無人島に持っていくならどのアルバム?第6弾!
無人島に持っていくシリーズ6。
新譜のレビューはやっていたけど、それ以外にも心に刺さったアルバムは山ほどあるのだ。
音楽友達と良く酒飲みながら話すネタ、無人島に持っていくならどのアルバムを持っていく?という話題。おもしろかったので記事にしました。のその5。
1987年生まれ、ロック好きの心を打った珠玉のアルバム達。
今回はSugarcultのアルバム'Start Static'に想いを馳せる。
メロディックパンクブームど真ん中で活動していたカリフォルニア出身のバンド、シュガーカルト。
スーツがバシッと決まるスタイリッシュな4人組は、カリフォルニアパンクの風合いを受け継ぎつつ、独自のスモーキーな雰囲気とメランコリックなグッドメロディーで、パンクキッズの中でも独特でエッジの効いた存在感を博す。
私も大好きです。
日本での一枚目のアルバム、”スタートスタティック”はまさしく無人島に持っていきたいと思う、コアでアツい忘れたくない一枚。
是非聴きながら読んで頂き、素敵な暇つぶしになれば幸い。
それでは行きます。
前回までの無人島シリーズはコチラ!!
絶妙なバンド シュガーカルト
Start Static
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ソングレビュー
1."You're the One"
アルバムのオープニングはジャケ写の様にプラグが刺さったかのような電撃ポップパンク。
スウィング感溢れるビッグなロックサウンドをタイトに濃縮するパンクリフが痛快に胸を掴む。
ハスキーでセクシーなティムの声も、カリスマ的な存在感で圧倒する、彼らの魅力が1分半くらいで詰まった先頭打者ホームランみたいなナンバー。
2."Stuck in America"
Sugarcult - "Stuck In America" (video)
2曲目に据えるリードトラック的な彼らの代表曲。
パンキッシュな瑞々しさを含ませた爽やかなロックサウンド。
スカッと撃ち抜かれるようなパワー、ちょっとだけ憂いを帯びた声、そのバランスも発揮されてる彼らのオーソドックス的な一曲だ。
3."Hate Every Beautiful Day"
影の部分が表に出たミドルロックチューン。
メランコリックなサウンド・デザイン、それを更にドラマチックに紡ぐボーカルとメロディーが紡ぐ煌めきは凄く劇的に映る。
シャープさとその影の深さで崩壊的な多彩さを感じさせつつも、耳を掴んで離さないスモーキーなメロディーラインが暖かく心のど真ん中に寄り添い続ける。
この曲が3曲目に配置されている辺りも、彼らが大切にしている事を感じられ、すごく好き。
4."Bouncing Off The Walls"
Sugarcult - "Bouncing Off The Walls"
彼らの中でも屈指のポップロックキラーチューン。
タイトル通りメロディアスなフレーズが跳ねまくるドライヴ感あるライブ向けなナンバー。
ギターソロはノーユースフォーアネームやフーファイターズのクリス・シフレットが弾いている。
「動」の碧さ・勢いに阿らず、危うい色気を醸す「静」の部分の魅力も半端ない彼ららしさも存分に感じられる。
5."Saying Goodbye"
爽やかなメロディーが吹き抜けるグリーンなミドルチューン。
パワーポップ的なサウンドが抑揚を付けるリズムに乗り、空高く舞うリードギターの音色が鮮やかに色づく。
こういうシンプルで優しい調べのロックアンセムだからこそ、彼ららしく輝くのだ。
6."Daddy's Little Defect"
鋭角に切り上げるメロディックパンクナンバー。
ノリノリの心地いいリズムで随所に痛快な躍動感を作れるフレーズは巧みでスケールでかめ。
舞い上がる様な伸びやかなボーカル声は、物凄く爽快。
7."Lost in You"
優しくメロウなミドルチューン。
大きく包み込むような包容感のある暖かいサウンドが終始優しく降り注ぐ。
どことなく夕日の斜陽感を感じ胸をつまらせつつメランコリックにパーソナルに寄り添う歌声は琴線に触れるのだ。
8."Pretty Girl (The Way)"
浮遊感あるロックバラード。
緩と急も、光と影も存分に使い分けながらスタイリッシュにまとまるオルタナティブな傑作ナンバー。
シングルカットもされたキレのあるサウンドデザイン。
揺らめく音が美しいし、艶やかなティムの声が炎の様に煌めく。
9."Crashing Down"
もう一つロックバラード。
きっとティムの声が最も美しく響いているのはこの曲。
丸みを帯びたサウンドが暖かくそれを包み、曲そのものが尊い大切なものになっていく。
10."How Does It Feel"
大ぶりに振り下ろすギターサウンドのロックナンバー。
エネルギッシュに大胆にグラインドするパワーポップ的なロックサウンドが爽快に駆け抜ける。
甘い瞬間も随所に感じさせながら、シンプルに心に直撃する、ストレートな音だ。
11."I Changed My Name"
艶やかなスロウチューンがラストの一曲。
無機質に逆に抑揚を一度置いて、ただただスモーキーにその音と声を響かせる。
きっとここまでにティムの声にはやられてるはずだ。
漂う彼の声をしっかりと噛みしめる、甘く至福の時間。
12."Underwear" (Hidden Track)
最後にはシークレットトラック。
このアルバムの前にアメリカでは発表されてた一曲のようだ。
メチャクチャ、ジャジーなナンバー。それが凄く様になってる。
ぜひここまで聴き切って欲しい、意表を突かれつつ魅惑的なシークレットトラックを聞き入って心地よくエンディングを迎えられるはずだ。
フェイバリットなジャストアルバム
いかがでしたでしょうか?お楽しみいただけていたら幸いです。
絶妙な存在感で、きっと一生聴き続けられるであろうマストでフェイバリットな秘密のバンド感。
それがあるこの一枚は、実にジャストな一枚。
決して矮小なレベルではないが、いつまでも僕の心にぴったりとハマる。
そんな自信すらあるのである。
それではまた別の記事で。