Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【サマソニ2018 行ってきた後半戦】SUMMER SONIC 2018 8.18 TOKYO レビュー! 【ライブレポート】

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Summersonic 2018に行ってきた!後半戦!!

前半戦はコチラ!!

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幕間 ビールにお茶漬けに麻雀

ペールウェイブスから一旦上に上がる時、この3日前くらいに俺もサマソニ行くよ!みたいな連絡先すら知らないちょっとした知り合いと奇跡的にすれ違い捕まえた。

凄い偶然に爆笑しながら、会ったら飲みましょう、みたいに言ってたから友達と一緒に一杯やってからマリンステージへ向かう。

涼しいもんだから全然汗が出ず、この酒が実に尾を引いた。

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後輩が見たいというあいみょんをビーチで見て、その後も後輩に着いて行きBack Numberをマリンで見る。

あいみょんは'私以外の女を抱けなくしてやる'みたいな歌詞のラストの曲に'私この歌好きー!'って前に走っていった若い女の子に度肝を抜かれ、Back Numberはクリスマスソングをやっていた。

その後メッセで永谷園のお茶漬けを食べて、ソニックベガスでプロ雀士と3対1で10分だけ打って、自らのテンパイを捨て1人浮きの友達を残り2人で死守した。

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酔いが頭痛に変わり少し休んでから、マリンステージへと向かう。

外は涼しさは肌寒さに姿を変え、夕闇につつまれつつある。

酔いの頭痛も身震いするほどの寒さも、かなりキツかったがそれでも楽しいに決まってる大団円に向かって足取りは軽い。

 

Marshmello 超越的初体験

マリンの3階席にいる友達と合流し、アリーナのマシュマロを眺める。

f:id:idwcufds:20180820234519j:plain普段こういう類の音楽を全く聞かない僕らからしても、圧巻だった。

マシュマロのお面かぶったDJマシュメロは世界的に超絶的な人気で、アリーナには外国人の姿がこの日一番多かった様に思う。

中身はオランダのDJらしい。

俺はロック好きだから、と否定する気で見ていても抗い難く引き込まれる超空間。

そりゃずるいと言いたくなるチーティングですらある音の彩りとビート。

音とリンクするモニターを見てるだけで正直全く飽きないし、現実を超越したサウンドデザインは夢のような、というか夢の中にいるって認識できるメチャクチャさ。

まったくMCを挟まずに、どんどん次のトラックに進むのも現実離れの要因でもある。

他にDJを見たことがないからわからないが、最初に見たのがマシュメロだってのは幸せなのかもしれない。

それくらい全くスキのない、いま、これこそがマジョリティというのを見せつけられた。

稲光の閃光の様なロック、それとは違いLEDのライトを絶えず浴びてる様で同じくらい眩しいステージだったのは間違いない。

 

Noel Gallagher and the High Flying Birds ずっとこの歌と生きていく

マシュメロが終わり入れ替えの波に乗りアリーナへ降りる。
去年フーファイを見た位置辺りに着き寝っ転がると真っ暗な空。
こっちが明るいからあんまり星は見えなくて月だけがぽつりと浮かんでマリンステージの上に掛かろうとしてる。
何かノエルのイメージ、そして今日のサマソニのイメージにすごく合う綺麗な月だった。

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もはや寒いと言える風に吹かれてパーカーを着てる人も一杯。
こちとら半袖で凄く寒い、ノエルじゃ無ければ待ってない。
オアシスで2005年に来て以来13年ぶりのサマーソニックだそうだ。
最新のアルバムで明らかに新境地へと進んだNoel Gallagher's High Flying Birdsは2005年の彼からは想像できない音楽をやってる。
それでも当時、この場所で響いた曲もやってくれるはずだ。
新旧織り交ぜたセトリに期待がかかる中、ほぼ定刻か少し早いくらいに暗転し割りと颯爽とノエル達がステージに立つ。

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どうなってんだこのカリスマ性。余計なもんなんて何一つない。
ただただ普段のままギターを構える姿一発で空気が変わった。
かつて’ロックは靴からだ’と発言し、僕の中で大金言にもなっているノエル・ギャラガーの生き様と出で立ち。
この日の足元は見えなかったが、信念を纏ったオーラこそがこのカリスマ性に繋がるとモニター越しの姿を見て痛感した。
あまりにロックな姿にはどこか宿命的にギターを掲げている様な神々しさもありながら、さてとって感じで普段着で眉間にしわ寄せながら実にナチュラルに幾度もドラマティックな光景を作ってきたのだ。
 
今のNoel Gallagher's High Flying Birdsを象徴する'Fort Knox'から始まる。


Noel Gallagher’s High Flying Birds - Fort Knox (Official Audio / Lyric Video)

エレクトロな近未来&サイフォン的な大陸的なサウンド。

新境地に踏み出したというか、彼らがとっくにそこに居ることをまざまざと見せつけた3rdアルバム'Who Built the Moon?'のオープニングトラック。

ギタリスト・ゲム・アーチャーとドラム・クリス・シャーロックという元オアシス勢とノエルの横が最早見慣れたラッセル・プリチャードのベース、そして今回はステージにキーボードとバックボーカルの女性が3人、さらには管楽器隊も率いて重厚で超サイケな空間を作り上げる。

堂々とギターを弾きながらバンドメンバーのグルーヴに身を任せるノエルの姿は見慣れないものだったがどこか凄く安心感もあった。女性のコーラスはエグい程響く。

続けざまに'Holy Mountain''Keep on Reaching''It's a Beautiful World'とこのアルバムからのビッグナンバーを重ねてくる。


Noel Gallagher’s High Flying Birds - Holy Mountain


Noel Gallagher’s High Flying Birds - ‘Keep On Reaching’ (Official Lyric Video)


Noel Gallagher’s High Flying Birds - ‘It’s A Beautiful World’ (Official Video)

サイケでマッドでありながらどこまでも広大に広がるサウンドは今までに類を見ない影響力で次々に想像力溢れるアトラクションを巡るような浮世離れしたアミューズメント感すらあった。

彼らの肉体と楽器だけでパワフルなまでに現実感をぶち上げて夢の世界を具現化できるロック的な手腕と情熱が結実した三曲。

EDMが真横にある昨今のロックシーンの中で、今どこか霞がかったマンチェスターサウンドの様にロックを鳴らした事がノエルの考えだした新時代なのかもしれない。
冷たいマリンの空気はそのまま冷たいんだけど、空間を支配する音の方がクールでスリリングで息を呑んで聴いてしまう。
 
余計な事を全く言わずに、’カッ’と喉だけ鳴らして観客に応え、ギターをせわしなく持ち替えながら'In the Heat of The Moment''If I Had a Gun''Dream On'の彼らのキラーチューンを披露。


Noel Gallagher's High Flying Birds "In The Heat Of The Moment" (Official Video)


Noel Gallagher’s High Flying Birds - If I Had A Gun…


Noel Gallagher's High Flying Birds - Dream On

重厚なサウンドが複雑に折り重なり浴びる様に音を受ける。

多彩ながらどこまでも一緒に歌いたいグッドメロディーは祝祭感に溢れ、厚く深い音の広がりの中心にノエルの声がいる。

どこか憮然としてるもんだと思ってた。

いつもより多く眉間に皺寄せながら、ここまで声を上げるノエルの姿を初めて見た事もあり、これと言って意識しなかった一人のシンガーとしてのノエルを存分に感じた瞬間だった。

 

ほぼ立て続けにソロキャリアを振り返るように演奏してきて、気づけばもう残り半分の時間。

アコギを手に少し穏やかな顔で弾き出したのは'Little By Little'。


Oasis - Little By Little

ややレアと言える選曲にオーディエンスもシンガロングで応える。

オアシス時代よりも穏やかなアレンジで、より眩しく身体に染み込む様なギターメロディー。

演奏は敢えて抑えているかのように優しくて、僕ら観客の声でこの空間を埋め尽くしたい、そんな思いも見える。

まだまだノエルからのプレゼントは続く。次は'Whatever'だ。


Noel Gallaghers High Flying Birds - Whatever [HD] (Live O2 Arena 2012)

今、ノエルの歌として優しさを帯びたオアシスの名曲に止めどなく涙が溢れて、歌おうと思っても涙で声が詰まってしまうのだ。

涙もろい僕でも、すぐに笑顔になれるもんなんだが、とにかくずっとずっと涙が止まらない。この日の気温じゃ涙も簡単には蒸発しなくて、終始胸を締め付けられていた素敵な時間だった。

彼がオアシスだった事を、僕らもそして彼も冷静に俯瞰して、今とか昔とか抜きにしてこの瞬間をこの曲で彩りたい。そうする権利は僕らにも彼らにもある。

何かそういう両者の決意のもと、宙空に歌声をぶつけ合う。そんな光景だった。

その余韻に浸る間もなくノエルはまたギターを持ち替え再び最新アルバムから'She Taught Me How to Fly'を投下。


Noel Gallagher’s High Flying Birds - She Taught Me How To Fly (Official Video)

マッドチェスタード真ん中の異空間にまたもや引きずり込まれ、ノエルの横にかけてあるマンチェスター・シティのチームフラッグも誇らしげだ。

このスイッチの切り替え方には恐れ入ったが、そもそも同じ人間がソングライティングしてるんだからおかしなことではないのか?とか思ってると不可思議な疾走感で満たされた曲はあっという間に終わっていた。

再びアコギを持つと今度はOasisから'Half The World Away'

 


Noel Gallagher - Half The World Away (Channel 4)

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ノエルフリークにはたまらない最高の選曲だけにオーディエンスの声も高く舞い上がる。

薄紫の照明だけに照らされてオレンジの背景を前に、優しい寄で有るようにどこまでもテンダーに奏でる濃密にハートウォーミングな光景。

何曲かかけて、ではなく一曲だけで場面転換のように空気を入れ替えられる曲の引力が凄まじい、そして次の曲は'Wonderwall'だった。

 


The Most Beautiful Version of Wonderwall (Live Acoustic Version) - Noel Gallagher

ノエルがソロとしてほぼ必ずプレイするオアシスナンバーは知っての通りリアムボーカルの名曲。

それでもこのボーカルを巡り大喧嘩した経緯も有るほど彼にとっても思い入れの強さを感じるノエルらしいアレンジで歌う。

節回しが原曲とは違い、だからこそコーラスの部分がより大切に響く。

夜の帳が降りたスタジアム、いつもより幻想的にこの歌は響いた。

 

再びギターを持ち替え、終盤に入ったことを強く意識させるハイ・フライング・バーズのアンセム'AKA...What A Life'を演奏。


Noel Gallagher's High Flying Birds - AKA... What A Life!

疾走しながらうねるグルーヴ、開放的でありつつ陶酔感有る乾いたメロディー。

誰もが度肝を抜かれたノエルのソロ・プロジェクト、最初のアンセムにスタジアムは再び沸騰する。

そのまま'The Right Stuff'になだれ込み凄みのある掛け合いで熱気を高めていく。


Noel Gallagher’s High Flying Birds - The Right Stuff (Lyric Video)

キーボードも管楽器もギターもベースもドラムも見せ場たっぷりのほぼインスト曲。

女性コーラスと掛け合うノエル。

ジャジーでアシッドでサイケな音の絡み合いを、どこまでも華麗に魅せられる彼らの最新モードの凄まじい重厚な時間。

もう少しでこの時間も終わってしまう。

その前に、と存分に見せつけられた音楽集団としての芸術性は凄かった。

 

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さっきまで左上の方にあった月も降りてきて、ステージの重なろうとしている。

月に誰か住んでるとして、ステージに重なるのが一瞬しか無いなら、きっと次の曲の時を選ぶだろうな。

いよいよ'Don't Look Back In Anger'だ。

 


Noel Gallagher's HFB - Don't Look Back In Anger (Live Fuji Rock Festival'12)

人生で何千回も聴いてこの後も何万回も歌うだろうこの曲も、やっぱり涙で歌えないのだ。

アコギによるアコースティックなアレンジだからこそ透き通る様にパーソナルに響き、ノエルの声が月まで届く。

今までのあらゆるバンドのシンガロングよりも、何十倍も感動的な大合唱はちょっとしばらく忘れ難い。

世界中で哀しみを乗り越える力となってきたこの曲を、そのデカさを一手に引き受け歌うことが出来るノエルの姿。

配管工で怪我して倉庫番になって、その倉庫でギター弾いて生まれたこのアンセムはまた数多くの人にとって人生の大切な瞬間として刻まれた、そう確信できる一体感。

幸せだ。


Noel Gallagher's High Flying Birds _ All You Need Is Love

最後はビートルズのカバー、'All You Need Is Love'

オアシス時代からカバーでライブを終える事の多いノエル、最早定番になりつつある愛の歌でこのステージも大団円を迎える。

どの曲よりも肩の力が抜けここでやっと柔和な表情になったノエルが笑顔で歌う。

'It's Easy'の瞬間は胸を鷲掴みにされたかと思う力強さ。

どこまでも自然な選曲で’いい曲だろ?’と言わんばかりの誇らしげな演奏。

さっきのマシュメロを少し思い出し、ロックが何たるかを考えたりもしたけど、こういう見るからに人を幸せに出来る音楽をロックバンドが奏でてきた事が、僕にとっては大切な事なのだ。

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定番のドでかい花火が隠れかけた月のはるか上空で弾ける。

ノエルも上機嫌で、また来年、と言ってた。

全16曲、90分間のステージはあっという間だった。

始まった時よりも寒くて肩をすくめながらマリンを出る。

新旧織り交ぜた、とは良く言う表現だけど、ここまでどエラい新旧も無かったと思う。

なんせノエルだぜ?

そう友達にドヤ顔で自慢してやりたい夜がまた1つできた。

 

Setlist

1.Fort Knox

2.Holy Mountain

3.Keep on Reaching

4.It's a Beautiful World

5.In the Heat of the Moment

6.If I Had a Gun...

7.Dream On

8.Little By Little(Oasis cover)

9.Whatever(Oasis cover)

10.She Taught Me How to Fly

11.Half the World Away(Oasis cover)

12.Wonderwall(Oasis cover)

13.AKA... What a Life!

14.The Right Stuff

15.Don't Look Back In Anger(Oasis cover)

16.All You Need Is Love(The Beatles cover)

 

延長戦 Queens Of The Stone Age 更なる異空間 

足早にマリンを出てメッセへ向かう。

構成的に仕方ないが時間的にド被りしていたクイーンズ・オブ・ストーン・エイジを少しでもみたい。

ほんの少ししか見れなかった。それでも超圧巻だった。

ノエルを選んだ事に微塵の後悔もないが、次来る時は絶対見る!と同じくらい欲望に火を点けた数十分間。

全瞬間格好いいソリッドなパフォーマンス。

ダークなロックで限界に挑む灼熱の空間は違う世界のようだった。

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Summer Sonic 2018 おしまい

過ごしやすい陽気で良かったと誰もが言うが、駐車場に戻ってきたらそれなりに頭痛はしていてコンディション的には最悪クラスのサマソニだった。

そういう時だからこそ優しく響いたのはノエルだったからなのかもしれない。

来年は20週年の様だ。これを書いている時点は何も発表はないが、きっと大きなサマソニに来年もなりそうだ。

超頭痛いけど、すっごく楽しかったよ。

また来年!