W杯最終予選9戦目 オーストラリア戦に想いを馳せる
ほぼ一年前の2016年9月から始まった2018年ロシアW杯アジア最終予選。
その初戦、日本はホームにUAEを迎え1−2で敗れた。
そこから1年をかけ、8試合を終え次が9試合目。
毎回長く波乱を含むW杯最終予選は、過去とは違いこれと言った浮上のキッカケを掴めぬままズルズルと進んできた。
新戦力の台頭、劇的な勝利などターニングポイントはあったが、不安定な印象は拭えぬままのグループ一位。
日本としては何かザワザワとした不安な雲行きのまま、昨日急に届いたサウジ敗戦のニュース。
これが最終予選らしいザワザワ感。そして9試合目オーストラリアとの大一番。
もう一度、状況を整理し、選手に想いを馳せ、少しでもこの試合をエネルギーを持って見るためのプレビュー。
ぜひ素敵な暇つぶしになれば幸いです。
前回のまとめはこちら!
勝ち点&状況整理
○現在の順位表はコチラ。8/30時点
1.日本 勝ち点17 得失点差 +9
2.サウジアラビア 勝ち点16 得失点差 +6
3.オーストラリア 勝ち点16 得失点差 +6
4.UAE 勝ち点13 得失点差 -2
5.イラク 勝ち点5 得失点差 ‐3
6.タイ 勝ち点2 得失点差 -16
※1,2位が自動的に出場決定。3位はプレーオフ。
スケジュールは下記の通り。左がホーム。
⚪︎9/1 第1節
オーストラリア 2vs0 イラク
日本 1vs2 UAE
サウジアラビア 1vs0 タイ
⚪︎9/6 第2節
イラク 1vs2 サウジアラビア
タイ 0vs2 日本
UAE 0vs1 オーストラリア
⚪︎10/6 第3節
UAE 3vs1 タイ
日本 2vs1 イラク
サウジアラビア 2vs2 オーストラリア
⚪︎10/11 第4節
イラク 4vs0 タイ
サウジアラビア 3vs0 UAE
オーストラリア 1vs1 日本
⚪︎11/15 第5節
UAE 2vs0 イラク
タイ 2vs2 オーストラリア
日本 2vs1 サウジアラビア
⚪︎3/23 第6節
UAE 0vs2 日本
イラク 1vs1 オーストラリア
タイ 0vs3 サウジアラビア
⚪︎3/28 第7節
日本 4vs0 タイ
サウジアラビア 1vs0 イラク
オーストラリア 2vs0 UAE
⚪︎6/8 第8節
オーストラリア 3vs2 サウジアラビア
↓6/13
イラク 1vs1 日本
タイ 1vs1 UAE
⚪︎8/31 第9節
日本vsオーストラリア
タイvsイラク
UAE 2vs1 サウジアラビア
⚪︎9/5 第10節
サウジアラビアvs日本
イラクvsUAE
オーストラリアvsタイ
勝ち点上で整理する
現在首位の日本の勝ち点は17。
4位のUAEが勝ち点13なので3位以上が確定し、自動敗退はなくなった。
2位のサウジと3位のオーストラリアの勝ち点状況は一緒。
4位のUAEは数字的には3位の可能性も残されているが(次も勝利かつ2・3位が2連敗し、8の得失点差を埋められる点差をつける)、天文学的な確率だ。
よって自動出場が決まる1・2位争いは日本・サウジアラビア・オーストラリアに絞られた。
スケジュールと残り2試合を整理する
可能性を残す3チームの試合は以下の試合。
次節
日本vsオーストラリア
次々節
サウジアラビアvs日本
オーストラリアvsタイ
日本からすればかなり単純な話で、次節勝てば自動的に2位以内が決まる。
サウジの負けにより、オーストラリア戦で引き分け・負けでもアウェーのサウジ戦で引き分ければ2位以内が確定。
他の2チームはどうか?
サウジはもう後がない。最終戦で引き分けで許される状況はオーストラリアが2連敗した時だけ。最終戦は勝たないと2位以内はないと思っていい。
オーストラリアは最終戦はホームのタイ戦。最も勝ち点3が取りやすい状況を最終戦に残し、日本戦に臨む。
最も楽になったのは、オーストラリアかもしれない。
日本にすると強敵2連戦は変わらないし、オーストラリア戦で勝ち点が取れないと、もう後のないサウジとの戦いで40度のアウェーで勝ち点を取らなければいけない。
日本的には状況は変わらない。オーストラリア戦では負け・引き分けに変わりはない。
ならば勝ち点3を取りに行くサッカーをするべきだ。
オーストラリアは最終戦のタイ戦もあるという余裕が生まれた。どっちかで勝ち点3を取ればいい。これがどう作用するかが面白い部分でもある。
後はあるにはあるが、最終戦を消化試合によりしたいのは日本の方だ。
オーストラリア
ではどう勝ちに行くか。
最終予選では一度も勝ってない相手。W杯でも負けているし。
3バックを導入し、コンフェデで強豪とも渡り合った大きな強化期間があった。
攻撃的な部分での底上げは素晴らしい結果が出たし、3人のCBも世界レベルの強さがある。
それでもボランチとCBの間とか、3バックの横・ウィングバックの裏を付けなくはなさそう。
攻撃的にサイドの奥深くをどういう選手が使うかってところが大事になってくるだろう。
今回はそれを狙えるだけのメンバーを選出している。後はその組み合わせだ。
メンバーへ想いを馳せる
今回招集されたメンバーは以下の通り
GK 3名
川島 永嗣 (FCメス/フランス)
東口 順昭 (ガンバ大阪)
中村 航輔 (柏レイソル)
DF 8名
長友 佑都 (インテル・ミラノ/イタリア)
槙野 智章 (浦和レッズ)
吉田 麻也 (サウサンプトン/イングランド)
酒井 宏樹 (オリンピック・マルセイユ/フランス)
酒井 高徳 (ハンブルガーSV/ドイツ)
昌子 源 (鹿島アントラーズ)
植田 直通 (鹿島アントラーズ)
三浦 弦太 (ガンバ大阪)
MF 7名
長谷部 誠 (アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
髙萩 洋次郎(FC東京)
香川 真司 (ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
山口 蛍 (セレッソ大阪)
小林 祐希 (SCヘーレンフェーン/オランダ)
柴崎 岳 (ヘタフェCF/スペイン)
井手口 陽介(ガンバ大阪)
FW 9名
岡崎 慎司 (レスター・シティー/イングランド)
本田 圭佑 (CFパチューカ/メキシコ)
乾 貴士 (SDエイバル/スペイン)
大迫 勇也 (1.FCケルン/ドイツ)
原口 元気 (ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
武藤 嘉紀 (1.FSVマインツ05/ドイツ)
杉本 健勇 (セレッソ大阪)
久保 裕也 (KAAヘント/ベルギー)
浅野 拓磨 (VfBシュツットガルト/ドイツ)
計25人を招集し、ここから23人に絞られる。
FWが多い。調子を見極めた上で、あらゆる組み合わせや展開による起用を考えたいのだろう。
まずはポジション別にロマンを込めて想いを馳せる。
GK&DF
国内でびっくりする好セーブを見せる中村は素晴らしいけど、おそらく川島なはず。
精悍なタイプで川島とは違う支配力のある、ロマン的には若い中村が守って欲しいとけど、この試合ではどうか。
ディフェンス陣は8人。前回から外れていた森重は今回も怪我で外れた。
吉田は変わらずの調子。おそらく相棒は好調鹿島の昌子だろう。
まずはパワーへの対策が必要になるが、3バックを導入以降どんどんクロスを入れてくるオーストラリアの攻撃に対し、高さの安定感も必要になってくる。
槙野のSB選出も前回のオーストラリア戦のイメージを持っての事だろう。
長友は良いんだが悪いんだかギリギリまでわからないので、クラブで迷いながらプレーをしているけど奮闘を見せる槙野を、しがらみなく左サイドの番人として使うのも良いのかもしれない。
MF
長谷部・小林・柴崎が復帰。
大黒柱のバランサー長谷部は確定だろうが、他はFWとの兼ね合いにもなる。
システムをいじらないのであれば、ボランチ一枠とトップ下一枠。
ある意味これで攻撃の色が変わってくる、今回の面白い部分。
山口・長谷部そして香川の最も多い組み合わせなら守備時のシステムの流動もスムーズだろう。
ボランチの一角が柴崎ならサイドと前線の選手に質の高いボールを送れるし、ポゼッションも高められるだろう。
小林がトップ下に入ればリズムを変えられそうだ。臆することなくボールを要求するメンタルも今から目に浮かぶ。
井手口も一発があるし、前回は脳震盪もあったから完璧な状態でそのダイナミズムを見てみたい思いもある。ここも臆する事ない小林と共に縦に並んで追い越し追い越されみたいな形もいい。
ジョーカーになりそうなのは高萩。オーストラリアでのプレー経験もあり、この試合のためのカードだと言える。
真ん中のスペースでボールを触れる選手、ボールを深い位置に配球できる選手。それをどのタイプのFWと合わせるか?
その組み合わせのセンスが問われる。
FW
最多の9人の招集となった。
いつも通りの顔ぶれの中では、大迫が間に合い乾が継続して選出。
武藤も久々の復帰。
Jリーグでも屈指の大型FWとなった杉本が初選出。
コンディション的には本田・原口が怪しげ。
大迫が問題なければおそらく1トップは大迫で杉本はバックアッパーになりそう。
その他の2枚は好調な岡崎、乾なのか。原口・久保で行くのか。
絶好調な岡崎を使わない手はないはず。闘える武藤でもありだ。
このあたりは中盤との兼ね合いになってくるだろう。
ロマンあるスタメン予想
勝ち点3以外前進ではない以上、勝ち点3を取りに行くべきとして、攻撃的に行くと予想し現時点でロマン溢れる組み合わせを考える。
GKは川島に頼る。
CBは吉田と昌子。SBは左に槙野、右に酒井宏樹。
ボランチは長谷部と柴崎を推したい。
トップ下は小林。
FWは中央に大迫、左に乾、右に岡崎。
4‐3-3から小林が右に流れて岡崎が絞る4‐4-2の様な形だ。
展開によって浅野を大迫か岡崎に変えて投入とか、本田を入れて引き締めるとか、
一番見てみたいのはトップ下に香川を入れて乾と関わる姿。
彼らの長所をそのままワクワクするようなシーンに繋げられる様な試合を期待したい。
正念場に人を惹きつける何かを
残り2試合。少しだけ追い風も吹き、後がない状況ではなくなった。
ここでこそ、この予選のそして今後の代表のターニングポイントになるような試合を期待したい。
メンバーはいいはずだ。誰が出でもほぼ遜色ない今予選でかつてないメンバー。
後はその配色をどう作用させるか。相手も不足はない。
負けられない戦いはもうすぐ終わる。
ここからは僕らファンを背負ってどう戦うかを魅せる時だ。