Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【ロシアW杯トピック8選②】史上最高レベルのW杯を楽しむためのここまでの大きなトピック8つ②【後2試合】

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後2試合!史上最高レベルのロシアW杯を振り返る、トピック9つの第二弾!

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ロシアW杯残すは後2試合!!

世界最高の祭典として申し分なく盛り上がってきた今大会は様々なサプライズと熱闘により史上最高レベルのW杯としてクライマックスを迎えようとしている。

いよいよ残りは3位決定戦と決勝戦。

前半分は前回想いを馳せたので、決勝トーナメント以降ここまで大きなトピックになり大会を彩った9つのニュースを振り返ります。

 

前回はコチラ!

www.footballsoundtrack.com

 

1.バロンドール二強の帰国、10年帝国崩壊の足音

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約10年間続いたメッシとロナウドのバロンドール二強時代。
サッカー史で見ても特異な時代でここまでバロンドールが特定の2選手に固まったことはない。
飽々していたわけではないが、あまりにリスペクトし過ぎる事はナンセンスで何か変化を求められていた。
今回大会でベスト16で散った両名はセンセーショナルに去るかと思われたが、衝撃ではあったがどこか消え去るように大会を去った。
特にメッシはエムバペという10年取って変わりそうなタレントの衝撃に上書きされるような最後。きっと彼らのW杯はこれで終わりであり、寂しさよりもその先の久々の未知な光景が楽しみなのも良い時期なのかもしれない。
この両名はもちろん象徴的だったが、ネイマールもドイツもスペインも抑えられたまま帰国した印象が強い。
10年間後塵をきしてきた国々が知恵を練って長期の計画で強化してきた華が、いまロシアの地で咲いているのだ。
 
 

2.ポストプレーヤーへの脚光

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ウィングが点を取るのは相変わらず変わらぬトレンドだがCFの役割は変化がある様に見えた今大会。
アジリティーに優れ捕まえられない選手をトップに置く偽CFという戦術すらベーシックになっていた昨今だったが、今大会は前線で楔になれるポストプレーヤーが大きな役割を果たした。
何しろ楔を打つにもヤワな釘では現代守備陣の岸壁には刺さらないし、楔がない状況でブロックを壊しきれないチームが続出していたのだ
敗退チームの1トップを見るとそう思える。ドイツもブラジルもアルゼンチンもそうだったように思う。
するするとスペースに抜け出すストライカータイプのFWよりも、ゴールに背を向けDFを文字通り釘付けに出来るFWが効果的だった。
ベスト4の1トップは全てそういうファイター要素はズバ抜けていたし、ジルーなんかは無得点ながらDFラインの足を止める役割を果たし続けた特筆すべきケースだと思う。
メキシコのチチャリートことエルナンデスもワンタッチのポストプレーで違いを見せる場面が多かったし、大迫の役割も大きかった。
とにかくスペースを消しブロックを作って跳ね返す守備がトレンドな以上、跳ね返させず納めて敵陣で少しでも味方のプレーを引き出すポストプレーヤーは戦術的に大きな正解だったのだ。
 
 

3.センターラインの万能性

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ポストプレーヤーにも当てはまるがセンターラインのタレントの力は大きなパワーバランスを占めていた。
特にボランチとトップ下のクオリティの差はそのままチーム力の差に直結していた様に思う。
パスの成功率を上げるだけでなく、如何にキーになるパスを味方選手が有利な状況になるように届けるか。
そうでなければ違うメッセージのパスでスイッチを入れなおすゲームのペースメイク術。
パスだけでなくドリブルでミドルゾーンからバイタルエリアへ運べる推進力。
さらにはフリーランでスペースを空けて味方選手のダイナミックな動きを演出する。
フリースペースに出たり入ったりして、常に嫌な選手でありつづける。
そういうオールラウンドに’何でも出来る’選手が、レベルの高い判断を常に出来るクオリティーはチームのクオリティーに直結していた。
クロアチアのモドリッチやラキティッチ、ベルギーのデブルイネ、ややガムシャラすぎだったがスペインのイスコも、メキシコのベラもゲームの中心で有り続けた。
フランスもカンテとポグバが役割を分担しながら支配力を高めたし、日本も柴崎、長谷部のユニットは日本らしいサッカーの土台の部分でもあった。
守備のバランスを保ちつつ、中盤のセンターでそういうバランスを保ち崩れるユニットを組む事が今大会でも解の1つでもあったのだ。
 

4.SGGKの存在

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VARの存在によりPKの数も多くなり、更には揺れるボールによりGKにとっては酷な大会となった。
それでも当然ながらGKに大きなミスのあったチームは勝ち上がることは無かった。
普段はパフォーマンスを見極め辛いが、明らかにベスト4に残ったキーパーはクオリティが一段か二段高い。
単純な能力の高さと、大会における集中力と順応性で上回る総合的なクオリティの高いSGGK(スーパーグレートゴールキーパー)だ。
失敗をセーブで取り返す・安定感あるプラスマイナスゼロのパフォーマンスではなく、ただ効果的にビッグセービングを積み重ねる常にプラスを産み出せる’当たっている’スペシャルなキーパーの存在が常に必要なのだ。
敗退チームで同じようなクオリティはメキシコのオチョアかデンマークのシュマイケルくらいだった。
 

5.恐ろしいジンクス 外国人監督が消えた

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このジンクスは知らなかったが、外国人監督がW杯優勝監督になっていないという事実は、20回を超える世界一を決める大会で実績のあるジンクスだ。
たしかに強豪国はこのジンクスに合わせるように自国籍の監督が多い。
小国〜中堅国からすれば海外の名将に頼るのは良いかもしれないが、強豪国の強さの秘密が隠されているようなジンクスがここに来てフューチャーされた。
ベルギーが迫ったが破れず残念ではあったが、自国のアイデンティティというものは刷り込みに近い。
意識下の部分ではあるが、案外最も大事なコミュニケーションは、そういう部分から始まるのを象徴しているのかもしれない。
 
 

6.グッドな新ルール

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数々の新ルールもお披露目されるW杯。今回も大きな話題を呼んでいる。
VARは数々のチームを震え上がらせ、無慈悲な正確さは猛威を奮った。
ベスト8くらいから数は減っているのも面白い。
主審が気を遣ってるのか選手たちの集中の賜物かはわからないが、人類が対応したと思いたい。
犠牲者も少なくなく、議論は続くが、主審が使い方を間違えない限りは概ね好意的に受け入れられた。
フェアプレーポイントもその一つ。
一生使われないかもしれなかった抑止的なルールだがサムライブルーは狡猾に活用した。
かなり揺蕩っていたグループの状況だったが、クリーンなプレーを評価する事も必要な事だ。もちろん僕がセネガル国籍だったらこうは書いていないだろうが。
次回は消えているかもしれないルールを使った日本は歴史に残ったと思う。
延長の4人目の交代は非常に良いルール。
むしろ待望論があったが、これにより3人目までを積極的に使え終盤の展開が活発になり好ゲームの続出を産んでいる。
何より意外と酷暑だったロシアにおいて選手の事を考えると繰り上がりで早めに交代を使える効果の大きいルールとなった。
 

7.史上最もエキサイティングだったベスト16

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山の面白さもあったがビッグマッチで悉く強豪国が敗退する展開に世界は熱狂していった。
何かしらの問題を抱えたままグループリーグを突破してももう一段上のクオリティを見せる事は不可能だったのだ。
ロシアvsスペインはホームの行けるかもしれない・・・!という異様な空間で陶酔的に何倍ものクオリティを出したロシアがスペインを喰い、
ウルグアイは確かな守備とカバーニの決定力でCロナウドを帰国させた。
クロアチアとデンマークは最後の最後まで本当に紙一重だったし、ブラジルは今大会ベストゲームで勢いのあるメキシコを沈めた。
コロンビアは最後まで気の毒なW杯になってしまったが南米VS欧州のプライドを存分に見せてくれたし、逆にフランスは華麗にメッシを殺してみせた。
そして日本代表は歴代最高クラスのゲームで世界の賞賛を浴びたのだ。
 
 

8.日本代表は

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最もドラマティックな試合としてW杯史に残る試合を演じた日本代表。
国内で騒ぐ輩が出まくり、さまざまな議論が交わされる事が2002年ぽくて、サッカー熱を再び上げた事はかなり大きい。
もちろん分析は必要だ。
ブラジル人のおじいさんが言う様に10人のコロンビア戦のみの勝利しかしていないと言う事実、セネガル戦も勝てる要素は多くあった試合だった。
物議を醸したポーランド戦も先発メンバーには疑問が残り勝ち点を得てれば余計な事にはならなかった。
ベルギー戦での試合の締め方は、明らかに高レベルなサッカー慣れしていなく、同点に追いつかれてから定番のカードを切るしか無い選手層の薄さは露呈した。
高さに対するカード、リード時に強引に来る相手をいなすカードが足りなかったのは事実。
今後は4年ごとのスパンでは無く、久保や中井など超時代的な若手が居る今、8年かけて本気で強豪国への礎を作る時に来てるのかもしれない。
黄金世代の様に10代からの海外遠征を繰り返し、育成の部分でヨーロッパにも拠点を設けインフラから整備するべきなのではないか。
全くのアウトオブ眼中から世界を驚かせる小国にはなった日本代表。
何かフワフワと浮かぶヒントみたいなものは見えている。
 

いよいよ、後2試合

後、2試合で終わってしまう。

3位決定戦ベルギーvsイングランド。

決勝フランスvsクロアチア。

終わってしまうのは寂しいが、史上最高クラスに楽しんでいる事にはとっても満足。

きっちり最後まで見切って、このW杯を記憶にも記録にも残すのだ。

 

それではまた別の記事で。