ロックとは。に答え得る今聞ける究極の10のバンド。
ロックとは?前書き
- ロックとは。に答え得る今聞ける究極の10のバンド。
- ロックとは?前書き
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- その他ロックコラムはコチラ❕
- Spotify Play list
- 1.Foo Fighters 1994年~ アメリカ
- 2.Queens Of Stone Age 1997年~ アメリカ
- 3.The Raconteurs 2005年~ アメリカ
- 4.Oasis 1994年~ イギリス
- 5.Muse 1998年~ イギリス
- 6.Arctic Monkeys 2005年~ イギリス
- 7.Green Day 1990年~ アメリカ
- 8.Red Hot Chili Peppers 1983年~ アメリカ
- 9.Radiohead 1993年~ イギリス
- 10.Rolling Stones 1962年~ イギリス
- ロックミュージックから花束を
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1.Foo Fighters 1994年~ アメリカ
ロックとは、鳴らす本人すら底知れぬ力強さを、人間的にフィジカル的にダイナミックに叩きつける音楽である。
1994年、カート・コバーンという余りにも巨星を失い崩壊した、世界最大のグランジバンドNirvanaのドラマーだったデイヴ・グロールが、自らギターを持ち曲を書きボーカルをつとめ、再び立ち上がり0から創り上げた当代最強ロックバンドがフー・ファイターズだ。
Nirvana=ビッグバンを起こし世界を制したバンドのメンバーで、その巨大な成功とそれに反目するパンクな精神を貫いた事、盟友カート・コバーンを亡くしそのバンドが消滅した事、近代ロック史の中でも最大の悲劇の真っ只中にいた慮るにも膨大すぎる経験と、そこから立ち上がった経験。
音楽というものが多少なりとも、それを鳴らす人の人間性が反映されるなら、ロックを通し苦しみも悲しみも知ったデイヴ・グロールだからこそ、本物のロックを鳴らせる説得力が根底にあった。
常に明るく笑顔を振りまき豪快なデイヴは、今やロック界の大兄貴であり、最も影響のあるカリスマだ。だが底に人間としての厚みみたいなものは常に醸し出される。
フー・ファイターズのサウンドはまさしくアティチュードそのもので、濃密で厚みのあるメロディーの全てに、ギター・ベース・ドラムそしてボーカルというロックバンドとしてのエナジーが満ちていて、グランジをルーツにしながらオルタナティブにダークに爆発させたハイパーロックサウンドは、間違いなく今'ロックとは?'の1つの正解に近い。
複雑な技術を使ったメロディーやサウンドよりも、肉声と生音の鳴り方をとにかく重視して、魂を揺さぶれる振り幅と強度をとにかく意識した音。
意外なほどシンプルなサウンドデザインには、そういう小細工なしの芯の太さと同時に、フィジカルなものだからこその残酷さとリアルさが滲むのだ。
感情の上澄みの綺麗な部分だけじゃない、もっと腹の底の陰の衝動や深い孤独感みたいな自分が見ないようにしていた弱く暗い部分まで根こそぎ掴まれるようなリアルな重さがあり、それでも陰鬱にならない気骨ある豪快さが前面にあるから無敵感を伴う要因となる。
ポップな甘さはなくともチリチリと常に肌がざわつくような鳴り音をダイナミックに操ったからこそ、フー・ファイターズはこの位置に居る。
今日はこのバンドの曲を聴きたい。今のこの場面には、この曲が合うよね。
そんな音楽の用い方ももちろんあるが、フーファイはいつもそれを凌駕してくる。
「他のどんなバンドでもダメだ!今この瞬間にフーファイターズを聴きたい!」という時折脳内を駆け巡る欲求は、コントロールできない程に膨大にデカく、そういう心から願った時に必ず応えてくれるヒーローが、フーファイなのだ。
2.Queens Of Stone Age 1997年~ アメリカ
3.The Raconteurs 2005年~ アメリカ
4.Oasis 1994年~ イギリス
ロックとは、最も人々に歌われる歌であるべきだ。
近年で、最もわかりやすくロックの王者として君臨したのはオアシスだった。
ギャラガー兄弟を中心にしたバンドは、挑戦的な意思表示と絶対的な自信、そしてロック愛に溢れるサウンドが絶妙な塩梅で混ざりあい、圧倒的なセールスや数々の伝説と事件、結果として最もオーセンティックかつ近代らしいロックスター像を創り上げた。
労働者から貴族まで誰もがいつでも口ずさめるようなビックメロディーは、ポップである事をねじふせ時代のど真ん中で鳴ったアンセムだった。
どんなメロディーでもリアムの声があれば爽快な開放感に満ち溢れていたし、それを込みでバンドサウンドを練り上げたノエルのメロディーメイクはケミストリーを完璧に狙って起こしていた。
90sイギリスのブリットポップという狂騒的なカルチャーすら産んだバンドは、その波にも呑み込まれること無く、強烈なカリスマ性と自我を追求する自問自答を繰り返し世界の頂点に居続けた。
時代ですら壊すことの出来なかったバンドは、ついに終わることの無かった兄弟喧嘩によって今は時間を止めてしまっている。
オアシスの分裂は世界的な事件となり、その影響力は拡散し続けるばかり。
もちろんそれぞれが活動を続けロックシーンを引っ張り続けている事は、ロック界にとっても明るいニュースだ。
兄ノエルは王道の技を封印した事で、新たな音楽性に開花しオアシスでは到達していなかった道に足を踏み入れているし、弟リアムはどんなロックサウンドも本物の突き抜けたロックに出来るシンガーとして君臨し続ける。
それぞれが活動してるから、それぞれのライブではまだまだオアシスの曲も聴ける。
99%あり得ない再結成が、ノエルやリアムやその家族やその他のロックスターの発言が情報化され、1分1秒毎にそのパーセンテージがコンマ単位で変動していく事に一喜一憂する世界が、ここ10年のロックの現状である。
その残りの1%に夢を見て日々過ごすのも全く無駄じゃない程、彼らの楽曲の尊さと共に苛烈な存在感を未だに放ち続けている。
5.Muse 1998年~ イギリス
ロックとは、前衛的な芸術でドラマティックなものでなければならない。
ことミューズにおいては現代ロックアーティストとして、最高峰であり孤高の存在であると言える。
’ロックは芸術たれ!’と叫ぶ、頭でっかち達も心を掴まれて涙して、衝動的なものを求める人もその荘厳なスケールに言葉を失う。
圧倒的な芸術を前にした時に、前身が総毛立つような迫力と同じものが、彼ら3人のロックサウンドにはある。
Vo.マシュー・ベラミーのこの世のものとは思えない寓話的な声に、ヘヴィーなベースラインを軸にしてシンセとギターの音色を巧みに織り交ぜた、重厚で幻想的なポップネスを産み出すサウンドは、童話のようでありながら圧倒的でメッセージ性すらあるようなSF映画を観てる様な美しさがある。
世界観に阿らず、テーマを社会批判や危機感を煽るメッセージ的なものとして現実と横断できるリアルな冷たさも持っているのが、ロックとしての肝。
その芸術的で荘厳なロックミュージックは、そのレベルの高さで他のバンドとも一線を画するオルタナティヴなものであると同時に、シビアに叩きつけられる無機質な感触すらある。
マシューの笑顔は、だからこそ柔らかく見えるのかもしれない。
6.Arctic Monkeys 2005年~ イギリス
ロックとは、単純で即興性を持ちながら劇的にスタイリッシュなもので無くてはならない。
ストロークスもリバティーンズもそうだが、それに続いたアークティック・モンキーズの出現により、21世紀最初に訪れたロック界のビッグバン”ガレージロックリバイバル”は未来永劫語り継がれる歴史的な転換点となった。
彗星のような輝きを持って、突如としてロックの歴史に現れたアークティック・モンキーズは、ガレージでどこまでもロックなサウンドで磨き抜かれたオルタナ銀河を創り上げた。
時代の寵児となり、まるでオアシスと入れ替わるかの様に、あっという間にチャートを席巻し決して抜かれることの無かった売上記録を塗り替えていったアクモン。
それがオアシスの時の様に狂騒的な騒ぎがクローズアップされるよりは、本人たちを筆頭にドライにスタイリッシュに広まっていった冷感みたいなものが印象的だった。
無駄を省いたガレージ感覚鋭いラフかつクリアなメロディー、ストリークスやリバティーンズがモダンに炸裂させたロックにおける最小公倍数のマジックを信じ、ミニマルで革新的なフレーズを繰り返す事だけでライブハウスからベースボールスタジアムであろうと完全制圧できる音の響きのレンジを創り上げた。
叩きつけられるようなリフは、それだけで合唱が起きるような狂熱を起こせるもので、シンプルだからこそ、ロックの神秘性を強調させる事件的な音楽性だった。
どこまでも踊れるロックであるグルーヴもモダンなものであり、バチッとまとまる濃縮されたインパクトの強さが強烈。
決まったダンスよりめちゃくちゃなポゴダンスが実は合うところも、実にロックなのだ。
シンプルかつマニアック、という一回り時計の針が回ったような、オルタナロックの本質に触れる近代ロックバンドだ。
7.Green Day 1990年~ アメリカ
ロックとは、世の中に反抗的で、それでも誰もが自己投影できるアイコンであるべきだ。
カリフォルニア州バークレー、ギルマンストリートのアンダーグラウンドなパンクシーンは、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンが’ロックが死んだ’と言い放ち爆散させたパンクロックの新しいモデル、すなわちシーンに風穴を開けるビックバンとして90sオルタナティヴロックの中でも大きな注目を集めていた。
その筆頭であり、ストリートを飛び出しインターナショナルにヒットを飛ばしムーブメントを創り上げたのがグリーンデイだった。
最短距離で繋いだポップとパンクの融合は常に鋭くエッジを持ちながら、楽しいファニーなもので有り続け、フラストレーションを明快にダイナミックに解き放った3分間の痛快さは世界を変えた。
ティーンの誰もが抱えるネガティヴな感情を明るくキャッチーなパンクサウンドに乗せ、ビリー・マイク・トレの3人それぞれが、リスナーが投影しやすい様に自らアイコンの様に振る舞った事で、彼らは誰にも手が届くヒーローとなった。
ポップ=商業的という批判も跳ね返せたのも、先駆者で有り続ける為の試行錯誤を繰り返し、オルタナティヴに全く新しいロック像を実現し続けてきたからである。
彼らも大人になって民衆を先導するパンククルセイダーとなり、反体制の象徴とも言える金字塔をいくつも創り上げた彼ら、もはやベテランバンドとしての風格もありつつ音楽人としての進化は留まる所を知らない。
それでもいつでもアイコニックで、手が届く位置にいるヒーローでいてくれるからこそ、何年経っても全く同じ様にBasket Caseを歌えるし、時代を越えロックの中心=ティーン達の英雄で有り続けられるのだ。
8.Red Hot Chili Peppers 1983年~ アメリカ
9.Radiohead 1993年~ イギリス
ロックとは、近未来的であり時に自らの姿そのものすら破壊する事で前進するものである。
歴史的な名曲’Creep’に代表されるように、前衛的なギターロックミュージックで世界を制したレディオヘッドだったが、彼らの持つ前衛性はロックミュージック全体への懐疑的な想いとして向けられることになる。
ポスト・ロックと呼ばれ’ロックに似た何か’というレベルから、次第にロックそのものを否定し、新しい実験を繰り返した音楽性は何十年かぶりにそのフォーマットを更新した。
1997年の'OKコンピューター'でギターロックの変革を見せ、2000年の'Kid A'でギターロックを捨て全く新しいモノを産み出した。
成功と商業主義の酷使からスター的な祭り上げられ方に嫌気がさし、そこまではよくあるストーリーだったが、その後天地をひっくり返す様な冷徹な逆転劇で世界を呑み込んだのだ。
エレクトロニカをベースに据え、根本から音楽のフォーマットを一新し、様々な楽器を駆使し実験音楽の領域から芸術へと昇華させたセンスは、深淵の領域にありながら世界へと波及する影響力を持っていた。
その後はオルタナティヴにロックとの再融合も果たし、メンバーが個々にあらゆる表現形態で音楽を産み出している芸術家集団。
ここまでレディオヘッドの存在と音楽が世界を揺らしたことは間違いないが、それが何なのかは今明確に判断できない。
ロックバンドと呼ぶのも、どこかおこがましいのかもしれない。
それほどまでに近未来的な芸術性をもっている。
10.Rolling Stones 1962年~ イギリス
ロックバンド、とはきっとローリングストーンズの事だ。
ロックとは、演奏と歌だけでなく、見た目だったり、言動だったり、仕草だったり、人を構成する全てで表現できるスタイルであって、鮮やかにセクシーにロックを撒き散らすローリング・ストーンズの面々は、まさしくロックそのものであった。
ロックの始まりを自ら体感した原初からの活動期間の長さは、それだけで圧倒的な年輪が刻まれているのがわかるし、ブルースを基調にしたロックンロールは、オーセンティックであり、でも時代と寝た古臭さよりもヒリヒリとした熱と甘さが未だに漂ってくる。
数多くのロックの名曲と、数多くのロックの名エピソード。
あらゆる軋轢を歌う音楽性だからこそ、摩耗していき短命になるのはロックの運命であると言えるが、彼らの生き様でここまでスターで現役でロックで有り続ける事は奇跡に近い。
きっと、正解はずっと彼らなのだ。
ロックミュージックから花束を
以上、10つのバンドを個人的な想いも含め羅列してみました。
お楽しみいただけてると幸い。
音楽というものは、ある者にとっちゃゴミで、ある者にとっちゃ宝物だって、この中の誰かが言っていた。
ロックが何か、はそれぞれがそれぞれに持てばいい。
ただそれでも途方もなくロマンチックで美しいロック音楽を、痴がましくも人に勧めようとするのなら、この10のバンドは中心にあるのではないかと思う。
ロックミュージックから花束を。今日もまた誰かに届けば幸いだ。
あなたの10個はどんなバンド?
それではまた別の記事で。