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Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【ディスクレビュー】Greenday 'Revolution Radio'に想いを馳せるレビュー

いよいよグリーンデイのレボリューションレディオに想いを馳せる

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ようやく出たのだ、このアルバムが。
いよいよグリーンデイのNEWアルバムに想いを馳せる。
一回書いた文章が飛んだり、想いを馳せすぎてだいぶ遅くなってしまった。
が書く。
この思いをどこかに記したい気持ちでいっぱいなのです。
まずは前書き。
 
思っていたというか、気付かされたのだが、僕は勝手に彼らは既にマキシマムなのだという思い込みが心の片隅にあったのだと思う。
10年以上前にバスケットケースにポップでパンクな電撃を受けて以来、いつでも側にあって、いつまで経ってもフェイバリットなバンド、グリーンデイ。
もう最強の完成したヒーローなのだ彼らは。と思っていたのだ。
心のどこかで新しいアルバムに対して楽しみにしながらも、むしろ年齢や経験を経ての'深み'とかか'風格'みたいなものがどう表現されてるんだろうとか気にしていて、その体験がどーのこーのと書こうかなーと思っていた。
 
このアルバムはそれどころの到達点ではなかった。
パリコレの様な、最新モードの発表会ではない。
これは、これまでの彼らと変わらない情熱と汗にまみれた荒々しい芸術的衝動だ。
見事です。
ごめん、グリーンデイ。僕がまだまだ浅はかだった。
 
今回はそんなグリーンデイの新作アルバム、レボリューションレディオのレビュー。
音楽的に詳しい事は言えないけれど、感じた事、トラックレビューを入れた文章。
是非、読みながら聴いたり聴きながら読んで頂ければ幸い。更に読んで聴いてみたいと思って頂ければもっと幸せです。
それではお付き合い下さい。
 
 

黄金の精神で作り上げられたアルバム

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単なるはみ出し者の音楽ではなくなった。

以前も書いたけど、グリーンデイの音楽の凄いところは、日常の軋轢に対して反射的に、そして大量に生み出されてきた、何万回聴いてもエネルギーに満ち溢れた色褪せない音を作るメロディーメーカー的な部分。

バスケットケース、ロングビュー、シー、、、数々の歴史的な必殺のキラーチューンを世に送り出してきた。

さらには、パンク×コンセプトという'アメリカンイディオット'や'21世紀のブレイクダウン'で、世界的なパンククルセイダーとして、表現者としてパンクを昇華したのだ。

世界に火をつけ、その世界で頂点を見たパンクロックバンドとなったグリーンデイの物語は、ロマンティックさに満ちた正しい成功物語だ。

そんな現在進行形レジェンドのベテランになった姿に、期待と共に不安も混じる様な感覚でアルバムを待っていたが、一通り聴いた今の気持ちは、ジーンと心地よい残熱の暖かさが胸の奥底にしまわれて、永遠に続くような晴れやかさが持続している深い高揚感に包まれている

ポップなパンクの瞬間的な沸騰だけでなく、ナパーム弾の如く次々に押し寄せるロックオペラの爆風だけではないのだ。

 

もう少し詰めていくと、今作のメインフレーズとなる革命。

その革命の起爆剤としてだけでなく、そこに至るまでのバッググラウンドストーリーを、速やかに同士達に届けるために、音楽人としてネクストレベルを踏む事を彼らは選んだ。

後述する空白期間に、ビリーはクリーンアップされ、マイクはベースを学び直し、トレも自分の技術を見つめ直した。

黄金のトライアングルの黄金の精神による鍛錬に次ぐ鍛錬

生粋の正当な音楽家として名高い彼らだったけど、初めて訪れた空白の期間も音楽に打ち込む事を選んだのだ。

少年マンガの修行期間みたいなズルい変貌を遂げて彼らは戻ってきたのである。

パンクロックに鍛錬など必要ないのであれば、それはそれでいい。それなら今回のアルバムは至高のロックアルバムだ。

どちらもただの言葉に過ぎない、これは音楽なのだ。

そもそも元来、全くもってキャッチー極まりない音もグリーンデイというキャラクターの演奏があれば、エッジとスリリングさも増し増しで彼らでしか味わえない爽快感があった。

しかし今では、必殺のメロディーメーカーっぷりを残しつつも、タフでダイナミックにビルドアップして、ノイジーさも流麗さもケタ違いのパワーで突き刺してくる。

ドラゴーンボールのスーパーサイヤ人3にみたいな、まだ強くなるの?っていう疑問すら吹き飛ばす圧倒的かっこよさ

それがレボリューションレディオに感じる凄さの根本にあるのである。

 

 

リリースまでのストーリー

今回のリリースに至るまで、知っておきたいストーリーがあるのでそこにも触れる。

唐突さはあったけど、SNS上で音源を小出しに公開し、徐々に明かされていった全容。

僕らに理解する時間をくれたのだ。

先日のハイスタのやり方は確かにパンクだったけど、それとは違う

満を持した漲る自信みたいなものと、僕らにそれをかみ砕かせることによってさらに深いモノになる確信的な手ごたえがあったんだと思う。

 

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個人的には好きな曲も多いんだけど、ビリー自ら混乱していて何の意味もなかったと述べた「ウノ」「ドス」「トレ」の三部作から実はまだ3年しかたっていない。それでも長く感じたし、ファンにとっても辛い期間だった。

占い師に言わせれば大殺界だし、もっと日本的に言えば厄年って言われてもおかしくないくらい陰の出来事が彼らを襲う濃密な3年。

ビリーのドラック中毒によるリハビリ、マイクの奥さんのガン治療、第4のメンバーであるジェイソンのガン。

立て続けに起こった不幸に僕ら日本のファンにとっても心配だった。何せ全てのニュースが届くわけではない。

マイクの奥さんのガンとかはリリース後、初めて知った出来事でもあった。

イライラを隠さずに、ステージ上でギターを壊しまくったビリーに、(2013年のアメリカのポップフェスティバルでの出来事。ポップ畑のノリの悪いファンに苛立ちながら煽りまくるビリー。そんな中、オーロラビジョンに終了まで残り1分の文字が誤作動で表示される。ブチ切れたビリーは演奏をストップし'俺の1分間を見せてやる'と言ってギターでセットを破壊して帰っていった。)

能天気にまだまだパンクだなーくらいにしか思っていなかったが、当人たちはロック・パンクに瀬戸際まで追い詰められていた。

勝手にグリーンデイは大丈夫だと思っていた自分がいるのに気づいた。

いくらグローヴァルとはいえ(グローヴァルだからこそかも)海を挟んだ絶妙な距離感が、無責任なヒーロー像を作り上げていた。

ファンて言うのはそういう事じゃないよな。ごめん、ありがとうビリー。

それほど考えてしまうくらい、ショッキングであり、彼らの心情を慮りたくなるリアルな重みが時差を経て襲ってくる。

本当に戻ってきてくれてありがとう。

 

何か、背筋を伸ばして真摯に聞いていなかければいけない様な気持ちに少しなる。

しかし、このアルバムはそれにも真正面から答えてくれる。

大きな問題も些細な難癖に思わせる圧倒的なパワーを持ってグリーンデイは帰ってきたのだ。

ディスクレビュー 'Revolution Radio'

それではディスクレビューに入ります。
聴きながら読んで少しでも楽しんで頂けると幸いです。

 

 

Somewhere Now

Somewhere Now

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

幻想的なアルペジオで幕を開け、ゆったりとビリーの歌声が響く①Somewhere Now
優しすぎる展開に虚を突かれるが、堪え切らないとばかりに、ボリュームも歪みも増すビリーの声を皮切りに、アンセム的な盛り上がりを見せる。
トレが自身過去最高だと語るドラミングが、流麗な音の中を所々で跳ね上げる。
ジワジワ期待を高めさせる順当な進化では収まらない+αを感じ、開幕にはふさわしいナンバーなのだ。
 
 
 


Green Day - Bang Bang (Official Music Video)

アンセムの後に始まるのは、アルバムに先駆けてグリーンデイ復活を世界に知らしめた革命無線のオープニングナンバー的な②Bang Bang
アメリカで起きた銃乱射事件の犯人のフィーリングを描くという、前衛的でスリリングな試みで作られたダークなパンクナンバーだ。
全く読み切れず検討違いの印象を受けた僕がいる。恥ずかしい。

www.footballsoundtrack.com

とはいえ、仮面を付けたままダークにポップに音を鳴らす様なニヒルなパンク像は今までにない彼らの姿だと思う。

強調する様に何度も繰り返し刻まれ、塗り潰される様なギターリフとコーラスに危険な高揚感を感じるオープニングパンクナンバーだ。
 
 
 
 
その流れを引き継ぐ様なパンクナンバー③Revolution Radio
焦燥感を煽るサイレンの様なギターから、スリリングでシニカル、でも明るさを保ったままのメロディックなパンクが疾走する。
暗く重い精神性ながら、爽やかさすら感じられるこの曲は革命無線のテーマ。
この狂った様な爽快感が、グリーンデイの革命には必要なのだ。
 
 
 
 
 

 

Say Goodbye

Say Goodbye

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

日本民謡的なリフで始まる④Say Goodbye

ずしっとくる重厚さとチャキチャキした軽快さを使い分ける演奏に、コーラスワーク。今のグリーンデイのスケールを感じるドラマチックな展開に圧倒される。

何度も繰り返されるメッセージが革命のデモの様な要素を感じさせて、振り下ろされるヘヴィ―なサウンドのハードなロックナンバー。
 
 
 

 

Outlaws

Outlaws

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

⑤Outlawsはアルバム随一のロックバラード。
この曲こそグリーンデイの最新モードの真骨頂だと思う。
一瞬で動から静に切り替わり、こんなにも肌が震える程柔らかく優しい音になる。
ステージ上でたくさんの光を浴びながら歌うビリーが既に目に浮かぶ。
来るぞ来るぞという歓喜の波ではない、いつの間にか涙が溢れているような美しいバラード。
終わり際のビリーの歌声は息を呑む程に優しく響く。
ちなみにこのギターはビリーがバイオリンの弓で演奏しているらしい。カッコいい。
 
 
 
 

 

Bouncing Off the Wall

Bouncing Off the Wall

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

⑥Bouncing Off The Wallでアルバムは中盤に入る。
ストレートなギターが軽快なリズムバウンドを繰り返し鳴らされる、かつて何度も何度も心踊らされたド直球ド定番のグリーンデイらしいハピネスロックチューンだ。
あっけらかんと韻を踏みながら歌うビリーと轟音混じりの力強いサウンドが、モダンでもあるし8ミリのモノクロ映画みたいな雰囲気もある。
興奮と幸福感は従来通りだけど、いつもより深く余韻を感じられる所に風格みたいなものも感じられるのもいい。
革命を蜂起させるような序盤から中盤は内傷的な曲が続く。
 
 
 
 
発売前ギリギリにリリックビデオが公開された⑦Still Breathing
グリーンデイの凱旋の象徴のナンバーとして、帰還を自ら踏みしめ直した歌だ。
浮遊感と焦燥感が混ざった音の中、淡々と歌うビリーの声とパワーを増すベースラインが次第に熱を帯びてくる展開。
喜びと生命力を表現するメロディーは、空に向けられた号砲の様な風圧を感じる。
帰還を喜ぶ様の歓喜の歌でありながら、スレスレの所だった分ホッとして、安堵している彼等の一面が垣間見えるのも、よりリアルに僕らに困難や傷心を乗り越える力を与えてくれそうだ。
 
 
 
 
 
 
こちらも直前にリリックビデオと共に公開されたポップロックナンバー⑧Youngblood
ご機嫌な手拍子と共に高速のドラミングが入って、キャッチーでハツラツなメロディーの裏でエッジの効いた必殺のリフがガリガリ鳴らされる。
キャッチーでカッコいい、ポップもロックも制圧したグリーンデイの姿。
コミカルなんだけど、そこに振り切れる事ない絶妙なバランス感覚で香り程度に留めているあたりが、このアルバムらしさを感じる。
ここに帰還を感じる人も多いはず。
 
 
 

 

 

Too Dumb to Die

Too Dumb to Die

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

'バカすぎて死ぬ'という如何にもなタイトルな⑨Too Dumb To Die
歪に歪んだロックンロールなギター・心地いいビートのリズム、美しく惹きたてるコーラス、多彩でキレのあるボーカル、一挙手一投足全てスタンダードに予想通りの展開なのだが、抗いようのない高揚感はずっと彼等に擦り込まれてきたものがあるからなのだと思う。
赤裸々さはなく、堂々と過去を振り返る歌詞にも、今の彼等の立っている場所を感じる。
 
 
 
 

 

Troubled Times

Troubled Times

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

⑩Troubled Timesでアルバムはいよいよ終盤に入る。
一転して深刻でダークな雰囲気な幕を開けるミドルチューン。
淡い重いベースラインとマイナーな音とコーラス重なりに、真摯に艶やかに歌うビリーを聞いて、地下深く誰もいないボロボロの寂れた劇場で歌っている様なイメージが沸く。
深い孤独感のその奥に、ブラックなユーモアも垣間見える。これもアダルトな魅力のひとつ。
 
 
 
 

 

Forever Now

Forever Now

  • Green Day
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

革命無線の幕を閉じるのは彼等らしいロックオペラ⑪Forever Now
ここで使い古したロックオペラか?と虚を突かれた上に少し疑問に思ったけど、でもそれどころではなかった。ごめんなさい。
ザックザクのギターからアッパーに始まる冒頭の歌詞が'俺の名前はビリー'。アルバム内で様々な登場人物を巧みに操ってきたグリーンデイが、自らを名乗る事の大きさ衝撃を受ける。
透き通る歌声が突き抜け、さらに加速しいくと共に、バンドの演奏も比例して爆風を巻き起こしていく、と途端に1曲目のSomewhere Nowのフレーズに雪崩れ込む。
予想だにしない壮大過ぎる曲展開に呆気にとられている間も、流麗さも重厚さも増した美しいロックオーケストラが襲いかかるのだ。
このアルバム何度目かの肌が震える様な感覚に、喝采を送りたくなる幕の閉じ方だった。
 
 
 
 
 
アンコール的なアコースティックなナンバー⑫Ordinary World
シンプルな弾き語りの曲、今までもビリーがライブの最後に出てきて歌う様な一幕になりそうな曲。
これがこの曲が、僕は一番好きだ。
夜空を模したキラキラしているおもちゃが揺ら揺らしながら、子守歌のように歌う本当にパーソナルな歌声。
 
前から常々思っていたのだが、ビリーが僕にはチャップリンと重なって見える時がある。
コミカルでシニカルで愛嬌のある、とびきりアイコニックなキャラクター。
ポップパンクの喜劇的享楽的な一面を鮮やかに浮かび上がらせる。
だからビリーの中でも少し演じているというか、作り上げたキャラクターに寄せている部分もあるんだろうなと思っていた。
でもこの曲の歌声で全くフラットで極めて平凡なビリーの声を人生で初めて聞いたのだ、と理解した。
本人が主演を務めた映画の主題歌で、素の部分が今までにない程出てるっておかしい話かもしれないがそう思ったのだ。
初めてエリッククラプトンのティアーズインヘブンを聞いたような感覚。
 
何もかも閉じてこれだけを聞いていたい。
本当にそういう時間は幸せだけど、そんな曲には中々出逢えない。
また、グリーンデイがそんな曲を増やしてくれたのだ。
 
 

グリーンデイは永遠に 

以上12曲、一瞬で聞き終わってしまったアルバムだった。
未来でも過去でもなく今ここのパンクを鳴らしてきたグリーンデイ。
その今に常にマキシマムを更新して持ってくる鍛錬が身を結んで、重厚で大満足の時間。
 

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大胆な曲展開にはロックオペラの影響も感じる、どこまでもグリーンデイらしいエッジも爽快感もある。
ただそこに演奏者としての彼等の表現力が強力なものになった事で、音の力強さと曲ごとのアレンジの千変万化ぶり、さらにはその裏に別の表情を感じさせる深みがあるのだ。
僕にとってグリーンデイは物心ついた時から既にヒーローだったし、今回も弱った所からパワーアップっていう最高のストーリーを見せてくれた上に、心踊る必殺曲をまた届けてくれた事がただ嬉しい幸せな出来事であって、実際に何度も何度も心を揺さぶられその幸せが最後まで持続するアルバムだった。
これを伝えたいが故にこの文章を書いたのです。良い曲は人に言いたいのだ。
読んでいただいてくれて嬉しいです。
 
今度はライブで聴きたくて仕方ない。
映画オーディナリーワールドもめちゃくちゃ見たい。
こうやって、彼等が僕らの側に居てくれる限り、僕の世界は一段と鮮やかさを増すのだ。
 
 
グリーンデイは永遠のマイルストーンだ。
 
それではまた別の記事で。