無人島に持っていくならどのアルバム?番外編
今、この夏に聴きたいWeezerのブルーアルバムに想いを馳せる
水より先にバックに入れる気概くらいはある大好き極まりないWeezerのフェイバリットアルバム。
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Weezer 'Weezer'(Blue Album)
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- アーティスト: Weezer
- 出版社/メーカー: Geffen Records
- 発売日: 1994/05/10
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 102回
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1994年、このアルバムがスマッシュヒットし独自で確かな路線を確立したWeezerは、未だロックシーン最前線で活躍し続ける90sレジェンド組の中でもトップクラスの存在で有り続けている。
ロックスターになりたい、と田舎から出てきたリバース少年の夢は1stアルバムにして叶い、その後想像もしない程良い事も悪い事もWeezerに降りかかるのだが、そのうちの良い事の一つはこのアルバムがロック界でも最高レベルに大切にされる心よりの名盤となった事だ。
全曲ソングレビュー
1.'My Name Is Jonas'
一番最初、彼らと出会う時に流れていてしかるべきなファーストナンバー。
真っ青な背景に普段着でただ突っ立ってるの絶妙なキャラクター具合を尻目に、アコギから始まるイントロに大人しそうな印象の5秒後には振り下ろされるヘヴィなギターのヴァイヴの鮮やかなギャップ。
多分この左から2番目の奴だと、何となくわかる繊細でも生粋のロックナードっぷりを発揮するシンガーリバースの歌声は、爽やかでもブルーな影を帯びていて、それがジャケット写真とのギャップをなんか埋める様な妙に納得するキャラクター性が感じられるのだ。
どこまでも爽やかでもフックに次ぐフックをバキバキに感じ走り抜ける快感はここから始まった。
2.'No One Else'
3.'The World Has Turned And Left Me Here'
ヘヴィなリフで構成するメロディーラインと、メロウなギターの音色の綾が補完するように瑞々しく広がる風のようなサウンドは軽やかで暖かい。
いつまでも漂うメロディーに360度支配される感覚は、世界に取り残された僕らに優しく寄り添い、メロディアスで深みのある音は寓話的にすら思える。
終わりなくどこまでもリフレインされそうなサウンドデザインも、恒久的グリーンな様相で美しい、それだけフレーズが強い曲だ。
何か疎外感を感じる事があった時、パーソナルな想い出を呼び起こし優しく寄り添う大切な一曲。
4.'Buddy Holly'
彼らが最初にブレイクしたファーストアンセム。
見れば見るほどそっくりなリバースとバティーホリー。
スクール時代にアジア人の彼女をバカにされた気持ちを歌った世紀のラブソングだ。
当時のウィンドウズのパソコンにサンプル的に入っていたらしい、それ程彼らは波に乗っていた。
ギターの重みに思いの丈を載せ、降り注ぐようなメロディーとコーラスのハーモニーが軽やかにパワーポップとしてまとまる強烈に眩しいポップネス。
やりれなかった想いが今やアンセムになり、何回ライブをしてもこの瞬間を待っていたんだと想える、ナードな僕らと彼らの絆の曲でもある。
5.'Undone-The Sweater Song'
Weezer - Undone -- The Sweater Song
デビューシングルでもあるキラートラック。
最初聞いた時の謎めいた迫力は今でも忘れない。
言われてみればサウンドも歌詞もWeezerらしく、わけわからない方向にトンがったエッジ。
淡々と進むビート、マイナーなギターメロディーは曇っていて少しで晴れそうなのか雨が降るのかわかんないのだ。
晴れ切らない憂鬱で同じタイプの人間の心を惹きつけるギターの音色の引力は凄いクレイジーマジカルポップネスを発揮するのだ。
再現VTRの様なパーティーの一幕のセリフパートから、段々とパワーを帯びて凛として叫ぶリバースの轟音ボーカルと謎に満ちた歌詞のヴァイヴはもはやアートの域に昇華してる。
狂気的な所まで一歩足を踏み入れる心情の変化を的確に捉え、憂いがさらに募ったような聴き終わり。
それでも謎めいた爽快さは残るのだ。
6.'Surf Wax America'
この歌があるから夏のウィーザーは侮れない。
ナードな彼らからパンクなセンチメントを送る屈指のサマーチューン。
波しぶきの様なサーフなギターメロディーは夏の間中頭に残るほどキャッチーだ。
複雑に跳ねるビートが加速し、引き付けてデカイ波に乗るスプラッシュ感もたまらなく夏だ。
サーフィンに行こうと臆面なく言ってみて、働いてる奴らを尻目に波に乗ってみたいとそんな空想が広がる。
まさにブルーな夏、どんなやつにも夏は等しくて偉大で儚いのだ。
7.'Say It Ain't So'
ウィーザー史上最高のアンセム。
オルタナロック界に残ったリフは何度も僕を切り裂いた。
アンニュイなメロディー、心地良くカチあげる痛烈なフック。
スリリングなまでにハイエナジーで、壊れそうなギリギリの抑揚は本当に美しい。
突き抜けたスケール感のサウンドと、細部の完成度の高いギターの掛け合い。
ウィーザーのスタイルが詰まったアルバムの中で異色で出色というか彼等のアンタッチャブルな一面が出た史上最高の一曲。
8.'In The Garage'
9.'Holiday'
眩しいオレンジ色のギターが満面に広がるブライトナンバー。
もうこの辺でアルバムが終わってしまう悲しさもあるのだ。
美しく艶やかなギターサウンドが中心に、それでも安易な歌モノにしない、捻くれオルタナなデザイン。
メロディーが歪んで拗れて夕立の様に降りつけるノイジーなサビの終わり、転調後のジャジーな緩急も含め全体のデザインで骨太なエモーショナルを生む。
どこか彼らも、アルバムの終わりを予期しているような決壊具合は僕らにも響く。
10.'Only In Dreams'
アルバムのラストを飾る8分超えのロングトラック。
ぽつりぽつりとドープに弾かれるダークなベースライン、サラサラしたアコギはセンチメンタルに曲全体を包み、爪弾かれるメロディーはメロウに佇む。
難解ですんなりは理解できない歌詞ながら、夢の中でだけでしか会えない女の子への空想が渦巻く。
ラストトラックの本領発揮はむしろここからで、急に雨脚が強くなるようなサウンドのサビを超えると、コレ以上はないと思っていた以上に嵐のようなギターサウンドに包まれる。
変幻自在にしなり、ヘヴィにうなるギターを聴きながら、アルバムを振り返る時間。
形式的でなく儀式的に、もう最後まで聴いてしまう至高のギタートラック。
無人島に持っていく大好きな1枚
いつもお世話になってるアルバムではあるし、死ぬまで聴くと決めたアルバムでもあるが、何故か急速な勢いで聴いている今、想いを馳せたくなって今回記事にしました。
夏に似ている。爽やかで切なくて本当に寂しくなる様な聴き終わり。
いくつになっても女の子の事を考えながら、モワモワと想いを馳せる。一生男の子はそうであればこのアルバムはどこにいようが重要だ。
まだまだ紹介したいアルバムは一杯。
荷物が音楽でいっぱいになってもいいじゃないか。
それではまた別の記事で。