Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

The Offspringに想いを馳せて【バンドレビュー/オフスプリング】

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今、炎のパンクロックカーズ オフスプリングに想いを馳せる

例えば、行きつけのお店が出来ると、僕は同じ定食を頼み続ける。
『あいつ、あれしか頼まねーな』って店員さんに思われようがお構いなし。
冒険心がないわけではなく俺にはこれがいいのだ、という思いが強いのだ
 
もう何度もライブで見ていても、ラインナップに名前があればやっぱり俺はコレだ、と見に行く。
オフスプリングのライブを見に行った時、会場でそんな定食への思いとリンクした。
1990年代、アメリカの西海岸を飛び出し全世界を席巻したメロコアパンクブームを牽引し、今や現代パンクスの象徴となったオフスプリングの例えが定食では些かチープすぎるかもしれない。
が、僕らにとって敷居が高いわけではなく、最大最高のクオリティを味わえるのはオフスプリングなだけという話なわけだ。
 
 
キャッチーでパンク、タフでストイック、そして悪ノリと知性。
現役で先頭に立っていながら、突き抜けた様な存在感すら感じる超越的なパンクレジェンド。
色濃いストリートの誇りと尊厳を持ち続ける事、そのために彼らが確立した正論は世界のパンクファンのバイブルであり、オフスプリングはきっと永遠に正しいパンクアイコンなのだ。
そんな僕らパンクファンのど定番、本日はそんなオフスプリングに今想いを馳せるバンドレビューをお届けします。
素敵な暇つぶしになれば幸い。

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ソングレビュー19曲はこちら!

www.footballsoundtrack.com

日常におけるオフスプリングの存在感

街に出てたって、家に居たって本当にさりげなくあらゆるシーンでオフスプリングが流れてる。実は。
TVのCMやバラエティー、少しパンチの効いた若者向けファッションのセレクトショップ、スポーツの会場やプロレスの入場曲でも、ゲームの挿入歌でも使われてたりする。
大体プリティーフライオールアイウォントだ。「アハン!アハン!」「ヤーヤーヤーヤーヤー!」だ。
 
オッと音の流れる方向を耳でキャッチして探してしまう、ファンとしてはちょっと聞こえてくる事がうれしい瞬間。町中でも誰も見てなけりゃ頭振って踊ってみたりも出来るだろう。
遥か遠くで聞こえていようが速攻で身体に染み入るリズムとメロディー
コマーシャルに溶け込めるだけキャッチーでありつつも、誇り高きパンク・マインドに溢れ心に絶妙なザワつきを残す。これがオフスプリング節の極意であり醍醐味なのだ。
 
オフスプリングの結成は1984年まで遡る。
オレンジカウンティでボーカル/ギターのデクスター・ホーランドとベースのグレック・K、そして彼らの高校の用務員だったギター兼酒の調達係(デクスターとグレックはもちろん未成年だった)のヌードルズが中心となって結成された。
Ramonesなどクラシカルな初期衝動のNYパンク・更にはBad ReligionやSuicidal Tendenciesなどのハードコア/メロディックハードコアの影響を受けたバンド結成で地元オレンジカウンティを始めとする西海岸エリアのパンクシーンで活動を始める。
 

www.footballsoundtrack.com

バンドに取っては下積みの時代で、デクスターは高校内でも指折りの秀才だったらしくパンクバンドを選んだ彼は後ろ指を刺される事も多かった。

実際にこの時の想いを込めた歌詞の曲も多く、実際上に載せたAll I Wantがまさにそういう曲だし、それが見事にカウンターでキマっているからオフスプリングのストーリーは痛快なのだ。

すでに1989年の1stアルバム'Offspring'のリリースの時点で彼らのパンクへの自信は確信に変わったという。

2曲目に入っている'Elders'のレコーディングを終えた瞬間にそう思ったようだ。

 

 

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彼ら自身にも彼らを含んだシーンの爆発の予感を感じていたはずだし、その嵐の中でも堂々とド真ん中で振る舞える音のクオリティとカリスマ性が彼らにはあった。

事実1994年に3rdアルバムの'Smash'はパンク史上空前のヒットアルバムとなり、同年メジャーデビューしたGreen Dayの'Dookie'と共に、全世界で1000万枚を超える売上を叩き出し、メロディックパンク/メロコアムーブメントは世界のロックシーンを大きく動かしていった。

その後のアルバムでも幅広いサウンドに、自らのオフスプ節を波及させて数々のアンセムを産み出し、それが今でも世界各国あらゆる媒体で何の違和感もなく鳴らされているのだ。

今や活動30年の超がつくベテランでも全く勢いを失うこと無くリスペクトを集め続ける所以となる滲み出る’ホンモノ感’は彼らのアイデンティティーでもある。

 

Offspringは現実的で最強のパンクアイコン

社会的世相を切りながら’ニセモノになるな’’ワナビー(知ったかぶった奴)どもになるな’’ホンモノの悪ガキになるんだ’と繰り返し僕らに説く。

フラフラと流行りの匂いに連れられてイケてるフリは寒いぜ?

硬派とか軟派とかファッションの上っ面じゃなくて深層でどうなんだ?

俺たちがなっちゃいけない姿を気持ちいいまでにこき下ろすメッセージは、突き刺さる上に思い切り楽しい。

 

そう楽しいのだ。Give it to me babyアハンアハンなのだ。

パンクという硬質な精神も持ち合わせながらジョークのセンスでストリートっぽさを内包しているのがメロディックパンクの真髄でもあるが、そのジョーキングセンスもぶっ飛んでいながらインテリジェンスで痛快かつ秀逸なのだ。

おそらくここまでぐうの音も出ない程ブチのめし、そして聞いてる人の共感を誘い面白く周りをこき下ろせるバンドは、パンク界でNo1で有り続けてるんじゃないか。

13てタトゥー入れたかったのに31って入れられたってプリティ・フライでダサい奴をからかい、バックストリート・ボーイズだ!と衣装を着せたダッチワイフをステージ上で破壊したり、急に無料ダウンロードで曲を配布し更に抽選で100万ドルプレゼントしたり。

アンチファッション的アンチポーザー的で彼らが彼らの誇りを守るために戦うべき所が何処までもブレず、そしてその言い回しとか目のつけどころ方法論が、聴くキッズ達を俺もこういうやり方で生きていきてぇ!と惹きつけて止まないのだ。

 

 

ただ怒りを撒き散らす自棄っぱちな一発屋パンクとは違い、一貫してそのスタイルを貫く事で長らく僕らのバイブルになり得た音の強靱さと楽しさと正しさ。

どのタイミングで聴いても正しいし、だからこそどこかで混ざって聴いてもエンジンがかかった様な喜びに包まれるのだ。

きっと僕自身が間違っちまった時に聴いたとすれば、ハッと気付かせてくれるし、聴いた時に自分がブレていた事に気づく。

彼らが絶対にブレないという信頼感が根底にあるから指標にすらなるのである。

 

永遠に正しいガイドスター

少し難しく言うならば議論の余地もない最強のシンボルとして君臨する風格だけではなく、そういうオーラみたいなものすら音一発で感じさせることの出来る楽曲の説得力も伴っていたからこそオフスプリングは唯一無二の兄貴感を手にした。

 


結局、硬派だろうが軟派だろうが勘違い野郎も心から躍らせるパンクサウンドのキレ味が何よりも必要。

汗だくで踊り終わった後、燻っていた理想とのギャップが炙り出された様で、それでも嬉しい他のどのバンドも到達してない領域の満足感がきっと彼らの曲には満ちてる

西海岸パンクのカラッとした風を感じさせるサウンドを基調にした明るくタフなパンクサウンドには、ポップだパンクだ、キャッチーだアングラだなどのチャチな二元論は少なからず付きまとってくる。

それをきっと彼らはオルタナティヴに解釈し、オフスプリング節と言えるパンクの形態を創り上げた。

ハードコアのストイック&タフで鋭利さ。

ニヒルなユーモアセンスを持ち前のポップセンスで練り上げた躍動感。

 

 

その2面性がどこまでも説得力のあるバランスで機能する圧倒的なウォール・オブ・パンクサウンドを創り上げたのだ。

キッズ達の不満を発散させ得る爆発的なエネルギーに直結しながら、'お前は誇りを持って生きていけるのか?'と燃えるようなメッセージも残せる。
パンクアンセムにはわかりやすさと親しみやすさの上に、情熱とまっすぐな正しさも欠かせない。
 
コアなマインドで幅広い視野をもったメッセージ性があるからこそその表現方法も実にパンク的ロック的な中で多彩なのだ。

小気味いいテンポから超高速のグルーヴまで自由自在にリズムが変化する中、アツさと華やかさを備えたデクスターのハイトーンボーカルが力強く鮮やかにリズムを先導して疾走る。

ユニークでフックのあるリフのセンス。

コミカルなときはちょっとニヒルさを香らせ、ストイックに疾走るときはビリビリ感じさせるパンクギターの表情もみたいなのも見事だし、コミカルでタフなサウンドセンスとキャッチーなメロディーセンスが完璧にアンビバレントに成立する。

単純に聞いていて気持ちの良い瞬間が続きまくるバウンシーな物だし、何より聞いてるだけでなくあらゆる箇所に用意されてるシンガロングのポイントが超アッパーなのだ。

来るぞ来るぞ...キター!!という鉄板の信頼感は決して予定調和的ではなく、何も考えずにめちゃくちゃなまま叫び踊るエモーショナルなものだ。

そういうご機嫌さをタフにハイクオリティーで、音楽的興奮と心のど真ん中を撃ち抜いてくれた感動はかつて無くこれからも唯一無二なものだ。

きっと1億回聞いたって初めてみたいに滅茶苦茶に踊れる。ちょっと上手くなってるかもしれないけど。 

The Offspringに想いを馳せる

人生とはつまりって事を言い出せば、自分のスタイルとか尊厳を如何に構築し、如何にそれを守るために戦うか、という事になるのかなと思って生きてきた。
やりたい事をやっていながらそれが空回りや過剰になっていない事が誇りを保つコツでもある。
人を惹き付けるような信念を持って闘い続けなきゃきっとつまらねぇ人生になるのだ。
 
オフスプリングは30年間、俺たちはこうだ。お前らはどうなんだと僕らの心に問いかけてくる。
 
ポップパンクのアイコンみたいなバンドはグリーンデイだと思うけど、
オフスプリングは一目置かれる先輩みたいな存在感はある。
ききそうで絶対に替えの効かない魅力がラインナップのロゴの時点でばしばし伝わってくる。

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キッズ達のガイドになりつづけてきた彼ら。
ガシガシと心臓を掴まれるような身体の芯に響く声と音は痛快
イメージ的には炎だ
飛んで火に入る夏の虫とばかり寄ってきた者を情熱の炎で焼き尽くす
それは恐ろしい程の陽性のパワーで、耐えられるのはパンクキッズのみなのである。
物凄い憧れ。一生ついていきたいバンド。
またオフスプ見るの?と言われても、僕にはOffspringがあればいいのだ、とお気に入りの定食の様に、胸に秘めて生きていきたいのだ。

あの定食もオフスプリングも変わらない。

何か違うなと思ったら俺が変わっちまっただけだ。

Offspring アルバム!

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