GWは仕事。I Don't Care 'bout Thatなのだ。
僕の敬愛するフェイバリットバンドWeezerに'Buddy Holly'という曲がある。
Weezerの1stアルバム通称’ブルーアルバム’に収録された彼ら最初のヒットチューン。
この曲のタイトルになっているバティー・ホリーという人物はロック創世記1950年代に活躍したロック・ミュージシャンで、その見た目はWeezerのボーカル/ギターのリヴァース・クオモにそっくりなのだ。
昔、韓国人の彼女を同級生の男連中に馬鹿にされたリバースが、’僕はバティー・ホリーで君はメイリー・タイラー・ムーアだね、あいつらの言うことなんて全然気にしないよ、そんなの気にしたりしないんだ。’と高らかに言いつつ、頼りなく弱気でナードな心の一端も赤裸々に綴った彼らしい一曲。
爽やか且つノイジーなパワーポップサウンドとその気弱なエモーショナルさで、少しだけ時代を変え数々同じ想いの若者の心に響き続ける名チューンだ。
個人的に1.2を争うほど大好きなバンド、ウィーザーは僕の生活の中にも散りばめられているんだが、それでも自分自身に気持ちの微妙な変化があるといつも以上に引っかかりがあったりする。
読んでいる方も各々、元々気に入って聞いてる音楽達が何故かスッといつも以上に心に落ちる感覚を経験した事があるはずだろうなと思う。
GW-ゴールデンウィーク。
仕事柄、大型連休なんて僕にはないのだ。
10年以上GWに休んでいないから、もう特に気にしてないけど、それでもいつも以上に疲れるに決まってんのだ。
好きな仕事だからいいし、仕事しないで休んでいる人がいるから成り立つ仕事柄そこまで卑下してはいないが、それでも休んでる奴に’えー!大変!もちろん代わりに連休取れるんだよね??’的に言われるとどうしたって自分を斜め下に見たくなるもんだ。
取れねぇ事の方が多いし。
怒りを忘れてはいけないが、怒りまでいかないモヤモヤはどうすりゃいい。
そこでBuddy Hollyだった。
気にしない事を意識するのは、意外と難しいスキルなのだ。
ナイーブな気持ちが漏れつつも、それを隠すように赤裸々に’そんなの気にしてないぜ’をロックの力を借りて自分のモノにする。
音に身体が支配され、駅のホームでどっかでドロドロになるまで遊んできた人達の雑踏に紛れても、視界が一歩引いた様にちょっとだけ広がる感覚。
なんか疲れていても心持ちは少しだけ軽く、歩かなくていい道を歩いてみたり無駄にガードレールにもたれかかったりする。
この時間は必要だと、自分もきっとリバースもわかってる。
明日も働かなきゃなんない事を諦めるのを少しでも遅らせるために、僕のGW休みはココなのかもしれない。
色んな思いはどんどん巡る、ずっと聴いてると女の子の事ばっか歌ってんなこの人。
BBQだなんだと行楽シーズン、お前らこれを待ってたんだろ?とドヤ顔で強くなる一方の日差しの中でなく、あくまでも僕の世界だけで響いてくれりゃいい。
彼のガレージで響いた音は今僕に繋がって、半透明な僕がキッスのポスターが貼ってあるガレージで彼らの歌を聴いてる様な妄想にまであっという間に行き着いた。
斜め下から僕を引き上げてくれる彼らの存在はやっぱりフェイバリットなのだ。
ノイジーに重なるギターサウンドは鮮やかに青々しくと素っ頓狂なくらいナチュラルに響くリバースの声は何故かいつも冴えている。
ちょっと空しい気も心には残ってる。
けどそんなもんだ。
別に声高に主張するわけではないのだ。
ただこの時間にはおんなじ様な思いで自分を肯定しきったリバースの想いがどこまでも染みる。
こういう想い・時間も含めて、最早アイデンティティとなった仕事も、自分にとって価値のあるもんなんだと言えるのだ。
明日も100℃かってくらい暑いんだろう。
’Mexican Fender'のエレクトリックでメロディアスなリフと星空の様な燦めきのサビを背中に受けて、少しでも颯爽に見えるようにと願いながら足を前に出すのだ。
読んで頂いた方、ありがとうございました。
それではまた別の記事で。