備忘録と雑記として日記みたいなもの
僕は一人っ子だ。
従姉妹が2人居て、仲も良いけど年に1回くらいしか会わないから、いまいち兄弟間の話にピントが合わない。
でも、仕事の中で年取っときて、後輩みたいな存在も出来てきてくる年齢。
その後輩が、僕等の輪から一旦離れる事になった。
恐らく仕事じゃなけりゃ性格は合わないだろう同士。
僕はどっちかって言ったらナードだし、向こうはノリノリのタイプだ。
当然僕以外にも先輩はいるし、プライベートまで一緒にいる事もなかったけど、一緒にいて僕は楽しかった。
僕は彼が泣く姿を初めて見た。最後、みんなの前でしゃべるとき。
哀しいわけじゃない、感極まったアツい男子っぽい涙だ。
今まで少しはしてたかもしれないけど、兄貴面をしたいわけじゃなく、不意の寂しさと輪から離れる事を留められなかった事しか出来なかった自分が、情けなく思えた。
尊重した、と言えばそれまでだけど、それで終わっていいのか。
想い出が楽しかったよ、でいいのか。
僕を飛び切りお兄ちゃん扱いしてる訳ではなかったけど、それでも少しは頼りにしてくれてたかなと思う。
精一杯僕はやりきったのか?彼に対して。
優しくはしたけど、それだけで良かったのか?
年下の男の涙ってのは、それだけで来るものがある。僕もそういう年齢にきた。
女の涙は重いけど、男の涙はアツい。
その後はさっぱりとした姿で、いつもの様にサクッと、別れてから1人、家路につくまで、心の整理に時間を費やした。
結局、答えは出ない。
イヤホンの向こうに、耳を傾け、昨年死ぬ程聴いたweezerのCalifornia Kidsでシャッフルを止める。
こんな想いをさぞかし繰り返しただろうリバースの声は、かつてないほど暖かい。
今日の帰りはweezerを聴いて帰ろうと思った。
不安そうでキョドッてる様で、それでも朗らかに胸を張れる。
Don't You Worry,Don't You Worry,とゆっくりと、はっきりと繰り返すリバースの声が、心に寄り添い、白く淡い光に染まる嬉しい感覚。
そのやるせない思いの音化に宿る、リバースらしい感情の砕き方が、驚くほど共振して骨身にしみる。
It's gonna be alrightと続けるリバースに、また僕は前を向かせてもらった。
こんな感じで、一つ息を入れるあたり僕はナードなんだろう。
だけど何となく噛み砕けた。
彼の涙は彼のモノであって、僕のモノでもなんでのない。
それで感じた僕の後悔は、ただ僕だけの想いなのだ。
ただその光景を共有した事に、僕にとって大きな意味がある。
何よりも、答えは出なくても、僕の心を揺らす様な出来事であり、そこに想いを馳せた事を忘れなければいい。
そうすればただの年上の先輩から、頼りの兄貴分に少しでも近づけるのかもしれない。
随分遠回りかもしれないけど、酔いも回る頭ではこれが限界だ。それに回り道のBGMが最高だった。
そんな風に考えて、最寄駅を降りた。
イヤホンの向こうではWeezerに固定したシャッフルからtroublemakerを道化が跳ねる様に、楽しそうにリバースが歌う。
気が抜けた様で、それでもまた違う形で笑顔になれる様な家路になった。
次会うときも笑顔で。
記事でもなんでもない、一個の備忘録として、日記を書いてみました。
お付き合いいただいて読んでいただいてありがとうございます。
それではまた別の記事で。