Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【バンド&ソングレビュー】New Found Gloryに想いを馳せて ポップパンクの英雄【キラーチューン】

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ポップパンクのキラーチューンメーカー、New Found Gloryに想いを馳せる

 

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めっきりと寒くなって来たが皆様いかがお過ごしだろうか?

僕はというと、寒さを凌げる様にと、特に深く考えず買ったマフラーに思いの外ハマり、すっかりとお気に入りとなった。
外に出るのも億劫な位に寒い日でも、コレがあれば割りかしワクワクと外に出れる。
自分は単純だなと思いながら、こういうのがささやかな幸せなんじゃないかと深く考えずに今日も意気揚々と地下鉄の入り口を潜るのだ。
 
音楽にも似た瞬間がある。
ヘビロテしてるお気に入りの曲をイヤホンの向こうに感じながら、颯爽と流れる街の光景は小気味がいい。
時に街中でそれを聴きたいが為に外に出るという本末転倒的な現象も良くある。
音楽を身に纏う様な、そういう感覚。
お気に入りのマフラーを見つめそんな事を考えながら、イヤホンの向こうからノリノリで流れてくるのはNew Found Gloryだった。
 
1997年のデビューから20周年を超えた。
もうそんなに経つんだ、という感想は僕が歳を取ったからだけではなく、その姿に全く時間の変化を感じないからでもある。
ポップパンクを引っ張って来た彼等らしくPop Punk 20thとして過去のアルバムを振り返る大規模なツアーを行い、2017年も2018年ガンガン来日する。
前々から想いを馳せたいと思っていたバンドだった。
身に纏うと心の奥底から、もう無いと思っていたなけなしの勇気が湧いてくるポップパンク。
今回はそんなニューファウンドグローリーに想いを馳せるレビュー。

キラーチューンメーカー  キラーチューンとは

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1997年に今の日本の寒さとは無縁のフロリダで結成したニューファウンドグローリー。
当初はギタリストが2人ベース・ドラムにピンボーカルが一人という5人組スタイルでエネルギッシュなライブ活動がアンダーグラウンドで支持を集め、1997年中には既にインディーレコードデビューを果たし、1999年にはアルバム'Nothing Gold Can Stay'でメジャーデビューした。
 
シンプルプラングッドシャーロットメストとかイエローカードとかシュガーカルトとかサム41等と同期で2000年前後のポップパンクビッグバン時代のバンドだ。
その中の一つのバンド、って枠に留まらず先輩格の様な存在感があったのもまた事実。
そのキャッチーな性質の側面的にアイドル的な狂騒に巻き込まれ、ストリートさを重視されたパンクとも切り離されて考えられるポップパンクバンドも多かった時代、今思えばNFGはキャッチーさに加え、あざとさ皆無の本気の元気100%のエネルギッシュさを武器にポップパンクのグルーヴの王道を作り上げていった様なバンドだった。
曲同様にポジティブな彼らにとってポップパンクは褒め言葉だったし、何より彼らにはキラーチューンを作るバンドのパワーが備わっていたのだ。
 
 
今でこそ乱用気味に使うキラーチューンという言葉を覚えたのもNFGが初めてだった。
マイ・フレンズ・オーヴァー・ユーヒット・オア・ミスオール・ダウンヒル・フロム・ヒアアンダーステイトメントに。。。凄かった。
あ、いいなコレ。を難なく超え、おぉぉぉぉぉ!と興奮と高揚で死にそうになる、そのメロディーの高まり。
とてつもない大きな塊をぶつけられた様な衝撃感を表すには、キラーチューンとはまさにビシっとハマるど真ん中の表現だ。
乱用したい響きのいいフレーズだが、安売りはしたくないお気に入りの言葉だし、その基準にして最高峰にNFGがある、そう刷り込まれたバンドだ。
ただひたすらにメロディーが良い、しかしそれだけでないバンドグルーヴに突き動かされる快楽感、何回聴いても気持ちがアップになるパワーの詰まったエネルギーの塊みたいな音を、速やかに耳に馴染ませ心を沸騰させる。
ポップとパンクが重なって最も色濃い部分を正確に撃ち抜いたのが彼らのキラーチューンなのだ。
 

いつしかポップとパンクを背負って そのバンドサウンド

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そんなわけでデビュー以降、ポップパンクシーンの先頭を疾走り続けたNFGだが、2000年代も後半に差し掛かりポップパンクシーンのビッグバンは終わり、数々のバンドが活動のペースを落としていった。

その頃からNFGはポップパンクと言う言葉を多様し強調し始める。

2008年に行った新木場スタジオコーストのライブのTシャツをまだ持っているが、そこには”Pop Punks Not Dead!"と大きく書かれている。

シーンの移り変わりは、もちろん仕方のないもので、慣れ親しんだがゆえのマンネリズムを打破するように、ロックは次を求め転がり続けてきたのは歴史絵巻にも書いてあるとおりだ。

数々のフォロワーバンドが姿を変え・消していく中でも、彼らは決してそうはせず、そして全く枯渇しないエネルギーで、ポップパンクを背負っていたのだ。

 

キラーチューンを数々生み出す彼らのウリは、ボーカルのジョーダンのハイトーンでクリアな超絶美声、パンクギターサウンド主体のポップパンクメロディー、そして実は最も大事な部分を占めるメロディー主体に支え増幅する様なエモーショナルなビート。

アグレッシブさよりエネルギッシュさに重きを置き、メロディアスで色鮮やかな、一言で言ってしまえば元気の良さにある。

大志溢れるアウトサイダーというよりは寧ろ僕らに近いヒーローの姿。

ピンボーカルではしゃぎ回るジョーダンの姿は、そうアイコン化されているのだ。

 

そしてそのポップでパンクなカケラたちの融合が描く、ドラマチックに心に残り続けられるメロディーラインが彼らの真髄。

蒼い血潮を呼ぶ青春の光景を凝縮し、当時のままロマンチックなエッジを残し続ける悠久不変のポップパンクの凱歌達として、最高の形で結晶として残り、少し光にかざせばキラキラと彼等の音楽が流れ出す。

他の何よりも良い歌である事に比重を置きながらポップとパンクをしがらみ無しに最短距離で結んだ真っ直ぐな音、彼等ほど徹底してしかもかっこよくやり遂げたのは他にいないかもしれない。

 

どれほど時代を射抜いた曲でも時の流れには勝てないのだが、それがキッズの時聴いていた曲だったら話は別だと、そう心から思うヒーローになりつつある。

それは、信じている僕らがそうであってほしい道を歩く彼等の向いているベクトルと、僕らが同じ方向を見ている事を強烈に示している。

ここまでの活動の力強さも、もちろん影響しそれを裏付ける説得力が備わっているのだ。

 

ソングレビュー

 

そんなキラーチューン達をソングレビューでまとめていきます。字面だけでもキラキラしたラインナップ。是非聴いてみて頂けると幸い。

1."My Friends Over You"


New Found Glory - My Friends Over You

現在に至る彼等のレパートリーの中で、最もアンセミックなポップパンク界屈指キラーチューンだ。

時代を彩ったポップパンクのテーマソングだし、20年経った今尚、懐メロの範疇を軽々と超えいつでも何処でも鳴り得るメロディーの確固たる強さ。

必殺のキラキラのポップパンクギターリフと実はズシッときているビートのリズムの軽やかさ。

ライブの始まり方がまたカッコいいのだ。

何度となく一緒に歌い何万回だって聴ける一生モノのキラーチューンだ。


New Found Glory - My Friends Over You (live Much FlakeNBake)

 

2."Understatement"


New Found Glory - Understatement

弾丸ポップパンクナンバー。

個人的にはELLEGARDENのラジオのオープニングで使われていて物凄く想い出深いリフだ。

猛烈なスピードの疾走感でメロディアスなフレーズが爆発する瞬間着火型のパンクチューンだ。

軽やかで爽快な切れ味と大振りのビートのリズム感、ジョーダンのエネルギッシュさもNFG節の基本形になるアンセムだ。

 

3."Hit Or Miss"


New Found Glory - Hit Or Miss

彼等のルーツでもありこの曲から彼らの名は轟いた。必殺から始まったのだ。

ドライヴ感に満ちたキラーリフから、何処までも行けそうな疾走感のメロディーラインとそのラインを所々で跳ねるエネルギッシュなビート。

どの曲でもあるサビのシンガロングも、この曲が一番かもしれない。

身を焦がす様なアツさよりも、弾ける様な瑞々しさを。

焼かれる程のスリルよりも、冒険を前にした様なワクワクを。

今思うと、ポップパンクの理想形だった煌めきに満ちていた。

 

4."Something I Call Personality"


New Found Glory - Something i call personality (Live RRHOF)

サークルピット必須の遠心力の効いたロールナンバー。

メロディックパンクリフをカーニバルの様に振り回すポジティブでエネルギッシュな空間。

エネルギッシュに旋回しまくるメロディーとビートの渦はトンデモない引力だ

ライブ必須のキラーチューン。

 

5."All Downhill From Here"


New Found Glory - All Downhill From Here

アグレッシブな雰囲気を増したコアなロックキラーチューン。
このパンチ力はキラーチューンの中でも随一で、欠かせないハード&ストイックなタイプのアンセム。
緊迫感すらある、ストイックさ増したソリッドに隙のないビートに進化した中期の深みみたいなものも感じるし、メロディアスな音の重なりは流石で時に包む様なジョーダンの声もいい。
頑丈なメロディックパンクの仕上がりは、今でもライブでギアを入れられる必殺のキラーソングだ。
 
6.Failure's Not Flattering


New Found Glory - Failure's Not Flattering (What's Your Problem)

ジョーダン節の効いた美メロキラーチューン。

どんな美メロよりも美しいジョーダンの声の本領発揮の一曲だ。

ミドルなテンポに、シンセの音が効いた浮遊的でメランコリックなメロディーが合うノリつつも魅せられる一曲。

 

7."Coming Home"


New Found Glory - coming home

アンセム的な鳴り方をするビッグチューン。

タイトルに付随したホームグロウン的な気持ち良さを持つ爽快なメロディー。

ノイジーなギターをキラキラと鳴らし、ポップさを存分に作用させつつ心地よく音を降り注がせる。

ポップセンスの表面化でで確固たるアンセムになった中期の名作。

 

8."Hold My Hand"


New Found Glory - Hold My Hand

ライブハウスの全員で手の平を掲げるポップロックチューン。

ソフトロックの様な暖かく柔らかいサウンド、パンキッシュなエッジを誇りつつピアノのメロディーがポップの輝きを増幅させる。

ハンドクラップもシンガロングも、青臭くてロマンチックですこぶる楽しい。

僕らと彼らが繋がってる様な暖かい一曲。

 

9."Tip Of the Iceberg"


New Found Glory-Tip of the Iceberg

持ち前のメロディーセンスをメロコア的に全振りしたアツい一曲。

野太い音をエネルギッシュにかき鳴らし、爽快感にパワフルさにスピリットも加わったこの時期のNFGのパンクアプローチの代表作だ。

今や懐かしい変貌も、キーポイント的に愛されるパンク色の濃い一曲。

 

10.Truck Stop Blues


New Found Glory - "Truck Stop Blues"

メロコアとNFG節の完璧な融合と言っても良い完成度の高いポップパンクチューン。
メランコリア溢れるメロディーラインのギターサウンドが上り詰め、大振りに叩きつけるビートでシンガロング満載のジョーダンの拳の効いたサビに、身体を揺らさずにはいられない。
音楽性の深みがどれだけ広がっても、ポップパンクに帰結する、彼ららしいエネルギッシュなストーリーが続くのはファンにとってもこの上なく嬉しいのだ。
 
11."Rediosurgery"
痛快な切れ味の近年のポップパンクチューン。
パンクの硝煙濃いめの堂々としたギターリフながら余裕すら感じる自在のメロディーライン。
ゆったりとしたグルーヴでも痛快なポップパンクのそれになっているのは職人技に近い。
 
12."One More Round"
 
4人編成になって初めてのアルバムからのキラーナンバー。
メロディアスなギターを最もメロディアスに増幅するビートで畳み掛け続けるタフなポプパンク。
ギターが1人いない分、エネルギッシュな運動量は変わらずだが軽やかになった印象もある。
アンセミックなポイントは抑えつつ、軽快なポップパンクは、ポジティブに受け入れるには十分すぎるクオリティーだった。
 
13."Party On Apocalypse"
大胆にモダンなエフェクトを取り入れた最新のアルバムのヒットチューン。
爽やかさ倍増の伸びやかなパンクサウンドをクリアにトロピカルに自在に響かせる。
随一の風通しの良さと、色々な色彩の音が重なる多幸感は、今までにない感覚だった。
 

お気に入りをいつでもそばに

 
ポップパンクシーンはまだまだ死んでいない。
 
種も仕掛けもない良い歌を作る、単純な才能を持ち、音楽の質など数値化は出来ないが、圧倒的に高良質なメロディーを奏でられるタイムカプセルを開けた喜びの様なエヴァーグリーンな魅力は、数々のバンドの憧れとして再び君臨しつつある。
 
ポップパンクが死のうが死にまいが俺はやる。そんな決意すら滲む。
死のうが死にまいが俺も聞くのだ。
 
きっとズボラな僕のことだ。
ニューファウンドグローリーを聴きながら思い出して、あのマフラーどこしまったっけ? なんて事が多分今後訪れる。
マフラーはどっかにいっても、NFGは色褪せず、何度だって僕の足を外に向けさせてくれるのだ。
 
【アルバムリスト】

 

Resurrection

Resurrection

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • オルタナティブ
  • ¥1200
Sticks and Stones

Sticks and Stones

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • ロック
  • ¥2000
Coming Home

Coming Home

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • オルタナティブ
  • ¥1400
Catalyst

Catalyst

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • ロック
  • ¥1500
New Found Glory

New Found Glory

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • ロック
  • ¥1600
Not Without a Fight (Bonus Track Version)

Not Without a Fight (Bonus Track Version)

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • オルタナティブ
  • ¥1600
Coming Home

Coming Home

  • ニュー・ファウンド・グローリー
  • ロック
  • ¥1600