Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【バンドレビュー】Bad Religionに想いを馳せて‐パンクロックとは‐【コラム】

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秋の夜長にパンクロックについて考える

 
秋ってのは物思いに耽りやすいから、「何とかの秋」って良く言われるんだと思う。
夜が長くなって思考の迷宮にハマり頭の中がこんがらがってきた時、読書をして頭の中をスッキリとさせたり、運動して身体ごとスッキリさせたりするのだきっと。
そんな事を考えながら、物思いに耽る秋。
僕はと言えば、思考の栄養にと糖分たっぷりのまんじゅうを食べながら、 パンクロックの事を考えていた。
 

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パンクロックってなんなんだ。
それがわからなくて、ロックの歴史を調べた過去がある。
音楽的な成り立ちとか、歴史的な背景みたいなものはわかったけど、頭でっかちになっただけな気がした。
でも良かったのは、ラモーンズとかニューヨークドールズとか、セックスピストルズとかクラッシュとかを知って、幅広くたくさん聞くようになった事。
答えは彼らの音楽の中にしかないのだ。もっと言うと多分それを聞いた自分の中にしかないのだ。
どんなに知恵袋を探したってピンと来ないのだ。
こんな抽象的な答えにたどり着くまでに、買ってきたまんじゅうはなくなりそうになる。
 
じゃあパンクロックといえば、と言われてイメージするバンドは人それぞれ。
正解なんてないし、他人に違うって言われても違わねぇって言える誇りがあればそれでいいと思う。
ピストルズだってグリーンデイだってオフスプリングもハイスタだってパンク。ノーエフもラグワゴンもノーユースも。。。。。
線引きが個人の中にしかない以上、すごく広義な意味で捉えるとすれば、それらは全てパンクロックに分類されるって事で間違いはない。
そう考えればいくつでも浮かぶし、一個だけ選んでくれ、なんて言われたりしたら悩みに悩んで、いくら秋でも夜が明けてしまう。
 
でも僕のイメージで、雑念なしに真っ先に頭に浮かぶ最もパンクっぽさを感じるバンドは、何度考えてもバッドレリジョンだった。
 
数々のバンドのリスペクトを集める彼らのキャリアを考えれば妥当かもしれないが、そのリスペクト以上に圧倒的なパンクなエッセンスを感じる彼らバッドレリジョンを紐解いてみたくなった。
まんじゅうをほおばり、大好きなAmerican Jesusを聴きながら、今回は僕にとってのパンクロックとは?そしてバッドレリジョンに想いを馳せる。
 

出会いと彼らの音楽

10年前くらいになるポップパンク全盛期の真っ只中 、10代の僕は焦っていた。
ポップパンクってパンクじゃないのか?
俺だけパンクロックって何か知らないんじゃないか?
周りはなんとなくわかっていそう。
別に知らなくても誰にも怒られないのに、レポート提出前の大学生みたいに薄っぺらい知識を身につけようと必死になっていた。
学業に全く向けた事のない、答えを知りたいというリアルな情熱と、浅い知識しかない事への恐怖というちっぽけなプライドで、音楽を知ろうと奔走していた。
そこで見つけたバッドレリジョンのベストアルバム。
パンク・ハードコア界の重鎮!みたいな取って付けた様なワードにすがって手に取り、
僕が最初に聞いたのは1曲目の’Punk Rock Song’だった。
何から何までがパンクでどっからがパンクじゃないのか、頭の中が混線してビジョンがトっ散らかっていた中、それらの配線を全部引っこ抜いていったのがこの曲。
全然クリアにビジョンにはなってないけど、全部引っこ抜かれた砂嵐の映像の方が遥かに清々しかった。
違和感がなくなった、と言った方が近い。
パンクって何?の答えが出ない事にも、少なくとも、初めて聞いたバッドレリジョンがパンクロックの重鎮だと言う事にも。
百見は一聞にしかずなのだ音楽は、多分。
 

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鋼の様な音を軽やかに操り、攻撃的に疾走する。
それはメロディックな歌であり、ハードで重く暗い音の多重奏にはそれだけでは済まさないストイックさがある。
極めて淡々とボーカルが、This is just a punk rock song.と歌う。 
実感のわかないほどのレトロ感もなく、ハードに尖り過ぎて敬遠してしまう事もない。
受け入れやすさすら感じた、彼らが基準点になるのは、自然な事だった。
 
 

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40年近くパンクバンドをやっている。
それだけでも十分に自慢したくなる粋なおじさん達なんだが、シーン最前線でバリバリライブをやりながら1-2年のスパンでアルバムを出す。
そんなに暴れ回るようなライブを毎回やるわけではないけど、それでも凄い。
現代パンクシーンのゴッドファーザーと言われるのも納得のストイックさ。
パンクと花火は儚いからこそ美しいという格言めいたものすら吹き飛ばし、メンバーが白髪になってもパンクロックを鳴らし続ける姿には同じ男として漢気を感じずにいられない。
むしろ金稼ぎの再結成で、何十年ぶりかにみっともない姿を晒すよりは、よっぽどカッコイイオヤジの姿だ。
 
1979年の結成以降、自分達のCD出すべく今では老舗パンクロックレーベルとなったエピタフレコードを自分達で立ち上げる。
DIY精神は元々パンクの本質ではあるが、破滅的でインスタントなモノではなく、継続的に続けられるモノを作ってしまった手腕に、知的な理性を存分に感じる。
パンクバンド=バカではないが、パンクさらにはロックバンドでくくって考えても、知的な魅力は随一の彼ら。
むしろパンクロックを批判する性質をもつ頭の固いタチの連中よりよほど頭がキレる。
バンドの心臓部の2人は本業の傍らに、ボーカルのグラフィンは大学の生物学の教授・リードギターのブレッドは老舗パンクレコード会社の社長という異色な肩書きをもつ。
ネイティヴでも辞書を引かないと理解できな様な単語すら駆使しながらシリアスに、そして何よりも的確に、あらゆる軋轢に異議を唱えられるパンク。
その反面で、「どんなバッドレリジョンの歌も、お前の人生を完璧にはしない。」と、冷ややかにリアルな現実を突きつける。
少し後ろめたい気持ちになるようなリアルさ、音楽に打ちのめされる感覚。
それでも避けて通れない現実を正確なレトリックで炙り出し、あえて気づかせてくれる大切なモノなのだ。
 

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頭でっかちなりに詰め込んだ知識から歴史的な事を言えば、バッドレリジョンはさらに重要なバンドという事がわかってくる。
デビュー直後は、よりコテコテのハードコアな高速のパンクが中心の音楽性だったが、1988年3rdアルバムの ’Suffer’よりメロディックな音を混ぜこんだシフトチェンジをして、現在まで続くメロディックハードコアの爆心地となった。
折り重なって行く毎に複雑さ・速さを増すギターの中に、メロディックな音楽を脈々と感じ、重厚なコーラスが芯に残る。
さらに圧巻なのは、ボーカルのグラフィンの存在感。淡々とクールに歌い上げるという事自体が難しいファストな曲でもあっさりやってのける歌唱力、哀愁も怒りも感じるが、全体的に落ち着いた深みとコクを感じさせる男の声だ。
いい意味での重くダークなハードコアな音色はそのままに残しつつ、心地よい哀愁+疾走感で爽快なまでの開放感を生み出す必殺のサウンドで、数々のフォロワーを生み出してきた。
1980年代、オリジナルパンクの消滅と共にハードコアとして地に潜ったパンクスに、再び陽の光のもとに浮上させるきっかけになる事となった。
フォロワー達はこぞってエピタフレコードと契約し、ノーエフエックスやオフスプリング、ランシドなど数々の現代パンクレジェンドが大きな波を起こした。
フォルムを変えながらも、そのメッセージは受け継がれ、今僕らの周りに流れるパンクに繋がるというわけだ。
 

トラックリスト

2013年の最新作までに出したオリジナルアルバムは16枚。
デビューアルバムは1982年。2年に1枚のハイペースでアルバムを出し続けている計算。
ほんの一部になるが、代表曲を紹介していきながら、彼らの音楽性に触れていく。
 
1.Punk Rock Song
バッドレリジョンのパンクロックを体現した一曲。
高速でぶっ飛ばし気味のギターと、それを上回る早口でまくしたてる男らしいグラフィンの声が混ざり合って強固な音の塊になる。
丁寧な攻撃性というか、的確に細胞を刺激される感ある代表曲。


Bad Religion - Punk Rock Song (Official Video)

 

2.Supersonic
超高速の一曲。
スリリングなギターの音色を、底から揺らし続ける高速のドラミングが後押しして、メロディックで哀愁ある音の揺らぎ創り出す。
コーラスワークも絶品のメロコアの芸術作品。
 


Bad Religion - "Supersonic" (Full Album Stream)

 

3.Sorrow
ミドルテンポから次第にテンションを上げてくる哀愁度NO1のナンバー。
曲のどこを切り取っても哀愁が溢れ出す、バッドレリジョンが凝縮された曲。
サビのコーラスの掛け合いで哀愁感はピークを迎える。


Bad Religion - Sorrow

 

 

4.A Walk
枯れたギターから始まるギターロックナンバー。
徐々に湿り気を帯びてくるメロディーは、彼らの曲の中でも随一の優しさを持つミドルチューン。


Bad Religion - A Walk (Official Video)

 

 

5.You Are (The Government)
先に触れた アルバムの ’Sufferから一曲。
わずか一分半にも満たない中にメロコアの基本がつまったベース的な一曲だ。


Bad Religion - You Are (The Government)

 

 

6.21st Century Digital Boy
群を抜いて耳に残りやすいリズムとリフでライブでも定番の一曲。
どこかポップにバカバカしくデジタルな世界をぶった切る姿には、どこかコミカルさも感じる。


Bad Religion - 21st Century Digital Boy (Official Video)

 

 

7.Fuck You
最新のアルバムからファストなパンクナンバー。
メロディーも、コーラスも、爽快感も、何も変わらないという難しさをあっさりとクリアし、極めてシンプルにバッドレリジョンが全面に出た曲。


Bad Religion - "Fuck You" (Full Album Stream)

 

 

8.Honest Goodbye
ロックバラードもいい味出してるんです。
グラフィンのボーカルがさらに味を増す、壮大な哀愁感あるバラード。
シンプルな構成の中だからこそ、彼らの深みが良く出てるベテランらしい一曲。


Bad Religion Honest Goodbye

 

 

9.American Jesus
バッドレリジョン最大の曲であり、メロコアクラシック殿堂入りの一曲。
ダークでニヒルなサウンドに、疾走感を増していくギターリフが重なって、唯一無二のメロディアスハードコアサウンドを作り出す。


Bad Religion- American Jesus

 

 

バッドレリジョンとは パンクロックとは

そろそろまとめるとすると、
誰もが個人レベルで直面する様々な軋轢を、クールにドライに、切ない哀愁をメロディックでハードな音に混ぜ込みながら、正確なレトリックで背中を押してくれる。
ダークでシリアスながら、触ってみると何よりも熱かった青白い炎の様な押しこめられた情熱を、絶やさないペースで邁進し続けた結果、時代を超えてその炎は火柱をあげていったのだ。
どの炎に触れようと、メロディックな熱気の向こう側には、常にバッドレリジョンの音がある。
 
僕の様なリスナーにとって、パンクロックとはただの言葉であり一つのスタイルの名前に過ぎない。それでいいのだ。
そこに一般的な概要みたいなものはあるが、’そんな枠組みパンクにはいらねぇ’と破滅的な一面がある故にそれすらも意味をなさない部分もある。
ロック音楽の一端として始まっただけに、フォルムを変え転がり続けてきた。時が経ちすぎてしまったのもある。
 
詰まる所、その価値観も、ボーダーも、答えの出るバンドも人それぞれ。と思う事にした。
せこいジャンル分けなんか拘って知識を詰め込むよりも、若者をそこに向かわせるカッコよさをまず体感すべきなのだ。
もちろんそこから歴史を紐解いて、色んなバンドの繋がりを感じるのは、最高。
知識と直感がシンクロするような聴き方も楽しいのだ。
何か一週回って最初の思考に戻って来た感もあるが、それもまた良し。
パンクも思考も掴んだ栄光よりも栄光を掴むまでの過程が楽しいのだ。
 
でも一つ解を出すとするならば、バッドレリジョンが今の世代のパンクロックの一つの基準点であることは言える。
儚く破滅的な美しさを体現してきたパンクを、背負い続け戦い抜いてきた長い歴史も。
より音楽の本質の近いだろうメロディックなものとの結びつきも。
偉大なオリジナルパンクをバッドレリジョン以前と呼ぶのも、現代を彩る数々のパンクの形がバッドレリジョン以降と捉えるのも、僕にはとても自然な事なのだ。
もはや暖かみすら感じる風貌になってしまったが、それでもまだまだパンクロックを鳴らし続けてほしいと、切に願いたい。
そんなバンド、バッドレリジョンに想いを馳せて、この季節、思考はとまらないのだ。
 
【アルバムリスト】

 

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