MONOEYES 新曲発売決定!
細美武士率いるモノアイズが新曲リリースを決定しました!
この夏も、ありとあらゆる夏フェスに出まくり、きっちりと盛り上げてきた彼らの新曲はいつだっていよいよ楽しみ。
そこでモノアイズというバンドのここまでを振り返ってみようと思います。
全曲レビューもありますので是非ご覧ください!
MONOEYESというバンドの歴史
まずは初めてって人の為に、バンドのプロフィールのおさらい。
ELLEGARDEN、the HIATUSのボーカル・ギターである細美武士が発起人となった新バンド。
細美以外のメンバーは、
ギター=戸高賢史(ART-SCHOOL)
ベース=スコット・マーフィー(Allister)
ドラム=一瀬正和(ASPARAGUS)
の4人。知る人ぞ知る、日本のオルタナティブロックの実力派プレイヤーが揃う。
2015年春頃から細美のソロプロジェクトとして進めていたものが、細美の仲間たちが賛同し集い、バンドとして形になる事になり、いよいよ5月にバンドの結成とメンバーを発表。
日本のオルタナティブ界隈の期待渦巻く中、6月1st EP'My Instant Song E.P'をリリース。
間髪を入れず、7月29日1st アルバム'A Mirage In The Sun'をリリースし、夏フェスを含む全国ツアー30公演を行いライブお披露目となる。
その後も11月に追加公演10公演のツアーを行い、今年に入っても数々のイベントにフットワーク良く参加し、驚異的ペースでありつつそれをその後も維持しつつライブを重ねてきたのだ。
MONOEYESの音楽
その音楽性は、人懐っこいメロディー・縦に揺れるドライヴィンなサウンドに、細美の甘く中性的でコズミックな声が乗り、限りなくキャッチーでメロディックなロックナンバー、洋楽的に言えばサードアイブラインドやジミーイートワールドの様なオルタナティブロックに近い。
もちろんELLEGARDENも彷彿とさせる。
ただし、もちろんELLEそのものではない、メンバーも時代も違うのだ。むしろその時にはなかった音楽的な幅みたいなものがあり魅力は倍増している。
それには細美のバンド経歴に背景がある。
ELLEGARDENの休止以降、the HIATUSの結成の流れは細美の挑戦と捉えるのが正しい。
表現者としての幅を試す、実験的なアートロック。
バンドの域を越えて、表現者集団として、イメージを音として具現化するという途方もない事をやって来つづけてきた。
間違いなくELLEの時には実現できなかった、全く違う音楽を完成させそれを貪欲にまだ追い続けている。
細美本人がMONOEYESのライブのMCで言っていたのだが、美点の極致の様な複雑な美しさを追い求めるハイエイタスの曲作りの中、ガス抜きの様に、それとは反対の単純明快にライブで大暴れできる様な音楽をやりたい気持ちが湧き上がる。
それを形にしたのが、つまるところモノアイズという事だ。
単純に、シンプルなものと複雑なもの、っていう対比とは言い切れないが、モノアイズの楽曲のシンプルな魅力はそこから来ていると思うと納得できる。
表現としてはサードアイブラインド・ジミーイートワールド・エルレガーデン・ハイエイタスが並列して類似のアーティストで出てくる様な感じが最も合っている。
当然の如く過去のエッセンスは感じられるが、それだけが魅力ではない。
モノアイズへの入り方はそれでいいかもしれないが、むしろ聞いていく内に、そのストロングポイント惜しみなく解き放ち、ポジティブ&シンプルに心を躍らせに来る手放しの享楽的な感覚が、知らぬ間にスタンダードになっている。
全く新しいモノではないが、回帰的なものとも言い切れない。これこそオルタナティブロックの本質だ。
ELLEの風を感じる時もあるし、ハイエイタスの美しさが見え隠れする曲もある、全く聴いてない人がフラットの状態から聴いてもめちゃくちゃカッコいい。
楽しみ方はそれぞれ、クォリティーは相当高い。それがMONOEYESの音楽だ。
MONOEYESの全曲レビュー
それでは全曲レビューに入ります。
EPとアルバムで分けて紹介していきますので、気に入った曲があれば是非聴いてみてください。
My Instant Song E.P
1.My Instant Song
最初にリスナーに届いたモノアイズのオープナーとなった曲。
美しく重厚で、降り注ぐ陽光の様な輝くギターサウンド、シンガロング必須なコーラス、とポジティブオルタナティブロック。
プラプラ歩いている時に思わず口ずさんでしまう様な、いつ止めたっていい即興の歌はモノアイズのテーマにもなっている。
「海沿いの街」「ティンカーベルが飛び立つ」のあたりの歌詞にELLEの残影を感じてそれもいい。
MONOEYES - My Instant Song(Music Video)
2.When I Was A King
冒頭から全開の疾走感と、そこに重なって追いついてくる細美の声は、まさにライブアンセム。
美しいアルペジオにガシガシと攻撃的に打たれるドラミングが暴れまわる、これだよこれ!となる充足感。
ライブでも一番最初にやることが多い火付け役的ナンバー。
"When I Was A King" from「MONOEYES Cold Reaction Tour 2015 at Studio Coast」
3.What I Left Today
「またこれに戻ってきた。無難にはやらない」
細美のメッセージが焦がす様なサウンドに乗っかり、高揚感を生むギターロックナンバー。
サビのコーラスの重なりの美しさは息を呑む瞬間。
激烈な昂揚感の中に、ほんのり美しいセンスが垣間見える。
A Mirage In The Sun
1.Cold Reaction
ノイジーでハードなリフレインでアルバムの幕を開けるリードナンバー。
ハードロックながらスタイリッシュさを感じるのは、ハイエイタスのロックな絡みも感じる。
徐々に照度を増していく様な、広がり方がアルバムの1曲目として秀逸。
2.Like We've Never Lost
美しいメロディーラインが旋回するように漂う中、激しくスリリングなリズムが刻まれるリアルなロックナンバー。
カラフルってよりはモノクロなイメージがする大人な1曲。
霞みがかかったようなエフェクトがかかった細美のボーカルが、ちょっぴり妖しくていい効果。
3.Just A Little More Time
ブラフマンからのメールで思いついたという爽快な一曲。
ライブをやりたくてやりたくて仕方ない想いが詰まった細美らしい曲。
エルレでもない、ハイエイタスでもない、これぞモノアイズっていうバランスを付いた嬉しさこみ上げる柔らかい陽のパワーを感じる。
4.My Instant Song
5.Run Run
ロック的な感性をひしひしと感じるモノアイズのロックの一端の象徴的な曲。
淡くシニカルなギターリフが心地いい。
重さを濃縮したような鋭いサウンドが、崩壊的な世界観を美しく力強く描き出す。
こういうドラマチックな展開な曲を作れるのも、表現者として以前とは違うと感じる部分。
MONOEYES - Run Run(Music Video)
6.グラニート
日本語詞。
木漏れ日の中のような淡いグッドメロディーに、甘い甘い細美の歌声。
絵本を読んでもらうようなワクワクする一曲。
こういうポップネス溢れる曲は今までになかった。
ライブでもハイライトになることが多い超人気曲。
7.End Of The Story
メロコア調のドラミングと綺麗なメロディーの融合はまさに細美の真骨頂のアンセム。
ただ速いだけではなく、歌詞の内容とリンクした切なく物悲しいボーカルが良く映える。
「When It's red」の合唱でライブの観客は、拳を突き上げるシーンはちょっぴりエルレを思い出す。
8.Do I Have To Bleed Again
エルレ後期のようなグライム風のサウンドのソリッドなロックチューン。
多彩なギターの絡み具合といい、哀愁的な爽快感がジミーイートワールドを感じさせるエモーショナルギターロック。
9.Get Me Down
ミドルテンポの影が濃いロックバラードで、陰を表現する事が得意な細美の18番的ソング。
アルバムに1曲は入ってくる。
重く淀んだ音が、細美の声の高鳴りと共に霧散していく感覚が気持ち良い。
何よりも細美のボーカルが圧巻、まったくブレず無機質にどっしりと歌う。
10.明日公園で
日本語詞その2。
キラキラした音に、ちょっぴり切ないストーリーが乗っかるエモーショナルな曲。
詩的過ぎて真意は掴めないけど、何かの後悔の瞬間を歌った歌だと思った。
サビに連れて哀しさがピークに達する様な構成もすごく好きな部分。
11.Wish It Was Snowing Out
これからの季節にようやく美しさが際立ってきそうな幻想的な曲。
徐々に雪の様に重なり合うコーラスがノスタルジックで、美しすぎて怖いほど圧倒される。
こういう静的な曲の練度は、やはりハイエイタスで培ったもの。
12.Remember Me