Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

Green Day 隠れた名曲20選 【Another Color Of Green 20 -Green Day B-Side】

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グリーン・デイの代表曲ではない隠れた名曲20選

前書き 心のフェイバリットバンド Green Day(グリーンデイ)は今どう聞かれるのか

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1枚のCDが欲しすぎて、血眼になって探した経験はあるだろうか?

僕には人生のフェイバリットバンドGreen Dayでそういう経験がある。

2003年に海外で制作されたトリビュート・アルバムで、当時の海外のインディーバンドがGreen Dayの楽曲をカバーしているのだが、そのインディーバンドの中にもう一つのフェイバリットバンドWeezerが紛れていて'Worry Rock'をカバーしているのだ。

WeezerがGreen Dayを、なんてヤバい、大好きなバンド2大巨頭同士の横断は浪漫に溢れ、'A Different Shade of Green'というタイトルも、当時20歳前後の僕にグサッと刺さるには十分過ぎるほど超イカしてた。

存在を聞きつけてからバイト先のCDショップで勝手に発注し、結構店着まで時間かかって今か今かと手に入れた'A Different Shade of Green'は今でも大切な1枚で、手に入れるまでの経緯も大切なストーリーになっている。

 

 

さて、グリーンデイ

以前Oasisの記事を書いた時に、ロックの歴史的に見て僕らが生きているのはOasisの時代だったと書いた。

オアシスのロックはその絶対性を持って確かに時代でも比肩し得ないカリスマ性を帯びていたが、グリーンデイも歴史的なムーブメントを起こす世代のアイコンでありつつも、より身近で親しみやすい存在として時代を作り上げてきた。

ポップなパンクとロックンロールの超合金何千回聞いても魅力のある歌であり続ける断トツのキャッチーさ。

アングラな反骨心はロック/パンク的であれど、太陽の様にポジティブなサウンドに込められ、ファニーなユーモアを持って証明し続けたリベリオンは、誰にもにフェイバリットに届くメッセージとしてシーンの中でも決して成し得られなかったことをやり遂げた。

つっぱりがちな硬派なパンクスの心すら踊らせ、チャラチャラしたナンパなヤツにもわかりやすく、男の子も女の子もひっくるめドロドロに楽しい集団熱狂をインスタントに引き起こすことが出来た、手が届きそうな身近なヒーローとして世界を照らしたのがグリーンデイだった。 

 

僕とってもGreen Dayは心から愛するフェイバリットバンドで、当然僕の人生の多くの場面で登場し、多くの場面で鳴らされてきた。

'A Different Shade of Green'の時もそうだし、人生で初めて'Basket Case''Basket Case'として認識して聴いた瞬間の事を場所まで鮮明に覚えている。

ビリーのパニック障害について歌った時代を撃ち抜いた名曲は、そんな金字塔としての前提無くとも、全身総毛立たせるエナジーに満ちていた。

この3分間で世界を制してから約25年、僕が初めて聴いてから17-8年経って、今グリーンデイはどう聞かれているのだろうか、とふと思うのだ。

僕らがロックを聴き出そうって時には必ず彼らが僕らの頭に真っ先にコードを繋いでくれたし、その誰にも響き得る音楽性は時代性問わない永久不滅なものだと確信を持ってすらいる。

 
’Basket Case’’American Idiot’とか名前は知っているけどどう凄かったの?って人が出てくるのは時代の常ではあり、ストリーミング社会だグリーンデイだと言っても、きっとそう言う人はいる。
 
だからこそ'逆に'今、1987年生まれのロックファンの僕なりに届けたいグリーンデイのBサイドトラック達。
 
想い出のアルバム'A Different Shade of Green'にあやかってグリーンデイの超代表曲では無くちょっと違う緑な20曲
ヒットソングではない曲こそ至高という考えは、拗らせると’こだわりぶりたい変な奴’になるけども、ファンなら広めたい・知ってほしい気持ちはあるもんだ。
ちょっと外れたモノがやたらとカッコよく見えるのは中学2年生から変わってない僕のロマントラック集。
時代の表舞台で颯爽と流れるキラーソング達とほんの少し、色が違うだけ。
そっちの方からライトを当ててやる事で、きっと爆発的に好きになる人もいるはず。
少しリラックスしたノリも、ちょっと陰ったポップ性も、秘密めいたオルタナティブな響きを感じて、むしろそっちの方が多く聞いてるかもしれない。
聞けばグリーンデイと分かり、そして心躍る。
ちょっと好きな人には、もっと好きの幅を広げられる様に。
知らない人はこっからでも聴いてくれればと思える様に。
そんなサウンドトラックになれば幸い。
 
 

Green Dayの記事はコチラ!

www.footballsoundtrack.com

Spotify Playlist

 

1.'Castaway' 2000年 Warning 収録

かわいたパンキッシュなパワーリフを大股開きでビリーとマイクがかき鳴らし、トレのドラミングで颯爽と滑り出す。

グリーンデイ流メロディックパンクど真ん中のキレ味で、どのシングル曲と比べても遜色ない燦めきでありつつ、仄かに陰る情緒的なオルタナ性も感じるこれぞ最高のディファレントキラーチューン。

歪みの効いたギターリフで構成されたストレートな良い歌として機能するメロディアスさ、エネルギッシュにバンド一体の骨太さがある演奏で小細工なしに真正面からぶつかってくる。
その音圧の中に爪弾きにされ漂流していく事へセンチメンタルな反骨心が込められる。
サビ手前'Where I'm a...'のボーカルの儚さは絶品。
アルバムを聞けば名曲として埋もれずに必ず響く一曲。
 

2.'Jinx' 1997年 Nimrod 収録

演技じみてはっちゃけた'one,two,three'の掛け声から鳴るリフは、何処かで聞いたことありそうにシンプルでも何度でも流れた瞬間電撃の走るポップパンクギターの真髄。
もしもビリーの様にギターを弾きながら歌えたなら、こうやってナチュラルさを爆発させた一曲を振りかざしてみたい。
ショートトラックでぎゅっと凝縮したポップパンクワールドは、冒頭で掴まれた心を離さないまま鮮やかに駆け抜けられる、多分一生聞き続けても変わらぬ耳触りの良さもあるのだ。
悪運みたいにつきまとう自分みたいな男を呪うような後悔も、明るく吐き捨てるようなファニーなモードだからさらっとエモーショナルに残る。

3.'Poprocks And Coke' 2001年 International Superhits! 収録

キャリアを一度リセットした2000年のベスト盤に新録されたボーナス的なトラック。

もう1つ1曲目に'Maria'というポップパンクトラックも新録されていて、この曲が2曲目に配されていた。

タイドで心地良いグッドメロディーが、軽やかに重みゼロで頭を巡る自然と醸し出せる音楽人としての魅力。

クリーンから歪みのロックサウンドになっても変わらない、ポップとロックを正しく極めたアンセムは何処までも穏やか。

アメリカで有名なキャンディーがPoprocksというらしく、机にキャンディーとコーラが置いてあるいつもの光景に少しだけスウィートでエッジーな日常。

そんなイメージを描ける良曲なのだ。

 

4.'Give Me Novacaine' 2004年 American Idiot 収録

アメリカン・イディオットはロック史に残るコンセプチャルなロックアルバムだったが、1つ1つのバラードの音色も途方も無いほど美しく響いていた。

繊細で艶やかなビリーの声は、怒りや憂うべき物事への感情が張り詰められてても、丁寧にそれを解いていく様に優しい。

浮遊的・幻想的なアコースティックメロディーが漂い、急激に地に落ちるかのようなバンドサウンドは超重力ながら、アンニュイなムードを残したまま優しく降り注でいく。

曲が去った後、最後にはポツンと1人で佇んでいるような感覚に纏われる、荒廃的な美しさを産む。

 

5.'Cigarettes and Valentines' 2003年

2003年、Green Dayはこの曲がタイトルトラックとなっていたアルバム'Cigarettes and Valentines'が完成直前だったが何者かにマスターテープを盗まれて、1から作り直したアルバムが'American Idiot'だったというエピソードは彼らのロック的なエピソードとして有名なものの1つ。

そのCigarettes and Valentinesは2010年辺りのライブから披露しだされ、ライブDVDにも収録され命を吹き込まれたシークレットトラック。

このアルバム、凄く聴いてみたい...!となるワクワクする幻のオープナー。

ラウドでメロディアスなリフは溌剌さとざらつきを兼ね備え、タバコとバレンタインという何だか分からないが甘く危険なフレーズを振り回すカオティックでストレートなパンクサウンドに、今や全体像が見えないこのアルバムに想いを馳せるのも面白いのだ。

 

6.'Pulling Teeth' 1994年 'Dookie' 収録

アルバム’Dookie’の'Welcome to Pradaise'と'Basket Case'の名曲に挟まれたエアポケットにしては耳触りの良さが随一の、これもまた名曲。

穏やかに流れるフォーキーでパワーポップ的なギターサウンドは風が通り抜ける様に爽やかで、クラシカルなロマンチックなムードも纏う。

このロカビリーさも彼らのかけがえのない魅力の一つだし、ロックンロールのハートウォーミングな部分を抽出できるメロディーセンスは彼らの根源的な魅力なのだ。

マイクの暖かく柔らかいコーラスも涙腺を緩めてくるし、大きな聞き所。

7.'Static Age' 2009年 21st Century Breakdown 収録

燃える様なロックサウンドとは対照的な、涼感すら伴う爽やかなギターロックチューンにも彼らの爽快な魅力が濃縮されているのを感じる。

高らかなギターリフのまっすぐ伸びていく鳴り音の魅力、ハイトーンなボーカルが心地よく刻まれるクラシカルな雰囲気のビッグメロディー。

ビリー本人が「ブルース・スプリングスティーンみたいだろ?」と語る、伸びやかでエバーグリーンなサウンドに涼やかに心が洗われていく音楽的興奮は、グリーンデイのファニーでエッジーな魅力のもっと柔らかい本質的な部分だと思う。

静止の時代と切り捨てた今の時代に対する問題提起を、こういうポップさで彩った2面性は鮮やか。

 

8.'Church On Sunday' 2000年 Warning 収録

この記事において、僕の言いたいことが詰まった一曲。
ニッチなアルバムの名曲という位置付けで、大好きなトラック。
牧歌的で穏やかカントリーなメロディーラインは、行ったこともないが何かの映画で見たアメリカの郊外の郷愁が浮かぶセンチメンタルさ。
爆発的な高揚感よりもジワリと胸の奥から染められていくグリーンデイの良心、スイスイと聴き進められる歌としての浸透性はキラーカードでありつつ情感たっぷり。
ヒルビリーなサウンドに屈託のないダイナミズムで語られるナチュラルな恋愛観も、読み取ると面白い。
 

9.'86' 1995年 Insomniac 収録

ポップパンク街道から少しだけ外れたクールなパンキッシュナンバー。

ウエストコースト的な彼らのパンクルーツを思わせる、チリチリとしたギターサウンドが擦れる音がラフでスモーキーで良い味。

必殺のキレを保つシャープなバンドサウンドには、向かってる若さと既に場数をこなした落ち着きを感じる、凄く絶妙な時期。

86は拒絶とか断りを意味する隠語的な意味があるらしい。

ドゥーキー後の心の移り変わりを捉えた貴重な瞬間のアナザーサイド。

 

10.'Paper Lenterns' 1990年 1039/Smoothed Out Slappy Hours 収録

超初期の軽妙なポップパンクチューン。
パワーソングというよりは、ナードな恋心をナチュラルに吐露したシンプルなエモーショナルトラック。
最も彼らの自然な型、ザクザクのドライヴィンなパンクギターに絡み合っていくベースリフと高速のドラミングのユニゾンする姿は、どんなバンドより断トツにアイコニック。
絶妙なリズムの歌い回し、I Will Think About Youを決めギターを鳴らす瞬間は眩しすぎる位カッコイイ。
 

11.'One Of My Lies' 1991年 Kerplunk 収録

どこか暖かいメロディーラインのポップロックチューン。

ギャリギャリのギターに乗せる死とか終わる事への絶望的な思いが陰に輝く。

哀しみをドライに吐き捨てるよう歌うと何故か温かみに満ち、結果背中を押してくれている。

挑発的な戦闘性よりも、こういうロックにハートを掴むやり方こそ、彼らが戦ってきたスタイルでどんな楽曲の隅々まで浸透してる。

 

12.'Prosthetic Head' 1997年 Nimrod 収録

グリーンデイワンダーランド的なミステリアスなマイナーポップチューン。

得意とするモノクロームなフィーリングのリフに、少し色合いの違うダークな世界観。

トレのドラムと共に徐々にビルドアップされるサウンドが波のように寄せ世界観ごとかっさらっていく。

ラウドでフローターに、転調しまくる緩急静動自在のトリッキーな曲展開に、最上級にイカれた気分を歌うサイケな浮遊感が鈍く輝くアナザートラックだ。

 

13.'Ha Ha You're Dead' 2002年 Shenanigans 収録

「悪ふざけ」という意味のベスト後に発表されたBサイドトラック集の最後に収録されたキラートラック。

超絶シンプルなベースラインが漂うように流れ、時たまギターを引っかきながらタイドに歌う。

淡々と前に進むメロディーにまるで賛美歌のように'ハハッ、お前は死んだ。すげぇハッピーだ'と歌うニヒルなパンクスタイル。

ちょっとThe Crashを彷彿とさせるレアなタイプの一曲、この為だけにこのアルバムを手に入れるべきだとすら思う良曲。

 

14.'She's A Rebel' 2004年 American Idiot 収録

アメリカンイディオットのハートハンドグレネードを象徴するモチーフ的なトラック。

危険な甘さを香らせつるロックの電撃性とパンキッシュなムードを持つ、ポップパンクの少し先のパンクスタイル。

韻を踏むようにドライヴィンなリズムでまくし立て、キレは維持しつつ厚みを増したギターがアグレッシヴかつキャッチーに届く。

2分ジャストに込められたグリーンデイらしいコンパクトなパンクアンセム。

 

15.'Horseshoes And Handgrenades' 2009年 21st Century Breakdown 収録

アグレッシブでハードなロックチューン。

21世紀のブレイクダウンの曲らしく、騎兵隊の足音で始まるがそのSEと完全に同化するキレキレのロックリフ。

荒々しくノイジー、でも美しく作用する盤石のロックサウンドは、近年のスケールの大きさを反映している。

厚みのある音圧は、ロックの毒気と華々しさを帯びて僕らを蜂起させる様に響くのだ。

 

16.'Emenius Sleepus' 1994年 'Dookie' 収録

パワーコードのキャッチーなリフがワクワクするリズムで刻まれる爽やかなギタートラック。

Emenius Sleepusはという全く分からない単語がタイトル。

疾走するパワーリフに優しいテンションのビリーの声は、凄くナチュラルな聴き心地。

ビリーのボーカルはどこか世界観に入った役者的なところがあるがこの曲ではふんわりと自然体なのが良い。

これも淡々とドライにちょっとセンチな思いを包み込んでくれる心優しいアナザートラック。

 

17.'All The Time' 1997年 Nimrod 収録

キャッチーながらトリッキーなギターチューン。
斜めに切るようなグラインドするリフ、かなり鋭角でも馴染みやすいメロディアスなサウンド。
ロウなムードでまくし立てヘヴィな歪みを躍動させるパンキッシュで完璧にアナザーサイドな一曲。

 

18.'Misery' 2000年 Warning 収録

どこかドラマ仕立てで後のコンセプチャルな作品へ繋がりそうなアートさを帯びるアシッドなポップロック。

アコーディオンの音がミステリアスさを加速させ、しっとりとしたビートにどこまでも艷やかに妖しく歌い上げるビリー。

打って変わってミステリアスなムードを纏えるシンガーとしての表現力はケタ違いだ。

 

19.'Walking Alone' 1997年 Nimrod 収録

郷愁的な一曲。

小さい頃、田舎の帰り道を歩いて帰っている時の様な気分になる、こういうノスタルジックさが鮮やかに僕らのどこかの光景にマッチする。
クリアなメロディーとエッジ、音の輝きと土っぽさ。
音楽を歌っている時だけは肩の荷を降ろした様な晴れやかな味わいに、聴いてるといつもより大股で歩いていけそうなフォーキーなグッドメロディーなのだ。
幸せの記憶とどこか繋がる大切な色彩の一曲だ。

 

20.'Ordinary World' 2016年 Revolution Radio 収録

ラストは2016年の最新アルバムのアコースティックナンバー。
ビリー自ら出演した映画のテーマソングらしい。ずっと待ってるんだけど全然日本でやらない。
子守唄の様に一音一音を紡ぐようなテンダーな一曲。
全ての荷物を置いて、この曲にだけ寄り添っていたい。
そう思える歌声は、まさに僕の人生のフェイバリットなものだ。
 

ヒーローが見せる自然な横顔

少しでも読んで頂いた皆様ありがとうございます。いかがでしたか?
影だからこそ色濃く彼ららしい曲が多い。
迷いに迷った時に基本に立ち返る場所に居るフェイバリットなヒーローのGreen Day。
ただでさえ近い位置にいる彼らのその自然な横顔、少し影がかかった表情が彼らの内面の色すら見せているようで、その音の中だけに身を置きたいと思えるアナザートラック。
一億回聴けるバスケットケースも、こういう曲を何千万回聴くからきっと一生輝いていくんだろう。
そこまでどっぷりと緑な世界で良い。そう思える数少ないバンド。
 
それではまた別の記事で。