Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【リアム武道館ライブレポ】Liam Gallagher 'As You Were' Tour In武道館に行ってきた!前半戦

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ノエルに続きリアムを見た夏

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先日のSUMMER SONIC2018に続き9.13、リアム・ギャラガーの’アズ・ユー・ワー’ツアー武道館公演に行って来た!

僅か17曲90分足らずのあっという間の夢物語。

8月、僕はノエルには泣かせられて止めどなく流れる涙を堪えられず、前を向く事が出来なかった。

もちろんリアムにも泣かせられたが、数瞬たりとも見逃したくないリアムの姿が目の前にあれば、握り拳を作って毅然と前を向く事が正しいと思えた。

 

同じオアシスの歌もあった。涙は涙、同じ涙だった。

降り注ぐような柔らかさ暖かさに現実的な重み年輪をたっぷりと感じさせる本当の優しさに満ちたノエルの声、そしてリアムの声と姿からは、彼が自分の声に持っている途方もないほどの自信とその確固たる表現方法のアイコニックさが最早同時に美しく力強く、涙と同時に前を向ける位のエネルギーがいつの間にか満ち溢れてるロックらしいブライトネスを放っていたのだ。

ノエルとリアムを続けて見ると決めてから、彼らの存在が大きすぎてひょっとしたら見た後僕はどうにかなってしまうんじゃないかと、ずっとそわそわしっ放しだった。

幸いどうにかはなっていないが、見る前とは何かが僕の中で違うのはわかる。

体の一部が持って行かれたようで、それでも代わりに目に見えない何かに満たされているような、そんなステージでした。

ライブレポート、素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

 

ノエルのステージ含むサマソニ2018はコチラ!

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Oasis ソングレビューはコチラ!

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初めてきた聖地・武道館 ロックンロールスターとの邂逅

1966年ビートルズが初来日した際に’他に場所がない’という理由で彼らのライブ会場として使われて以降、数々のバンドがビートルズがライブを行った場所でライブを、とロックの聖地と化した武道館。

50年経った今でもその権威は轟きまくっているし、北の丸公園の田安門をくぐり見えてきた武道館はめちゃめちゃ歴史的で、途轍もなく格好いい。

武道の聖地であるという大前提が醸す雰囲気が、古臭いパイプ椅子も侘び寂びすら感じさせるし、中でお酒を買えないのは辛かったがそういう前提を考えれば’そりゃそうか’と腑に落ちる。

時代を感じさせることを恐れない凛とした佇まいに背筋を伸ばしてロックを迎える準備は割とすぐに出来た。

 

18時に会場を迎えると、ステージにはもうすでにマンチェスター・シティのフラッグと’ROCK ’N ROLL’のバナーがかけられていて、全然発表にならなかったオープニングアクトがいないと、この時にあっさり知った。

予想以上に近い席に座って待っていても、全く落ち着かない。

オープニングアクトもいない事を含めて異様な待ち時間。

なんせリアムがもうそこにいる。

以前も触れたが今僕らがいる時代はオアシスの時代であって、そのライブを見逃している僕としては今日という日は間違いなく重要な事はわかっている。

それでも高揚感よりも’えっ?えっ?’とキョロキョロと辺りを見回したりスマホ見たり一杯一杯になりながら、時間が全然進まない奇妙な時間の流れだった。

開演の19:00を回っても全然始まらないし、この一時間あまりのそわそわも含めて今日のことは一生覚えてるだろうなって考えていると、爆音でマンチェスター・シティのチャントが流れて暗転。

Oasisの定番登場SE’Fuckin' in the Bushes’が流れいよいよリアムが姿を表す。


Oasis - Fuckin' in the Bushes (Familiar To Millions @ Wembley)

 

変わらぬ黒いウィンドブレーカー姿にデカ目のサングラス

ソロ復帰後、トレードマークになった2つのマラカス片手に肩で風を切って中央に立つ。

何度も何度も映像で見たシルエットが、今表情が見える程近くで。

一ヶ月前のノエルに続く圧倒的にアイコニックな本物感。

面食らって大声を上げている僕らを尻目に淡々と準備を進め、あっさりと’Rock 'N' Roll Star'のリフが流れる。


Oasis - Rock 'N' Roll Star

今日はどんな感じだ?と見渡す、様になり過ぎた姿。

僕が思ったよりも身体をくねらせてはいないが、マラカスを後ろ手に組んで右肩を下げて、それだけでモチーフになりえるシルエットで、どの楽器よりもでけぇ、爆音のボーカルで奔りライブのスタートを飾る。

加減など後からすればいい、ラフでも叩きつける様に彼自身が自分の声を開放するマキシマムな瞬間がいきなり訪れるソロ復帰後定番のオープニングトラック。

一曲目で完全に外の世界と隔絶した空間を作るパワーは、ここ武道館で50年前黄色い声援に囲まれて歌ったビートルズから始まった全ロックンロールスターが全て持っていた特異な才能であった。

ずっとこのロックが宿る場所で鳴らされてきて今2018年にもロックンロールスターがロックンロールスターを歌うその様になる姿はもう圧倒されっぱなしだった。

 


Oasis - Morning Glory

そのままリフを聞いて嘘だろと思わず叫んでしまった'Morning Glory'へ。

歌い出しから誰もが歌うけど、誰よりもでかくオリジナルな事を誇る様に、アンプにつないでんのかってくらい声自体にうねりがあるし、凶暴なまでのパワー、それでも禍々しさの一切ない正位置の声で、いつのまにか彼について行ってる事のすんなり腑に落ちる具合。

誰もが知ってるが、改めてこの歌を歌っていたのは眼の前に居るこの人だと、その声がもつ記名性に誰もが納得する。

これぞリアムの声の真骨頂だし、サングラスの向こうの眼光も鋭くスイッチが完全に入った様に見えた。

 

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ここからはソロアルバムの曲に突入。

'Greedy Soul''Wall of Glass''Bold''For What It's Worth'とアルバムの根幹を担うナンバーを立て続けに並べる。


Liam Gallagher - Greedy Soul (Live At Air Studios)

ややモダンなリズム感で、アップデートした王者風格をみせたGreedy Soulはこれまでのどこでも聞けなかったタイプのボーカルを見せる。

旧時代的なフロントマンとしてではなく、アップデートした姿でも超リアムらしいメロディアスな響きに感嘆を誘う類のナンバー。

 


Liam Gallagher - Wall Of Glass (Official Video)

マラカス掲げてリフのリズムでシャカシャカと鳴らし'Wall of Glass'へなだれ込む。

成功体験としてのオアシス後という困難な状況をロック一発で泳ぎきった再出発の象徴的なアンセムには怒号とともに火がつき武道館を揺らす。

アーティフィカルな領域すら感じるボーカルの研ぎ澄まされ具合は、開放された彼の声が集約される動きすら見えて、どこまでもフィジカルな力強いしなやかさがある。

ここまで来るに辺り試行錯誤をした姿を想像したくは無いが、自然な年輪が刻まれた丸みもあらゆる部分から感じられるからこそ、ガツンとくるロックのエナジーの強靭さが時代を超え本物だと同時に感じられる様にもなっているのだと思う。


Liam Gallagher - Bold - New song in High Quality


Liam Gallagher - For What It's Worth (Live At Air Studios)

'Bold''For What It's Worth'のミディアムなナンバーのパートに入ると空気は一変する。

リアムが作ったバラードってだけで世界で一番ロマンチックなんだが、このアルバムの中では最も好きかもしれないこの2曲には心を打たれる。

なぜここまで優しく力強くしかもここまで同時に感じさせる事が出来るのか。

メロディアスで壮大なサウンドを一手に背中で引き受け、破格の光量で輝きを持たせられる完璧なフォルムのボーカル。

暖かみと慈しみに満ちた声を浴び、心の大切な部分に息づく感動を実感しながら、目を潤ませてでも前を見たくなる瞬間は、間違いなくハイライトになるシーンだった。

 

後半戦へ!