W杯圏内の2位で前半終了
新戦力の台頭で、メンバーの顔触れが変わり話題に上った11月の2連戦は2連勝で終え、アジア最終予選のすべてのスケジュールの半分を消化した。
現在日本は2位でW杯自動決定圏内に位置つけている。
結果的にも、内容的にも、ここにきて盛り返してきた感があるが、4つ巴の様相が益々色濃くなったグループではまだまだ安心はできないのが現状だ。
そこで今年を振り返るとともに、勝ち点整理と選手たちに想いを馳せる。
来年、ひいてはW杯へ向けたレビュー、よろしければ是非ご覧ください。
今年の歩みと勝ち点整理
初戦、ビッグ3は変わらずスタメン揃い踏み(本田・岡崎・香川)で、UAEをホームに迎えるが、中央突破にこだわりエリア前で渋滞し、パス交換の精度も悪く攻めあぐねたままボランチに抜擢した大島がPKを献上するなど、采配の不運もあり敗北から始まった。
2戦目がアウェーとは言えタイ戦だっただけあり、初戦は引き分けでも良かった所だったが、黒星スタートままタイへ。新星・浅野のゴールもあり2-0で勝利を収めボランチに抜擢した山口蛍のボール奪取が光ったが、何かと不満は残る2試合だった。
負けられないホームの難敵イラク戦、トップ下に清武を起用する事でボールの流れがスムーズになる。が、追いつかれたまま後半ロスタイム。パワープレーからのセットプレーの流れで山口蛍のゴールで、劇的なドラマを産み出した。
ちぐはぐな内容のまま、グループ最大のライバルとの山場、オーストラリアのアウェー戦。勝ち点のライン的にこの試合で負けられないという状況は避けたかったが、最低でも勝ち点1という条件を突き付けられた状況となってしまった。
ここでワントップを本田に、そして守備時には442のブロックを作る戦術をとった。
開始5分で好調原口のゴールで先制してからは、徹底してブロックを布いて守った。
その原口のPK献上で引き分けに終わったが、守ることに全力を尽くした90分となった。
そして新戦力を揃えた勝ち点3が命題のサウジ戦、大迫・清武のラインは躍動し、速いプレスが機能しサウジを混乱させ主導権を握る。2点を取った後、1点こそ返されたものの、決定機もシュート数も支配率も上回った。課題も見えたが、一番見ていてワクワクする攻撃だったのではないか。
簡単に5試合を振り返ったが、常に思考錯誤がいる、厳しい最終予選となっている。
一時期は日本の持ち味は何だっけ?という疑問まで戻るほど、相手によってガラリと戦術を変える事を経験した試合の数々。さらには抜擢が外れたり、不運な判定もあったりとタフな問題も盛りだくさんだった。良くも悪くも対応は見せ、それがプラスマイナスで2位という結果になっているのだと思った。
ここで一度、勝ち点を整理してみる。
○現在の順位表はコチラ。11/15終了時点
1.サウジアラビア 勝ち点10 得失点差 +4
2.日本 勝ち点10 得失点差 +3
3.オーストラリア 勝ち点9 得失点差 +3
4.UAE 勝ち点9 得失点差 +1
5.イラク 勝ち点3 得失点差 ‐2
6.タイ 勝ち点1 得失点差 -9
スケジュールは下記の通り。
選手への提言
さて、ここからはポジティブな選手起用への提言に入る。
見ていてワクワクするようなサッカーが見れるにはどうすればいいのか。
胸をときめかせて勝つ、という最高なシチュエーションに向けた提言になる。
軸が出来てきた中で、さらに枝葉を創っていく
ワントップの大迫、左サイドの原口、トップ下の清武、ボランチの山口。今までの主力とは一世代下の選手がスターティングラインナップに顔をそろえた。
これを軸にして戦いを構築するのが、来年3月の天王山に向けいい結果をもたらしそうだ。
本人たちの年齢もあり、軸という事で自信をつけさせて信頼を形にしていった方がいいタイプが揃う。
監督の掲げるデュエルの部分も十分、さらにクリエイティビティを発揮する流動的な攻撃を見せてくれた。これをベースにコンビネーションを上げられる様なマネジメントを見てみたい。
さらに言えばこの軸から派生する枝葉、突出した武器を持つプレイヤーでアクセントをつけられる存在を固定化するのも重要になってくる。
J最強のドリブラーの斉藤、さらには宇佐美。得点力を期待したい久保や武藤。柏木や永木、大島といった攻撃的なボランチの選手。一度呼ばれたこのあたりの選手が一度大きく輝くとさらに楽しくなってくるのだ。
さらには乾だったり、南野だったり、新しい選手をここに抜擢するのも面白いと思うのだ。
海外勢の今後、単なるジョーカーではない
さらに激しさを増す最終予選、さらにはその先の世界の戦いを前に、大きな経験をしてきた海外主力勢はかけがえのないものだ。
出番は少なくなっている。コンディションの問題もあるし、批判も世論もある。
が、サウジ戦の2点目の左サイドの崩しの本田のパスは、彼らしさが光る僕には鳥肌ものプレーだった。
何のインパンクともなく明らかなスランプを迎えている香川、得点の取れない岡崎も、この代表戦がない時期にリフレッシュをしてほしい所。
ジョーカーにしても、単なるジョーカーではない存在感を見せないと、本当に立場が危うくなる。若くはないのであれば、それ以外の武器で戦う準備をするべき。
本田のあのパスにはそういった経験と牙を研いで待つ老獪さがあった。
各々、そういう時期にきているのかもしれないのだ。
右サイドはどうする?
不動だった本田がサウジとの大一番で久保にスタメンを譲った右サイド。
久保の開始直後のけがの影響もあったと思うが、後半頭から本田が出場し、2点目のチャンスを演出したが、まだ空白のポジション。
左の原口の固定振りが目立つだけに、ここはどうするか不透明である。
軸にするなら守備で走れて、ボールに対しアタックできることが条件で、さらに攻撃的な特徴を持っている事が、ハリル好み。
小林悠が怪我明けでファーストチョイスなのか、久保を呼び続けるのか、岡崎か本田なのか。
逆に言えば、まだテストの余地があるので、新しい科学反応を呼べそうな選手を試すのも面白い。
小林祐希や柏木ら左利きを置く形、浅野や斉藤や武藤らスピードを活かす形、宇佐美や乾など懐の深い柔軟なテクニックを持つ選手をコンバートする形と色々と想像できるが、果たしてどうなるか楽しみなポジションだ。
以上まとめると、
○大迫・清武・原口らの攻撃陣の軸はそのままに、色を付けられる選手を呼ぶ。
○本田・岡崎そして香川の奮起が確実に必要なときは来る。スタメンでない時の準備もいる。
○右サイドの人材。まだテストが出来るはず。もっと試してみるのもいい。
となる。
最初にUAEに負けた時から考えると、だいぶポジティブな方向になってきた。
大分ワクワクできているので、ここでもう一伸びを期待したい。
大分時間は空いてしまうが、代表選前に少し関連した記事も書いて行こうと思います。
それではまた次回の記事で!