Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【無人島に持っていくCDシリーズ6】Sugarcult 'Start Static'に想いを馳せる【全曲ディスクレビュー

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無人島に持っていくならどのアルバム?第6弾!

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無人島に持っていくシリーズ6

新譜のレビューはやっていたけど、それ以外にも心に刺さったアルバムは山ほどあるのだ。

音楽友達と良く酒飲みながら話すネタ、無人島に持っていくならどのアルバムを持っていく?という話題。おもしろかったので記事にしました。のその5。

1987年生まれ、ロック好きの心を打った珠玉のアルバム達。

 

今回はSugarcultのアルバム'Start Static'に想いを馳せる。

メロディックパンクブームど真ん中で活動していたカリフォルニア出身のバンド、シュガーカルト

スーツがバシッと決まるスタイリッシュな4人組は、カリフォルニアパンクの風合いを受け継ぎつつ、独自のスモーキーな雰囲気メランコリックなグッドメロディーで、パンクキッズの中でも独特でエッジの効いた存在感を博す。

私も大好きです。

日本での一枚目のアルバム、”スタートスタティック”はまさしく無人島に持っていきたいと思う、コアでアツい忘れたくない一枚

是非聴きながら読んで頂き、素敵な暇つぶしになれば幸い。

それでは行きます。

www.footballsoundtrack.com

 

前回までの無人島シリーズはコチラ!!

www.footballsoundtrack.com

絶妙なバンド シュガーカルト

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2000年代前半、勃興から数年経ってもポップなパンクの勢いは更に増し、数々のバンドと共にシーンは巨大化し成熟しつつあった。
沢山のレジェンドバンドと共に、ファンそれぞれがマストなバンドを心に秘める時代。
この間も触れたが、僕にとってそんなバンドの1つがシュガーカルトだった。

 

彼らが2001年に発表したアルバム、アメリカでは3枚目だったが、日本で発売された1枚目が今回触れるアルバム。
初期衝動的であり、彼らの魅力が濃密に結晶化した凄いアルバムなのである。

Start Static

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iTunes ダウンロード
Start Static

Start Static

  • シュガーカルト
  • オルタナティブ
  • ¥1900
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Start Static

Start Static

 
アンプのプラグのジャケットがシンプルで印象的な彼らの日本でのデビューアルバム”スタートスタティック”
2003年に日本に届いたこのアルバムを聴いた時は、まさにそれが刺さった瞬間の様な電撃が流れた。
ツインギターの歪み具合にあっという間にピントが合う快感。
喰らい慣れたメロディックパンクの電撃的な高揚感は何度受けてもいいものだ。
 
大枠で語ろうとするとポップパンクであり、メロディアスな弾ける音が中心に据えられたサウンドである。
けど聴き進めていくと、エネルギッシュなパワーだけに阿らない、全体から感じるクールでスモーキーな色気を感じ、ただ勢いだけでない深さも幅もあるロックソングこそ彼等の強いインパクトのキーになっている事に気付く。
ここにシュガーカルトへのマニアックな好意が集中する原因があると思うのだ。
 
ラフなエッジをチラつかせながらも、スタイリッシュなグルーヴセンス。
ロックメロディーの美しさと激しさのツボを抑えつつ颯爽と鳴らせるバンドサウンドは、光の中に影を、影の中に光を感じさせ細部までさり気ないセンスに溢れる。
ティムの声はこの世の物とは思えないほどにセクシーで、アッパーなナンバーもミドルチューンも彼の色でありながら幅を持って完璧に歌い上げる。
光と影の抑揚をつけながらただアガるだけでない魅せるメロディックパンクが彼らのオルタナティヴな部分だったのだ。
 
ビリビリする電撃感も、ゆったりと深く染み込む様な力場も感じつつ、全体的なスモーキーな色気に相まって、当時ちょっとだけ背伸びしたかった僕にはぴったりだった
もちろんというか、むしろ今聴いても聴き疲れする事なく、スムーズに響くのも彼らのスタイルによるもんなんだろう。
光と影、スタイリッシュさとラフさを、時にコントラストに時に混ぜ合わせながら、細部に渡るまでセクシーでクールな魅力で包み込んだ稀有なメロディックロックアルバム。
実に多彩でメロディックなアルバムだ。余計な色はなく、光と影をメロディックなパンクサウンドの中に混在させそれを魅せる音に出来た。
その絶妙な距離感とバランス感覚こそかれらの放つ魅力だったのだと、手放しの賛辞を掴まえてもう一度考えると、そんな事を思うのだ。
 

ソングレビュー

1."You're the One"
YOU'RE THE ONE

YOU'RE THE ONE

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

アルバムのオープニングはジャケ写の様にプラグが刺さったかのような電撃ポップパンク。

スウィング感溢れるビッグなロックサウンドをタイトに濃縮するパンクリフが痛快に胸を掴む。

ハスキーでセクシーなティムの声も、カリスマ的な存在感で圧倒する、彼らの魅力が1分半くらいで詰まった先頭打者ホームランみたいなナンバー。

 

2."Stuck in America"


Sugarcult - "Stuck In America" (video)

2曲目に据えるリードトラック的な彼らの代表曲。

パンキッシュな瑞々しさを含ませた爽やかなロックサウンド。

スカッと撃ち抜かれるようなパワー、ちょっとだけ憂いを帯びた声、そのバランスも発揮されてる彼らのオーソドックス的な一曲だ。

 

3."Hate Every Beautiful Day"
HATE EVERY BEAUTIFUL DAY

HATE EVERY BEAUTIFUL DAY

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

影の部分が表に出たミドルロックチューン。

メランコリックなサウンド・デザイン、それを更にドラマチックに紡ぐボーカルとメロディーが紡ぐ煌めきは凄く劇的に映る。

シャープさとその影の深さで崩壊的な多彩さを感じさせつつも、耳を掴んで離さないスモーキーなメロディーラインが暖かく心のど真ん中に寄り添い続ける。

この曲が3曲目に配置されている辺りも、彼らが大切にしている事を感じられ、すごく好き。

 

4."Bouncing Off The Walls"


Sugarcult - "Bouncing Off The Walls"

彼らの中でも屈指のポップロックキラーチューン。

タイトル通りメロディアスなフレーズが跳ねまくるドライヴ感あるライブ向けなナンバー。

ギターソロはノーユースフォーアネームやフーファイターズのクリス・シフレットが弾いている。

「動」の碧さ・勢いに阿らず、危うい色気を醸す「静」の部分の魅力も半端ない彼ららしさも存分に感じられる。

 

5."Saying Goodbye" 
SAYING GOODBYE

SAYING GOODBYE

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

爽やかなメロディーが吹き抜けるグリーンなミドルチューン。

パワーポップ的なサウンドが抑揚を付けるリズムに乗り、空高く舞うリードギターの音色が鮮やかに色づく。

こういうシンプルで優しい調べのロックアンセムだからこそ、彼ららしく輝くのだ。

 

6."Daddy's Little Defect"
DADDY'S LITTLE DEFECT

DADDY'S LITTLE DEFECT

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

鋭角に切り上げるメロディックパンクナンバー。

ノリノリの心地いいリズムで随所に痛快な躍動感を作れるフレーズは巧みでスケールでかめ。

舞い上がる様な伸びやかなボーカル声は、物凄く爽快。

 

7."Lost in You" 
LOST IN YOU

LOST IN YOU

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

優しくメロウなミドルチューン。

大きく包み込むような包容感のある暖かいサウンドが終始優しく降り注ぐ。

どことなく夕日の斜陽感を感じ胸をつまらせつつメランコリックにパーソナルに寄り添う歌声は琴線に触れるのだ。

 

8."Pretty Girl (The Way)"


Sugarcult - "Pretty Girl"

浮遊感あるロックバラード。

緩と急も、光と影も存分に使い分けながらスタイリッシュにまとまるオルタナティブな傑作ナンバー。

シングルカットもされたキレのあるサウンドデザイン。

揺らめく音が美しいし、艶やかなティムの声が炎の様に煌めく。

 

9."Crashing Down"
CRASHING DOWN

CRASHING DOWN

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

もう一つロックバラード。

きっとティムの声が最も美しく響いているのはこの曲。

丸みを帯びたサウンドが暖かくそれを包み、曲そのものが尊い大切なものになっていく。

 

10."How Does It Feel"
HOW DOES IT FEEL

HOW DOES IT FEEL

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

大ぶりに振り下ろすギターサウンドのロックナンバー。

エネルギッシュに大胆にグラインドするパワーポップ的なロックサウンドが爽快に駆け抜ける。

甘い瞬間も随所に感じさせながら、シンプルに心に直撃する、ストレートな音だ。

 

11."I Changed My Name"
I CHANGED MY NAME

I CHANGED MY NAME

  • シュガーカルト
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

艶やかなスロウチューンがラストの一曲。

無機質に逆に抑揚を一度置いて、ただただスモーキーにその音と声を響かせる。

きっとここまでにティムの声にはやられてるはずだ。

漂う彼の声をしっかりと噛みしめる、甘く至福の時間。

 

12."Underwear" (Hidden Track)


Sugarcult- 06 Underwear

最後にはシークレットトラック。

このアルバムの前にアメリカでは発表されてた一曲のようだ。

メチャクチャ、ジャジーなナンバー。それが凄く様になってる。

ぜひここまで聴き切って欲しい、意表を突かれつつ魅惑的なシークレットトラックを聞き入って心地よくエンディングを迎えられるはずだ。

 

フェイバリットなジャストアルバム

いかがでしたでしょうか?お楽しみいただけていたら幸いです。

絶妙な存在感で、きっと一生聴き続けられるであろうマストでフェイバリットな秘密のバンド感。

それがあるこの一枚は、実にジャストな一枚。

決して矮小なレベルではないが、いつまでも僕の心にぴったりとハマる。

そんな自信すらあるのである。

 

それではまた別の記事で。