Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

Foo Fightersに想いを馳せる【バンドレビュー・ソングレビュー】

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世界最強のロックバンドを紐解く フーファイターズに想いを馳せて

色んなバンドの音楽を長い事聴いていると、ふと天啓の様に急にあのバンドを聴きたい!という衝動が訪れる事がある。
 
シャッフルをぶった切って、そのバンドを狙って聴いた時の高揚感は、いつもより5割増しで心の奥底まで響くものがあるのである。
色んなタイプの曲が天啓により出てくるけど、やっぱり多いのは豪快なロックナンバーで、うおぉぉっっ、と急に聴きたくなる性質を持っているものだ。
 

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僕にとってフーファイターズは特にそんなバンドだった。
突拍子もなく莫大なそのパワー。
何も前触れもなく、居ても立っても居られないレベルで聴きたくなる。
僕はこの夏サマーソニックでやっとそれを目撃した。

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今私は、最も華麗で、最も豪快で、最も重要な、すなわち世界最強のロックバンドがフーファイなのだと思うのである。もうあらゆる面で。

それは何故なのか?
ロックとは何かって答えに近いフーファイターズの強固で華麗なバンドサウンド。
それが少しだけわかった夏だったから、ちょっとだけ聞いて欲しいのだ。
フーファイターズに想いを馳せて。

 

 

遠く届かない英傑から僕らのヒーローに

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実はサマソニ2017の前に自分の復習予習がてらフーファイの記事を書こうと思っていた。
でも先日サマーソニックで彼等のステージを目撃し、デカすぎて漠然としてた彼等の姿を捉える事が出来た瞬間があった。
ロックンロールの中枢を打ち抜く不屈のロマン溢れる曲の数々は、もちろん元から圧倒的に好きである。
でもこのバンド、そしてフロントマンであるデイヴ・グロールのバックボーンには、慮るにも膨大すぎるヒストリーがあり、それ故の理解を超えた神格化みたいな所もあった。
 
それでも彼等をこの目で見て、神々しさすらあるエネルギーの源は、頭を振りながら目を凝らして見てみりゃ、バンドマンらしい生々しいまでのど根性とか情熱であると感じ、ただ一個人、一ミュージシャンとして、とてもとても大きく見えたのだった。
 

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過去は教訓として 想いを歌に込めて

改めて書く必要はないのかもしれないけど、フーファイターズのボーカルギター、デイヴ・グロールは、NIRVANAのドラマーだった。

www.footballsoundtrack.com

世界を制してしまった事で崩壊してしまったバンドは、ボーカル・ギターでデイヴの親友でもあるカート・コバーンの自死により、その物語の時計を止めた。
それでもNIRVANAの音楽が今でも聴かれ続ける様に、ROCK音楽というものはそういう悲劇すら飲み込んで時代を反映し転がり続ける。
取り残されたデイヴ達を置いて。
 
This Is A Call

www.youtube.com

This Is a Call

This Is a Call

  • フー・ファイターズ
  • オルタナティブ
  • ¥200

フーファイターズとして最初のアルバム、そのオープニングナンバー。

ビッグなハードロックメロディーの骨太なグルーヴを大切に奏でる。

”僕らには良くし続けられる事がある
それが理由だ 長いことかかった”
ここまでを振り返るようで。そしてこれからを数年後振り返った時、同じことを言い続けられる様に。
 
 
元ニルヴァーナに対し世間は同情と好奇の想いで渦巻いていた。
そこからデイヴはギターを持って立ち上がる。
僕なんかは立ち上がった事を知ってるだけで、それがどのくらいどデカい決意で、どのくらい膨大な感情が渦巻いていたのか、近い所まで想像するのは難しい。
 
Big Me


Foo Fighters - Big Me

Big Me

Big Me

  • フー・ファイターズ
  • オルタナティブ
  • ¥200
これも1stアルバムからミディアムな美しいナンバー。
古き良きアメリカンロックの調べに乗せて優しさと達観した様な儚さを込める。
焚き木を囲うような心地よい浮遊感の中、デイヴと話しているかの様な親近感は、フーファイとしてのデイヴならではの穏やかな瞬間だ。
 
 
それでも彼らをステージ上で見て、その過去は時が教えてくれた教訓のようなものとして彼のバックグラウンドが存在してるんじゃないか、そう思った。

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ロックが受け継がれて転がっていくという性質な以上、ロックを持って立ち上がったデイヴのことを、ニルヴァーナのメンバーだったって事実を意識しない事は無理だ。
というかそれを含めてそこに立って発信しているし、それは勝手にデリケートな部分だと思っていた。
こっちのそんな気も、時に失礼ですらある好奇な目も、全て受け止めてやるという漢気に溢れているし、多くは語らないが下手に封印しようとはせず、教訓として向き合い進んできた。
こっちだってそういう気にさせる力がある。
リスナーにとっては色眼鏡を外しそれを含めて聴く事がファンて事なんだろう。
そう向き合えるだけの音の強さがあるし、何を思いながら書いたのだろうと、詮索をふと止めてそういう想いを自分の内面にも向けたとき、心の奥を刺された様な感覚がある。
それこそデイヴが僕らに残したい想いなんだろうなと思う。
誰もがそれぞれのやり方で経験している境遇に、それぞれが投影できる様な大きな大きなメッセージが彼らの楽曲には篭っている。
 
Learn To Fly


Foo Fighters - Learn To Fly

Learn to Fly

Learn to Fly

  • フー・ファイターズ
  • ポップ
  • ¥200

彼らのスケールの大きさの詰まったビッグメロディーのキラーソング。

受け入れて洗い流す勇気を灯す様な、清涼的な爽やかさと燃える様な情熱のバランス。

”飛び方を覚える 燃えさせてくれる何かを探す”
前途を信じる、見通しのいい前向きなメロディーとメッセージは彼らならではの説得力に満ちる。
 
 

ロックの本質を突く 本物のサウンド

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ニルヴァーナの消滅から翌年の1995年。
1stアルバムの”Foo Fighters”の時点では、まだデイヴ・グロールのソロプロジェクトの色が強かったフー・ファイターズだが、デイヴが理想とする音を求め次第にロックバンドとしての形を帯びていく。
理不尽とも言えるメンバーチェンジや、喧嘩別れに近い脱退と復帰、過酷なツアー。
そういうストーリーがフーファイターズにももちろんあって、彼等はバンドとして繋がりを強固にしていった。
ロックバンドへの大いなる教訓と重圧を十分に理解し魂を込め、ロック音楽に関しては妥協を許さなかった本物志向の姿勢。
その説得力さえあれば、人々に広く認められ、結果的にシーンや文脈の中で語られていき、イメージはそうやってひとりでに作られていくものだ。
 
 
"Monkey Wrench"
Monkey Wrench

Monkey Wrench

  • フー・ファイターズ
  • ロック
  • ¥200

出世作でもあった最もキャッチーでパンキッシュなヒットナンバー。

リズミカルに琴線を刺激するサウンドワーク、高いボルテージを維持した強力な音の奔流はデイヴのシャウトで爆散する。

単純なパンクナンバーではないダークでグライムな部分も覗く、見たことあるような親近感で、見たこともない厚みのあるパンクナンバーだ。
 
 
"All My Life"
All My Life

All My Life

  • フー・ファイターズ
  • ロック
  • ¥200

彼等きってのアグレッシブなナンバーは代表的なアンセム。

抑えに抑えたリフから、強力極まりないロック的な爆発。
ノイズに満ちたバンドグルーヴでタイトに凝縮した重厚に振り回されるサウンドだ。
急所を抑えたストイックでリアルなビビットな音の高鳴りと誇らしく叫ぶデイヴが神々しくすらある。
底の底から力を捻り出されるような、活力と衝動に満ちたパワーチューン。
 
"The Pretender"
The Pretender

The Pretender

  • フー・ファイターズ
  • オルタナティブ
  • ¥200

ダークなアンビエントに包まれた最も攻撃的なトラック。

近年の彼らを代表するオルタナティヴなロックチューン。

ダークで攻撃的なメロディーがダイナミックに刻まれる。
全身全霊ぶつかって来る大いなるパワーは、目には見えないが確実にそこに存在するロックの力を感じるのだ。
 
 
 

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彼らのルーツであるグランジの音像はありながら、メロディーもビートも何処までも野太いロック
キャッチーでアンセミックでありながらノイジーでヘヴィ
テイラー・ホーキンスの陶酔感あるドライヴなドラミング、ネイト・メンデルの深くエモーショナルなベース、ノイズの中にメロディックさを含みつつパンク的なアティテュードを支えるパット・スメアクリス・シフレットのギター、そしてマルチプレイヤーでありサウンドプロダクトを指揮しながら先頭を切って背中でバンドを引っ張るフロントマン・デイヴ・グロール
80sハードコアパンク、90sオルタナティブを知るスーパーバンドと言われてもおかしくない凄腕なメンバーがガッチリと組んだバンドサウンド。
90年代のヘヴィロックの向こう側、グランジ、そしてパンクとの交点であるかのような、幾つもの要素をオルタナティヴに混ぜ合わせたラウドな音は、安易なものではないという重厚感とともに、一つ一つが満足の行くものを作り上げたんだという歓喜と自信が満ち溢れている。
理想的な融合を遂げた黄金律的なオーラは、闘気みたいに満ち溢れてて僕らの心に闘う後押しをしてくれる事に繋がるんだろうと思う。
 
"Best Of You"


Foo Fighters - Best Of You

Best of You

Best of You

  • フー・ファイターズ
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

スタジアムに強靭に響くのミディアムなロックアンセム。

ぽつんと佇むような幕開け、それでも叫ぶデイヴにバンドサウンドが収束する。
弾ける様なバンドサウンドの一体感。

”誰かのせいでベストを奪われたのか?
また新しい場所でやり直す気なんてない”

ロマンチシズム香るメロディーでも、強烈なリアリズムに溢れるベストのリフレインは切なさと力強さをもって大きく遠くまで響きやすい。

 

"My Hero"


Foo Fighters - My Hero

My Hero

My Hero

  • フー・ファイターズ
  • ロック
  • ¥200
オルタナティブなミディアムロック。
夜空の星の様が煌めきながら落ちて行く様なギターワーク、ラウドに振動するビートで揺らめいてエモーショナルに包み込む。
ヘヴィなアンビエントを感じ、美しいメロディーラインに身を任せると、複数の入り混じった感情ごと高揚感に包まれ凄まじい光量を感じる曲。
 
 
フーファイだ!という記名性と言うよりは、オルタナティヴに自在に幅を変える曲が多いのも、ロックバンドとして長い時を過ごす中で更新を続け、オールドスクールな必勝の型のバランスを維持しヘヴィでアンセミックなものから逸脱はせず、バンドとしてチームとして強くなってきたというストーリー性を帯びている。
幅広く変化しても説得力を失わないサウンドは、バンドの縦横無尽の強度なコンビネーションによるものだし、その変貌のリアルさこそ、ロックであるという人間味を失わない真実味がある。
だからこそ優しく寄り添い、背中を押し、暖かい灯りを灯すようなメロディーとメッセージも、彼らを理解すればする程、抑えがたいパーソナルな部分にまで届くのだ。
 
濃密に強固にロックを表現し、その王道すら更新し続け、これぞロックだという先頭を走る。
数々の評価ともに、今彼らが最強のロックバンドとしてイメージされる音の根本は、それ自体がロックの本質に近い。
ルーツや歴史を内包したまま、その人間性をロックのダイナミズムをもって、今どう表現するかを徹底的に貫く。
 
ロック音楽は、あらゆる問題を解消する魔法のようなロマンチシズムに見えるが、むしろその中でどう進む?と背中を押す希望の一手なのだ。
ことフーファイターズの場合、王道を行く事に一切の躊躇はなく、足を折りながらでもソレを引っ張る矜持的な男らしさみたいなモノが、抜群の引力にもなるし、いつまでも心に残る希望となるのだ。
この人たちすげーよ、そういうシンプルで永劫消えることのない強烈な憧れとなるのだ。

 

死ぬまでに見たいバンドリスト

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死ぬまでに見たいバンドリストってのがある。
多分ロックファンならみんな。
もう叶わないバンドもいる。

フーファイは間違いなくその一つだった。


それが叶った時、100%の満足大いなる自慢とバンドと僕らが繋がったという感覚に包まれる。
100%熱狂の根拠がわかるし、今、この時だけは全てが完璧なのだと手放しで幸福を身にまとえる。

それはこれからも聴いている時に、そういうシナプスが繋がってふと呼び起こされて、呼吸が合えばいつだって無敵になれるのだ。

 

そう思い、天啓を待つまでもなく今はフーファイターズを聞く。
とことんひたすらに。

 

Everlong


Foo Fighters - Everlong

Everlong

Everlong

  • フー・ファイターズ
  • ロック
  • ¥200

この夏もこの曲でライブを終えた。

どんな強力なサプライズがあったステージでも、最後に熱量を閉じ込めてくれる様な、この名曲の存在があるからこそ、素晴らしいものになる。

モノクロームなメロディーの中、静と動が入り混じり、炎の大きさを自在に操るように光と影を作る。
スリルも感じつつ全くもって安心感を持って聴ける、彼らの特別なナンバーだ。
 
 
”全ての物が永遠に本物に感じられたらいいのに”とエバーロングでは言う。
2度とは元に戻らない事だってある。
そんな想いを歌に閉じ込めて、「ここではこういう考え方をしていたんだ、君は今どうだい?」そう僕らと直接話しをして励まされてるような力強く暖かい感覚がよぎる。
 
これはここまで書いてて気づいたんだけど、話すって歌詞が多い。
「何か」について話したりする事を待ち望まれたデイヴだからかもしれないし、おしゃべり好きそうだからかもしれないし。
今は僕らと音楽を介して、話をしてくれてるんだろうなって思う。
衝動の扉をこじ開けるようなアツい音と、暖かく寄り添うような包容感。
ハートには熱く、魂には優しく。
奇跡のような同居は、人間味溢れるロック物語だからこその情緒があるのだ。

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色褪せて錆びついていかない様に、油を注しながら、前進する事に責任を持ってきた。
油まみれになっても笑顔で、「よぉ、調子はどうだい?一曲聴いて聞くかい」そんな調子の抜群の親近感で、歌ってくれるんだろう。
今は、彼らを聞かずにはいられない。
敬意と衝動が入り混じり、概ね最高の気分だ。
 
Foo fightersに想いを馳せて