Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【映画レビュー】ブラウン管の向こうから ’モネ・ゲーム’に想いを馳せる【ネタバレ・Gambit】

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ブラウン管の向こうから届く絶妙な映画たち

映画を観る。

映画館ではなく、家で。

レンタルDVDでもオンデマンドもなく、テレビ放送で。

テレ東の午後を始め、BSで深夜やってるのを撮っといて後で見たり、金曜ロードショーとかを撮り貯めたり。

ブラウン管の向こうから届く絶妙な映画たちのレビュー第6弾。

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今回は2012年の映画「モネ・ゲーム」を観た。

モネの名画「積み藁」を巡り、嫌な上司を騙す犯罪系コメディー映画。

1966年のクラシック映画「泥棒貴族」のリメイクであり、脚本はコーエン兄弟が手がけている。

リメイクとは言え、ファニーなクライムサスペンスという大枠以外は全く新しいもので、登場人物のキャラがコミカルで凄く軽快に観ていられる爽やかクライム映画だ。

ブラウン管の向こうから届く映画と音楽に想いを馳せてその6。

素敵な暇つぶしになれば幸い。

 

前回までのシリーズはコチラ!

www.footballsoundtrack.com

映画概要

モネ・ゲーム [DVD]

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『モネ・ゲーム』予告編

主演の芸術作品のキュレーター、ハリー・ディーンを演じるのはコリン・ファース

この映画の1年前'英国王のスピーチ'で吃音症の王、ジョージ6世を見事に演じきりアカデミー賞主演男優賞を始め賞レースを総ナメにした。

今回のハリー役もパリッとしてそうでしてないコミカルさを絶妙なダサさで演じ、キメる所のギャップできっちりと魅せるカッコよさもあった。

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ストーリーのキーになる重要な女性PJ・プズナウスキーを演じるのはキャメロン・ディアス

メリーに首ったけの超絶大ヒットが僕ら世代にはまだまだ記憶に新しいが、相変わらずの奔放でキュートな演技を見せてくれている。

テキサス出身のカウガールという立ちすぎたキャラクター設定も乗りこなすナチュラルにフリーキーなテンションがハマり役であった。

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騙される側のメディア王ライオネル・ジャバンダーを演じるのは名優アラン・リックマン
甘く低い特徴的な声と、横暴さ冷たさ異常さ全て振り切る怪演で出演作全てで異様な存在感を放つ名優で今作でも、疑り深くキレ者で冷徹でちょっと危ない金持ち役を体当たりで演じている。
個人的にはダイハード一作目のハンス・グルーバー役が一生モノの記憶になっていて、ハリーポッターシリーズのスネイプ先生で長らく絶賛され、2011年に完結した後の最初の作品が本作である。

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監督はドラマティックなコメディー作品を多く手がけるマイケル・ホフマン

脚本は超売れっ子作家コーエン兄弟で、クラシック映画’泥棒貴族’の’芸術品を扱う詐欺をテーマにした犯罪クライムコメディー’という大枠のみ残し、コミカルな演出や魅力的なキャラ設定で笑かしてくれた後、上手いこと’おぉー’っと思えるオチを付けてくれている。

 

あらすじ ネタバレ

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印象派の巨匠クロード・モネの名画’積み藁’はつがいの名画だった。

’夜明け’と’夕暮れ’。この内’夕暮れ’は世界大戦以降行方知れずで消えた名画として美術界では大変価値の高いお宝になっていた。

 

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舞台はロンドン。

美術鑑定士でありキュレーターのハリー(コリン・ファース)は現在の雇い主である傲慢で冷徹でネチネチしたメディア王ライオネル・ジャバンダー(アラン・リックマン)の傍若的な物言いと態度に嫌気が差していた。

何とか懲らしめてやろうと自分の専門のモネの名画を使った詐欺を計画。

ライオネルはモネの’夜明け’を日本人実業家タカガワ(伊川東吾)とのオークションバトルを制し所持していた。もう1対の’夕暮れ’もコレクションに加えたいはず。

相棒であり名画の贋作が趣味のネルソン少佐に’夕暮れ’の贋作を用意させて、これを売りつけ大金を騙し取ろうという作戦。

さっそくハリーと少佐は、この計画の鍵を握る人物をスカウトするためアメリカ・テキサスへと向かう。

少佐の心配事はハリーは「主導権を握れているようでそうでない男。常識はあるが、どこかツメの甘いイケてない感じ」だそうだ。

この心配事が完璧な計画をコメディーにしていくのだ。

 

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テキサス生まれテキサス育ちの生粋のカウ・ガール、PJ・プズナウスキー(キャメロン・ディアス) を探し当てスカウトしにテキサスの夜のバーへ。

世界大戦の際、’夕暮れ’は略奪によりナチスが保有。

ゲーリングの屋敷に飾られていた事までわかっているが、その屋敷を占領したパットン調査団のプズナウスキー将軍という人物が最後に’夕暮れ’を確認したという人物。

PJは彼の孫娘であり、彼女が’夕暮れ’を売りにくれば信憑性が格段に上がるのだ。

計画のシュミレートがハリーの頭のなかで色々とデフォルメされ都合よく10分くらいでまとまった後、いよいよスカウトしに行くがPJを口説いていた男と早速乱闘騒ぎになりボロボロの状態で何とかスカウト出来るという波乱のスタートを切る。

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ハリーの妄想より大分疑り深いライオネルに何とか売り込み、プズナウスキーをイギリスに呼び、お金が無いからハリーの自宅に宿泊することに。

超早朝にもかかわらず縄跳びのトレーニングをし、想い出の名画シスレーの肖像画が傷つかないかとハラハラの連続。

いよいよライオネルとの商談へ向かうハリーとプズナウスキー。
ハリーは主導権を握る予定だったが意外にもライオネルがプズナウスキーのキャラクターろ担の良さを気に入り2人で盛り上がる。

ライオネルの進言というか命令でプズナウスキーはサヴォイ・ホテルのスウィートに宿を移すことに。

受付の2人組とのコミカルなやり取り、多額な出費に困ったハリーが廊下に飾られている明時代の壺を盗もうとするドタバタ劇は大きな見所の1つ。

こうなったら絶対に詐欺を完成させなければいけないが、何とライオネルはモネの’夕暮れ’の鑑定士にハリーではなく、ザイデンベンバーという別の人物を使う事を考えていた。

ライオネルはプズナウスキーを口説こうとしつつ、プズナウスキーを色々な商談へとパートナーとして同席させる。

プズナウスキーもハリーの計画の破綻を感じていたが、すべてが裏目のハリーの何処かに感じる余裕を信じ、計画に付き合うことに。

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最終決戦の舞台はライオネルの別荘で行われる仮面舞踏会。

ヘンテコ日本人のビジネスマン軍団(タカガワ)との商談にライオネルとプズナウスキーが出向いている所に、ハリーがコレクションルームに潜入。

’夜明け’の額を触っているとセキュリティーが発動し、本物のライオンに襲われる。

そこにカウ・ガールのプズナウスキーが駆けつけ、見事にライオンを捕らえる事に成功する。

なんとか安堵していたがそこにライオネルが駆けつけ、ハリーの目の前でザイデンベンバーに鑑定させると宣言。

もうすり替えてある贋作をザイデンベンバーは本物と鑑定。

実はこれもハリーが事前に少しザイデンベンバーの心理を揺らがせる仕掛けをしていた。

商談が決まりかけるが、その瞬間なんとハリーは’夕暮れ’の表面の絵の具を削ぎ落とし下にあるエリザベス女王の肖像画をむき出しにし、モネは重ねて描いたりはしない贋作だと言い放ちザイデンベンバーの鑑定を覆した。

贋作だという事実を突きつけられたライオネルはザイデンベンバーを酷評しプズナウスキーとの交渉決裂を宣言、一方で土壇場で鑑定眼を発揮したハリーを賞賛しこれからも自分に仕えるように言う。

だがハリーはそれを鮮やかに断り、プズナウスキーをエスコートしライオネルの下を去った。

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舞台は再び空港へ。

計画は破綻し、職も失ったけどアンタ格好いいよって状態のハリーとネルソン少佐、そして見送られるプズナウスキーも清々しそうだ。

プズナウスキーを送り出した後、ハリーと少佐は最後の一仕事に向かう。

空港に待っていたのはタカガワ率いるヘンテコ日本人ビジネスマン軍団。

実は贋作は元々2枚用意していたのだ。’夜明け’の分も。

コレクションルームでのドタバタの折に、’夜明け’も贋作とすり替え本物を空港に持ってきていた。

本当のビジネス相手はオークションに破れて以来’夜明け’を狙い続けていたタカガワだったのだ。

口座に多額の報酬を確認したハリーと少佐はプズナウスキーのチケットを格上げし、次の獲物をピカソ好きのドナルド・トランプにして、物語は幕引きとなる。

 

感想

実に爽快なストーリーとキャラクター設定により、どんでん返し的なオチなくとも格好良く終わる展開になっているが、最後のオチによりどこか引き締まる感触がした。

ドタバタしたツメの甘さ・完璧でなかった計画も結果オーライ的に上手くいったわけではなく、最後の切り札が強力すぎるからこそ、どこか伏線の様に思えてしまうかもしれない。

それでもよれまくりのハリーからは、リアルにドタバタしているんだろうな、と感じるコミカルさがあって、最後のオチが決まれば大体めちゃくちゃ格好良く見えるが、どこか暖かいファニーさが残るのがこの映画の特色なんだろうと思った。

 

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コリン・ファースとキャメロン・ディアスは下着姿、アラン・リックマンに至ってはほぼ全裸という姿を晒した体当たりの演技も見所で、ストーリーの内容云々よりもコミカルな雰囲気を映画全体から醸し出す事がいかに重要であったかが分かる。

細かく挟まれるコメディー的なやり取りの台詞回し、コミカルな動きとリアクションなど、とにかくキャッチーに心弾ませる様な演出が、軽快な気分でラストシーンまで行ける軽やかな感触となる。

 

非の打ち所のない計画。その通りに動かない魅力的なキャラクターたち。

ただ最後は完璧な切り札で締める。

実に爽快な映画でした。

それではまた次の映画で。