Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【無人島に持っていく一枚シリーズ8】Foxboro Hot Tubs 'Stop Drop And Roll'【ディスクレビュー】

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無人島に持っていくならどのアルバム?

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無人島に持っていくシリーズ8
新譜のレビューはやっていたけど、それ以外にも心に刺さったアルバムは山ほどあるのだ。
音楽友達と良く酒飲みながら話すネタ、無人島に持っていくならどのアルバムを持っていく?という話題。おもしろかったので記事にしました。のその8
 
今回は世界を揺らすパンクロックバンドGreen DayのサイドプロジェクトFoxboro Hot Tubsによる'Stop Drop And Roll'をご紹介します。
ほぼグリーンデイていうかその後のグリーンデイのメンバーそのままに、突如謎の覆面バンドとして粋なガレージロックを鳴らし出しグリーンデイの前座をやりたいと言う。
ヒットしようが世界を制そうが最高にファニーな企みは常に胸にあって、いつもそれを最高にイカしてる方に舵を切るバークレーのパンク野郎たち。
フォックスボロホットタブスは、粋なオジサン達が鳴らすエゲツないロックンロールだった。
今回はFoxboro Hot Tubsの1枚に想いを馳せます。
 
 

Green Dayの記事はコチラ!

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Foxboro Hot Tubs 'Stop Drop And Roll'

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Stop Drop and Roll!!!

Stop Drop and Roll!!!

  • FOXBORO HOTTUBS
  • ロック
  • ¥1600

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Foxboro Hot Tubs - Stop Drop And Roll

Foxboro Hot Tubs - Stop Drop And Roll

 

2007年12月、無名の新人バンド'Foxboro Hot Tubs'がオフィシャルサイトを立ち上げて5曲の音源を発表した。

60年代風のロックンロールサウンドの表現力、ヴィンテージながら鮮やかにモダンでエネルギッシュなビート。そして独特の歌い回しは、完全にあるバンドを想起させた。

今より10年分遅い当時のSNSの動きの中でも、瞬く間に広まり、”これってビリー・ジョーの声だよね?'と世界中が何だかわからないまま興奮していた。

煙に巻く様に音源のフリーダウンロードは終わり、残った1曲の'Mother Mary'がシングルの様な扱いでサイトに残り、得体の知れないバンドの曲が本国アメリカのチャートを10位台まで駆け上っていったらしい。

世界を股にかけた”イタズラ”で始動したフォックスボロ・ホット・タブスは、その後正体を徐々に明かし、そのままグリーンデイのオリジナルメンバー3人と当時まだツアー・レコーディングメンバーだった2人の5人によるプロジェクトと判明した。

つまるところグリーンデイのサイドプロジェクトなワケだが、よしやろう!って決めた形ではなく、彼ら5人で深夜集まって音を出してたら次々とインスピレーションが湧いてきたという類の衝動的なモノだったらしい。

 

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グリーンデイ年表で言えば2004年の'American Idiot'の大爆発以降、次のアルバムを待たれている時期で、彼らの周りで色んな想いが交錯していた時期だろうと想いを馳せられる。

タイミング的に一度肩の力を抜いたナチュラルな音楽を鳴らす必要があったのかもしれないし、世間やレコード会社の過大な期待の声への嫌悪とフラストレーションをぶち撒けたとも見れる。

いずれにせよ、谷間制作の一過性のものに終わらず、人々の心を動かしたのも、悪ふざけから始まったとしても彼らのガレージロックが大いなる魅力にあふれていたからだろうと思うのだ。

 

Foxboro Hot Tubsの音楽 ソングレビュー


Foxboro Hot Tubs - Stop Drop and Roll/Mother Mary on Last Call With Carson Daly (12/6/09)

ボーカルの一声、もしくは最初のバンドサウンドのどれかでグリーンデイだとわかるだろうが、そこまでの、そしてそれ以降のグリーンデイサウンドは似て非なるもので、ヴィンテージでクラシカルなガレージロックを鳴らす。
50年以上前の名曲のカバーかと思うほどに浪漫の香り豊かなロックサウンド、より際立つセクシーなビリーの歌いぶり。
めくるめくメロディーがカラフルでも映写機で回すフィルムの様な味わいがあって渋いアダルトな色彩
それでもグリーンデイと混交する様な瞬間も彼らのルーツ根底にあるものがわかって楽しい思いもファンにはたまらないのだ。
 
ただのマニアックにはならず、ロックの柔らかさが際立つ、60'sの酒場の雰囲気がタイムスリップしたかの様なパブロック的な側面もある。
全体通してコンセプチャルなロックンロールが鳴らされるが、ちょっとした角度の違いで曲の雰囲気をガラッと変えるオルタナティヴなインスピレーションは、音楽の種類が少ない中、それでも無限のアレンジを魅せた原初なロックのイマジネーションの色に通ずる部分すら有る。
自由という覆面で存分にヴァイヴを発揮し、サイドプロジェクトと言えど聞き応えは満点だ。
かなりドランクなライブも繰り広げていたらしい。
粋なオジさん達の開放的ではっちゃけたロックは、この面子でやればエゲツないのだ。
 
当時はとりあえずこれを聞いて、グリーンデイの次作を待つ気持ちもあっただろう。
それでも10年以上経って意外と聞いてるのはこっちだったりするのだ。
 
それでは何曲か抜粋してソングレビュー。
 
1.Stop Drop And Roll!!!


Stop Drop And Roll!!!- Foxboro Hot Tubs w/lyrics.

ビックリマークが3つついたアルバムのオープニングナンバー。

ロックでロールなリフが堂々と溌剌と鳴るインパクト。

クラシカルな王道は様式美的でも群を抜いてカッコいい。

音から伝わるバンドの振る舞いがそう思わせるし、鮮やかなドラミング主体のオーセンティックなビートに、ロックなアタック感満載のキャッチーなリフレインは良質で心地が良い。

渋さ漲るヴィンテージな色で、こんなに鮮やかに映えるロックを描けるエネルギッシュなオープニングチューンだ。

 

2.Mother Mary


Foxboro Hot Tubs- Mother Mary With Lyrics

シングル扱いのキラーロックンロールチューン。

ロック好きにとって最も心地良いリズムで刻まれるギターサウンドを主体に、全体を淡く抱む様な浮遊感のあるメロディー。

綾のあるロックンロールアンセムという彼らのルーツ・ケミストリーが存分に振るわれたアンセムで、曇り空も晴れる事が分かってるような、経験から来る落ち着いた爽快さ溢れる開放的なナンバーだ。

ある種の枯れた味わいで深みのあるサウンドに、クラシカルなコーラスがまた良い味出してる。

 

3.Ruby Room


Foxboro Hot Tubs - Ruby Room

軽やかなドラムロールから始まる危うくセクシーなロックチューン。
エンターテイメント的なロックは超アダルトなショーのサントラっぽい。
キーボードが良い感じに琴線に触れて、楽しくもスリリングな香りのバンドサウンドが大人っぽい。
潤いたっぷりに、どこか女性的でもあるビリーのボーカルが、実にエロい。
 
4.Brordway


Foxboro Hot Tubs Broadway lyrics

ドライヴィンなミドルテンポのロックチューン。

エッジだったギターサウンドがこれでもかと繰り返されヒリヒリと焦がす様で、どこか挑発的ですらある煽り具合に、こっちもアガってくる。

終盤ギターソロからパッと音が無くなりギター一本になる展開の魅せ方も、エンターテイメント的でロックアイコンとしてのビリーの色気を際立たせる。

 

5.She's A Saint Not A Celebrity


Foxboro Hot Tubs, Shes A Saint Not A Celebrity lyrics

ロックンロールマナーにパーフェクトに沿ったクラシックロックチューン。

容赦なく折り重なるバンドサウンドと、そのドライブ感はステップを踏まずには手を叩かずにはいられない。

爽快さと艶やかさの両面持ち合わせてうねる音像は、未だ色あせない超強力な必勝の型でもあるのだ。

このギミギミ感をわざとらしくなくナチュラルに出せるのも彼らならでは。

 

6.Alligator


The Foxboro Hot Tubs Alligator

キレあるリフレイン主体のシンプルさがコンセプチャルな一曲。

ザラついたギターサウンドにノリやすい前進的なビートという抗いがたい根源的な快感。

わずかなボーカルのゆらめきとか、ドラムのタム回しとか、ギター・ベースのグラインド気味なビートで、シンプルさをオルタナティブなプリズムで色濃くした職人技。

 

7.The Pedestrian


FoxBorro Hot Tubs - The Pedestrian [Offical Music Video]

行進感溢れるムーディーな明るめのミドルチューン。
間口の広いリズミカルに跳ねる様なサウンドが、絶妙に高揚感を煽っていく。
全体から感じるファニーな躍動感はどこまでも伸びやかで、どこかセンチメンタルでロマンチックに聞こえるのも、彼ららしいロックの祝祭感。
 
8.Pieces Of Truth


The Foxboro Hot Tubs Pieces of Truth

アルバムのラストトラックを飾る小粋なロックンロールチューン。

これでもかとビシっと決まるギターリフ中心の畳み掛けるガレージサウンド。

ショーマンシップに溢れるロックンロール・バンドのフロントマンとして完璧に振る舞うビリーの歌いまわし。

自分たちのルーツをナチュラルな質感かつ、オーセンティックに野太く鳴らす、演じているようで実に自然な理想の形。

 

無人島に持っていく 覆面でガレージなロックアルバム

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無人島に持っていく1枚の第8弾は、Foxboro Hot Tubs 'Stop Drop And Roll'でした。

覆面と言うには、我が出まくった音の鳴り方をしまくり、ファンを喜ばせるとともに、ギラギラでドランキーな自由なルーツ・ミュージックは、自らのアンチテーゼとともに鳴ったのだ。

今でも格好いい、心に残ったファニーな企みだった。

 

まだまだ紹介したいアルバムは一杯。

荷物が音楽でいっぱいになってもいいじゃないか。

 

それではまた別の記事で。