俺たちのシンプルプランのライブに行ってきた!
ライブ前〜オープニングアクト
Dizzy Sunfist”Joking”Official Music Video
初めての大舞台らしくぶつかってくる様な音。
ユースアンセムらしい曇り一つないコズミックな魅力に溢れていて3人とは思えないパワーがあった。
いよいよSimple planのステージ
かなりアドレナリンの出るオープニングアクトに、いい感じに暖まった会場。
凄くワクワクしていながら、ここが洋楽的にロック的にホームなのだという安心感すらある。
絶対的に良い時間を過ごせるんだという、揺るぎない自信。
何しろセットチェンジの間すら、Blink182に始まりYellowcard、Sum41、Goodcharlotte、Panic! at the discoなんかの世代直撃のポップパンクBGMでまとめてきて、イントロ・ドン的に歓声が起こり、そこらかしこでシンガロングが起こる。最高の集団だ。
19:50ごろ暗転し、大歓声に包まれてライブがスタートする。
一人一人ステージに上がり、なぜかベースのディヴィットがいなかったが、4人で登場し、ピエールの声が響く。
その声が聞きたかったんだ。
初恋的で刷り込み的な部分もあるかもしれないけど、わかりやすいくらいクリアでファニーでセクシャルなピエールの声質は、僕の人生でも唯一無二の存在感。
Simple Plan - I'd Do Anything (Official Video)
オープニングトラックは'I'd Do Anything'。
10年以上前に初めて聞いた時に心奪われたのも、このパンキッシュなギターからだった。
全員が全員、最初から最後まで歌える、そう思えるダントツのキャッチーさ。
レジェンド的な懐メロ感はない、もちろん懐かしさはあるけど今この瞬間に心が踊るポップパンク的熱量が勝る、あの時と全く同じパフォーマンスとサウンド。
早くも来てよかったと握り拳を引きたくなる様な最高の幕開けだった。
2曲目は’The Worst Day Ever’。当時なぜかこの曲をとてつもなくヘヴィーに聞いていた。
この時点でアルバムの曲順のまま、その通り演奏するんじゃないかという予感が確信になる最高のリレー。
大振りなサウンドに十分すぎるほどのポップネスを含ませて振り回し、会場をポップなパンクで包む。
このわかりやすさを武器にできたことがシンプルプラン最大の魅力だった、それをこの2曲目でも再確認する。
リズミカルでパワフルなドラミングでスタートしたのは’You Don't Mean Anything’。
キュートなフレーズを滑る様な疾走感で繰り返す、オーディエンスも全力で掛け合い、みんながみんな笑顔なんだろうなって思わせる目映いキラキラしたフロアの合唱は、そもそも彼らの演奏にも僕らの声前提のゆとりというか、受け入れるだけのスペースみたいなものがあって、そこに僕らの声がはまっていく感覚がある。
「アリガトゴザイマス!」と絶妙にファニーな発音のピエールの持ちネタの様な挨拶からMCが始まる。
腰を押さえて、「年を取ったぜ」ってジョークを入れつつ、「だけど俺の髪の毛を見てくれ!」とフサフサな毛根をアピール。
「ギターのセバスチャンもドラムのチャックもフサフサ!リードギターのジェフも、あっ。。」みたいなジェフの坊主いじりで爆笑を取る。
動きもコミカルだし、オチも何か日本人的で思いっきり爆笑を取ってくる。
彼らのキャラクターとそのサービス精神も、しっかり日本にフィットしてるから、段違いに楽しいショウになるんだろうなと思う。
次の曲は’I'm Just A Kid’。曲順もシラフで出てくるアルバムだから、期待も自在のセットリストってのが嬉しい。
Simple Plan - I'm Just A Kid (Official Video)
ポップパンクアンセムらしい一体感に包まれて、シンガロングも小さい声から大合唱へつなげるパフォーマンスで抜群の盛り上がり。
そのまま'When I'm With You'へなだれ込む。
透明感のあるボーカルとコーラスの響きに、抑揚のあるギターの高鳴る音が絡む。
次はミディアムチューンの'Meet You There'。
スポットライトが当たり、疾走感の合間にしっとりとした時間を作るバンドサウンド。
この辺の2曲もシングル曲ではないので、ライブで聞いたのは初めてだった。
とても新鮮な姿、ここに来て見ることが出来た。
7曲目は’Addicted’。
Simple Plan - Addicted (Official Video)
これも根強い人気チューン。サイレンみたいな特徴的なギターリフは、即温度を上げやすい。
マイクを空中で回転させてキャッチしたり、セバスチャンの投げたピックをキャッチしたりと、ピエールのパファーマンスも光る。
「女の子手を上げてー!」と、この日来ていた全ての女性に捧ぐと言った次の曲は'My Alien'。
スウィートなメロディーをポップでパンクに、まるで贈り物の様に丁寧に歌う。
うっとりする様な甘い瞬間と、パンキッシュな瞬間の交錯する女も男も幸せな空間は幾分か眩しさを増していた気がした。
'God Must Hate Me'を挟み、MCでメンバー紹介。
最後にリードギターのジェフを紹介し、アツいタッピングとギターソロを披露。
そんなギターソロから、ハードにメロディーの起伏に富んだギターリフに展開して始まった(一回失敗してた)'I Won't Be There'。
反響する包括的なギターグルーヴに、柔らかいボーカルで、最も心地よく体を揺らせる。
次もかなり珍しいナンバーの'One Day'を披露。
シンプルプラン的瞬間の詰まった隠れたアンセム。実はすごい好きだ。
無数のビーチボールを客席に投げ入れ、跳ねる様に歌う。
一個にサイン書いて客席に投げ入れるお茶目なパフォーマンスもあった。
再びMCで21回目の来日だと言う。
僕が見たのはフェスも含めれば5回くらいだ。
それぞれオーディエンスが彼らとの思い出を持ってるんだなとふと思う。
「僕らのスーパーファンはいるかい?」「次にやる曲は珍しいんだけどわかるかな?」その問いかけに、ちらほらと聞こえる'Grow Up'の声。
そうだと思ったぜ、と、本当にやってくれんだ、と言う期待と喜びの混じった怒号をあげてると'GC,SUM&BLINK&MXPX Rock in My Room'とピエールが歌い出す。
この歌詞が大好きで、とっても思入れのある曲。
聞ける聞けるぞ、と予感をビリビリ高めながら本当に聞けた喜びに涙腺も緩む。
今日のステージの意義にも近い、本日何曲目かの’この曲を待っていた感’、それをしっかりわかった上で期待を膨らませつつ願いを叶えてくれる彼ら。
本当に来てよかったよ。
大サビの前にピエールがドラムセットへ向かう。
なんとドラムのチャックが前に出てボーカルへ。
ずっとリードボーカルを取るのが夢だったんだと、ピエールのドラムを合図にダイブ。
幸せな光景がずっとずっと続く最高のパフォーマンス。ピエールのドラムも見事だった。
Simple Plan - Perfect (Official Video)
アコギを持ち出して、もうみんなが待っている曲へ。
僕が彼らを知るきっかけになり、洋楽を初めて意識して聞いた曲'Perfect'。
友達の家でバンドやってた彼の兄貴のCDを勝手に流して、初めて出会い初めて買った洋楽のCDがこのアルバムとなった。
スマホのライトを全員が振るお馴染みの光景。
今日は一段と感慨深く見える。
アコギを放り投げ、バンドサウンドに合流し美しさも強さも増す音。
この日一番の大合唱で僕らも答えた。
アンコール
来ていたTシャツを脱いで投げて、袖にはけていく。
が、あっという間に起こるアンコール。
1stアルバムは終わったが、ここからは延長戦だ。
Tシャツを変え、キャップをかぶったピエールが「アリガトゴザイマス!」と持ちネタを被せてギアを入れ替え、'Shut Up’と’Jump’を投下。
Simple Plan - Shut Up! (Official Video)
Simple Plan- Jump (Music Video)
2ndアルバムのパンキッシュなリードナンバー2曲。
よりソリッドに変化した音でボルテージを上げに上げる。
MCパートでは、日本のギャグを披露。
小島よしおとかあやまんJAPANとかを次々披露し笑いを取るが、とっておきだ、と披露したのは何とブルゾンちえみだった。
しかもドラムとギターはめちゃくちゃカッコいい生音で35億を連呼しいつの間にかセバスチャンの背中にも紙が貼ってあった。
この日一番爆笑した瞬間。
ファニーな瞬間の温度をそのままに最近のアンセムを2曲続けて披露。
'Boom'と'Jet Lag'だ。
Simple Plan - Boom (Official Video)
Simple Plan - Jet Lag ft. Natasha Bedingfield (Official Video)
モダンにフォームアップしながら彼らのパーソナルなサウンドはそのままに。
この2曲にはそんな想いも込められている気がして、ポップなパンクで変わっちゃいないってメッセージとも受け取れた彼ららしい今の姿の選曲だった。
こういう曲をずっと大切に軸に据えてくれる事が、僕らとの繋がりも強くするんだろう。
もういよいよ終わりが近くなる。
そんな中、「もう一度、一緒に夏を感じさせてくれるかい?」と、最近の大ヒットナンバー'Summer Paradise'を披露。
Simple Plan - Summer Paradise ft. Sean Paul (Official Video)
今まで聞いた中で一番優しくてスィートな歌声。やっぱりピエールはすげぇシンガーだ。
自然と頬が緩み、感情ごと夕日の様なオレンジ色に染め上げていく淡い波長の音。
何も考えず、胸が一杯になっていく様に身を委ねられる、とてつもない安心感。
きっと、僕の場合は、こんな感情はシンプルプランでしか起こらないんだろう。
それぞれ音楽ファンには数多いる大好きなバンドの中にも忘れない・譲れない大切なバンドがいる。そしてそれはきっと多くない。
郷愁にふけってるんだろうけど、それでも最初のインパクトというか、人生の最も大切な時期に聞いた僕を構成する要素になったバンド。
何となくそんな気はしていたが、僕の人生のフェイバリットバンドはきっとシンプルプランなのだ。
いよいよラスト2曲。最後の2曲も2ndアルバムからチョイスされた辺り、1stに付随する時期をなぞっていると思った。
まずは'Crazy'。
Simple Plan - Crazy Official Music Video
シンプルプラン的Creepと言えるギターロックバラード。
ノイジーでメロディックに広がるサウンドが揺らぎながらも、エネルギッシュに叫ぶ様に歌うピエール。
一瞬の隙の間にピエールが舞台から消えたと思ったら、観客席後方のPA席へ現れる。
「シンプルプランを続ける」
そう力強く宣言し最後のフレーズを共に歌う。
最後の最後まで本当に湧かせてくれた。
ステージにピエールが戻り、最後の曲へ。
また来るよ、そう言いながら寂しさは見せず笑顔で終わるのも彼ららしい。
オーディエンスも寂しそうってより、笑ってる顔の方が多い。
ピエールが' Welcome To My Life'のフレーズを歌い出しても、歓声よりも一緒にシンガロングする声でいっぱいになる。
'Perfect'を先にやってるならこの曲だろう。満場一致で寸分の狂いもなくみんなで歌い出す。
Simple Plan - Welcome To My Life (Official Video)
僕らにとっては、ドントバックインアンガーみたいなもんだ。
どんなに経験を踏んで、あらゆるものを聞いて見てきても、最も側に感じられた大切で原点はやっぱり常に彼らだった。
すごく暖かい90分20曲。彼らとの想い出はきっとまだまだ増えるけど、その宝物の中でも今日はとっておきだ。