MONOEYES 'Dim The Lights' 全曲レビュー!
前回、バンドレビューと触りだけを紹介したMONOEYESのNEWアルバム’Dim The Lights’。
↓↓前篇はコチラ↓↓
今回で全曲レビューします!
是非、聴きながら読んで頂けると幸い!
それこそインスタントに気が向いた時に、それでも気付けば何度も聴いている様な、星明りの如く降り注ぐ優しく気丈なロック。
僕らが接してきたロックの記念碑的なシンボルでもあり、困難な時に僕らの肩を叩いてくれるガイドの様でもある。
限りなく透明に近いブルーの閃光の様だった音も、今ではエメラルドグリーンの輝きがより深くなった。
ふとした時に寄りかかれる穏やかな喜びの音。ちょっと大げさに言えば、そんな感じだ。
是非聴いてみてください。
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1.Leaving Without Us
開幕曲のエモーショナルなロックナンバー。
流麗なロックギターの調べにぽつんと佇むようなボーカルが細見の声とわかった時、小さく拳を握りたくなるようだ。こういう曲から始まるのはいい。
速めのメロコアビートに美しく漂いながら時折稲光の様に光る、ギラついたエッジーなカッティングと高音で劈くようでクリアな歌声は、攻撃性よりも少しダークがかって穏やかなこのアルバムを表してる。
手放しに明るなく、しっとり聞かせながら虚無感を胸に諭すようなメッセージが、虚しくもさわやかな香りを残す開幕曲。
2.Free Throw
MONOEYES - Free Throw(Music Video)
PVもあるこのアルバムのリードトラック。
繰り返す雷雨の様なギターリフからバンドサウンドに飲み込まれる快感が全面に出た冒頭は雨に打たれてるようなダークな開放的心地よさがあるのだ。
ストレートなノイズギターをエモーショルに捻って起こる暴風の中に透き通るメロディーが美しい瞬間をいくつも作る細美の声。
雑じり気ないクリアな歌声は以前にもまして神がかり的な存在感を感じてしまう。
骨太なグルーヴもとんでも無く爽やかに、常に透明感が寄り添うテーマトラックと言ってもいい一曲。
3.Roxette
スコットボーカルの哀愁メロディックパンク。
パンキッシュなビートとデュアルギターの掛け合いに深みも感じる円熟のメロディックさはアリスターも感じるしエルレも感じるし、もういいカンジな一曲。
程良くチリつく声が細美と対照的に存在感を感じるスコットの歌い方は親しみ抜群だ。
振り回しっ放しのサウンドの中でもわかるくらいに、徐々にアクセルを上げていく、わかりやすくテンションを上げていく展開もドラマチックなスコットらしいサウンドデザイン。
4.Two Little Fishes
MONOEYES - Two Little Fishes(Music Video)
このアルバム、そしてこの夏最大のアンセム。
多分個人的に今年いちばんのNo.1キラーチューンなる。
元々得意な必勝の形の歌ものを、それをさらにここで昇華させて未来永劫残りそうなアンセムにして届けた約束の形。
アンセミックなギターにメロディアスな成分たっぷりのフレーズ、そういう大好きな要素に包まれる眩しい世界は隔世感すらある幸せな感触。
数々のグッドメロディーで味わった陽性な空気に満たされた眩い音空間は、一歩隔絶された映画の世界に飛び込んだみたいで、でもその世界から僕らの現実も見えているようなもの悲しさも噛み締められる。
絶対的なメロディーは、この歌の元に絶対集まろうと思える約束の歌に昇華された。
5.Reasons
オルタナでノイジーなモノアイズ必殺のロックチューン。
ロールするリフはエネルギッシュでアイコニック、激しく力強いサウンドを精緻に積み重ねた芸術性も融解させるアーティスティックな魅力すら感じるナンバー。
エモーショナルでハードな音の渦、それでも落ち着いて聞こえるのは、その中でもブレずに聞かせるボーカル故なのだろうと思う。
ノイジーで急に晴れた様に透き通る瞬間は、クセになる程美しい。
6.Borders & Walls
スコットボーカルのウェスタンカーニバルファニーパンク。
ボーカリストとしての芯の太さすら感じさせる速く楽しい1曲。
スイッチが入りやすい事この上ない直情的なポップパンク。
持ち前のファニーなコミカルさを出したボーカル、なんで涙がこみ上げるかわからないがサビ前に涙して、サビで泣き笑う。
アリスター時代からのスコット節はバンドを変えても変わらない。
7.Get Up
MONOEYES - Get Up(Music Video)
今作の原風景とも言える、思えばアルバムを象徴していた先行シングル。
陽光の中に穏やかに、或いは星空の下の焚き火を囲んで語るような静かな高揚を帯びたメロディーはキャッチーで際立って美しいものの、パンクっぽくもポップぽくもない極めてスタイリッシュなロックとして奏でられるバンドの力は途轍もないのだ。
極めてアンセミックでミディアムなギターロックだが、タイドでドライヴィンなギターグルーヴに淡い色彩にはっきりと息づく細美の声が混ざる事で、唯一で跳びぬけたオルタナティヴな感触を感じさせる。
単なる方針転換に非ず、次の次元へと結びついた重要な一曲なのだと思う。
8.Vostok
アルバム唯一の日本語詞の一曲。
ボストークとは初めて宇宙へと行ったガガーリンを載せた宇宙船の名前。
細かく刻まれるギターと流れるカラフルなサウンドとのハイセンスな一体感。
スウィートな声は寓話の読み手の様。間違いの中に答えがある、ずっと細美が言い続けたメッセージが詰まった、金星からつづく曲。
至極、単純な歌詞だからこそ 疾走する中でも見つけやすい。
9.Parking Lot
エモーショナルなギターロック。
不穏さ漂う凛とした姿、ストイックでスウィートな彼らの際立つ一面。
滑らかで聴き心地のいいボーカルとカクテル様な美しいメロディーの輝き。
それを支える絶妙な疾走感をつかさどるリズム。
ロックバンドとしての一体感は今作の中でも随一かもしれない。
10.Carry Your Torch
3曲目のスコットボーカル。
モノアイズ色のスコットが存分に感じられて新鮮であって、強烈にカッコいい。
メロディックにグル―ビーに、気さくさも少し残しながらメロウにシンガロングを歌い上げる。
歌う様なギターメロディーが喝采を浴びそうで、ライブのフロアに合唱の起こりそうな一曲。
11.3, 2, 1 Go
アルバムのラストを飾るナンバー。
終盤にふさわしいナチュラルで素晴らしき音楽。
エメラルド色にキラキラしたメロディーが朝日のように降り注ぐ。
泡のように広がるその先には必ず太陽が待っているそんな希望を持たせるラストソング。
フェイバリットなバンド モノアイズ
好きなバンドはいっぱいいる。
その中でもフェイバリットなバンドと、人生を通し胸を張って言えるのは本当は少ない。
時代の力もあるが、僕にとってそれはエルレでありハイエイタスでありモノアイズなんだろうなと思う。
きっとTwo Little Fishesあたりは15年くらい経っても聴いてるだろうな。
今年、間違いなく1,2を争うアルバムになるのは確定的に明らかなのだ。
是非、気になった人は聴いてみてほしいです。
それではまた別の記事で。