Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【忘れたくない選手】フェルナンド・トーレスに想いを馳せて‐不器用な神童は不敵に笑う‐

君こそヒーロー フェルナンド・トーレスに想いを馳せる

スポーツには浪漫が欠かせないと思うのだ。
六角形のグラフで能力を表した時、綺麗な角形を形成するよりも、尖ってる歪な形の方が浪漫を感じる。
ただ、数字上とか理論上は問題なくとも、実際そうは行かない事もある。それも実に浪漫である。
そういう選手は、普段やきもきもするが、その反動もあって大きく花開いた時は忘れ難い輝きを産む。

彼の実力をすれば当たり前だ、いやそれでもすげぇ。
今回はそんな思いを抱いたイケメンFWに想いを馳せる。

 

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10代からスペインの神童と呼ばれたフェルナンド・トーレスは、数字でも印象でも測り難い選手だ。
ポテンシャルからすると、及第点なのか?というどうにも測り難い成績が続いたり、時折見せる絶好調時のプレーからすれば、何試合かゴールのないトーレスはゴール前で散歩してるだけの様にも見えた。
不安定というか、不器用なんだろう。

プレーヤー的には器用な方だ。

点取り屋としてオーソドックスにバランス良く全ての能力を兼ね備えている、だが僕らにはわからない、もしかすると本人にもわからないほんの些細な綻びからその能力を発揮出来ない事に陥る。

ただハマった時は、君こそヒーロー状態だった。たぶん一生忘れない。
いつまでも垢抜けない様に見えるつぶらな瞳は、ナイーブで頼りなくもあったり、颯爽とした不敵さに満ちていたりして、見続けていると吸い込まれるような得も知れぬ魅力に溢れている。
それを人は浪漫というのだろう。

本日はフェルナンド・トーレスに想いを馳せる。

 

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www.footballsoundtrack.com

 

 

神童の経歴

 

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1984年スペイン・マドリード生まれのトーレスは、今年で33歳。

現在もアトレティコ・マドリードに所属するが、最初にアトレティコでプロ契約をしたのは、1999年わずか15歳の時だった。

恵まれた体躯、圧倒的なスピード、ずば抜けたゴールセンス、更には甘いマスクも相まってアトレティコ・マドリードは新しいクラブのバンディエラを15歳のトーレスに託す事を決めた。

15歳のカテゴリーで欧州の年間最優秀選手に選出された神の子の前途は、見たことがないような歴史的なものになるとスペインの誰もが予測していた。

 

当時2部だったアトレティコで17歳でデビューを果たし、一部昇格を果たすとその2年目には、なんと19歳にしてキャプテンマークを巻く。

チームからの桁外れの期待を腕に、重要な試合でのゴールや好調時の爆発力で存在感を強め世界トップレベルのプレーの片鱗を見せ始める。

レアル・バルサと共にリーガ三強と呼ばれた80年代を取り戻すまでには行かなかったが、それでも苦しい中少ないチャンスでゴールを重ねたトーレスにサポーターは再建の象徴として希望を抱く。

好不調の波が大きい事が珠に瑕だったが、若さ故の限定的な問題であると思えたし、なんだかんだ1シーズン15得点前後を重ね続ける成績は十分だと言えた。

 

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チームとしてのアトレティコは、多くのチャンスを生み出すチームではなかった。

チームの顔として引っ張っていたトーレスのプレーとは、一種の歪みすら感じられることも多かった。

ゴールを速く直接陥れられるプレーの質を持つトーレスだったが、そのトーレスと噛み合わずパスラインがつながらない事もしばしばだった。

見方によっては神童の凋落に有りがちな、象徴的な孤立という自体はもうそこまで迫っているようにも見えた。

中位以上には成績を上げられず、ジレンマを感じる事が多くなり、前線で独りの時間を過ごすことが多くなったトーレス。

そう見えた2000年代中期、代表や欧州カップで国際舞台を経験したトーレスが外の世界にも目を向けだしているのは、まことしとやかに報じられ始めた。

 

アトレティコは断固として移籍をさせないという構えを見せたが、彼の元へと届くオファーは日に日に増えていく。

クラブも最適な判断を下さないと時を逃す。

何度目かにもなったレアルとのマドリード・ダービーでの敗戦でトーレスの心も動き、2007年オフ、フェルナンド・トーレスはイングランド・プレミアリーグの強豪リバプールへと移籍を果たしたのだった。

 

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当時世界最高峰の絢爛を誇っていたプレミアリーグ。

リバプールもビッグ4に名を連ね、チャンピオンズリーグにも顔を出す欧州の強豪。

ここでのトーレスの活躍は、例えば1‐2シーズンの活躍のみで切り取ったフットボール歴代のベスト11を選ぶなら、リバプールのトーレス、という存在は確実にノミネートされるだろう。そんな唐突で予想以上の大爆発だった。

 

最初のシーズンで外国人得点記録を抜き去るリーグ24得点を記録。

連続ハットトリックや、8試合にも及ぶ連続得点など、ド派手なインパクトであっという間にリバプールのアイドルとして歴代にも名を残す存在となった。

C・ロナウドやセスクなど巨大な成績を残す外国人選手に成績面では一歩見劣りするが、リバプールという浪漫志向でアツい魂を持ったクラブのニューヒーローとして絶賛される活躍を残したのだ。

 

体感的にはまるで一夜にして成した成功物語。

これぞ、アトレティコ・マドリーが契約した時に、人々が彼に見た未来の姿だった。

彼に合っていたイングランド・フットボールの質、そして彼に合うパサーの存在も大きく、結果的に当初は懐疑的だったトーレスの獲得は歴代に残るケミストリーを発揮したのだった。

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その後のシーズンは、怪我もあり全試合出場とは行かなかったが、得点率は異様とも言える高さで、鮮烈なインパクトを残し続けた。

結局所属した3シーズン半、出場した6割の試合でゴールを決める得点率を残した。人々の目にはその成績以上のインパクトが残る、会心の時代を過ごした。

莫大な報酬とともに次に過ごす、チェルシー・ミランでもここまでのインパクトは残せていない。

不調が長く、クラブとしてもワーストな成績に名を連ねる事もしばしばだった。

確変だ、とリバプール時代を揶揄する声も出ていたが、彼のプレーの中に成果を残した成功体験として残った事で、その先のキャリアでも、勝負強さを放った瞬間があった。

不器用なりにも、したたかに不敵にゴールを陥れた後に見せた笑顔は、現実離れしているようなリバプール時代を経たからこその、味のある表情だった。

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古巣のアトレティコに戻り、シメオネ旋風に湧くチームをベテランストライカーとして支える現在のトーレス。

全然変わらないあどけない瞳の奥には、不敵さが煌めき、頼もしさが増したようにも見える。

頼もしくなったと、言い切れないような雰囲気が、また浪漫があっていいのだ。

 

プレースタイル

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典型的なストライカータイプの選手と言っていい。

パス回しや組み立ての部分には参加せず、前線から下がることはなく、常にDFラインと駆け引きをしてプレッシャーを与える事が出来る根っからのFWである。


Fernando Torres - Top 20 Goals |HD|

ストライカーに必要な能力、すなわちゴール前で必要なスキルを全て高水準で備え、それを見せびらかすと言うよりは、じっくり牙を研ぎながら躍動する瞬間を待ち続けている。

ずば抜けたスピードをベースに、長い脚のストライドを活かしたボールタッチは最低限に最速でゴールへ迎えるアイディアに満ちている。

長身でしなやかなフィジカルで、シンプルにボールを収めるポストプレーも十分に機能する、しかしそれも彼がゴールを陥れる布石であり、瞬時に反転しDF置き去りにすることが最大の狙いだ。

とにかく、ゴール前で行う全てのプレーがスピーディーに、直接的にゴールを目指せる、不可能に近いスキルを持ち合わせていたのだ。

 


Fernando Torres vs Germany [EURO 2008 Final] (29/06/2008) HD 1080i by DIPcomps

加えて大舞台での一番の集中力も恐ろしい。

チャンピオンズリーグやW杯では必ずと言っていいほど複数ゴールを重ね、ユーロでは優勝を決める歴史的なゴールも奪った。

スペイン代表という彼にとってはほとんどノーチャンスな状況で、ゴールを奪うための集中力を切らさずに駆け引きを続けた事は賞賛に値するだろうと思う。

 

不器用で愚直なFW

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FWというポジションでフェルナンド・トーレスは愚直に戦い続けた。

駆け引きを続け、技術を見せびらかす事はせず、職人の様にゴールを狙い続ける。

結果的にインポッシブルなスマッシングゴールが多く、鮮烈に輝くが、その裏には数多くの孤独な時間を過ごしている。

繊細なバランスでソレ以外が出来ない不器用でも、そこに居続ける事が彼には最適だった。

おそらくだけど、彼のためには彼の為のチームを作るって事でもないんだろう。

全体の些細なバランスですら、彼に作用するのだと思う。

ただそれでも、彼がゴール前にいるだけで、そこを目指して攻撃をしたくなるのだ。

それだけの輝きを見ているから尚更だ。

世界一ロマンを抱えた不器用なFWは、今日も不敵にゴールを狙うのだ。

 

【Football soundtrack theme Fernando José Torres Sanz】

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