本来のバンドから離れた秀逸なサイドプロジェクト、そこでしか見られない違った影を楽しみたい
自分なりのスタイルやルールやこだわりでも何でもいいが、周りの人からお前はこーゆー奴だと固定的に思われる軸みたいなモノがある人は多い。
Spotify Playlist
1.Foxboro Hot Tubs
Green Dayによるサイドプロジェクト。
2007年、突如としてWEBサイトが立ち上がり、覆面バンドながらバレバレのほぼグリーンデイのメンバーで行われる苛烈でナチュラルなガレージロックバンド。
60sのパブで飲んだくれながらバンドを組んでギターをかき鳴らし歌い散らす、ドランキーなロックンロールを爆笑しながら大量の酒を投げつけてくる様なハチャメチャな快感。
グリーンデイのキャッチーなロックンロールを爆音で、という演奏/ボーカルスタイルはそのままでも、よりルーツミュージックに近いストッパーの外し方で、奔放さが強めなのが大きな特徴だ。
ビリー・ジョー・アームストロングは2018年、The Longshotというサイドプロジェクトもスタート。こちらもストレートに爽やかなロックが聞けて新鮮。
2.The Last Shadow Puppets
アークティック・モンキーズのフロントマン、アレックス・ターナーと、UKインディーロックバンド、ラスカルズのマイルズ・ケインによるデュオバンド。
ロックのモダニズムの体現者であるアレックスのボーカルで演じる、古き良きブリッティシュロックの香りを再現する様なスタイリッシュで古風なサウンド。
モダンなスピード感と格式高いサウンドをミックスし、アレックスのボーカルとケインのコーラスのハーモニーと共に、艷やかでアイロニーな世界観はどこか神聖。
見た目も凄いキリッとしつつアートで何だか根源的にカッコイイ2人が映える音楽性だ。
3.Me First and the Gimme Gimmes
NOFXのファットマイクが発起人のファットレックコーズ近辺のパンクバンドが集まったパンクスーパーグループ。
ロック・ポップス・カントリーあるいはJ-Popのパンクカバーをファニーに行うアツい男たち。
男気あふれるコアなパンクとは離れ自然体にカッコイイ姿で、耳馴染みの良い名曲のカバーを音楽を楽しむかのように歌うのだ。
メンバーは時折入れ替わるがラグワゴンやノーユースまでストリート界隈のパンクレジェンドばかり名を連ねる。
Swingin' Uttersのスパイクのボーカルが何ともハスキーで超絶セクシーで、馬鹿らしく突っ走るパンクなアイディアバンドを鮮やかに彩る。
4.Atoms For Peace
5.The Raconteurs
ジャック・ホワイトとブレンダン・ベンソンのツインボーカル/ギターとグリーンホーンズのリズム隊が結集したオルタナロックシーンが震え上がるメンバーの揃ったデトロイト発のスーパーバンド。
奇才の集まったスーパー・グループは、独特のリフを振り上げつつどストレートなガレージロックを鳴らす、漲るホンモノ感。
ジャックやブレンダンらしリフワークやボーカルが中心に存在しつつも、同窓会的なノリで集まりそれぞれがやりたい事が手に取るようにわかる類の抜群の信頼感が産むバンドのグルーヴもまた粋な部分。
6.Chickenfoot
ハードロック界の頂きを極めたヴァン・ヘイレンの元メンバーとレッチリのドラマーのチャドが偶然どこかのパブでセッションし、そこから生まれた漫画みたいな出会いの漫画みたいなバンド。
ギタリストとして招聘されたジョー・サトリアーニのギターが歌うように鳴り、チャドとマイケル・アンソニーのパワフルなグルーヴに、サミー・ヘイガーのハードロック界の国宝級のボーカル。
数々のニセモノの王道を脇道に蹴っ飛ばし、自分たちだけの王道を闊歩する超かっこいいオジサン達の超絶ハードロック。
7.Rivers Cuomo
大好きWeezerのフロントマン、リヴァース・クオモもソロで3枚アルバムを出している。
曲作りの中で生まれたデモ集を1人でレコーディングした文系の彼らしいソロ活動。
ウィーザーらしいパワーポップでエモーショナルな瞬間もありつつ、ナチュラルでもっと心の穏やかで暖かい部分に触れたような心地。
同時にソングライター、リバースの底の深さと音楽性の純度に恐れ入る瞬間も多々ある。
剥いて剥いても結局はリバースの良さが胸に染みるし、ウィーザーより再生回数が多い名曲もちらほらある実に名盤なのだ。
8.Box Car Racer
Blink182の絶頂期、ボーカルのトムとドラムのトラヴィスが始めたサイドプロジェクト。
ポップ・パンクムーブメントの過渡期、自らの音楽の進化を求め、トム自身のヘルニアというブリンクの活動休止時期を活かして作ったバンドで、ベースのマークも何曲か参加していたりする。
ストリートなムードを残しながらオルタナティヴに練られたこの時期の彼らにしか見いだせないバランス感覚のサウンドデザインは見事。
ブリンクがその後辿るポップ・パンクの進化の最初の一歩は、このバンドなのかもしれない。
9.Them Crooked Vultures
10.Tinted Windows
時を超えロック界のポップ職人たちが集まったスーパーグループ。
グランジをオルタナティヴにわたりきったスマッシング・パンプキンズのギター、ジェイムズ・イハ、3兄弟ポップ・ロックバンドのハンソンのメンバー、テイラー・ハンソンがボーカルを取り、パワーポップ職人ファウンテンズ・オブ・ウェインのベースのアダム、さらには大御所チープ・トリックのドラマー、バン・E・カルロスで組んだ泣く子も笑うポップネス最強連合。
1ミリでもズレればダサいと切られかねないポップロックを極限まで突き詰め、ずば抜けた瑞々しさは甘くて物凄いキレのある音を響かせ続けるまさに職人技なんだろう。
11.Baby Shambles
世界を制したガレージロックバンド、リバティーンズの酩酊詩人こそピート・ドハティーによるバンド。
ピートはドラッグの常習問題によりライブパフォーマンスを出来る状態ではなく、実質クビの様な扱いでリバティーンズも活動休止に入る。
その中メンバーを集めサイドプロジェクトとして始めたのがベイビー・シャンブルズだった。
最盛期にパンクだったピートは、バンドの初ギグの日にリバのカールの家に泥棒に入ったり、オアシスのサポートの日に結婚式に行ってたりとやりたい放題のニュースが目立つ活動だった。
それでも上手さとはかけ離れた何かは失っていない、ギザギザなギターとあと少しで壊れそうなボロボロな歌声はガラスのように美しくアイコニックな魅力に溢れていた。
12.Beady Eye
オアシスは兄であるリーダーのノエルの脱退によって終焉を迎え、残されたメンバーはリアムを中心としてビーディー・アイを立ち上げた。
ノエルがいないだけで、その他のメンバーは楽器を持ち替えたりしているが全くのオアシスメンバー。
単なる引き算ではなく、いなくなったからこその空間を(本人たちが望まなくとも)しっかりと感じつつ、ある種ミニマムにストレートなロックメロディーを奏でた。
ちょっとこのスモーキーな空気感は、時の経った今いっそう輝いている気がしてならないのだ。
13.The Voidz
彗星のような登場以降、ロックンロールという人体の心臓部を担い再びロックの血流を熱くたぎらせたストロークスのカリスマ的フロントマン、ジュリアン・カサブランカスのソロプロジェクト。
当初はジュリアン+ヴォイズという名前だったが2018年のアルバムではヴォイズの名義になりよりバンドとしてのメッセージが濃くなった。
全員パンチのあるファッションと髪型とヒゲ。凄く奇天烈な見た目通りの強烈にアンタッチャブルな音楽。
難解というよりは痛快にぶっ飛んだ劇薬的なロックは、込み入った感じはなくナチュラルにサイケに楽しめるのだ。
14.BNQT
インディーロックバンド、ミッドレイクのメンバーを中心にフランツ・フェルディナンド、トラヴィス、バンド・オブ・ホーセズ、グランダディという極上のバンドから世にも美しいメンバーの揃ったスーパーグループ。
ロックの響き方みたいなモノを熟知した文句なく鮮やかなサウンドは、眩くて厚みあるパワフルさ。
奥ゆかしくも強靭なハーモニーは、神聖な雰囲気までする極上の一品的な高貴さすらあるのだ。
15.Gorillaz
ブラーのデーモン・アルバーンが立ち上げた本家も凌駕しそうな超有名バーチャルバンド。
世界で最も売れたバーチャルバンドとして名を残し、その世界観とキャラクター達の個性はすっごい魅力的。
最早ベテランのバンドになった彼らに何の違和感もなく、ミステリアスさよりもその楽曲のクオリティー+世界観のパーフェクトな景観が彼らが世界一になった要因でもあるのだ。
少しだけ違う秘密めいた響き
以上いかがでしたでしょうか?
こういうバンド、知らなかった!って言われた時の快感が半端なくデカイ。
秘密めいていながら、そう留めておきたくはないし、なんとも絶妙でオルタナティヴなサイドプロジェクト達。
本家があってこそ、というのは重々理解しつつも、何年か経てばかなり聴き込んでいるなんて事もある。
果敢でナチュラルで美学的で、一発でソレとわかる必殺技だったり、粋なバンド達なのである。
それではまた別の記事で。