Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【サッカー日本代表】ブラジル戦の想い出に想いを馳せる 後編【11.10 ブラジル戦】

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3年振りのサッカー代表ブラジル戦!親しき強豪国との想い出を1987年生まれ的に振り返る 後編

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前回はコチラ‼︎

www.footballsoundtrack.com

 

2001年6月4日 コンフェデレーションズカップ2001 日本 グループリーグ第3戦 0-0

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前回のシドニー世代のゴールデンエイジがそのままA代表に入り、いよいよ自国開催のW杯へサッカー熱が高まってきている所、当時は馴染みの少なかったコンフェレーションズカップという恰好の強化大会が開催。
日本はブラジルと同組、この後もコンフェデで顔を合わすことが多い、各大陸のチャンピオンが揃うコンフェデ杯ならではの光景は、アジアを制すまでになった日本の挑戦をいつでもチャンピオンなブラジルが受けて立つ様で、ファンとして歴史として大好きな大会だ。
ブラジルは若手主体のコンフェデ杯となり、主力は来日せず新戦力の発掘の位置付けが強く、FWには浦和に来日する事になるワシントンもいた。
一方のトルシエジャパンは、ワールドユースとシドニーを経て、その世代をA代表へと融合させ、強豪とビックマッチを消化し、圧倒的な強さでアジアを制した。
メンバーも入れ替わりつつも中田ヒデを中心としたサッカーは成熟しつつあった。
この試合はどちらにとっても消化試合となった。どちらも疲労とテストを考慮し、少しメンバーを変えての試合。
結果は決め手に欠きドロー。A代表では初めて負けなかった試合になった。
若手主体のブラジルも縦横無尽に動き回る日本の王様、中田ヒデをファウルで止めるのが精一杯。どちらのチームが圧倒したとかではなく、ただただヒデが目立つ試合だった。
 
決勝まで進む日本だったが、ローマに呼び戻された中田が離脱。
ジダン、アンリを欠いたフランスに敗れ準優勝に終わった。
まだコンフェデ杯の黎明期、混乱もあったが、順調な仕上がりを見せた期待の持てる戦いだった。
 

2005年6月22日 コンフェデレーションズカップ2005 ドイツ グリープリーグ第3戦 2-2

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4年程対戦が無く、次に実現したのは2005コンフェデ杯ドイツ大会。
ジーコジャパンの時代だ。
劇的にアジア杯を制し、強さ上手さを感じさせつつも、増えた海外組という問題を抱え、規律なき自由を謳歌しながら崩壊する運命にあったジーコジャパン。
中田・中村の二枚看板を中心に、ハマるときはハマる戦いをみせ、今大会も初戦メキシコ戦こそ落としたが、2戦目のギリシャ戦に勝利、3戦目のブラジル戦を迎えた。
メキシコの躍進もあり、試合前でブラジルと日本は同勝ち点。
勝負の試合でメンバーも豪華なメンバーで、ロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ、ロビーニョとサッカー界を引っ張る様なスターがスタメンを飾る。
この試合は、間違いなくブラジル戦の歴史の中でもベストマッチになった。
 
神様ジーコへ次々と挨拶するブラジルイレブン。そのふわふわしたブラジルに日本のサッカーが牙を剝く。
加地のゴールはオフサイドになったが、エンジンのかからないブラジルをパスワークで切り裂き、次々とゴールに迫る。
が、前がかりな所をロナウジーニョの突破からロビーニョへと渡る鮮やかなカウンターで失点し暗雲も立ちかける。カカのシュートがポストを襲い、ロナウジーニョもトリッキーにゴールを狙う。しかしこの日の日本にはペースを渡さない上手さと強さがあった。
試合を徐々に自らの力で落ち着かせ、虚を衝くタイミングでの俊輔の豪快ミドルで同点とする。
ブラジルも譲らない。日本に持たせつつも、確実にやってくるチャンスに圧倒的な個人技で崩し、すぐにロナウジーニョが飛び込み勝ち越し。
その後も打ち合いつつ、前半を2−1で終える。
後半は圧倒的に日本ペース。メンバーを入れ替え守備を引き締めつつ、大黒を投入し活性化を図る。
マイアミの奇跡を思わせる川口のセービングもあり、多彩なパターンのパスワークで存分に打ち合う。
根負けしたのはブラジルで、後半40分過ぎに中田が倒され絶好の位置でFKを獲得。
俊輔のFKはポストに当たったが、大黒がアクロバティックに押し込みついに同点とする。
同点のままでは得失点差で決勝トーナメントに進めない。
さらに激しく攻め立て、大黒が2度決定機を作るが決めきれず、2−2のドロー。
 
ブラジルの2点に世界レベルを感じるも、こちらも世界レベルを見せつける試合展開。ある意味マイアミの勝ち点よりも、大きな収穫となった勝ち点になった。
明らかにクオリティの高い選手達に、こちらも史上最高級の選手達でぶつかれた試合、長所の出し合いも単純にゴールを脅かした回数は日本が多かった。
深夜だったが最も興奮した試合だ。
しかしグループリーグ敗退という結果に、不安も残しW杯へと向かう事になった。
 

2006年6月22日 ドイツW杯 グループリーグ第3戦 ドイツ 1-4

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約一年後、ついにW杯の舞台で出会ったブラジル戦。

W杯前にコンディションを高めすぎ、下降気味のまま戦いオーストラリアに敗北し、クロアチアに勝ちきれず引き分け、このブラジル戦に勝たなければ決勝トーナメントはない後がない状況。

もっとナチュラルな状態で戦っているところを見たかった。
ブラジルは消化試合でもとてつもないメンバー。
魔法の4人と言われたメンバーの、このW杯のベストマッチはもしかしたらこの日本戦だったかもしれない。それほどまでに過去最大級に圧倒された。
ロナウジーニョ、ロナウド、カカ、ロビーニョが躍動し、日本の守備のアイディアを軽々と超える攻撃を描く。
開始10分ほどで10回以上チャンスを作られ決定的なシュートも打たれる。
玉田のゴールは確かにその雰囲気を吹き飛ばすほど凄かったが、更にギアの上がったブラジルの攻撃に、瞬く間に4失点。それもありとあらゆるパターンで。
メンバーは変わらずとも、大きな差。コンフェデの時よりブラジルは強く日本は弱かったのだ。
中田は最後までピッチに倒れ、試合後引退を発表した。
 

2012年10月16日 親善試合 @ポーランド 0-4

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その後はオシム→岡田時代も対戦はなく、次はザックジャパン時代。
状況は少し似てる、欧州でのテストマッチだ。こちらは最終予選中での戦いだった。
フランス、ブラジルという強豪と戦う欧州遠征で、フランスを香川のゴールで下して世界を驚かせたノリノリのザックジャパン。
攻撃的に戦いながらチャンスを活かせず結果的に粉砕された。
チャンスらしいチャンスは日本にあった。
4失点もブラジルも狙い通りの展開ではなく、DFに当たったり、ラッキーなPKだったりもしている。
それでも1点目のパウリーニョのトーキックでのミドルシュートの様に、基本的で圧倒的なスキルがある上での意外性のあるプレーであっさりと壊してきた。
そういう所で形にこだわる日本は勝てなかったのは必然だった。
あっという間に負けていたし、攻撃的な選手の自然な意思統一も見事だし、ネイマールも躍動していた。 
日本も乾や宮市なども試されたテストマッチとなったが、ブラジルの試合巧者ぶりが光る試合となってしまった。
 

2013年6月15日 コンフェレーションズカップ2013 ブラジル グループリーグ第1戦 0-3

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コンフェデでも初戦でぶつかり完敗。
ブラジルは翌年の自国開催のW杯に向けエンジン全開で日本はかなりキツイ日程で移動してきた。
開始直後ネイマールの目の覚める様なボレーから決定打を見出せず、キーとなるタイミングで効果的に失点を重ね完敗。
イタリアとメキシコに惜敗だったが結果的にはコンフェデ三連敗。
その年の遠征でもオランダに引き分けベルギーに勝ち光明も見せたが、W杯でまたも夢は潰えた。
ザックジャパンの栄光時代は訪れそうで訪れなかったのだ。
 

2014年10月14日 親善試合 @シンガポール 0-4

f:id:idwcufds:20171109145249j:plain最も近年の思い出は、今はなきアギーレジャパンの就任直後のシンガポールで行われたブラジル戦。

大幅にメンバーを入れ替え、あっさりとテストにしたアギーレの大胆さ。

それなら仕方ない、とも思えないほど完膚なきまでに実力差を感じたネイマールの4ゴール。

ネイマールは日本戦が得意なのかもしれない。

的確にボールを収め、徐々にビルドアップする中で、ダイレクトを織り交ぜながら攻め上がり、あっという間に剥がされる。

よりスピーディーになったブラジルの攻撃に、新しいサッカーの潮流を感じる敗北となった。

ちなみに今回ベルギーリーグから呼ばれた森岡はこの試合でもスタメンで出ている。

 

ブラジル戦 どうするか?

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A代表に限って考えると最後に負けなかったのは2005年。
それ以降は4連敗中。得点は通算4得点しか奪えていない。
失点も一試合平均3点は奪われている。
データ上で3-0では毎回負けてるが、大体想い出の中でもそうだ。
ジーコジャパン時代のみ勝ち星に迫ったが、基本的にはそのくらいの点差で負けている。
しかも失点は相手の狡猾さも目立つ。
意外なシュートや、こちらの立ち上がりの不安定さをついたり、一度攻めさせて逆襲を狙ったりと、あっという間に3点取られるべくして取られ信じられないほどシンプルに負けている印象すらある。
 
今回はテストマッチだが、状況は過去に無いほど切迫している。
W杯へ残り半年強でのブラジル戦で、ハリルジャパンは進めていた世代交代の針をさらに進めた。
今までもコンフェデの様な準国際大会のような場でマッチアップもしたが、テストマッチとしてだけで考えるとW杯への時間を考えると過去に類を見ないほど重要になる。
ここから大きく方針変換をするのは至難の業だ。
今まで強みにしてきたベースを、方向性ごと揺るがす様な大敗、例えばサンドニのフランス戦の様になると厳しいだろう。
 
そう考えると3点差ほどの負けは、ある意味教訓にもできる範囲と言えるかもしれない。
過去も劇的には活かせていないが、教訓にはしてきたはずだ。
このままのメンバーが今後も選ばれることが多いなら、W杯や国際的なビッグマッチを経験していないメンバーが多い。
ポジティブに考えれば、今ここでW杯で必ず当たるであろう第1ポッドの強豪国と、中立地という場所で試合を出来るのは凄く大きいのかもしれない。
なんか刷り込み的に、近い場所でブラジル人の凄さ・憧れを目の当たりにしているから今回選ばれた選手たちは日本のサッカープレーヤーとして、憧れの舞台という思いも強いだろう。
まずはその想いを存分に楽しみ、もちろん見る僕らもその想いを持ちながら、まだまだ思いっきり肩を借りればいい。
いつの間にか、こっちが変わった気でいるけど、ブラジルからしたらあまり変わっていないんだろう。
ブラジルに勝つ事が、日本サッカーの目的ではないし、W杯で過去最高の成績を残すためのテストマッチだ。
でも日本がブラジルに勝つ姿、見てみたいものだと想いを馳せる。
他の強豪国にはない、師匠越え的な高揚感が、ブラジル戦のワクワクの正体なのかなと思った。
 
11月10日ブラジル戦。今年も楽しみである。