音楽を持って箱根に一泊旅行に行って来た
5月の平日、2連休を利用して箱根・強羅温泉に一泊旅行に行って来た。
今回はその旅行記を書こうと思いたった。
iPodをシャッフルして、その時に流れてた曲、そして光景に心に留まった音楽と共に、旅を振り返りたいと思う。
もちろん箱根の魅力にも触れますので、ぜひご旅行のご参考にもして頂ける事があればと思います。
出発 1日目
新宿からロマンスカー
平日の新宿駅、小田急線の西口地上改札へと向かう。
新宿駅は不思議のダンジョンだ。
知らない内に広くなっていき、その見る角度とか入る場所によって光景も全く違う。
最近使うJRの方面から、久し振りに小田急線の改札口に来た。
幼少期から20年以上小田急線を使っていて、なんとなくそこから見る新宿の風景も覚えていた。
すっごく狭い窮屈なエスカレーターを登り地上へと上がる。
ティファニーの広告の方が僕の立つ足場より幅広だ。
スーツ着た人、学生っぽい人、何だかよくわからない人が交差する都会の密林感。
ここは最も多くの人種が集まる場所かもしれない。
ちょっと目が疲れた時にジミーイートワールドが流れて、あったかくなる。
ロマンスカーが到着して、乗り込んで駅弁を頬張る。
おそらく箱根に向かうだろう高らかに笑うご老人達が、結局箱根なのよね、みたいな会話で盛り上がる。新宿から2時間半くらいだけど、だいたいそんな事をずっとしゃべってる。
テレビでこの間見てたけど、小田急にとっても大切な場所なんだと思った。
遥か昔から悠久の温泉地だった箱根と屈指の都会の密林を繋ぐロマンスの中は高揚感に満ちてる。
AshのSomedayを聴きながらそんな事を考えてると、WeezerのBeverly Hillsが流れて来る。
僕が何十年も過ごした世田谷区を脇目もふらず通り抜ける。
あらゆる駅に何かと思い出があって、爽快感すらあるスピードの中でも、それに負けない位のスピードで記憶が鮮明になっていく。
きっとリバースの声をこの線路の上で聞くのも何十回目なんだろうなと思いながら丘の中を走る。
神奈川に入ったくらいで結構な雨が降る。
あらまぁ。
みたいなご老人達の声には、残念というよりは風流ねー、みたいな余裕がある感情を感じる。
これで行き先が遊園地とかだとガクッと高揚感も冷めるんだろうが、箱根って場所はそういう景色も美しいんだろうなって予感の方が強い。
それも箱根の粋なとこだ。
雨に合う曲ないかなーといくつか飛ばして出たElic Craptonの'Let It Rain'が綺麗な曲だった。好き。
箱根湯本から強羅
箱根湯本に着く。
登山鉄道に乗り換えるため一回ホームに出る。
平日だって関係なく結構の人。土日は完全にキャパオーバーだろうなと思う。
近代化産業遺産というプレートが誇らしげに飾られていて、ちょっと凛とした気持ちが芽生える。
The White Stripesの'I Just Don't Know What To Do With Myself'も凛としてる。
売店でかまぼこ買って摘みながら登山鉄道に乗り込む。
目的地で終点の強羅までは40分弱。
幸いにも座れたけどすごい人の量。
都会の密林どころじゃない山深いところをガシガシと登る。
必殺の見せ場、スイッチバックを繰り返し狭い線路を行く。20年前くらいに同級生の家族とウチの家族と3家族くらい合同で箱根行ったときに親にドヤ顔で教えられた以来のスイッチバックだ。
首をひねりながら窓の外を眺める。だいぶ高い。
斜面の山肌にはポツンと佇むように野花が咲いてる。
美しく並べられる訳でもないのに、すごい綺麗だ。誰に見られる訳でもなく昔から綺麗だったんだろう。
雨露の中の光景は神聖で澄んだ感触で、同時にそんな中を鉄道が走るという一見アンバランスでも、情緒ある光景に受け入れられてるのが凄いと思った。
HUSKING BEE 'The steady-state theory'の日本語が優しく響き、その上でThe Strokes 'Machu Picchu'が霧がかった山道にフィットした。
HUSKING BEE - the steady-state theory PV
強羅駅に着く。登山鉄道の終点だ。
もう雨は落ち着いていたが雷が鳴るかもしれないからとケーブルカーは見合わせていた。
スイスの同じく山の中を走る鉄道と友好を結んでいるらしい。
チェックインちょうどぐらいに着けた。曇っているけど澄んだ空気。
高揚感はそのままに、ちょっとした安堵感に包まれるホッとするような街並み。
Fountains Of Wayne’Leave the Biker’の浮遊感と懐かしい様な情景が合う。
ここからは少し箱根の紹介が多くなる。
その②に続けます。