れ方をしたネヴァーマインドの勢いのままに、次々と新作を出したい所だが、一向に動かないニルヴァーナに対し業を煮やして無理やり制作した未発表曲やシングルのBサイド曲やカバー曲のごちゃまぜのアルバム。
彼等がバンド人生で最も悩まされるセルアウト=売上を上げる方式で、これでもかけとけ、みたいな形で生み出された背景のある反骨的な一枚。
レーベルが恐ろしい程力を持っている時代、それがフラットな状態になる努力がされるきっかけはカートコバーンの死まで待つ事になる。
 

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こんな背景で詰め込まれた15曲、これがまた毒々しい
ライブでも演奏される人気曲もあるし、1st、2ndどちらのアルバムのエッセンスも感じ、Sonic YouthとかLed ZeppelinとかAerosmithとかカートが影響を受けたバンドも散りばめられた、Bサイドならではの多彩なベスト感は十二分にある。
誕生の経緯からしたら皮肉な事にむしろ飾り気なしに放り込まれてくる分、濃密な部分は従来よりも濃いし、ニルヴァーナの音から離れている部分ではより彼等のバックボーンが透けて見える様な、図らずしもファンにはたまらない魅力ある作品になっている。
それでもやはりNirvanaのディスコグラフィーで考えた時、最も異常な時期からこぼれたアルバムという事を、存分に意識させるアルバムでもある。
  
Hairspray Queenという曲がある。
 
 
クレイジーな程ユニークなベースラインから、一見メチャクチャでもカオティックに飛び散るギターが絡まり合って奇妙に映えるグランジサウンドになる。
そこに、カートの歌声?が重なる。
初めて聞いた時は、当然なんだこりゃってなるんだが、それと同時に少し怖くすら思う狂い方。
本当に狂っているのか、それともその振りなのか。
どちらとも考えられるし、どちらも正解なのかもしれないと、考え出すとグルグルこんがらがってくる。それすらもカートの思惑通りの様に。
このアルバムの為に作られた曲かどうかは諸説あるし、もしこれをデビュー前に作ってればそれはそれでもっとヤバい。
これは好きだとか嫌いだとか、理解の範疇を超えている曲だと思った。
ただカートらしいな、と素通りするには奇怪過ぎるし、じっくりこの曲の背景を考えても、せいぜいリリースを迫るレコード会社への腹いせか、身勝手な事を言う人々への想いが爆発したか位にしかならない。
 
ふと、自分が見えている色とその名前は、他人が見ている色とその名前と違うかもしれないっていう心理学の話を思い出した。
クオリアというらしいけど、自分が暖かい赤だと思ってる色が、他の人には青だと認識されているかもしれない。その人にとっては青は暖かい色になる。
全くの正反対だけど、この時カートの見えている世界もそうだったのかもしれないと考えてしまう。
この曲がNirvanaそのものではないが、その深層の一端が滲み出た音楽なのではないかというのは間違いはないと思う。
ひょっとしたらただふざけて作っただけなのかもしれないが、カートが見ていた世界を想像する。
それだけでまた彼らの魅力が深まっていくのが、すごくいいのだ。
 

Incesticide トラックレビュー

それでは気になるトラックレビューに入ります。
アングラ感はやはり強めで、パンク色の濃い曲が多い。
カートの敬愛するバンドのカヴァーやロックへの憧れが滲むトラックもあり、少しパーソナルな感触もあるアルバムだ。
 
 
トラックリスト
1.Dive
2.Silver
3.Stain
4.Been A Son
5.Turnaround(Devo cover)
6.Molly's Lips(The Vaselines cover)
7.Son Of A Gun(The Vaselines cover)
8.(New Wave) Polly
9.Beeswax
10.Downer
11.Mexican Seafood
12.Hairspray Queen
13.Aero Zeppelin
14.Big Long Now
15.Aneurysm
 

1.Dive


Nirvana ~ Dive (Lyrics)

 

気怠く重いグランジーなベースから、ノイズが漏れ広がる様な重いアンダーグラウンドなサウンドが、この妖しいアルバムの冒頭を飾るにはぴったり。

ライブでも度々演奏される準オリジナルなナンバーで、一曲目に持ってきたことからも彼らの記名性が高い事が伺える。

重く鈍い音に絡みつかれながら露悪的に叫ぶ重苦しい高揚感はNirvanaならではだ。

 

2.Been A Son

 


Nirvana - Been A Son (Live at Reading 1992)

爽やかですらあるアッパーなグランジロックナンバー。

一転して重みを取っ払って、ナチュラルにキャッチーに膨らむバンドサウンドは心地よく穏やか。

でもどこか空虚で、ライトな感触が逆にシニカルに響くNirvanaの切り口は重く画期的。

 

 

3.Turnaround(Devo cover)


Nirvana - Turnaround

アメリカのニューウェーヴバンド、デーヴォのカバーソング。

ニューウェーヴパンクっぽい混じりけのあるシンプルなラインの音に、ざらついたカートの声がアイコニックに映される。

どこかオートマティックな打ち込みの様な虚無性が中毒的な名カバー。

原曲はコチラ。


Devo - Turn Around

 

4.Son Of A Gun(The Vaselines cover)


Nirvana - Son Of A Gun

スコットランドのオルタナティブロックバンド、彼らが心から敬愛するヴァセリンズのカバー。

このカバーによりヴァセリンズの評価が高まるきっかけともなったらしい。

穏やかながら濃密な原曲の良さを、パンク的なアプローチで昇華した見事なカバー。

童謡の様にキャッチーで晴れやかなポップさが、広範囲に広がるグライムなサウンドに乗っかる、見通しのイイ良曲。

原曲はコチラ。


The Vaselines-Son Of a Gun

 

5.(New Wave) Polly


Nirvana - Polly (New Wave)

2nd'Nevermind'の傑作ミドルナンバー、Pollyのセルカバーバージョン。

より鮮明になった音の彩度は正にニューウェーヴの妙技。

もちろん名曲の良曲度はずば抜けているが奇妙な相性の良さを感じさせどこか心に残り続ける良い変換。

 

6.Aero Zeppelin


Nirvana - Aero Zeppelin

エアロスミスとレッドツェッペリンをもじった、不穏で粗暴な一曲。

妖しく暗闇を滑空するようなサウンドと、破壊的なドラミングにバラバラにされた様なギターメロディー、どこを切り取ってもダークな攻撃性に満ちてるエゲツなさ。

カートのボーカルの熱量も凄まじく、毒々しさの中に爽快さすらある。

ヘヴィなスモッグの様な重いサウンドの奥に、憧れのバンドへの羨望や疑問、自己嫌悪とか怒りが渦巻いている激しいエモーショナルの濃縮された一曲。

 

7.Aneurysm


Nirvana - Aneurysm (Live at Reading 1992)

スメルズのシングルのB面曲だった隠れた名曲。

ライブでもよく演奏する変幻自在のグランジナンバー。

轟くような音から、アクセルを加減しながら緩急をつけて襲ってくる、ささくれ立ったギザギザの音の塊に圧倒される快感。

コーラスの不穏さも、暗く重いメロディーも、轟音のサウンドも、カートの雄叫びも、最後の曲にしてニルヴァーナらしい一曲。

Beat Me Outta Meの連発はバカ格好いい。

 

 

ニルヴァーナらしいBサイド集

以上いかがでしたでしょうか?

好きだけど簡単には理解出来ない、究極的に厄介な魅力をもつニルヴァーナを、さらにごった煮にして詰め合わせにしたインセスティサイド。

辻褄を合わせる様に有るものを詰め込んで作られたこのアルバムは、だからこそナチュラルにルーツを感じられたり、ロックへの憧憬を感じられたり、異端な狂気を感じられたりする、逆にニルヴァーナらしいものになった。

是非知らない方・敬遠していた人も聞いてみて欲しい。

 

本日はここまで。

それではまた別の記事で。

 

Incesticide

Incesticide

  • ニルヴァーナ
  • ロック
  • ¥1700

もう見れないバンド達に、想いを馳せて

もう見る事の出来ないバンド達の音楽を聴いた時に思う事

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もうこの目で見ることが出来ないバンド達にふと思いを馳せる瞬間がある。
 
定義は曖昧だが1980年代後半生まれでオルタナロック好きの僕にとってはNirvanaだったりOasisだったりNo Use For A Nameだったり。
ビートルズやエルビスだってジミヘンもそれはそうなんだが、少しでも同じ時代を過ごしてきた彼らの曲を聴いてこれをもう目の前で見れる事は難しい・又は絶対に不可能と急に感傷のエアポケットに入ることがあって、聴いていて不意に色が消えたモノクロ映画を見ている様な感覚が沸き上がってくるのがわかる。
まるで30年後の世界で同じ曲を聴いているかの様に感じるのだ。
 
自分でも思うのだが、音楽ファンというものは凄いもので、自ら自分たちの信じるモノを探し、その自分達が信じた音楽に情熱を持ち心底愛して、自分の足で見に行ってそれを信じ続けることができる。
それ故に、その信じるモノがもう傍にいないとわかった時、決して簡単には処理できない哀情がそこに浮かぶのだ。
 
だからって聞かなくなるわけではないし、そうなんだですますこともできない。
 
割り切ることが出来ない、少しだけ究極に厄介なその感情についてふと考えた時に、ふわふわとした気持ちの中に何かしらの答えを探す事も一つの意義と感じた。
そんな文章。素敵な暇つぶしになれば幸いです。
 

時が止まったバンド達

歩みを止めたバンド達にも様々な理由があるし、それによってはこのモノクロームな感情にも差がある。

本人達にとってはベストなタイミングで歩みを止める決断をする、或いは不幸で悲劇的な事故によって前へ進む事が出来なくなる事もある。
影響力のあるメンバーの脱退によってオリジナルなメンバーでなくなる事も一つのケースかもしれない。
いずれにせよ解散のタイミング、理由、復活の可能性、それら全てがファンの心情にダイレクトに影響するのだと思う。
 
僕にとってその感情の始まりはNirvanaだった。

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1990年代に少年時代を過ごした僕にとっ て、心底好きになって良さを理解した頃にはカート・コバーンはこの世にいなかった。
逆にNirvanaの良さを知ったからこそカートの死が持つ意味に気付いたとも言える。
その事実に直面し意味を理解した時が、この想いの始まりだった。
その頃は追い求める様にNirvanaばっかり聴いていたし、多少この感情が紐解かれた今でも'Polly'なんかを聴くと、しっとりと自分のぽっかりとした感情の隙間にカートの声が溶け合う様で少し悲しいのだ。

 


Nirvana - Polly (Live at Reading 1992)

 

ニルヴァーナで言えば、僕がリスナーとして彼らを認識・理解できる頃にはもうカートはいなくて、時代が近かった・その音楽性の温度故にその熱量を感じられるからこその寂しさという思いでもあった。

ただ世代的にもタイムリーにそのバンドを聴いていて急にそのバンドを失った時の喪失感はまた、途方も無いものだった。

特に最も悲劇的な死という別れはどうしてもロックバンドから無くなる事はなく、そして喪失感とともに’完全にバンドが終わる’という絶望感もついて回る。

2009年に志村正彦を失ったフジファブリックやチェスターを失ったLinkin Parkは僕らの時代の音と言っても過言では無かったし、クリス・コーネルは僕にとって最も偉大なシンガーの1人だった。

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僕にとって、このケースで最も象徴的だったのはボーカル、トニー・スライの逝去によって時を止めたNo Use For A Nameだった。

 

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No Use For A Name - Dumb Reminders (Official Video)

パンクバンドのフロントマンそしてソングライターとして、その繊細なポップセンスと心を掴むことの出来る美声は、稀有でありながらストリートパンクのド真ん中で鳴り得た奇蹟のバンド。

本当に文字通りパンクファンの誰からも愛された男の死は、大きな大きな出来事だった。

ついぞ僕は一回もライブを見ることは出来なかったし、もともと稀有で特別だった彼の声は更に特別で尊いものとして聞こえる様になった。

それでも彼を慕うパンクバンド達からトニーへ贈る大きな大きな献杯の輪は、もう見ることが出来ないバンドへの想いの馳せ方として1つの形として心に残った。

 

I'm so Sorry Tony

I'm so Sorry Tony

  • NOFX
  • パンク
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes
数多くのカバー、そしてトニーへ捧げるソングライティング。彼の人間性が世界に花開いていく様だった。
ノーユースも所属していたレコード会社FAT WRECKの2015年に行ったのフェスでは、ハイスタやラグワゴン、NoFXなど名だたるパンクバンドがフェスの最後、ステージ上に集合しバンドもバラバラに組直し彼らの楽曲をカバーした。
会場もステージ上も哀しさや寂しさもひっくるめて、爆音でファストに音を鳴らす。
抜群の曲の良さを再確認すると共に、このステージ上の様な光景を繋いでいく事こそが大切で、残されたリスナーとしての使命なのかもしれないとすら思った強烈な熱量だったのだ。
 

もう見れない、という思い

見る事が出来ないという事は、細分化すれば色んなケースが考えられる。

バンドメンバーの死では無くとも、活動休止や解散は付き物だし、もっともっと細かく言えばメジャー的な言葉で言う全盛期を過ぎたとか、拘った人ならばこの瞬間のこの曲の彼らこそ彼らで、音楽性を変えてしまってはもう見る事が出来ないと言っても良いのかもしれない。

 

例えば2008年Oasisの解散はロックシーンで事件になるような事だったし、近年の日本のロックシーンで言えばHi-STANDARDやELLEGARDENもシーンを揺るがすものだった。

結果的に、だがハイスタもエルレもシーンに戻ってきてくれた。

Hi-STANDARDに関してはNirvanaと同じく世代はズレていたが、1987年生まれの僕らの青春時代でも絶対的な教科書として存在していたし、逆にその復活の2011年のライブに居合わせたことは、僕もハイスタ世代だ!と声を挙げられる喜びとその権利を手にしたような熱を感じることの出来る人生でも最高の瞬間だった。

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復活時の熱量は途轍もなく大きいもの、それをライブの場で感じられた事は僕にとっても幸運だった。

たしかにサマソニで少しだけ見たピストルズはおじいちゃんがパジャマ着てる踊ってるみたいだったし(それはそれでパンク!)、後ろ指を刺される様な再結成も少なくはない。

それでも僕らリスナーが待ってしまうのは、これだよこれこれ!と膝頭を打ち、当時のエネルギーを瞬間着火し爆発させる事が出来るのは、彼らだけかもしれないという想いで彼らを聞き繋いでいるからかもしれない。

 

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Oasisであれば兄弟仲は冷え切る一方でも、ノエル・リアムともにそれぞれのバンドのライブで頻繁にOasisの楽曲を披露。

その魅力は確実に永劫性を持ち出しているし、永遠に聞かれるだろうロックの名曲を目の当たりにした事の凄みは途方もなくロマンチックだった。

絶対に再結成を望む、という機運ではない。

それでも彼らが再び同じステージに立った絵を想像するだけで身震いは止まらない。

そうやって静かに想いを馳せる事がリスナーの流儀的にも良い気がしているのだ。

 

Oasisほどの世界を制したバンドでなくとも、今となっては聴くことが出来ないバンド、というくくりであれば沢山のバンドが僕の心の中では鳴っている。

あの時、あの頃、現役バリバリで鳴っていたバンド。

それを自分だけの秘密めいたものにしたいという気持ち、それと同じくらいこんだけ格好いいんだぜと分かってもらいたい気持ちもある。

寂しい気持ちもあるが、どこかここまで聴き続けた事に対する愛着は計り知れない。

 

人は30歳を超えると新しい音楽を探さなくなるという。

全くまるでそんな事もないけど、もし僕らの心に絶対量があるのなら、忘れられないバンドはたくさんあるって事なのだ。

もう聞けないって事も、何処かノスタルジックなエッセンスにして聴き続ける事も1つの想いでもあるのだ。

 

感情の置き所

もう見ることが出来ず、時が止まったバンドは悲しい。

だがそれでも尊いものに出来るだけのカルチャー性もあるのがロックだ。

一番悲しむべきことは忘れられてしまう事だ。

ここまで僕は聴き続けてるんだぜ。

時間が止まった事で、まだ聞いた事のない人達の中で忘れ去られるのではないし、それこそファンとしては悲しい。 
 
そもそも音楽というものへの評価だったり愛だったりというものは、全ての人にとって普遍ではない。ある人には宝物である人にはゴミ。それでいいのだ。
一つのバンドの停止による、その心情も人によって、或いはそのファンの中でもバラバラであると思う。しかし大小あっても、僕が冒頭で触れたモノクロームな心情は音楽を愛する人の共通の心情なのだと感じるのだ。
 
だからこそ、このモノクロームな感情ごと繋げていってもいいのだと思う。
その音楽について考えて、結局やっぱりいいなに戻ってくる再解釈を経て、噛み砕いて語り継ぐ事で自分の中で揺るぎないものになる。
時には、寂しさにホロリと涙してもいいと思う、そのバンドが大好きなら必ずその後に笑えるはず。
そんな瞬間こそ、音楽ファン冥利につきる時だと思うのだ。
 
それではまた別の記事で。
 
 

Weezerと真っ青なスタンスミス【1987年生まれロック好きがウィーザーに想いを馳せるコラム】

心のフェイバリットバンドWeezerに想いを馳せる長編コラム

お気に入りの’何か’が出来ると、しばらくそれだけしかいらなくて、それが手元にあるってだけで身体も心も軽くなる事ってありませんか?

その’何か’が、ちょっと世間の流行りとかメインストリームからズレていても、めちゃめちゃ好きなら気にしない方だ僕は。

'I Don't Care 'bout That'なのだ。

 

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2年くらい前、Weezerのブルーアルバムに似た真っ青のスタンスミスを一目惚れで買った。
もう凄く青。超かっこいい。過去も未来も引っくるめて人生ベスト10に入るお買い物。
嬉しすぎて手に入れて以降、雨にも風にもマケズ毎日履き続けた。
白と緑のいわゆるザ・スタンスミスを街で目にする度、俺のスニーカーの方が100倍かっけぇ、と思いながら歩けてたほど凄く馴染んだお気に入り。
きっと読んで頂いている皆様にもあるだろう’僕の私の好きなモノ’をバキッと具現化していた、王道とはちょっと変わった青いスタンスミス。
リバース・クォモの学生時代の韓国人の彼女と、僕のスタンスミス、どこまでシンクロしてるもんかはわからないが、この青色がラッキーな感じに映えたのも、Weezerのおかげなのだ

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ずっとWeezerを胸に生きたいと、そう決めた。

たとえばフェイバリットバンドを10個言えって言われれば、その時々でいくつかは変わるだろう。
でもこのバンドの名前だけは必ず言うはず。ずっときっと1番に。

スタンスミスと同じ青色のアルバムを手に入れて以降、浮世絵、緑、スケバン、赤、海外ドラマ、白を経て白昼夢、黒と僕のCDラックには彼らのWが常に上に並んでいる。
数あるフェイバリットなバンドの中でも、Weezerは僕の音楽生活の中心に常にいて、それにはそれだけのたくさんの理由があるのだ。
 
ジョナスっていうの、この人?
から始まった僕の中でのWeezerストーリーは、カッコいいけどちょっと頼りなく、逆に堰を切ったように感情豊かになるロックサウンドは聞いた事ありそうで無かったし、それまで届かなかった心の本当の弱い所ににいつしか届いてた気がした。
Weezerと青いスタンスミス。
俺こそファッションスターだと言うつもりはないんだ、けどどちらも少し違った何かを持ちたいという僕の心を掴んで絶対に離さなかったのだ。
ずっと好きだったんだぜ。
今、満を持してWeezerに想いを馳せるコラム。素敵な暇つぶしになれば幸いです。
 
 

フェイバリットバンド Weezerの立ち位置

そこはかとなくナードで、僕らの心の近くで鳴るバンド

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Weezerとは1992年にアメリカ・ロサンゼルスで結成されたオルタナティヴ・ロックバンドである。
ガンズ・アンド・ローゼズに憧れてロスに出てきた田舎のロック青年リバース・クォモから始まったストーリーである。
ポップな歌声とロックギターを愛す控えめな音楽オタク気質の男の子、その性格もあってクラスの人気者にも誰も近寄らないアウトローにもならなかった、誤解を恐れずに言うならば”普通”の音楽好きなちょっとナードな少年。
グラミー賞も受賞しアーティスト的な実績は十分で90sレジェンドバンドの中でもヘッドライナークラスの超人気バンドだが、彼のガレージに貼られてたKISSの様なロックスターになれたのかと言われると、そういう存在で僕らファンの中にはいないと言えるかもしれない。
そのストーリーはフラフラでも真っ直ぐな感性に導かれたものだったからこそ、憧れのバンド達と同じ様にWeezerの歌が聞かれるようになった。
彼らが音楽的な天才だった事に異論はないが、それ以上にそういう見た目とか性格とか普通で身近というインパクトも凄く、普段通りのオルタナティブなというどこかユニークな立ち位置のバンドとして存在していると言っても良いのだと思う。
 
1994年、スタンスミスと同色のセルフタイトルアルバム'Weezer (Blue Album)'でデビューすると、いきなりのスマッシュヒットをかっ飛ばした。
彼がガレージで鳴らした音は、全米から全世界に広がり90年代のオルタナティブロックムーブメントの一角を担い、パワーポップバンドのパイオニアとして名を馳せる。
アジア人の彼女を馬鹿にされた事に弱気にも高らかに’なんて言われても気にしないのさ’とギターと踊り歌う、彼らの中で普遍的なアンセムとなった'Buddy Holly'はあのMicrosoft95の付録にPVの入ったCDが付けられたという。
 
”エモーショナルなグッドメロディーとハードなサウンドで晴れやかに憂鬱を歌い上げる。”
何ともエモい方法論で、そのポップ/ロックセンスを花開かせたWeezerだが、どうにも気弱且つ変人なイメージが若干先行している感じもある。
 
1stの’ブルーアルバム’に'No One Alse'という歌。
’僕以外に笑いかけない女の子が欲しい’そう気弱なリビドーを、晴れやかにグッドメロディー&ヘヴィーなサウンドに乗せ呟いた大好きな一曲。
そうかと思えば2ndアルバム’ピンカートン’の最初の一曲のガレージでフリーキーな'Tired Of Sex'’もうSEXには疲れたよ’と成功後のモテっぷりを実名出してひけらかす赤裸々っぷりを見せる。
 
 
モテんだかモテないんだかの振れ幅への戸惑いに目を奪われるかもしれないが、きっとどっちも本質は変わらない。
そこはかとなくナードで言い方はちょっぴり変だがすげぇ分かる。
僕らが隠していた、出さないほうが格好いいと思っていた事を出しちまう。
その音はあっさりと琴線まで達して、死ぬほど格好いい。
これがWeezerがどのバンドよりもオルタナティブでキャッチーな理由なのだ。
 
奇作とまでは行かないが時にナイーブになり過ぎてトリッキーが過ぎる作品や行動にハラハラしたり、メンバー脱退などによる停滞期・リバース大学行くってよの小休止があったり、まるでそうやって注目を集めているかの様に、いつのまにか気づけばマイペースに進んできた。
色々あって忘れた頃に、やあ、ともじもじ輪に加わろうとするそんなイメージは、中期の彼らがアルバムを出す度に浮かんできたし、そのフラフラさもどうやら僕らに最も共鳴する部分だったのだ。
筋骨隆々のゴリゴリのハードロッカー、今にもキレそうな目をしたパンクロッカー、歌って踊れるエンターテイナー、その誰もが持っていなかった凄くチャーミングな部分
アーティストの行動パターンを読もうにも読めないオルタナティブな存在も含め、それが彼らの本質的な部分として、ずっと彼らの歌の中やバンドのハンドリングに宿っていたからこそ、心のバンドと成り得たのだと今思う。
 
 

ELLEGARDEN 'Cuomo' 負け犬じゃない 全ての弱虫の為のバラッド

Cuomo

Cuomo

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes
電撃ロック感を纏いながらもナイーブでセンチメンタルなムードたっぷりで、時に泣き虫ロックと冠されてきた彼らのロックサウンドは、弱虫で変な奴が書いたロックと評される表裏もあった。
個人的には泣き虫ロックという言葉は言い得て妙だと思うが、それはポジティブな意味で捉えた時であって、悪質な感触もあるのも事実だ。
そこで僕のWeezer好きを加速させた大きな要因の1つに、これまた心のバンドELLEGARDENの'Cuomo'って曲があった。
ボーカルでありソングライターの細美武士が自らの敬愛するリバース・クォモへ贈ったショートトラックだ。
 
’弱虫なんかじゃない。負け犬の音楽じゃない。ステキな願いさ、王道なんかないって事をあなたは教えてくれた’
Weezerを心のフェイバリットバンドとし、マニアの域まで好きだってラジオやライブで散々言ってた細美が語り歌う一曲は、他の誰に言われるよりもWeezerの魅力とは、を端的に表していたし説得力が段違いだった。
彼らが弱い部分をロックに乗せて歌ったことが、全ての弱虫達の心を動かし共感と勇気をくれたからこその涙なのだ。
 
 
劣情もリビドーも陰も憂鬱も惜しみなくさらけ出す、その赤裸々さは心がざわめく程にエモーショナル。
等身大というかありのままに心底のナイーブな部分を作品にしたからこそ、一端だけ切り取って弱虫だと言えないある種の勇気がそこにはあるのだと思う。
普通なら隠し持つ、なかなか打ち明けられない所を’言う’という勇気は、ロックの本質に触れる大切な部分。
だからこそそれにさえ気付けば、心の凄く近くで鳴るのだ。
 
どこか泣き虫ロックという言葉にフィルターがかかってちゃ見えない部分で、リリックにもサウンドにもリバースらしい捉え方と表現の感性が、ヘンテコではなく洒落たユーモアとなって滲み出てフリーキーなオルタナ感に繋がっているセンスが素晴らしい。
決してナードなのがマイナスではない、違うだけでむしろイケてんじゃん。
それを最初に肯定してくれたのがリバースだったのは、僕らの中での第一人者・細美武士が言うんだから間違いないのである。
弱い自分の生き様を全て呑み込んだ表現者として、今やWeezerは凄みある存在にすらなったのだ。

Heart Songs ちょっと頼りない、僕らの聖書

だいぶ前になるけど、Red Albumが出たくらいの頃。
胸の辺りにWeezerとだけ書いてある、バンドTシャツを着て街を歩いていたら、同い年くらいの外国の男の人に「oh! Weezer?」とすれ違い様に声を掛けられた。
「yes!yes!」みたいになって、そのままバンドの話に。
Weezerの話はもちろん、Oasisは好きか?とかNew Found Gloryもいいよね。とか、お互い拙い日本語と英語で数分喋っていたんだが、段々と相手の背景が見えてきた。
どうやら日本に布教活動に来た宗教関係の方みたいだ。
友達がいるからって言って、日本人の関係者ぽい方が2人くらい増えて、聖書みたいなのを出して、これを買うといいみたいな話が出だした。
ので、もう行かなきゃみたいな雰囲気を出しつつ、
「Sorry. My bible is Weezer.」
と言って別れてきた。
外国人の方は笑って「俺もそうさ」みたいなジェスチャーをして僕を送り出してくれた。
日本人関係者はポカン顔だったが、 アメリカ人の彼とは友達になれた気がした一幕だった。
そういや、なんかあいつも気弱そうだったな。
 
 
この渾身の一言から思ったがそうなのだ聖書なのだ。ふと彼らに寄り添いたくなる回数が実に多いことに気付く。
その時は履いてなかったけど、くじけそうな時、下を向いた時に目に鮮やかな青色のスタンスミスがあった様に、胸のWeezerのロゴがあるだけで心強いのだ。
あらゆる場面で聞いてきた。雨にも風にも負けないタメに。
 
聖書はどんな時でも誰にも開けないといけないのだ。そして素敵な物語な必要がある。
だからこそ、Weezerは彼らに似た人種の人々だけでなく、幅広い人々の心を壁を溶かし一体にすることが出来るのだ。
 
Red Albumに'Heart Songs'という曲がある。
穏やかなメロディーにぽつりぽつりと語りかけるようなボーカルで、彼に心の歌として残る影響を受けたバンドやアーティストを振り返っていくストーリーテリング的な名曲。
フォークシンガー、ゴードン・ライトフットから始まり、アバスプリングスティーン
アイアン・メイデンスレイヤープリンスマイケル・ジャクソン
そしてWeezer結成の大きな引き金となったニルヴァーナまで。
心の奥底にある彼のCDラックを眺めながら、本当に飾り気なしに’あぁ、これもね!’って話しかけてくるようで大好きな一曲。
 
このハートソング的な暖かさと慈しみこそWeezerが素敵である理由になるのだ。
まずフラフラでも真っ直ぐに鳴るパワーポップサウンドの中に、そんな音楽的な断片を合わせ混ぜて、ちょっと変わった見方で捉えるセンスが音楽的芳醇さに繋がっている。
ロックバンドでありながら、誰の心にも響く恒久的な慈しみ、それを持てるバンドは少ない。
だからこそきっと、あらゆる場面で寄り添いやすい幅広さにもなる。
本当に彼らのライブはあらゆるジャンルの人が来る。
国も違えば年も全然バラバラにWeezerロックを聞きに来る。
サマソニのWeezerのステージでビジョンに映し出されはにかむ初老の夫婦の姿は、僕らリスナーのありたい姿として一生忘れない素敵な光景だった。
 
オルタナティブでポップでありながら音の中に自身の姿を重ねて心の歌になり得るというビートルズ的な道に彼らの歌もあるんだろう。
僕が歌い続ける歌はこれなんだ、そして今ボクの歌が誰かの心の歌になった。
そんな喜びを誰でも共有可能なポップセンスを通し歌声とメロディーと共に感じられる。
そういうピュアでキュートな純真さが、ナイーブでねじれてるオルタナ性の前提・根本に見え隠れしているのが絶対的唯一な信頼感にすら繋がるのだ。
 

Weezerサウンドのマジック

パイオニアにはマジックがあるものだ。
本質の部分から溢れ出す赤裸々で開放的なWeezerらしさを象徴とし、この音楽的魔法によってロックのツボを掌握し感動の電流を流すことが出来る。
 
パワーポップの基礎はヘヴィーなハードロック的な音で、ポップのように穏やかに美しいメロディーラインで演奏するということ。
Weezerが創り上げたのは壊れやすい程美しいメロディー、それをハードな音で守ったパワーポップサウンドだ。
キャッチーで聴きやすく穏やかな程にポップでも、マニアックなロックンロール感はどの場面でもザラつき気味に感触を残す。
その感触がメッセージの中の赤裸々でナイーブな部分と共鳴してより妖しく秘密めいた僕らだけのバンドな感じにも繋がる。
 
Drパトリック・ウィルソンの味わい深く優しいリズム作り、Weezerきっての肉体派スコット・シュライナーのツボを抑えたベース。
気づけば世界に取り込まれている様なベースライン、そして穏やかな音の要であるギター(時にピアノ)のブライアン・ベルの存在も欠かせない。
そして自らギターソロを弾き、曲を書き歌うキュートに捻れたオルタナティブフロントマン、リバース・クォモ。
彼らが織りなす分厚く幅広い演奏でパワーでポップという安定感があるからこそ、それとは裏腹に時折急に泣き出すようなエモいカケラに溢れるサウンドデザインが変則的に自由を得るのだ。
逆にエモーショナルに委ねてフラつきながら、グッドメロディーとハードなサウンドでド正面から跳ね上がれる瞬間が散りばめられている。
この切なさと心強さこそWeezerのマジックなのだ。
 
1stのブルーアルバムで一発でWeezerアンセムとわかるそういう必殺技を確立させたからこそ、数々の幅広いサウンドデザインに変化・発展しても様々な感想を回収しつつ彼らならではの魅力をどこまでも深掘り出来る様な曲ばかり。
それこそジョナスから想像出来ないものまで発展したし、トリッキーで大胆に切り口を変えつつも、しっかりWeezerの世界観の中で着地できる完成度を誇るのは、きっと彼らの音楽的な豊潤さにもつながってくるんだろう。
ふっきれた様なポップ性に狂った様に踊りたくなり、稲妻のようなギターに快楽を求め、浮遊感漂うドリーミーな世界に没頭できて、ふとした文学性から驚くほど劣情的な歌詞に共感し、抗い難い程の優しさと憂いに満ちたメロディーに涙する。
捻れた想いがユニークで美しい音と誰にもできないバランスで一体になって素敵なものになっていくのだ。
普遍的でユニークなロックサウンドはどこまでも豊かで深い。
永遠にWeezerを聴くって僕が方方に言い放っているのは決して冗談なだけではなく、そこに圧倒的な自信を持っているからなのだ。

世界は僕を残して回っても 僕はWeezerを聴く

また細美武士の話になるけど、彼が全てが嫌になって逃げ出して釣りばっか行ってた時、車の後部座席に乗ってたのはThrid Eye Blindの1stとWeezerのブルーアルバムだけだったらしい。
もし世界が明日滅びるなら、何を聴くかって言われればWeezerなのかもしれない。
それが決して大それた決断じゃなく、とてもナチュラルにオルタナティヴに僕らの心のそばにあるって事。
そういうプレゼンスこそWeezerの本質であり、フェイバリットな理由なのかもしれない。
もう履きつぶしてしまった青いスタンスミス。なんか捨てられないよねこういうの。
もし明日世界が終わるなら、これを履いてWeezerを聞いて外に出れば、意外と悪くない。
そう思いさえする。
きっと大げさな勘違いじゃない。
僕にとってWeezerはそんなバンドなのだ。
 

ELLEGARDEN 'Don't Trust Anyone But Us'に想いを馳せる【無人島に持っていくならこのCDアルバム-その4】

無人島に持っていくならどのアルバム?第4弾!

2019.11.19 リライト

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無人島に持っていくアルバムシリーズ4

音楽友達と良く酒飲みながら話すネタ、無人島に持っていくならどのアルバムを持っていく?という話題。

例えばそこにはサブスクリプションも存在しないとしたら。

誰もが認める歴史的名盤を持っていくのも正解だけど、何か人に言って「おっ」と思わせるアルバムが良い。

無人島でもそういうヤツで居たいのだ。

おもしろかったので記事にしました。のその4

 

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今回はELLEGARDENの1stフルアルバム'Don't Trust Anyone But Us'をレビューします。

身近なラフさを思い切り感じられる爽快感、陽性で乾いた良質オルタナティヴロックが、ハイセンスでハイエナジーで叩きつけられた最初の1枚。

初期のエルレのイノセントな正義感は、どの1枚も上回れないと今でも思う。

あの時のあふれるエヴァーグリーンの魅力がつまった「俺はこういう音楽を聞きたくてここまで生きてきた」な稲妻は、生涯忘れることは出来ない。

無人島に行く時に、いつまでもこの1枚を最初にバッグに入れたい。

本日はELLEGARDEN 'Don't Trust Anyone But Us'に想いを馳せる。

素敵な暇つぶしになれば幸い。

以前まとめたELLEの曲30曲を振り返った記事はコチラ! !

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前回までのシリーズはコチラ!!

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突如耳に蘇る色褪せない悠久の音楽

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一年に何回か急にELLEGARDENを聴き込みたくなる。

the Hiatusでも、MONOEYESでもなく、WeezerでもGreen DayでもYellowcardでもNew Found Gloryでもなくエルレを聴きたい、そんな衝動があって、それは僕の中で地球上の僕の知っているどのバンドよりも大きいものだ。

自分の世代の中心で鳴り、当時からきっと一生このバンドは心の真ん中にいるんだろうって確信。

1987年生まれの僕にとってそれはELLEGARDENというバンドだったし、四季折々とかメンタルのコンディションとかで色々聴きたい曲も変わってくるが、そういう時に急に耳に蘇るメロディーは、概ねこのアルバムの音だった

 

2002年4月発売されたインディーレーベルからの彼ら最初のフルアルバム。

1999年に結成されたエルレガーデンは、自主製作のアルバムと、ミニアルバム・シングルを経て2002年このアルバムを発表した。

その後も行き急ぐかのように曲を作り続け、ライブバンドとして強靭なプライドを行動に移し、時代のロックヒーローとなった彼らの最初のアルバム

耳の早いわけではなかった僕は発売当初から聴いていたわけではなかった。

それでも今耳に残るこの一枚は、レトロ感を吹き飛ばし、全く色褪せずにタイムレスに輝く類の1枚だった。

1stらしいラフさとクリアなサウンドがせめぎ合うエルレらしさが濃縮された今やヴィンテージな魅力。

もちろん少し復活してくれた2019年の今、ライブでも主力の曲も多い彼らの中でも定番のアルバムではある。

ただ大きく主張したいのは、初期衝動でありつつも、アルバム通して持っているオルタナティヴな雰囲気は確実に新しい景色を運んできたアルバムで、その時点でエルレの原点としての音楽性が確立されている完成度という事を言いたいのである。

その音楽 凄まじく細美の声が映えるオルタナギターサウンド

Spotify

 

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後にも先にも彼らくらいだった。

今まで聞いたことが無くて、ここまで今でも自分の中で聴ける音の輝きを保ち続けている。

きっと僕が喉から手が出るほど憧れて欲しかったものがこの1stアルバムに詰まっていたのだ。

ポップに染まり切らずロックという表現行為の一端を成し、尚且つ永遠の青さを持ったオルタナティブなメロディー

アルバムの随所に感じるどれを取ってもストレートでキャッチーながら、ロック的に心臓を掴まれる貫通力を持った衝動的なメロディックサウンド。

カリフォルニアの風通しの良さ、日本詩の素朴さ、ミドルチューンの艶やかさ、その全て断トツの聴きやすさでも、仰け反る様なエネルギッシュさを持っていた。

 

中性的で流麗な発音を持ち且つパワフルでもあるアイコニックな細美の声はバンドサウンドの中央に位置して、自然に共振しオルタナティヴに変化して聞こえてくる。

断トツにクリアで聞きやすい英詞、暖かい日本詞どちらにおいても甘美さと力強さをもった声は、いつの間にか心を囚われる魅力に溢れているし彼のカリスマ性の一端を担っているのはこの頃から明らかだった。

歌以外の部分では言いたい事を言ってくれるパンクなスタンス、それと上手くコントラストとなる部分絶妙なナイーブ感も親近感をより身近で感じさせてくれる。

ギターロックとパワーポップ、そしてパンク的な要素が混在したサウンドもストレートな造りながらただ疾走するだけでない高次なロック性もあった

メロコア的なビートもあれば、それだけで価値のあるギター中心のバンドの音色みたいなものが、エルレガーデンの中心であったことはその後から見ても明らかだった。

 

その後、バンドが大きくなっても、その核になる部分には、ラフで青いこの頃の想いを添えていた、そう思わせる初期衝動的なルーツであり、ある部分では完成されていた彼らのサウンドのスタイリッシュなパワーを感じる一枚が、このアルバムなのだ。

 

全曲ソングレビュー

DON’T TRUST ANYONE BUT US

DON’T TRUST ANYONE BUT US

 
1.My Favorite Song
My Favorite Song

My Favorite Song

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

少しくもり空のオルタナティブなグルーヴ感と跳ね回るザラついたギターサウンド融合は明快なエルレのサウンドプロダクト。

そのセピア色の最中でも吹き抜けるような爽快感、この絶妙なバランスの風合いがこのアルバムを彩る。

クールかつ痛快な細美の声の後ろで自由に駆け回るギターサウンドが、ぶつかり合わず一体感を持って包むような感触こそ、完成度を物語る心に残るオープナー。

自分の好きな事、という彼らがどこまでも追い求めるテーマはエルレ版サウンド・オブ・ミュージックの始まりに相応しかった。

2.サンタクロース
サンタクロース

サンタクロース

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

今や幻の初期の名ラブソング。

雪の夜の光景が目に浮かぶような、美しい寓話的なロマンチックさとエモーショナルに満ちた手一杯の歌詞。

ちょっと照れくさい様が、彼らを紐解く上で重要な一曲だし、ここまで甘いストレートなメッセージは超貴重な一面でもある。

 

3.Can You Feel Like I Do
Can You Feel Like I Do

Can You Feel Like I Do

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

必殺のミドルチューンの中でも彼ら屈指の一曲。後期までライブで良く歌われた。

暗い空高く舞い上がる憂いのギターが美しく荘厳で、シンボリックな優しい音は大きな時計塔の鐘みたいに耳を惹く。

切ない郷愁が滲み出るギターロックバラードはシンプルな構成ながら没入感が凄い。

この洋楽的な魅力も初期の彼らの良さでもある。

 

4.Bare Foot
Bare Foot

Bare Foot

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

彼らの1stシングル。

カリフォルニアにでもいるかの様な、陽性の柔らかい風合い。

キャッチーな音の裏に、確実に型破りな個性をはらんでいる事を伺わせる、ダイナミックなスケール。

こんな曲有ればいいなと、自分が描いていた世界が鮮やかに描き出される、衝撃的な一曲だった。

 

5.指輪
指輪

指輪

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

実は2ndシングル。

日本詞の美しいバラード。ここまでの直球のバラードはサンタクロースと並び今となっては珍しい。

とてもパーソナルな歌詞の描く光景に胸が暖かくなる。

’包み紙がちょっとちゃっちいんだよね’は好き。

6.月
月

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

オルタナティブなムードの日本詞のパワーポップ。

独特な言い回しが次第にバンドサウンドに押されていく、モノアイズやハイエイタスにも通ずる展開。

オーソドックスながらなんの変哲もない曲にならない、少しひねくれたオルタナティヴな魅力。
それはこの頃から変わらない。

 

7.45


Ellegarden - 45 (with lyrics)

45

45

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

個人的にこのアルバムではこの曲を思い出すキラーチューン。

鳴り響く場所を全て高原の様な爽快さで満たせる半面、早回しのアメリカの街角の映像を見ている様な詩世界。

学校のチャイムの様なギターリフから走り出して、コンパクトにライトに歌心が冴えるキャッチーな聴き心地。

クリーンなトーンとエッジーなグッドメロディーのコントラストは、ストレートながら最上級のニュートラルさ。

 

8.風の日
風の日

風の日

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

彼らの代表曲にも数えられる日本語詞の名曲。

リフもサウンドもメロディーも総力戦のこれぞというエルレのギターロック。

渦巻く旋風が晴れやかに霧散するような展開、少しゴリゴリ進む力強さと本来のメロディーの良さが眩しく広がるのだ。

後味の笑顔は保証されてる揺るがない彼らのキラーチューンである。

 

9.Middle Of Nowhere
Middle of Nowhere

Middle of Nowhere

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

メロウでダークなロックバラードの鉄板曲。これもいつまでもライブの定番だった。

曲も声も、暗闇でもがくような、光を渇望するシナリオが容易に浮かぶ、陶酔感のあるトリッピーなサウンド。

どこまでも陰に入るからこそエモーショナルになる叫びがノイジーで美しく広がる。

 

10.Lonesome
Lonesome

Lonesome

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

アコースティックが煌めくセンチメンタルなキラーチューン。

グルーヴィーなリフレインに、サビで訪れる跳ね上がるアンセム的瞬間がスムーズに入れ替わる。

ギター一本だとしてもエモーショナルで美しいメロディーを、何倍も表情豊かにするバンド・サウンドが眩しい。

 

11.Sliding Door
Sliding Door

Sliding Door

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

本編ラストトラック。

心を打ち砕かれ突き刺さる様に痛い崩壊感のある音。

突如として燃え上がった感情も、改めて魅せつけられるような声と音の衝突に何度目かのスリリングさを覚える。

これで本編終わりの扱いなのでブランク含め25分くらいあるのも良い想い出。

 

12.The End Of The World
The End of the World-Album Mix-

The End of the World-Album Mix-

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

太くしなるギターリフが特徴的なシークレットナンバー。

この曲はギターの生形が作った。

歌うように響くギター音色が染み渡る、ラストに最適な一曲。

 

いつか戻ってくるその日まで

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僕がわき目も振らず熱中時代を過ごしたELLEGARDENの曲はきっと永遠に聴くんだと思う。

一年に何回か聴きたくなると言ったが、聴いている時の感情を円グラフにすると、年毎に懐かしい気持ちってのは微増してくる。

音はタイムレスに変わらないが、僕が歳とっていくのが、なんとなくわかる。

それも乙でいいんだが、やっぱり寂しさってのは出てくるんだ。

きっと戻ってくる、彼らは。

彼らの本質に近いと感じるこのアルバムの曲を聞くと、その想いを大切にしたくなる。

色褪せず今でもオルタナティヴに響く反面、これがそのまま更新されると、更に見たこともない光景が広がっているんじゃないか。

そういう思いが毎年めぐりながら、変わらない彼らの風を感じながら、想いを馳せるのもいいんじゃないかと思うのだ。

 

それではまた別の記事で。