Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【ROCKな映画10選】ROCKドキュメンタリー映画10選

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オルタナティヴ/ロック・バンド ドキュメンタリー映画まとめ 10選!

そのバンドが奏でる音楽っていうのは彼らの人間性まで見えてきて、音から連想してそれを味わうのもまた乙なものである。

曲ごとに小さいメッセージを感じ取ったり、バンドの状態で聞こえてくる音が違ったりと、イヤホンの向こうから、或いはステージの上からの感触を味わい、そのストーリーに想いを馳せるのはファン冥利につきる瞬間である。
 

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全然話が変わるのだが、僕が初めて読んだ漫画は、小学校低学年の時、ばあちゃん家で昔、母と叔母が買って一冊だけ残っていた「あさりちゃん」だった。この間ちょっと前に100巻で完結した。
子供らしく所々ぶっ飛んだホームギャグ漫画にすっかりとハマり、しっかりと読者になった最初の作品だ。
「あさりちゃん」の単行本には、「作者のぺえじ」というモノがある。
作者がキャラクター化されて読者からの手紙に応えたり、近況を書いたりする1ページなのだが、思いっ切り内部事情に触れウィットに毒づいたりと中々パンチが効いていた。
何の気なしに見ていたが、思えば作品の作者とアーティストのものづくりの側面という事の存在を、僕の中に強烈に印象付けられたのは「作者のぺえじ」だったのだと思う。
あっさりと自分達の作品の裏側の存在を明かし、ネタがもうないとか、漫画家なんてやってると休みがないとか、飾り気なしに書くページは、僕にとっては子供心に衝撃的で全然蛇足にはならなかった。
むしろ時にリアルな苦悩が描かれていて、それが作品に対する親近感になった様な感じすらある。
 
作品や舞台ではなく、もっとパーソナルな姿を見るという事は、こと音楽の世界に移しても、それはリスナーにとっても重要な理解につながる。
多彩なオルタナティブ/ロックバンドの世界においては、ゴージャスでシリアスでナチュラルな、本当に多様なバンドが彼ら独自のストーリーが人を惹きつける。
その結晶が音楽として僕らの元に届き、大きな熱狂になる。
僕等の目や耳に届く地点のもっと前、或いはその後の、舞台の裏側をフィルムにした映像作品。
それがドキュメンタリーフィルムだ。あさりちゃんの「作者のぺえじ」のもっと奥の話だ。
 
ある期間からある期間でバンドに密着し、秘蔵の写真や音源やライブ映像を持ってきて、本人と本人達に近しい人間のインタビューをストーリーテラーに、そのバンドのパーソナルな物語を綴る。
どんな脚本よりも、恐ろしくむき出しでダイレクトな物語。
捻りが効いている文学的表現とは、かけ離れた素朴で普通の姿、破天荒なステージの裏で更に破天荒な姿、鬼気迫るフラストレーションを昇華させた音の裏の、途方もないようなプレッシャー。
時にリアルな重さに凍りつき、ナチュラルな才気に圧倒されて、パーソナルな叫びに涙腺が緩む。
バンドの本質、すなわちロックの本質に近づける、この上ないツールなのだ。
 
今回は真にファン評価の高いオルタナティヴ/ロック・バンドのドキュメンタリー作品をチョイスしてみました。もちろん見た作品は僕はどれも号泣している。
バンドの沿革だけ知っている人は特にお勧めだし、名前だけならなんとかって人も、きっかけに是非見てみてほしい作品集だ。

お付き合いいただけると幸いです。

 

 

1.'oasis:supersonic'  2016年 バンド名;Oasis


『オアシス:スーパーソニック』予告 HD

 
前回レビューをしたので詳しくはこっちを見て欲しい。
世界一のモダンロックバンドのデビューから、25万人を集めたネブワース公演までのヒストリー。
テンポが良くて、終始フランクに穏やかに話す兄弟が(もちろんそれぞれ別撮り)あんな頃もあったなーって郷愁的な雰囲気で喋るのがいい。
その周りの人間のインタビューもかなり人数多く、濃いインタビューが多い。
このテイストで続編がないかなとちょっと期待している。
オアシス的にこのあとのほうが事件が多い、捜査ドキュメントみたいな映画になりそうだ。
やっぱりオアシスの曲の良さに惚れ惚れする大満足の作品だった。
 

2.'横山健 -疾風勁草編-' 2013年 アーティスト名:Kenyokowama


映画『横山健 -疾風勁草編- 』予告編

HI-STANDARDのギタリストにして、解散後もソロバンドとして日本のパンクを支え続けた横山健のドキュメンタリー。
シーンはハイスタ復活劇の2011のエアジャム直後から。
晴れやかだけど、通路でタバコを吸って一息ついて第一声が「やらなきゃよかった」。
ハイスタ後、ホントにそれでいいのかと人に言われ、パンクとは?を自問自答もしてきた、ソロバンドから全てを追うドキュメントだ。
難波、日本、パンクロックとファンたちが気になる話題にもしっかりと触れる。
それでも、なにかこう整理し切れないまま喋る健がリアルで、ロックスターとはかけ離れたパンクなのがいい。
どんな状況に置かれても、日本のパンクは彼と共に進んできた。これからもきっとそうだ。

 

横山 健 -疾風勁草編- [DVD]

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3.'Heart like A Hand Grenade' 2009年 バンド名:Green Day


Green Day - Heart Like A Hand Grenade [Official Theatrical Trailer]

世界最大のパンクロックバンド、グリーンデイ。
彼らが世界を制した名盤アメリカンイディオットの製作風景に密着したドキュメンタリー。
スタジオの火事からスタートするハプニングも笑い飛ばす位のパンクさ。
新作候補のシガレット&ヴァレンタインのマスターテープ盗難後、スッキリして開き直った姿。
そして作っていく場面で意志が固まっていく様な、とんでもないものが出来上がりそうな高揚感。
ビリーの俺には意味が通るという言葉や、マイクのベースを聞き涙するシーンなど、こちらもアツくなるシーンが豊富。
受け入れた上で闘う、全うで正々堂々とした道を進む、現グリーンデイのベクトルも垣間見える。
 
ハート・ライク・ア・ハンド・グレネード [DVD]

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4.'COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック' 2015年 アーティスト名:Kurt Cobain


カート・コバーンに迫る!映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』予告編

ニルヴァーナのボーカルにして、27歳にしてこの世を去ったカートのヒストリー。
数ある中で決定版に近いカートのドキュメンタリー。幼少期の姿も映る。
コートニーが遺品を出したらしい。
写真とか彫刻、でも1番は音源が嬉しかった。
自然にリラックスして弾かれるリフが、とてつもない存在感で、どんなに音が割れようが獰猛で美しい。
聴ける事がなかった曲だからという存在感だけではなく、ギターとカートの声だけという状態が純粋でフリーなケミストリーを発していたのだ。
当時を知らないファンこそ圧倒される様な、裾野を広げてくれるような展開が、これからの時代に適していた。
なにも覆さずに、虚ろで哀しいとかピュアとか、そんな認識がさらに深まるもっと深度の深いカート・コバーンを垣間見れる決定的な作品。
 

 

5.'FILMAGE:THE STORY OF DESCENDENTS/ALL' 2014 DESCENDENTS,ALL


ロックバンド「ディセンデンツ」を追う!映画『FILMAGE:THE STORY OF DESCENDENTS / ALL』予告編

70年代と80年代、現代に続くメロディックなパンクを鳴らし、語り継がれる伝説となったボーカルだけが違うディセンデンツとオールというパンクバンドのドキュメンタリー。

みんな彼らを聴いていた。インタビューで出てくるバンドが全部好きなバンドだ。

普段着のパンクとして、センセーショナルだったシャイな伝説のストーリー。

WEEZERとかパワーポップ/オルタナティヴ勢もここから始まっているような気がする。

ポップでパンクに不安な心情を、悪ぶらずに鳴らしたセンス。

活動時期が少なかったメンバーでも、所属した全員が人生最高の時期と語るような、替えがたい真実の熱狂を、当時のライブ音源をもとに振り返る。

全体的に暖かい感触で、ワクワクしながら”この頃こうだったんだよ!凄いでしょ?!”ってくらいのテンションがとても心地いいのだ。

デイヴ・グロールだと思うけど、パンク界のビーチボーイズという言葉に、めちゃくちゃしっくりきた。

マイロは変わらぬヒーローだ。

 

FILMAGE:THE STORY OF DESCENDENTS/ALL [DVD]

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6.'Meeting People Is Easy' 1998年 バンド名:Radiohead 

ミーティング・ピープル・イズ・イージー [DVD]

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従来のロックを破壊し、レディオヘッド以降と言われる事件となった現代最高峰のロックバンドのドキュメンタリー。

ロック史に残る変革をおこした名盤’OKコンピューター’の後のツアーの映像が中心。

とてつもない成功の裏側。
よく聞くシチュエーションだが、実際目にするとえぐい混乱の仕方。
退屈さと多忙さの変貌ぶり、角度がすごい。
ただ淡々と忙殺されそうな姿が克明に描かれる。ロックの恐ろしさの部分に触れられる作品。
もともと変人なトムがさらに壊れる間際まで、まさにパラノイドアンドロイドのようなイメージが広がる。

 

7."STRAIGHT OUTTA Compton" 2015年  アーティスト名:N・W・A


[字幕付き予告]映画『Straight Outta Compton』ドクター・ドレー、アイス・キューブによるイントロダクション付き

ヒップホップを世界に広めるきっかけになった最強ヒップホップグループN.W.Aの伝記的な映画。

ドキュメンタリーというよりは、テーマをヒップホップにリアルに描いたドラマ作品。

なんとなくしか知らなかったヒップホップの事実を知れたのは、音楽ファンとしてとてつもなく大きいし、持たざる者の音楽という部分ではロックの本質にむしろ近い。

何も持たないキッズ達が、音楽を武器に差別と権力と戦う、本当にあって今でも繰り広げられているストリートの実話だ。

とにかく強烈だけど、前向きに見れるパワーを持った作品。

 

ストレイト・アウタ・コンプトン [Blu-ray]

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8.'A BAND CALLED DEATH' 2012年 バンド名:Death


バンド・コールド・デス

70年代デトロイトに実在した黒人3兄弟による幻のパンクバンド。

ファンクとかレゲエの印象が強かった黒人のミュージックシーンにおいてロックンロールに心を打たれ、パンクの礎となる原初の音を鳴らした彼らはやはり発明の天才だったのだと思う。

こういうバンドのエピソードを聴くともっともっと音楽の見識を深めないとと思う。
ラモーンズよりも前、パンクの前のパンクは、ピストルズよりも純粋で、ラモーンズより太い音を鳴らしてる。
音楽がもっと感性に近かった頃の時代の、才能が剥き出しになっている様なアツさがこの上なくいい。
 
バンド・コールド・デス(字幕版)
 

 

9.'The Filth and the Fury' 2000年 バンド名:Sex Pistols


The Filth and the Fury (2000) | Trailer | Film4

パンクに火をつけて、ロックを死なせたセックス・ピストルズ。

これも数あるドキュメンタリーの中でも決定版に近いボリュームの傑作。

脚色が少なく、ローファイな雰囲気で展開するストーリーが何ともピストルズの退廃感を醸し出している良い演出。

単純な音でも、かつてどのバンドも成しえなかった爽快感は、ピストルズだけのものだった。

ジョンの涙は、ウソではないはず。

 

 

10.'SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー' 2017年 アーティスト名:Sid Vicious


『SAD VACATION ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー』予告編

セックスピストルズのベーシストで、稀代のパンクス、シド・ヴィシャスとその恋人のナンシー・スパンゲンのドキュメンタリー。

これも語りつくされた様な、シド&ナンシーのヒストリー。

まだ見ていないんだけど、映画館の予告編に惹かれた。

カートとコートニーもそうだけど、パンクなラブストーリーは、痛々しくて直情的で切ない。

何年かに一回こうやって関係者が映画を作るのも、忘れたくないからなんだと思う。

近年話題になった痛烈なドキュメント。

 

以上、いかがでしたでしょうか?

音楽を広く聞くのもとても楽しいけど、こうしてドキュメンタリーまで見て泣いたりしようもんならその物語は自分の中に深く刻まれるのだと思う。

見漁るもんでもないと思うが、音源だけではない音楽との出会いのツールとしても、物語としてもいいもんだ。

是非、気になったものがあれば調べて見てください。

 

それではまた別の記事で!