Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

【キャプテン論】長谷部誠に見るキャプテンの話

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PLEASE PLEASE PLEASE

PLEASE PLEASE PLEASE

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Hi-STANDARDの歌詞で僕の座右の銘になっている程、忘れられないフレーズが2つある。
 
ひとつはGLORYの歌詞で、もう一つはPLEASE PLEASE PLEASEの歌詞だ。
今回の記事に関係あるのはPLEASE PLEASE PLEASEの方で、"You're the only mirror for me"というフレーズがある。
単純でバカバカしいくらいありきたりだけど、どんなに捻りの効いた文学的表現よりも明快ですっきりと心に収まってくる。
もちろんPLEASE PLEASE PLEASEの様な真っ直ぐなラブソングに相応しいフレーズだし、それ以外で色んな場所で使えるというか自分の支えになるフレーズなのだ。
ふと思い出したきっかけは長谷部誠だった。
 
サッカー日本代表は今年の戦いを終え、休止期間に入る。
アジア最終予選は毎回メンバーに試行錯誤しながら毎試合ヒーローが変わる中々のアドベンチャー感で、結果的に最低限以上の成績で折り返しを迎えた。
新しいメンバーの台頭もあり、比較的明るめな折り返しなのは前回記事にした通り。
数々のスポンサーがいるスター選手を外すという選択は中々の話題を呼んだ。
その中でまだまだ不動な選手もいる。
経験がモノを言うポジションこそ、その傾向はある。
GK、CBなど競争こそ促そうとしているが、重要な試合では固定されたメンバーがスタメンに名を連ねる。
キャプテン・長谷部誠もその内の1人だ。
ボランチのポジション、という範疇を超えて「この人しかいない」というポジションを持っているのは、もしかしたら彼だけなのかもしれない。
もちろん、パフォーマンスが安定しない試合もあったが、結果総合的に見て1番の不動はここな気がするのだ。
キャプテンというポジションと長谷部誠というプレーヤーについて想いを馳せるレビュー。
是非お付き合い下さい。
 

バイオグラフィーとプレイスタイル

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まずは長谷部の経歴とプレーヤーとしての情報を整理する。
 
サッカー処の静岡で1984年に生まれ、現在は32歳。
浦和レッズでトップ下・攻撃的なボランチとして名を馳せ、日本代表クラスの選手になる。
その後、ブンデスリーガに挑戦し安定した成績と信頼を得て、チームを渡り歩いてもすぐに主力として使われる選手となる。
この海外での経験でサイドバックやセンターバックなども経験しユーティリティーな選手へと変貌を遂げた事が大きく影響している。
日本代表ではボランチ、攻守のバランサーとして起用され続け2010年南アフリカW杯直前にキャプテンとなり、それ以降現在に至るまで不動のキャプテンとしてメンバーに名を連ねる。
酸いも甘いも知っている代表のベテランだ。
 
浦和で売り出し中の頃は、静岡出身らしい細かいテクニックとダイナミックな突破が売りだった。
Jの歴史に残る様な単独ドリブルでのスーパーゴールも決めてきた。
海外移籍のタイミングでセンターハーフを主戦場とし、世界基準で求められるボール奪取力とバランス感覚を磨き、インテリな屈指のバランサーとしてプレースタイルを昇華させた。
元々の線の細いテクニシャンの名残りも見せるが、テクニックも駆使しフィジカル面でもハードにプレーでき、いい意味で丸くなったとも言える。
 
世界基準の中盤の底の当たりを知っている時点でプレーの面でも代表にもたらす影響は大きい。
総合力の高いバランサーで、小さくまとまりすぎると器用貧乏なイメージも付きやすいが、基本的にはほぼ平均点の試合を演じる事の出来るタイプだ。
 
そして日本代表のキャプテンなのだ。
 

キャプテンの役割と長谷部

ここで明らかにしたいのがサッカーにおけるキャプテンとしての役割。
言わずもがなチームの纏め役なのだが、注目したいのはルールとしてある程度の権利を持っているという事。
⚪︎選手と監督・コーチの間に立ち、監督への進言を行える公的な立場。
⚪︎ゲーム内でレフェリーに判定についてコミュニケーションを取れる唯一の立場。
長谷部はピッチ内で時間が少し止まる様なファウルがあった場合、ほぼ必ずどの選手よりも先にレフェリーの元にいて、判定についての確認をしている。
 

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いの一番に行く事で心象を悪くしない様に、丁寧にコミュニケーションをとり、ヒートアップしている選手を遠ざける。
これはピッチの中央に位置するポジションだからこそのイニチアシブかもしれないが、ほぼ毎回確実にいる辺りに使命感めいたものを感じる。
これがキャプテンシーというものなのかもしれない。
当然、コミュニケーションは国際戦になるので英語が基本だ。その語学力も当然含まれる。
 
ピッチ外でも、監督・選手との間に入りお互いのつなぎ役になる。
選手と一言に言っても、スターもいればベテランもいれば若手もいればスタメンもいればリザーブもいる。
それらの意見を纏め、チームとして良い方向に行く様に噛み砕いて監督に進言する。
この辺が中間管理職なんかと例えられるが、個性的すぎるメンバーに、上は外国人である。更には当然自分のプレーの質も問われるのだ。
自主的に選手だけでミーティングなども行われるが、そのタイミングも内容もそしてその熱量も問われる。
かなり厄介。
率先してこの纏め役を出来るキャラクターこそ、今の代表では長谷部なのだと思う。
 
こプレーでわかる気の利いた所作 、その真面目な性格で、チームとして最も力を発揮するケースを作り出す努力をする。
ピッチ外でもピッチ内でも、だ。
そのクレバーさと真摯さが長谷部らしいキャプテン像を作り上げる。
特にピッチ内の長谷部の姿は、プレーヤーの鏡みたいなものなのだと思う。
 
その存在感故に透明では無い。鏡なのだ。
ふとピッチの中央をみれば、ゲームの状況を映す鏡がある。
そこには自分も映っていて、自分の姿とピッチの様子を俯瞰してみる事が出来る。
もちろん自分が暑くなり過ぎれば曇ってしまい自分の姿は見えない。
プリズムの様にチームの意思を集約する鏡、それを見ればどうすべきかが映っているのだ。
そして絶妙な存在感。
決して大仰ではない、むしろ街角のガラス張りの窓に映る姿くらいの、目に入ると見てしまうくらいのさり気なさで、そこにいる。
 
それ程までに自然で、ピッチの流れに沿った正しさに溢れるプレー。
正しさ溢れる流暢な振る舞い。
それはすなわち鑑でもあるのだ。
 
今や強烈な光を発するタイプではない。
ドリブル、パス、ゲームメイク、守備、全てが平均ちょうどくらい、或いは調子がでない時もある。
しかしそのクレバーさと献身性とバランス感覚こそ、チームに取ってピッチの今を感じれる指針になり得る。
それが長谷部が作り上げたキャプテンの姿だ。
 
 
実に彼らしいではないか。
気合い注入の闘魂型ではない、クレバーにチームを整える型のキャプテン。
実に日本が目指すサッカーらしい、スマートさ。
デュエルも大事だが、心は熱く頭は冷静に、クレバーにテクニカルに。
日本が目指すべき姿を、長谷部はいつも映しだす。
次のW杯時には34歳。
フィジカル的にも辛い年になっているはず。それでも長谷部はピッチにいるはずだ。
 
宮本恒靖も背負った17番を背に、長谷部は次のW杯へと向かう。
本田が4番を選んだ事に意味を持たせた様に、17番は日本代表にとって神聖な番号になるかもしれない。
その歴史の最中なのだ。今後はもっともっと注目したい。