Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【バンド&ソングレビュー11曲】Thrid Eye blindに想いを馳せて-セミチャームドライフな音楽たち‐

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90’sオルタナティブロックのグッドグルーヴ-サード・アイ・ブラインドに想いを馳せる

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僕がThrid Eye blindというバンド名を知ったのは10年位前のドイツW杯くらいの時。
大学の時にバイトの先輩にCDを勧めてもらったのが最初だ。
「一発屋だけどね」と断りを入れられたのも気にかかったが、勧められるがままに1stアルバムを借りて聴いた僕は、Semi-Charmed Lifeを聴いて決定的な衝撃を受けた。
どこかで聴いた事のある、「あ、この曲いいな」が誰のどの曲かズバッとわかった時の超快感
今はデジタル世界でいつでもどーにかこーにか調べられるから、この快感はしばらくと味わっていない。旧時代の優越感だ。
当時の僕でも聞いたことがあった事を覚えているリフの抜群のキャッチーさ、そして一曲まるごと聞いてみると寸分の隙もなく超絶かっこいいグルーヴ。
クリアブルーな潤いが足の先までまるっと包み込み、水戸黄門の印籠の様に絶対に抗えない歴史的名曲が持つバキッとした引力もある名チューン。
グリーンデイのバスケットケースとか、オアシスのドントルックバックインアンガーとかそういう類のものに近い、セミ・チャームド・ライフは時代に残ったキラーソングだったのだ。

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1997年に発表されたこの曲の入ったアルバムで一世風靡したオルタナティヴロックバンド、サード・アイ・ブラインドというバンドはアメリカから彗星の如く世界を席巻した。

その1stアルバムの完成度の高さと段違いのセールスの勢いが彼らの絶頂期として捉えられ、僕にCDを貸した先輩も一発屋というイメージがあったのかもしれない。

バンド名も曲名も知らないけど知ってる曲ランキングで言ったら上位に入るかもしれないセミ・チャームド・ライフを筆頭に、耳には馴染むがその成り立ちよく知らんという人も多いはずだ。
遠回しに言えば一発屋なんだろうが、ポジティヴトランジション的な考えで言えば、それこそセミチャームドな魅力の曲もそりゃ多いのだ。
 
曲本来の力だけを存分に発揮しタイムレスに響くメロディーを作った事は正に偉業で、それでもそれが極めてナチュラルな形で波及し実現していく形を彩った根本になった彼らのサウンドは、それだけに限らず正しさに満ちたモノだったはずで、何より10年以上もう好きになってしまったバンドな以上、一発屋?いや只者ではないぜと言いたい。
1stこそ至高に異論はないが、他も中々セミチャームドだし、そもそも中々居ないちょっと良いバンドだと思うのだ。
セミ・チャームド・ライフから20年以上経った。
本日はサード・アイ・ブラインド、そのバンドに想いを馳せる。
 

いそうでいないグッドグルーヴのバンド


Third Eye Blind - "Jumper" [Official Music Video]

ロックでドライヴィンなサウンドに、エモーショナルをポップネスで閉じ込めた音空間×爽快で切ないロマンチックなグルーヴの躍動感。

先に言うと個人的には彼らの真髄は聴き終わりにあると思うのである。

ベタなアザとさを感じさせることのなく親しみが持てるポップでオルタナティヴな切れ味が、痒いところに手が届きおぉこれコレと膝を打ち、思わず肩を揺する感覚を巻き起こしつつ、聴いたあとには甘い痺れを残しつつ、ほわぁぁと心が暖かい。

そういう何ともロマンティックな聴き心地いそうでいなかったを実現するだけのオルタナ的なメロディーセンスが彼らには天然で備わっていた。

 

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1993年に高校の同級生で組まれたサード・アイ・ブラインド。
下積みは長く、数々のデモを作成しメロディーに磨きをかけ、1996年当時伝説的な地位を築きつつあったOasisの前座を射止め注目を浴びる。
その後1997年の1stアルバム'Thrid Eye blind'の大ヒットという形で花開く。
700万枚を超えるセールスを記録し、セミ・チャームド・ライフは100週以上に渡りランクインしたモンスターヒットだったそうだ。

実際に当時の記憶なんてないんだが、1997年の夏には日本に上陸しその夏らしい爽やかさも相まって、USENを蹂躙し激しくパワープレイされ、おそらくそこで記憶に刷り込まれたんだろう。

セミ・チャームド・ライフを筆頭に作られたものではない天然のメロディーセンスを発揮した超名盤である1st。

だからこそ彗星の様に輝いたロマンティックさは記憶の中に未だに閉じ込められてるし、結果が先にわかっている今でこそ思うが何か危ういアンバランスの上での奇跡的な煌めきだったんだろうなとも思う。

 

その後発売された1999年の2ndアルバム'Blue'を最後に、バンドのメロディーメイクの大部分を担っていたギターのケヴィンがバンドと揉めて解雇される。

ただでさえモンスターヒットだったアルバムの後の作品で、色んな憶測が絡みアルバム自体の評価よりも風評の方が先走る事態に陥り、大きな凋落のきっかけという烙印を押された。

3rdアルバム'Out Of The Vein'には結成時のメンバーだったギターも呼び戻したが、それ以降バンドは長い充電期間に入り、オリジナルメンバーは今やボーカルのスティーブンしか残っていない。

ちょっと流石に寂しい。

事実だけ見れば、1stを超えるヒットは出ず、長い休止期間を経た後も2枚のアルバムを発表したにとどまり、そりゃ一発屋って先輩も言うよね、と冷静なると思う。

しかしそれでも、残ったスティーブンの声は一つのサード・アイ・ブラインドのアイデンティティとして響き続けたと思うし、2016年にサマソニで聴いた時も、当時を知らんのになぜか懐かしさで胸いっぱいで自分の過去の情景と勝手にリンクするようなほわぁぁとなる憧憬感は得難いもんだった。

一発屋と言ってそれだけの言葉では捉えきれない彼らの姿は、実にグッドなバンドなのだ。

本来はどデカ過ぎるスケールではなく、そのポップ感がずば抜けていながら危ういバランスを保ち揺らぎつつも聞き手にパーソナルに響くグッドなアンセム感こそ彼らの真骨頂。

 

歴史的な名曲セミ・チャームド・ライフはもちろん自分のフェイバリットソングの中にも名を連ねる。
ほんじゃサード・アイ・ブラインドは?と考えた時に、どんなときもちょっとだけ良いと感じさせてくれるユニークな特殊性を持った位置に常にいる素敵なバンドなのだと思った。
その根拠にあるのは、どこを切り取っても時代性を感じさせつつフラットに未だに響くちょっとだけ良い音楽で、どんな光景にも紛れつつ、なにか少しだけ色鮮かなフィルターをかけてくれるのである。
 

ソングレビュー

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速やかに耳に良く馴染むドライヴィンなギターサウンドが、とにかく心地良く彼らのアイデンティティでもある。
それでもただの爽やかギターロックで終わらないのは、少しウェットな漂う様な静かなメロディーラインから、一気にギアチェンジして弾ける様に襲いかかるグルーヴ感あってのモノ。
ヒップホップ的なグルーヴの要素をミックスアップし、それを集約し曲としてブレンドできるポップセンスでオルタナティブ=新しいものへと昇華できる。
そういうバランス感覚に秀でていながら、矛盾するような危ういアンバランスな瞬間もも曲の節々にあって凄く魅力的。
歌心に溢れスイスイ聞き進められる中に混ざるちょっとタガが外れる様な狂気
田舎っぽさを残した都会感、もやしっ子に見えて頼もしい、グラマラスで少年ぽい、男性的でありつつ女性的。メランコリックで爽やかに、乾いてて潤ってる。
何かそういう鮮やかさとざらつきが同居している部分があって、それが彼らのメロディーラインの良さと絡み実にロマンティックな響きになっているのだと思う。
そんな彼らの曲を少しソングレビュー。
聴きながら呼んで頂けると幸いです。
 
1.Semi-Charmed Life


Third Eye Blind - "Semi-Charmed Life" [Official Music Video]

一曲でアルバム一枚分くらいの価値がありそうなキラーチューンとはこの事だ。
歌う様に跳ねるドライヴィンなギターリフにトゥトゥトゥのキャッチーなコーラスが乗っかる、一度聞いたら死ぬまで忘れない一生もののキャッチーさ。
永遠に瑞々しさを閉じ込められるメロディーのパワーポップ感とスタイリッシュに整ったバランスで少しだけ良いという次元を超えた名曲になり、彼らの揺るがぬ金字塔となった。
2.graduate

 


Third Eye Blind - Graduate

美しいギターの旋律を急にぶち破る本能的なシャウトから始まるナンバー。

ギターカットが眩いアッパーでマッシブなグルーヴが全体に行き渡りパワフルに曲全体で波を起こす。

ドライヴィンで弾む様にノれるギターに変わりはないんだけども、随所に攻撃的な前のめり感を感じるアグレッシブなサウンドで激情的な一面を閉じ込めたパワーチューンだ。
分厚いサウンド、サイケなソロ、ブーミーでカラフルなギターを堪能できるギターソングでもある。

 

3.Jumper


Third Eye Blind - "Jumper" [Official Music Video]

むしろ彼らの本質に近いエモーショナルでユニークなトラック。

ごく自然に身を委ねられるナチュラルなダイナミズムで美しく凛と漂うギターメロディー、徐々に上り詰める高揚感が爆発寸前まで広がりながら美しいメロディーに帰結する。

終始ゆったりと時間の流れるギターがほてった頭を覚ますように、クールなサビのリフレインが熱が尾を引きながら収まってくのだ。

 

4.London  

 


Third Eye Blind - London

グランジを彷彿とさせるサウンドが異色なコアなナンバー。

終始疾走感に溢れる、彼らには珍しいピッチの曲で、聴き終わりの程よくヒリヒリとする感触がとても良い。

ハードに叩きつけられるメロディーが聴き応えよく跳ねるスピーディーでドライヴなナンバー。

 

5.Burning Man


Burning Man - Third Eye Blind

凄く耳馴染みのいいギターメロディーが綺麗でいながらにして、ロックサウンドが前面に出る、異なる違う曲を巧みに組み合わせて足したようなダイナミックなナンバー。

違和感はオルタナ性で上手く昇華されナチュラルな質感で緩急のダイナミクスが絶妙な一曲。

奔放なボーカルもキュートであるのだ。

 

6.Never Let You Go


Third Eye Blind - "Never Let You Go" [Official Music Video]

2枚目のアルバムの代表的な一曲となったキラーチューン。

繰り返される臆面のないポップなギターリフに、ファルセットのボーカルが怖いくらい美しく映えるちょっと凄みすらある。

底抜けに明るいわけではなく、ちょうど良い陰鬱さがコントラストになって深く濃い青色のサウンド。

シンプルで素朴なポップさが最大の効果を発揮して、儚くも濃密な音世界になるTEB節の真髄的な一曲だ。

 

7.1000 Julys  


Third Eye Blind - 1,000 Julys

ハードに疾走するロックナンバー。

ドライヴィンなリフに、キャッチーなメロディーを乗せるという構成は変わっていないけど、より深くハードな音がもっともっと縦に体を動かさせる。

ちょっと実験的なくらいおおげさなハードなリフが、爽やかで気骨あるという新しい質感で好き。

 

8.10Days Late


Third Eye Blind - "10 Days Late" [Official Music Video]

駆け抜けるようで、しっかりと節を抑える実にポップでロックな美しい一曲。

屈託なく響くギターグルーヴが眩しく、途中聖歌隊の歌声も何だか神聖。

サードアイらしいギターサウンドを、それをもっとマニアックに昇華させたナチュラルでエッジだったセミチャームドのその先的な一曲だ。

 

9.Forget Myself 

 


Third Eye Blind - Forget Myself

壮大なギターロックバラード。

複雑に美しく重なり合うギターが、表情豊かに一曲通して鳴り続ける鮮やかな開放感。

繊細なスティーブンの声がクールに研ぎ澄まされる一方で、コズミックに広がるギターサウンドが広範囲を潤してく様でスタジアム向きのバラードだ。

 

10.Can't Get Away


3EB - Can't Get Away

パーカッシブなグルーブと奥行あるメロディーラインのキラーチューン。

パッパパッパッパッパのリズムはついつい口ずさみがちなキャッチーさで、どこか達観したような無機質で遠くから聞こえてくる感じもある。

絶品のキャッチーさを持ちつつ、クールで流麗なメロディーはどことなく冷たさも感じさせて複雑な感情をそのまま胸に宿す。

 

11.Wake For Young Souls  

 


Third Eye Blind- Wake For Young Souls w/ lyrics

アコースティックで素朴な素の彼らを感じるソウルフルな良曲。

特に何のしがらみも感じず、フレンドリーさすら感じるボーカルがとってもポジティブ。

素だからこそメロディーセンスが光る、エヴァーグリーン的な心安らぐ一曲。

手を振りたくなるようなリズム感と多幸感は、やはり限られたメロディーセンスの良さにこそ宿る。

 

 

3.少しだけ魅力的な曲達

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いかがだったでしょうか?

上にも書いたけど、彼らの魅力は、ポップだしロックなんだけど、そのどちらにも魅力を少しだけ加えたような甘く危ういメロディーバランスにある。

聞かれたら相手に「へぇ」って思わせる様な、ちょっとズレていてかっこいい感覚。
それがThrid Eye blindの魅力なのだ。
semi-charmed lifeから入るのに何の問題もないけど、それ以外を流し聴くにはあまりにも勿体ないパワーソングばかり。
是非聴いてみて欲しい。
 
semi-charmed life=今からほんの少しだけ魅力的な生活、僕にはそれに Thrid Eye blindが欠かせないのである。
 
それではまた別の記事で。
 
【Thrid Eye blindのアルバム】

 

Third Eye Blind

Third Eye Blind

  • サード・アイ・ブラインド
  • オルタナティブ
  • ¥1600
Dopamine

Dopamine

  • サード・アイ・ブラインド
  • アダルト・アルタナティブ
  • ¥1500
Out of the Vein

Out of the Vein

  • サード・アイ・ブラインド
  • ロック
  • ¥1600
Blue

Blue

  • サード・アイ・ブラインド
  • ロック
  • ¥1600
Ursa Major

Ursa Major

  • サード・アイ・ブラインド
  • ロック
  • ¥1500