Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【忘れたくない選手】リバプールの英雄・スティーヴン・ジェラードに想いを馳せて

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リバプールの英雄の引退に想いを馳せて

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大型〇〇という言葉は、諸々の場面で使える言葉だ。
そのままデカいって意味でもあるし、スケールの大きさみたいな意味もある。
さらにはそのどちらもっていうダブルミーニングの場合もある。
ドラフト一位の大型新人の身長が高いなんて話は良くある話だ。
 
フットボールの世界でも良く使われる言葉でもある。
大型DFとか大型ストライカーとか。ファンにとっては期待が膨らむワードだ。
僕は数ある大型〇〇の中で最も期待感を煽るのは’大型ボランチ’というケースだと思うのだ。
攻守の要所において、夢が広がる期待感と、こいつなら任せられるという安心感。
どちらも感じる魔法のフレーズだ。
この間、スティーブン・ジェラードの引退のニュースを聴き、そんなことを想った。
大型ボランチの言葉が安っぽくなるほどの英雄的な活躍をした時代を代表するボランチだった。
そんなスティーブン・ジェラードに想いを馳せる。
 

 

 

ジェラードのプレーヤーレビュー

 

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大型、大型なんていいつつ、ジェラードの身長を調べたら183cmしかない。
フットボーラーとしては少し高い位。
足の長さとかスタイルの良さに目を惹かれてそう思っていたのかもしれない。
でも大型たる所以は身長だけではないのだ。
 
1980年生まれのジェラードは幼少からリバプールとともに育った。
元来ドラマチックで鮮烈な出来事の多いリバプールというチームは熱狂的なファンが多いが、ジェラードの父親もそうであり、ジェラード本人もリバプールに夢を与えられた少年だった。
サッカーを始めたスティーブン少年はリバプールのアカデミーに入り、飛びぬけたスケールを見せ18歳の時にトップデビューする。
当時は右サイドバックだったがその後ボランチにコンバートされ才能が開花、プレミア屈指のボランチとして名を馳せイングランド代表にも選ばれる。
そして23歳の若さでジェラードはリバプールのキャプテンに任命される。これが大きな転機になった。
抜群のキャプテンシーでジェラードはその後10年以上にわたり、リバプールのキャプテンとしてチームをけん引し続けた。
チームのバンディエラとして、オーウェンとの別れも、イスタンブールの奇跡も、カップ戦での劇的なドラマも、あと数分で逃したリーグ優勝も、
数々の興奮と幸福の中でドラマチックなリバプールというチームを体現したアツい魂とそのプレーが、彼を英雄にしたのだ。
 

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そのプレーヤーとしての能力は、もちろん身体能力もプレーの選択肢もその実現力も歴代トップレベル。
ずば抜けて凄いのがキックの力と精度。
長い脚を可動粋限界まで伸ばして使うジェラードのシュートはまるでバレーボールを蹴った様な弾速で飛んでいく。
糸を引くように、伸びがある弾道が、ボールに当たった瞬間破裂音がする様なフォームから繰り出される。大谷翔平のストレートより怖い。
芯を捉えるキックの技術と自分の身体を使いこなせる柔軟性ならではの武器だ。
そのキックのスピードと精度はボランチの位置からのダイナミックな展開にも活かされた。
攻撃のスイッチとして最高のスピードで相手の守備が整う前に先を取れる。
その攻撃的なセンスは攻撃的なポジションで起用されても活かされ、シーズンで20得点を記録したりハットトリックを記録したりしている。
 
一方守備の面では身体能力を大いに活かし、相手の攻撃を潰すクラッシャーにも跳ね返す壁にもなれる。
空中戦でも負けず、DFラインより後ろまで下がってタックルをかます事もしばしば。
紳士とはかけ離れた凶暴さ渦巻く最も戦いの激しいプレミアの守備という局面で、相手の攻撃陣にはその姿が何倍も大きく見える存在感を放ちつづけていた。
不敵なたたずまいの強面で睨みを効かせ、強烈な存在感のキャプテンとして、中盤で影響力を発揮し続けていた。
中盤の底のエリアを空間的にも精神的にも支配したのだ。
もしサッカーゲームとかの能力値の六角形みたいな数値化したグラフがあれば、その全てが最高値に近いスケールの大きい能力。
それがフットボーラー、ジェラードの魅力だった。
 

英雄の条件

 
それでもフットボールプレーヤーというのは数奇なもので、特筆すべき能力がいくつあっても時代に名を残せない選手もいる。
英雄には英雄にしか巡ってこない場面があり、その一瞬が切り取られ未来永劫残される。
そのヒーローになる準備をいつでも怠ってはいけないのだ。
とんでもない逆境の時に彼の元におあつらえ向きのボールが最も彼の力が発揮できる状況でこぼれてくる。
状況は難しい、ダイレクトでエリアの外から、死にもの狂いで身体に当てて阻止しようとするDFとGKのボール2,3個分の間を、彼らが触れないスピードのボールで狙う。
そんな場面のジェラードを僕は数回目撃した。実況の誇らしげなジェラードの声とともに、両手を広げ観客の元へメンバーを引き連れて走る。
その数回とも彼らしいゴールでネットを揺らしたジェラードは、その瞬間から僕にとって特別な選手になった。
それはリバプールのクラブを支えるファンも、その街に住む人にも特別な瞬間だった。
その後、彼のミスから優勝が零れ落ちても、孤高の英雄せず後押しを続けた。
チームにとっても街にとっても最重要の人物だったわけだ。
英雄には摩訶不思議な力がある。それは能力値のグラフの外の世界であり、だからフットボーラーを見るのはやめられないのだ。
 
 
フランチャイズプレーヤーとして輝き続けたリバプールでの役目を終え、新天地アメリカで現役を続けた彼は晴れ晴れとした顔をしていた。
「ここ(アメリカ)では街を歩いていても誰にも気づかれない。前の街では5分に一回立ち止まる必要があったからね」
新天地のピッチでは相変わらず気合の入った表情だったが、その時は柔和な笑顔でリラックスしていた。
一度ピリオドを打ち、こういうプレーヤーがもう一度帰ってくるのが心底嬉しいモノ。再びリバプールの街にスーツを着て戻ってくるその日まで、今はリラックスして休んでほしいものだ。
 
【Football soundtrack  theme Gerrard】

 The Raconteurs ’Salute Your Solution’

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