Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【バンドレビュー】NoFXに想いを馳せて

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世界で最もパンクなパンクロックバンド、ノーエフエックスに想いを馳せる

周囲に怒りをふりまく人っているのだ。

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いっつも怒った顔をして、人の粗を探すのがいつの間にか上手くなって、怒涛の勢いで批判しまくる。
多分自分でもわかってるんだ、迷惑なのは。でも言わずにはいられない。
怒りのスイッチがゆるゆるでその外に向けた刃が自分を追い詰めてるみたい。
間違っちゃいないけど結局多くの人がハッピーにはならない。
 
仕方ないよね、みんな人間だし。間違いもあるよね。もちょっと違うと思う。
意識高めにしがみつきたがる人が良く言うけど、そんなにみんな出来ちゃいない。
でも怒りとか不満とかを振り乱すだけじゃイイパワーは生まれてこない。
多分答えはこき下ろしてバカにして笑い飛ばして、陰性のフラストレーションを陽性のエネルギーに変えるのだ。
ユニークにするには、その問題の本質をわかってないとできない。
僕はそれを音楽、特にNoFX から学んだ。
 

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1980年代中盤からメロディックハードコアシーンの先頭を切り、その音楽的実力とパンクスピリットで、パンクロックレーベル’ファット・レック・コーズ’を立ち上げ、北米最大のパンクレーベルへと成長させた、言わずと知れたパンク界のボスノーエフエックス。
彼らが開けた風穴から、次々と新しい若いバンドが飛び出していき、そいつらもひっくるめてあっという間に追い越す強靭なスピリットのパフォーマンスを最前線で披露し続ける世界一のパンクバンドだ。
ハイスタもファットレックからデビューして日本に逆輸入的にヒットした、日本人の僕らにとっても深い関わりのあるバンドである。
今回はNoFXに想いを馳せる。
 
前回のパンクバンドレビューはコチラ!

www.footballsoundtrack.com

 

パンクだけを認める究極のパンクス

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1970年代の後半から1980年代にかけ、パンクロックはビジネスとなってしまった自分達を悔やみ自爆して以降パンクバンド達は地に潜った。

そもそも何か違う事をしたいフラストレーションの行き場が欲しい若者たちの為の音楽をやろう、という志で、売れてる=みんなと一緒でカッコ悪いものという図式が根本にあるパンクで、アンダーグラウンドに帰るという事は元の遊び場に戻ったという解釈もできた。

そこで再びインスピレーションを得て、様々な形のパンクが花開く時代に、バッドレリジョンがメロディックハードコアを根付かせ、メロディックと結びついたパンクは大きなムーブメントになり、一つの型となるまでになった。

ノーエフエックスもメロコアの初期衝動からの草分け的存在と言っていい。

 

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1983年、ファット・マイク(ベース・ボーカル)エリック・サンディン(ドラム)エリック・メルヴィン(ギター・コーラス)の三人が中心となり結成されたノーエフ、91年にリードギター(とトランペット)のエル・ヘーフェがメンバーに固定され、今の顔触れとなった。

バッドレリジョンのエピタフレコードに所属した後、自身でパンクレーベルを立ち上げ、毎年の様に新曲を出し、ライブをこなし、パンクの先頭をパンクらしい姿で進み続けた。バンドの節目に出したベストアルバムも27曲入りという反セルアウトっぷり。

 

ほとんどの人が目をつぶってる部分を敢えて気付かせる様な、様々な軋轢とか怒りをメロディックにスピーディーに鳴らす。
扇動じゃないんだけど、政治にまで及んだその対象はCIAにマークされる噂が立つくらいのレベルのリベラルさ。
決して自爆することなく、まだまだ言いたい事がある、と言わんばかりに曲を作り続け30年近くたった。
女装してみたり、喧嘩を吹っかけてきた客をぶん殴ったりヒッピーを返したり(パンクはラブアンドピースとは真逆の考えだから)、大勢でラインダンスしたり。。。
パンクらしい型破りな個性で、時に明確な意味なんてなかったりするけど、彼らにおけるダサさを何よりも恐れるスタンスは変わらず、リベラルに、コミカルに、ステージに立ち続けた。 

タトゥーに溺れそうな体に、サンバの衣装みたいなモヒカン、ぼさぼさのコーンロウに、パンクやってますってファッションを貫き、決してカッコよくない格好でも、理屈じゃないカッコ良さがある。

音楽シーンのトレンドが変わる中、その都度様々なジャンルにカテゴライズされるバンドが多い中、そこに阿らないパンクでもそこで安住しない、その中でも純度の高い事を追求する事に、多くのフォロワーがついてきた。
ささやかな行動で済ます気もない苛烈なパンク的メソッドが、彼らの音楽からだけじゃなく見た目と生き様からも容易にわかりやすいのだ。
 

ノーエフのパンク


NOFX - Seeing Double at The Triple Rock (Official Video)

パンクギターを極めた緊張感と攻撃性をギリギリまで高めた、一瞬で頭の中に散乱するコードを引っこ抜く電撃的なサウンド。
バチバチしてて危ねえ、でも苛立ちを募らせてきた若者はそこに飛び込む勇気を持ってるのだ。
ライブの度に、昨日より今日速くなる速度に加え、ぶっといギターのヘヴィな振動で首を振らせる重みもある。 
ファットマイクのパンクスらしい喉の強いタフでダスティーな声とツインギターの多彩さに、音速のドラミング。
時には1曲に6ヵ月もかける(もしかしたらファットマイクのジョークかもしれないが)緻密なソングライティングが産む、高品質で骨太なサウンドをメロディックに鳴らせるキラーソングの数々。
リフとビートもボーカルもコーラスも殴り合いの様なスリリングさ、時にトランペットで優しい気持ちになるけど。
イメージ的には終わって血を流しながらオーライ、次行こうみたいなドープな魅力が彼らの音楽にはあるのだ。
 
ゴージャスさはいらない、持ってるもので今までに書かれた事のない最高の曲達を作る
鍛錬を重ねてその先にあるドープなロウパワーが産み出す現場の一体感は、何度ライブで味わっても再びパンクを味わえる現代パンクの最高峰の瞬間だ。
 
日常の事、リベラルな事、時にはパンクすらもその攻撃的なサウンドの標的になる。
音楽的な成功の反面、どうしても薄れるスピリットを時代の流れだと都合良く解釈をせずどこまでも自身のアイデンティティーに忠実に音を鳴らす。
君らの言いたい事はわかる、でもこうなんだ。っていいかたのパンクバンドを良しとしない。
お前らの言いたいことなんてわかんねぇ、だからこういう事がおかしいんじゃねーの?って的を射たメッセージが気持ちのいいくらいに突き刺さる。
 

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決して扇動的でないのはそこにリスナーのパンク的刹那的な魅力を良しとする習性があるからだと思う。
自分に変わって言いたい事を歌ってくれたという興奮だけそこにあればいいのだ
それでただ盲目的にくっついていくだけならファットマイクに怪訝な顔されてエルフェーフェにからかわれて、エリック・メルヴィンに肩組まれて変な事言われておしまいだ。
 

ノーエフのプレイリスト・ソングレビュー

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ソングレビューも少しだけ。

ライブでも必殺曲とされるメロディックなパンクから、トランペットのスカナンバーやキーボードも加えたナンバーまで、幅広い。

 

1.The Separation Of Church & Skate

Separation of Church and Skate

Separation of Church and Skate

  • NOFX
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

僕の中でノーエフと言えばというかパンクと言えばというキラーソング。

全然知らない奴にパンクって何?ってヘラヘラ聞かれたらこの曲を叩きつける。

高速で徐々にダイナミックさを増すビートと電撃的にスイッチの入るパンクギターリフのスパイラルが、快楽中枢を的確についてくる。

安全になったパンクに警鐘を鳴らすというスタイルも究極のパンクスタイルだ。

 

2.Don't Call Me White

Don't Call Me White

Don't Call Me White

  • NOFX
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

ライブでもおなじみの必殺曲。ダラダラとMCしながら急にDon't Call Me White!と始まる事が多い。この下り、何回観てもすげえかっこいい。

シンガロングを終えて、スラッシュなギターサウンドがキレ良く振りかざされるパワフル&スリリングなメロコアナンバー。

大丈夫?ってなるくらい思いっきりそのままのタイトルに、もっとヤバい歌詞のメッセージもノーエフらしい。

 

3.Seeing Double At the Triple Rock

Seeing Double At the Triple Rock

Seeing Double At the Triple Rock

  • NOFX
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

ヘヴィながらザクザク刻まれてうねり上げる様な名ギターリフから始まるアグレッシブなキラーチューン。

メロディックな曲全体から醸すニヒルなコミカルさも彼らの真骨頂でもある。

 

4.Bob

Bob

Bob

  • NOFX
  • オルタナティブ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 ユーモラスにダイナミックにパンクを鳴らしたファニーなミドルパンクチューン。

オイ!オイ!オイ!の掛け合いが楽しい。

ラフでルーズなファットマイクのボーカルに、フェーフェのトランペットが丁度いいダヴさを加える。

アンバランスそうでありながら、トランペットを待ってしまう様なソングライティングも見事だと思う。

 

5.Six Years on Dope

Sid and Nancy

Sid and Nancy

  • NOFX
  • パンク
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

2016年の最新アルバムからシドとナンシーについて歌った美しいパンクソング。

シドとナンシーのドキュメンタリー映画の内容を真っ向から批判して、バンドの立場から彼らの一つのストーリーを歌っている。

少し物々しく聞こえるのはそれだけ真剣に伝えたい事があるからだ。

 

6.I'm so Sorry Tony

I'm so Sorry Tony

I'm so Sorry Tony

  • NOFX
  • パンク
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

自身のレーベルに所属した伝説的パンクバンドNo Use For A Nameのボーカルで、2012年突然死したトニー・スライへ向けた歌。

数多くのトリビュートが行われているが、ノーエフエックスとして歌うトニーだけのための歌。

彼への賛辞で埋め尽くされたメッセージが、ピアノとマイクの優しい歌声から始まり、徐々に高揚感を増すパンクサウンドになるにつれ大空高く舞う様だ。

全員でトニーに乾杯をする、もっともっとそれを広げるべきなのだ。

最後に生前のトニーのライブのMCが少し入ってて涙が出てくる。

 

7.Champs Elysees

Champs Elysees

Champs Elysees

  • NOFX
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

教科書でも歌った’オーシャンゼリゼ’のパンクカバー。しっかりとフランス語で歌う。

最初はなんだってくらいキレのあるパンクサウンドで始まるけど、徐々に誰もが口ずさみたくなる大合唱になる抜群の楽しさ。

トランペットも良いエッセンス。

 

【プレイリスト】

1.The Separation Of Church & Skate

2.Don't Call Me White

3.Seeing Double At the Triple Rock

4.Bob

5.Six Years on Dope

6.I'm so Sorry Tony

7.Champs Elysees

8.Soul Doubt

9.Stickin' In My Eye

10.Linoleum

11.Perfect Government

12.Franco Un-American

13.Dinosaurs Will Die

14.Murder The Government

15.Six Years on Dope

16.Radio(Rancid cover)

 

パンクと僕らの感情の結びつき

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怒りがなくなる事はきっとない。外に向けた刃は自身を傷つける事になる。
でもそれをモチベーションに変えた時の無敵感ったらないよ。
そう考えた方がロマンがあると思う。
それを僕らは音楽から学んでいるんだ。
ノーエフエックスを聴いてると無性にそう思いたくなる。
敬愛すべきパンクバンド、彼らにとって普通で自然なフレーズが僕らにとっては最高にクールなのだ。
時に2分にも満たない刹那のメソッド、僕らにはそれだけでいい。
そう思う限り、きっとなくなることはないのだ。
 
それではまた別の記事で。