Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【Green Dayのビリー・ジョーの新ソロプロジェクト】The Longshot 'Love Is For Losers'を聴いた!【今月の新譜】

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Green Dayのボーカル/ギター、ビリー・ジョー・アームストロングによる新ソロプロジェクト!The Longshotのアルバムを聴いた!

活動の区切りとなる2度目のベストアルバムを2017年に出したGreen Dayだったが、そのフロントマンのビリー・ジョー・アームストロングは休む間もなく強かにファニーな企みを始動させていた。

www.footballsoundtrack.com

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自身のインスタグラムでThe Longshotというロゴといくつかの音源を公開し、「遅かれ早かれアルバムを出すよ。多分もうすぐ」とメッセージを沿えた。

それから一ヶ月も経たない内に当たり前の様にゲリラ発売されたアルバム'Love Is For Losers'は、もの凄くフラットなテンションのまま直撃し、この日本の初夏の陽気の様に何処までもヌケの良い開放的なロックを鳴らしてきた。

ビリーの声がグリーンデイの時と変わらずラッキーチャーム的に機能しつつも、コンセプチャルさなく王道のロックの風を本線とは一味違った肌触りで届ける、凄まじく爽やかなサイドプロジェクト。

今回はThe Longshot 'Love Is For Losers'に想いを馳せる。

 

The Longshot 'Love Is For Losers' ロック/ポップ・クラシックスとしてのビリー・ジョー・アームストロング

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iTunes ダウンロード
Love Is for Losers

Love Is for Losers

  • The Longshot
  • ロック
  • ¥1600

 

1987年のグリーンデイ結成以降ビリー・ジョー・アームストロングのロックな半生は多彩であり、2018年の今それはかつてのレジェンド達の歩みと比べても何ら遜色はないレベルにいると言っていいはずだ。

ポップなパンクで世界を揺らし、それを次第にロックと結びつけ、世界が無視できない強靭なメッセージを鳴らせるロックアイコンとなり、時に苛烈に時に優美に、かつてレジェンド達がそうしてきた様に多彩な音楽を描き続けている。

ロックンロールルーツを大きくリスペクトし、カリスマ的でアイコニックなキャラクターでロックの王道を担う資質を示し続けたビリー・ジョー。

今回のThe Longshotというバンドはミュージシャンとして卓越した境地にいる落ち着きみたいなものが、もの凄くナチュラルな形で一つの作品となったアルバムだ。

グリーンデイのサポートメンバーと、PRIMA DONNAというバンドのギター&ドラムという新たなメンバーを揃え、普段の姿からまるで気負いなく鳴らされるポップロックサウンド。

屈託なく超自然的に心弾ませられ、きっと何も考えなくてもいつしか幸福感に満たされる幸せな歌声。

攻撃的なメッセージは一度隅に置いて、ただロックを鳴らすという事がどれほど素晴らしいか、というある種今ロックに求められている答えをついているような11曲。

是非聴きながら読んで頂けると幸い。

 

全曲ソングレビュー

1.The Last Time


The Longshot - The Last Time

口火を切るギターは荒々しくも、直ぐに吹き抜ける爽やかな風のロックメロディーに溶け合う。

晴れやかに独特の巻き舌でビリーが歌い、それだけでロックだなぁ、と感じる多幸感。

心地良いハンドクラップから喝采を誘う様な鮮やかな浮遊感で漂うように聴きたいオープニングナンバーだ。

 

2.Taxi Driver


The Longshot - Taxi Driver

疾走的なポップロックチューン。

コンパクトでキャッチーなメロディーはどこまでも真っ直ぐ伸びていく見通しの良さ。

澄み切ったロックンロールで大仰なものは何一つないナチュラルな質感が最後の瞬間まで心地いい。

 

3.Chasing a Ghost


The Longshot - Chasing A Ghost

身体を揺すらせる心地良いビートに軽やかなギターという最もビリーの声が活きる必殺の型のロックナンバー。

メロディアスなフレーズが映えるシンプルなロックの構成がいとも簡単に美しく映える、改めて魅せつけられるような感じすら有る。

 

4.Body Bag


The Longshot - Body Bag

一転してロマンティックなミドルナンバー。

ふわふわ浮かぶシャボン玉の様な虹色の浮遊感。

どこかロックの土っぽさは残し、曲全体が手の届く所にあって親密な心地で聴けるのが嬉しい瞬間も確かにある。

 

5.Love is For Lovers


The Longshot - Love Is For Losers (Official Video)

PVもあるアルバムのタイトルナンバー。

ど定番のビートとリフ、誰もが馴染みあるロックの姿を存分に表現する。

ある種プレスリーの様な優雅さ。

やんちゃな小僧が、真っ直ぐカッコイイ大人になった魅力的な姿は、様々なレジェンドにも重なる素敵な姿だと確信できる瞬間がある曲だ。

 

6.Cult Hero


The Longshot - Cult Hero

フック満載にリズミカルに疾走するギターチューン。

ズバッと切られる様なサウンドに撫で上げられる様なビリーの声は絶妙なコントラスト。

香り豊かで肌触りのいいロックのソフトな部分が際立つベテランならではの妙技。

 

7.Kill Your Friends


The Longshot - Kill Your Friends

物騒なタイトルとは似つかない爽やかなロックサウンド。

フラットなテンションでメッセージを乗せるロックのロマンは普遍的で、それを操るロングショットの技量も確かなのを感じる。

風の様なメロディーも鮮やかそのもの、時折吹き付ける様なギターの高鳴りも素晴らしいのだ。

 

8.Happiness


The Longshot - Happiness

ギターの音色が色とりどりに跳ねるポップロックギターチューン。

歌う様にキラキラ輝くギターカットは終始心地良く心に潤いを与える。

身も心も洗われる様な瑞々しさにスッキリした喉越しの良さみたいな清涼さを兼ねた、開放的なロックナンバー。

 

9.Soul Surrender


The Longshot - Soul Surrender

ロックンロールの醍醐味的なビート&メロディーに包まれ魂の降伏を歌う。

シンプルなサウンドに鮮やかなハーモニーが前面に出て爽快度を増してく。

切れ味の良いギターフレーズの幸福感はアルバム随一。

 

10.Turn Me Loose


The Longshot - Turn Me Loose

割とこのアルバムを示している様なタイトル。

緩くソフトに音を鳴らし、その喜びが一音一音ダイレクトに伝わる様な、ロマンティックな3分間。

ダイナミックなロール感覚をわざとらしくなくキメる、それが詰まったアルバムの体現的な一曲。

 

11.Goodbye To Romance


The Longshot - Goodbye To Romance

ラストナンバーのミドルロックバラード。

艶やかなギターが賛美歌的に響く。

最後だってのを包み隠さず、含みも持たせず鮮やかに描き切る。

最後まで心の真ん中にストンと落ちる良い後味。

 

ただただ普通にロックを

以上、ご覧いただきありがとうございました。

ギターをかき鳴らしつつポップなメロディーに力点を置いた、彼のルーツをより穏やかにまとめ上げた大人なロック。

ポップである事が何よりロックでもあるかもしれない今、原点の沸騰を見つめた鮮やかな1枚。

冒険の途中の純度100%のビリーはやっぱりカッコイイのだ。

 

それではまた別の記事で。