今、1987年生まれロック好き的に振り返るオアシスの名曲24選 2019年8月リライト
- 今、1987年生まれロック好き的に振り返るオアシスの名曲24選 2019年8月リライト
- 1.Supersonic
- 2.Rock 'N' Roll Star
- 3.Married With Children
- 4.Stand By Me
- 5.Don't Look Back In Anger
- 6.Wonderwall
- 7.Live Forever
- 8.Whatever
- 9.Columbia
- 10.Some Might Say
- 11.Champagne Supernova
- 12.D'You Know What I Mean
- 13.All Around The World
- 14.Stay Young
- 15.Digsy's Dinner
- 16.Be Here Now
- 17.Shakermaker
- 18.Cigarettes & Alcohols
- 19.Lyla
- 20.Stop Crying Your Heart Out
- 21.Harf The World Away
- 22.Talk Tonight
- 23.The Masterplan
- 24.My Generation (The WHO cover)
- 人生の最後まで、この曲たちと
セールス的に、とか、彼らのバイオグラフィー的に、とかではなく、初めて僕が聴いた時から今、そして僕が死ぬまで鳴るだろう彼らの曲。
出来るだけの幅を持って、彼らを少しでも捉えられるようにちょっと大きめな表現で紹介して行きます。
1.Supersonic
シングルのデビュー曲であり一夜にしてオアシスロックンロールの王道を築きあげたビッグナンバーは傲慢で爽快だった。
シンプル極まりないロックビートをベースに、紫煙漂うギターがサイケにドライブするサウンドは偏屈で歪んでいながら、僕らに真っ直ぐ向かってくる至極真っ当で抗う隙間もない威圧感があって、超音速とはいえないミドルなテンポも相まって彼らの音楽に染められていく快感が確かにある。
韻を踏みつつ巻きまくった独特なリアムのボーカルの歌いまわしも、これからこの歌い方でこの声を一生聴くことになるんだぜ?と言われてる様な心地良いまでの不遜さをアイデンティティーにロックシンガーというパーソナルを強烈に理解する一曲。
ボクらの時代のロックがここから始まったんだと胸を張りたくなる強い歌だ。
2.Rock 'N' Roll Star
自らをロックロールスターと言うのは大馬鹿野郎かオアシスだけだ。
ノエル自ら描きたいことはこの曲に全て込めた、というほど彼らのメソッドが詰まった一曲。
ロックロールの軽快なリズムをベースに、太陽の元に滑り出すように鮮やかなギターサウンドが色付けした陽性の音空間、生命を吹き込む様な躍動感あるリアムのボーカルも抜群にキレてる。
デビューアルバムのオープニングトラックの名刺代わりに、面白いテーマだな、くらいで聞いてくる奴の鼻っ面を叩いた超リアルな'宣言'は、そういう背景を知らずしても凄いパワーだったけど、ストーリーを知るとOasisマジで凄ぇってなるエピソード性も抜群。
3.Married With Children
僕の場合は、だが、このナチュラルなアコースティックナンバーが、深夜の水道橋の交差点で信じられないほど美しく聞こえてオアシスをもっと好きになった。
至極ナチュラルで堂々としたギターメロディーと、リラックスした歌声。
時に息を呑む程に美しく、擦れていてアンニュイでも笑顔にさせる心地いい暖かさ。
どんなに煌びやかでも、どんなに創り上げられた物語よりも、僕にはこの3分間でいいと想えるアコースティックでオーセンティックな魅力の詰まった一曲。
元々は疾走感あるアッパーなナンバーでもあった様だ。
4.Stand By Me
5.Don't Look Back In Anger
それこそ似ているLet It Beとかの域にある曲だと誰もが感じていたが、テロで傷ついた世界を癒やすために自然発生的に歌われたニュースは世界を駆け巡り、音楽のチカラを誰もが感じた現象になった。
ロックを超えて音楽史の記念碑的な名曲まで昇華されるに至ったのも、誰もが親しみやすい超グッドメロディーが、限りなく透明で誰もが投影しやすく、彼らと僕らの歌だとお互いが認識できる大切さがあったからだ。
リアムはこのメロディーを気に入り即座に歌いたがったというが、ノエルが突っぱね大喧嘩になったらしいが、このブライトネスな輝きはノエルならではと言えるかもしれない。
6.Wonderwall
最大級のヒットシングルとなったシンボリックなアコースティックナンバー。
7.Live Forever
8.Whatever
9.Columbia
ワーキングクラスからロックンロールスターになった気分をどストレートに曝け出しながら、赤裸々どころか混乱していると言いつつ肩で風切る歌いっぷりは超板についてる。
どこまでもピュアに王者的だったオアシスの本質が詰まった良曲。
10.Some Might Say
オアシスサウンドとは詰まる所、ロックのオーソドックスな魅力を如何に強靭に全体的に鳴らせるか、という事になるのだが、そのド真ん中に位置するプロトタイプ的な一曲。
ロックンロールいろはのいのギターサウンドに、歌うように軽やかでストレートな鳴り音のメロディーで、どこまでも広範囲に鳴り響くレンジの広さ。
ボリュームを上げれば上げるほど爽快に陽に満ちたパワーロックチューン、それをさり気なく鳴らす所にもオアシスの魅力ってのは存在している。
11.Champagne Supernova
12.D'You Know What I Mean
ほぼワンダーウォールと同じリフでありつつ、デジタルなエフェクトが、不穏さも粗暴さも、より鋭くラジカルに届けさせるサウンドメイクのオルタナティヴなナンバー。
荒廃的な世界で歌う彼らの姿、特にリアムのパーカー姿は何故か最も目に焼き付いている。
根本にあるグッドメロディーがあれば陰陽は自在で、実験的でありながら力強い完成度で?よりも!!を多く届けた中期の象徴的な一曲だ。
'俺の言ってることがわかるか?'という彼らも普段から多用するフレーズを描き下ろしたってのも面白い。
13.All Around The World
14.Stay Young
15.Digsy's Dinner
16.Be Here Now
17.Shakermaker
どこかで聞いたことがありそうで、もう少しで思い出せそうなその曲を塗りつぶしていく様なオアシスのオマージュ。
大胆過ぎるコピペっぷりに良くトラブルになることも多く、コカ・コーラ社からCMソングと似すぎ、と訴えられたこの曲も、歌詞を変えたりと色々騒動があってノエルは俺はペプシ派だからな、と言い放った。
揺らめくサイケなイントロから、まったりと絡みつく様なボーカルにマッドに渦巻く陶酔的なギター。
隔絶的な浮遊感はどんどん僕らの身体を染めていき、気づけば宇宙にいたかの様な聴き終わりの甘美さは、やはりどっちかって言うとコーラよりはペプシの濃密さだ。
18.Cigarettes & Alcohols
4枚目にシングル・カットされたこの曲こそが、最も彼らのライフスタイルに則しているものだったかもしれない。
言わずもがなワーキングクラスヒーローとしても側面もあったオアシス。
労働者階級の象徴的にタバコと酒を掲げつつも’お前は一生そこで待ってんのか?’とロックンロールスターになった光景から故郷を眺めてみせる、成功を真正面から受け止めた超強メンタルの歌。
19.Lyla
後期、オアシスらしさとは何か?という闘いに完全勝利したロックアンセム。
極限までシンプルなサウンドスケープでラフにかき鳴らすギターリフ、大胆不敵に力強く歩きだすリアムのボーカル。
ロックの巨人が雲の上で歌ってるような途方もなくデカい存在感は彼らの楽曲の中でも抜群だ。
マンチェスターの倉庫から生まれた狂熱的なグッドメロディーではなく、孤高の荒野の上からでも同じ様に、それでいて角度の付いた現代的ロックンロールを彼らは作ったのだ。
20.Stop Crying Your Heart Out
21.Harf The World Away
どちらもボーカルを取れるオアシスは強烈なパーソナリティーを持ったリアムのボーカルに対してノエルの声は暖かみと優しさに満ちている。
それは今、ハイ・フライング・バーズでのノエルのボーカルにも通ずるキーファクターの1つで最もその魅力の詰まった一曲がこれだ。
並大抵のものではない事を乗り越えてきた年輪の刻まれた優しさというのは、どこまでも心に染みいって、一緒に歌おうとしても僕は声が詰まってしまった。
穏やかさを帯びたドリーミーで優しいエコーの響き、澄んだハーモニーが透き通るように気持ちよく満天の星空の下のハートウォーミングさだ、サビの終わり際のクラップもあったかい。
閉塞感の中で、窓の月光に気付き見上げて想いを馳せるような、心が締め付けられ穏やかな暖かさに満ちた名曲。
22.Talk Tonight
オアシスのソングライターであるノエルは、伝統と不遜さを持った稀代のメロディーメーカーであるが、彼自身のパーソナルな心象風景を描くメロディーの鬱くしさも際立って高かった。
デビューアルバム後、初のアメリカツアー中にドラックに溺れるメンバーに厭気が差し脱走し飛行機に乗り込んだノエル。
ラスベガスへと逃げ出したらしいが、その晩に出会った女性との会話が歌の大元になっているようだ。
このあたりのエピソードは諸説ありすぎて、どれが本当だかわからないし、そのストーリー性から全て架空の事にも思えてくる。
そしてそのどちらとも取れるような、圧倒的にナチュラルで揺らぎながら凄くロマンチックな声とメロディーに、何があったのかよりもノエルの心象風景が手に取る様にわかる実にエモーショナルなアコースティックナンバー。
23.The Masterplan
曇っていて荒涼とした世界がほんの一筋の光と優しさで色付いていく壮大さ、まくし立てるようでも丁寧に言葉を並べるノエルのボーカルは正しさと優しさに満ちあふれている。
24.My Generation (The WHO cover)
最後はカバー。
ライブの終盤で定番となったThe Whoのカバー。
限りなく原曲に近く、全力で今の時代を奏でるオアシスからは、純粋に楽しむ様でも、とてもオアシスらしくも聞こえる。
僕らの時代にThe WHOを呼び起こしてくれた様な、そのくらい熱を感じる至高のカバーだ。
人生の最後まで、この曲たちと
以上、ご覧頂きありがとうございます。
もちろん僕なんかより彼らの時代を間近で感じた人もいれば、何となく聞いたことあるけど位の人もいる。
きっとちょうどそんな分布の真ん中くらいに僕は居るのかもしれない。
何か刺さる様な曲があれば幸いだ。
他にもお気に入り度でいったら好きなバンドはいっぱいいるし、彼らと比肩するくらいビッグなバンドも多い。
それでも、例えば僕が死ぬ時、ふと彼らの曲が頭を流れている様な、そんな気がする。
そうなったらきっと、概ね良い人生だったと言えるんだろう。
そういう人生とともにあるビッグメロディーこそ、オアシスの存在なのであると、最近思うのだ。