Football soundtrack 1987-音楽とサッカーに想いを馳せる雑記‐

1987年生まれサッカー・音楽(ROCK)好きがサッカー・音楽・映画などについて思いを馳せる日記

Green Day 隠れた名曲20選 【Another Color Of Green 20 -Green Day B-Side】

グリーン・デイの代表曲ではない隠れた名曲20選

前書き 心のフェイバリットバンド Green Day(グリーンデイ)は今どう聞かれるのか

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1枚のCDが欲しすぎて、血眼になって探した経験はあるだろうか?

僕には人生のフェイバリットバンドGreen Dayでそういう経験がある。

2003年に海外で制作されたトリビュート・アルバムで、当時の海外のインディーバンドがGreen Dayの楽曲をカバーしているのだが、そのインディーバンドの中にもう一つのフェイバリットバンドWeezerが紛れていて'Worry Rock'をカバーしているのだ。

WeezerがGreen Dayを、なんてヤバい、大好きなバンド2大巨頭同士の横断は浪漫に溢れ、'A Different Shade of Green'というタイトルも、当時20歳前後の僕にグサッと刺さるには十分過ぎるほど超イカしてた。

存在を聞きつけてからバイト先のCDショップで勝手に発注し、結構店着まで時間かかって今か今かと手に入れた'A Different Shade of Green'は今でも大切な1枚で、手に入れるまでの経緯も大切なストーリーになっている。

 

 

さて、グリーンデイ

以前Oasisの記事を書いた時に、ロックの歴史的に見て僕らが生きているのはOasisの時代だったと書いた。

オアシスのロックはその絶対性を持って確かに時代でも比肩し得ないカリスマ性を帯びていたが、グリーンデイも歴史的なムーブメントを起こす世代のアイコンでありつつも、より身近で親しみやすい存在として時代を作り上げてきた。

ポップなパンクとロックンロールの超合金何千回聞いても魅力のある歌であり続ける断トツのキャッチーさ。

アングラな反骨心はロック/パンク的であれど、太陽の様にポジティブなサウンドに込められ、ファニーなユーモアを持って証明し続けたリベリオンは、誰にもにフェイバリットに届くメッセージとしてシーンの中でも決して成し得られなかったことをやり遂げた。

つっぱりがちな硬派なパンクスの心すら踊らせ、チャラチャラしたナンパなヤツにもわかりやすく、男の子も女の子もひっくるめドロドロに楽しい集団熱狂をインスタントに引き起こすことが出来た、手が届きそうな身近なヒーローとして世界を照らしたのがグリーンデイだった。 

 

僕とってもGreen Dayは心から愛するフェイバリットバンドで、当然僕の人生の多くの場面で登場し、多くの場面で鳴らされてきた。

'A Different Shade of Green'の時もそうだし、人生で初めて'Basket Case''Basket Case'として認識して聴いた瞬間の事を場所まで鮮明に覚えている。

ビリーのパニック障害について歌った時代を撃ち抜いた名曲は、そんな金字塔としての前提無くとも、全身総毛立たせるエナジーに満ちていた。

この3分間で世界を制してから約25年、僕が初めて聴いてから17-8年経って、今グリーンデイはどう聞かれているのだろうか、とふと思うのだ。

僕らがロックを聴き出そうって時には必ず彼らが僕らの頭に真っ先にコードを繋いでくれたし、その誰にも響き得る音楽性は時代性問わない永久不滅なものだと確信を持ってすらいる。

 
’Basket Case’’American Idiot’とか名前は知っているけどどう凄かったの?って人が出てくるのは時代の常ではあり、ストリーミング社会だグリーンデイだと言っても、きっとそう言う人はいる。
 
だからこそ'逆に'今、1987年生まれのロックファンの僕なりに届けたいグリーンデイのBサイドトラック達。
 
想い出のアルバム'A Different Shade of Green'にあやかってグリーンデイの超代表曲では無くちょっと違う緑な20曲
ヒットソングではない曲こそ至高という考えは、拗らせると’こだわりぶりたい変な奴’になるけども、ファンなら広めたい・知ってほしい気持ちはあるもんだ。
ちょっと外れたモノがやたらとカッコよく見えるのは中学2年生から変わってない僕のロマントラック集。
時代の表舞台で颯爽と流れるキラーソング達とほんの少し、色が違うだけ。
そっちの方からライトを当ててやる事で、きっと爆発的に好きになる人もいるはず。
少しリラックスしたノリも、ちょっと陰ったポップ性も、秘密めいたオルタナティブな響きを感じて、むしろそっちの方が多く聞いてるかもしれない。
聞けばグリーンデイと分かり、そして心躍る。
ちょっと好きな人には、もっと好きの幅を広げられる様に。
知らない人はこっからでも聴いてくれればと思える様に。
そんなサウンドトラックになれば幸い。
 
 

Green Dayの記事はコチラ!

www.footballsoundtrack.com

Spotify Playlist

 

1.'Castaway' 2000年 Warning 収録

かわいたパンキッシュなパワーリフを大股開きでビリーとマイクがかき鳴らし、トレのドラミングで颯爽と滑り出す。

グリーンデイ流メロディックパンクど真ん中のキレ味で、どのシングル曲と比べても遜色ない燦めきでありつつ、仄かに陰る情緒的なオルタナ性も感じるこれぞ最高のディファレントキラーチューン。

歪みの効いたギターリフで構成されたストレートな良い歌として機能するメロディアスさ、エネルギッシュにバンド一体の骨太さがある演奏で小細工なしに真正面からぶつかってくる。
その音圧の中に爪弾きにされ漂流していく事へセンチメンタルな反骨心が込められる。
サビ手前'Where I'm a...'のボーカルの儚さは絶品。
アルバムを聞けば名曲として埋もれずに必ず響く一曲。
 

2.'Jinx' 1997年 Nimrod 収録

演技じみてはっちゃけた'one,two,three'の掛け声から鳴るリフは、何処かで聞いたことありそうにシンプルでも何度でも流れた瞬間電撃の走るポップパンクギターの真髄。
もしもビリーの様にギターを弾きながら歌えたなら、こうやってナチュラルさを爆発させた一曲を振りかざしてみたい。
ショートトラックでぎゅっと凝縮したポップパンクワールドは、冒頭で掴まれた心を離さないまま鮮やかに駆け抜けられる、多分一生聞き続けても変わらぬ耳触りの良さもあるのだ。
悪運みたいにつきまとう自分みたいな男を呪うような後悔も、明るく吐き捨てるようなファニーなモードだからさらっとエモーショナルに残る。

3.'Poprocks And Coke' 2001年 International Superhits! 収録

キャリアを一度リセットした2000年のベスト盤に新録されたボーナス的なトラック。

もう1つ1曲目に'Maria'というポップパンクトラックも新録されていて、この曲が2曲目に配されていた。

タイドで心地良いグッドメロディーが、軽やかに重みゼロで頭を巡る自然と醸し出せる音楽人としての魅力。

クリーンから歪みのロックサウンドになっても変わらない、ポップとロックを正しく極めたアンセムは何処までも穏やか。

アメリカで有名なキャンディーがPoprocksというらしく、机にキャンディーとコーラが置いてあるいつもの光景に少しだけスウィートでエッジーな日常。

そんなイメージを描ける良曲なのだ。

 

4.'Give Me Novacaine' 2004年 American Idiot 収録

アメリカン・イディオットはロック史に残るコンセプチャルなロックアルバムだったが、1つ1つのバラードの音色も途方も無いほど美しく響いていた。

繊細で艶やかなビリーの声は、怒りや憂うべき物事への感情が張り詰められてても、丁寧にそれを解いていく様に優しい。

浮遊的・幻想的なアコースティックメロディーが漂い、急激に地に落ちるかのようなバンドサウンドは超重力ながら、アンニュイなムードを残したまま優しく降り注でいく。

曲が去った後、最後にはポツンと1人で佇んでいるような感覚に纏われる、荒廃的な美しさを産む。

 

5.'Cigarettes and Valentines' 2003年

2003年、Green Dayはこの曲がタイトルトラックとなっていたアルバム'Cigarettes and Valentines'が完成直前だったが何者かにマスターテープを盗まれて、1から作り直したアルバムが'American Idiot'だったというエピソードは彼らのロック的なエピソードとして有名なものの1つ。

そのCigarettes and Valentinesは2010年辺りのライブから披露しだされ、ライブDVDにも収録され命を吹き込まれたシークレットトラック。

このアルバム、凄く聴いてみたい...!となるワクワクする幻のオープナー。

ラウドでメロディアスなリフは溌剌さとざらつきを兼ね備え、タバコとバレンタインという何だか分からないが甘く危険なフレーズを振り回すカオティックでストレートなパンクサウンドに、今や全体像が見えないこのアルバムに想いを馳せるのも面白いのだ。

 

6.'Pulling Teeth' 1994年 'Dookie' 収録

アルバム’Dookie’の'Welcome to Pradaise'と'Basket Case'の名曲に挟まれたエアポケットにしては耳触りの良さが随一の、これもまた名曲。

穏やかに流れるフォーキーでパワーポップ的なギターサウンドは風が通り抜ける様に爽やかで、クラシカルなロマンチックなムードも纏う。

このロカビリーさも彼らのかけがえのない魅力の一つだし、ロックンロールのハートウォーミングな部分を抽出できるメロディーセンスは彼らの根源的な魅力なのだ。

マイクの暖かく柔らかいコーラスも涙腺を緩めてくるし、大きな聞き所。

7.'Static Age' 2009年 21st Century Breakdown 収録

燃える様なロックサウンドとは対照的な、涼感すら伴う爽やかなギターロックチューンにも彼らの爽快な魅力が濃縮されているのを感じる。

高らかなギターリフのまっすぐ伸びていく鳴り音の魅力、ハイトーンなボーカルが心地よく刻まれるクラシカルな雰囲気のビッグメロディー。

ビリー本人が「ブルース・スプリングスティーンみたいだろ?」と語る、伸びやかでエバーグリーンなサウンドに涼やかに心が洗われていく音楽的興奮は、グリーンデイのファニーでエッジーな魅力のもっと柔らかい本質的な部分だと思う。

静止の時代と切り捨てた今の時代に対する問題提起を、こういうポップさで彩った2面性は鮮やか。

 

8.'Church On Sunday' 2000年 Warning 収録

この記事において、僕の言いたいことが詰まった一曲。
ニッチなアルバムの名曲という位置付けで、大好きなトラック。
牧歌的で穏やかカントリーなメロディーラインは、行ったこともないが何かの映画で見たアメリカの郊外の郷愁が浮かぶセンチメンタルさ。
爆発的な高揚感よりもジワリと胸の奥から染められていくグリーンデイの良心、スイスイと聴き進められる歌としての浸透性はキラーカードでありつつ情感たっぷり。
ヒルビリーなサウンドに屈託のないダイナミズムで語られるナチュラルな恋愛観も、読み取ると面白い。
 

9.'86' 1995年 Insomniac 収録

ポップパンク街道から少しだけ外れたクールなパンキッシュナンバー。

ウエストコースト的な彼らのパンクルーツを思わせる、チリチリとしたギターサウンドが擦れる音がラフでスモーキーで良い味。

必殺のキレを保つシャープなバンドサウンドには、向かってる若さと既に場数をこなした落ち着きを感じる、凄く絶妙な時期。

86は拒絶とか断りを意味する隠語的な意味があるらしい。

ドゥーキー後の心の移り変わりを捉えた貴重な瞬間のアナザーサイド。

 

10.'Paper Lenterns' 1990年 1039/Smoothed Out Slappy Hours 収録

超初期の軽妙なポップパンクチューン。
パワーソングというよりは、ナードな恋心をナチュラルに吐露したシンプルなエモーショナルトラック。
最も彼らの自然な型、ザクザクのドライヴィンなパンクギターに絡み合っていくベースリフと高速のドラミングのユニゾンする姿は、どんなバンドより断トツにアイコニック。
絶妙なリズムの歌い回し、I Will Think About Youを決めギターを鳴らす瞬間は眩しすぎる位カッコイイ。
 

11.'One Of My Lies' 1991年 Kerplunk 収録

どこか暖かいメロディーラインのポップロックチューン。

ギャリギャリのギターに乗せる死とか終わる事への絶望的な思いが陰に輝く。

哀しみをドライに吐き捨てるよう歌うと何故か温かみに満ち、結果背中を押してくれている。

挑発的な戦闘性よりも、こういうロックにハートを掴むやり方こそ、彼らが戦ってきたスタイルでどんな楽曲の隅々まで浸透してる。

 

12.'Prosthetic Head' 1997年 Nimrod 収録

グリーンデイワンダーランド的なミステリアスなマイナーポップチューン。

得意とするモノクロームなフィーリングのリフに、少し色合いの違うダークな世界観。

トレのドラムと共に徐々にビルドアップされるサウンドが波のように寄せ世界観ごとかっさらっていく。

ラウドでフローターに、転調しまくる緩急静動自在のトリッキーな曲展開に、最上級にイカれた気分を歌うサイケな浮遊感が鈍く輝くアナザートラックだ。

 

13.'Ha Ha You're Dead' 2002年 Shenanigans 収録

「悪ふざけ」という意味のベスト後に発表されたBサイドトラック集の最後に収録されたキラートラック。

超絶シンプルなベースラインが漂うように流れ、時たまギターを引っかきながらタイドに歌う。

淡々と前に進むメロディーにまるで賛美歌のように'ハハッ、お前は死んだ。すげぇハッピーだ'と歌うニヒルなパンクスタイル。

ちょっとThe Crashを彷彿とさせるレアなタイプの一曲、この為だけにこのアルバムを手に入れるべきだとすら思う良曲。

 

14.'She's A Rebel' 2004年 American Idiot 収録

アメリカンイディオットのハートハンドグレネードを象徴するモチーフ的なトラック。

危険な甘さを香らせつるロックの電撃性とパンキッシュなムードを持つ、ポップパンクの少し先のパンクスタイル。

韻を踏むようにドライヴィンなリズムでまくし立て、キレは維持しつつ厚みを増したギターがアグレッシヴかつキャッチーに届く。

2分ジャストに込められたグリーンデイらしいコンパクトなパンクアンセム。

 

15.'Horseshoes And Handgrenades' 2009年 21st Century Breakdown 収録

アグレッシブでハードなロックチューン。

21世紀のブレイクダウンの曲らしく、騎兵隊の足音で始まるがそのSEと完全に同化するキレキレのロックリフ。

荒々しくノイジー、でも美しく作用する盤石のロックサウンドは、近年のスケールの大きさを反映している。

厚みのある音圧は、ロックの毒気と華々しさを帯びて僕らを蜂起させる様に響くのだ。

 

16.'Emenius Sleepus' 1994年 'Dookie' 収録

パワーコードのキャッチーなリフがワクワクするリズムで刻まれる爽やかなギタートラック。

Emenius Sleepusはという全く分からない単語がタイトル。

疾走するパワーリフに優しいテンションのビリーの声は、凄くナチュラルな聴き心地。

ビリーのボーカルはどこか世界観に入った役者的なところがあるがこの曲ではふんわりと自然体なのが良い。

これも淡々とドライにちょっとセンチな思いを包み込んでくれる心優しいアナザートラック。

 

17.'All The Time' 1997年 Nimrod 収録

キャッチーながらトリッキーなギターチューン。
斜めに切るようなグラインドするリフ、かなり鋭角でも馴染みやすいメロディアスなサウンド。
ロウなムードでまくし立てヘヴィな歪みを躍動させるパンキッシュで完璧にアナザーサイドな一曲。

 

18.'Misery' 2000年 Warning 収録

どこかドラマ仕立てで後のコンセプチャルな作品へ繋がりそうなアートさを帯びるアシッドなポップロック。

アコーディオンの音がミステリアスさを加速させ、しっとりとしたビートにどこまでも艷やかに妖しく歌い上げるビリー。

打って変わってミステリアスなムードを纏えるシンガーとしての表現力はケタ違いだ。

 

19.'Walking Alone' 1997年 Nimrod 収録

郷愁的な一曲。

小さい頃、田舎の帰り道を歩いて帰っている時の様な気分になる、こういうノスタルジックさが鮮やかに僕らのどこかの光景にマッチする。
クリアなメロディーとエッジ、音の輝きと土っぽさ。
音楽を歌っている時だけは肩の荷を降ろした様な晴れやかな味わいに、聴いてるといつもより大股で歩いていけそうなフォーキーなグッドメロディーなのだ。
幸せの記憶とどこか繋がる大切な色彩の一曲だ。

 

20.'Ordinary World' 2016年 Revolution Radio 収録

ラストは2016年の最新アルバムのアコースティックナンバー。
ビリー自ら出演した映画のテーマソングらしい。ずっと待ってるんだけど全然日本でやらない。
子守唄の様に一音一音を紡ぐようなテンダーな一曲。
全ての荷物を置いて、この曲にだけ寄り添っていたい。
そう思える歌声は、まさに僕の人生のフェイバリットなものだ。
 

ヒーローが見せる自然な横顔

少しでも読んで頂いた皆様ありがとうございます。いかがでしたか?
影だからこそ色濃く彼ららしい曲が多い。
迷いに迷った時に基本に立ち返る場所に居るフェイバリットなヒーローのGreen Day。
ただでさえ近い位置にいる彼らのその自然な横顔、少し影がかかった表情が彼らの内面の色すら見せているようで、その音の中だけに身を置きたいと思えるアナザートラック。
一億回聴けるバスケットケースも、こういう曲を何千万回聴くからきっと一生輝いていくんだろう。
そこまでどっぷりと緑な世界で良い。そう思える数少ないバンド。
 
それではまた別の記事で。

【長編バンド&ソングレビュー10】Neverstoreに想いを馳せて【聖蹟桜ヶ丘とネヴァーストア】

忘れ難いスウェディッシュパンクバンド Neverstoreに想いを馳せて 2019.08リライト

東京には声に出して言いたいカッコイイ駅名が多い。
「雪が谷大塚」とか「自由が丘」とか「清澄白河」とか。
何かのランキングで見た1位は「天王洲アイル」だった。
京王線ユーザーだった僕の心のランキング断トツトップは「聖蹟桜ヶ丘」だ。

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東京都多摩市に位置する京王線の駅で、天皇家ゆかりの地があったことで聖蹟と言う凄く強烈なインパクトの名前がついている。

これも心のランキングで断トツトップのジブリ映画「耳をすませば」のモデルの地となった事でも有名だ。

18歳~20歳くらいまでこっちの方に来る用事が定期的にあった事もあり、目的地を通り過ぎて良く立ち寄っては時間を潰していた。耳をすませば好きだし。

名前はカッコイイし、コンパクトな街でちょっと用事の前の時間にフラフラするにはぴったりで、何よりタワレコがあって過ごしやすかった。

僕のこの街1番の想い出は、そのタワレコの試聴機で出会ったNeverstoreというバンドだ。

 

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2007年デビューした音楽大国スウェーデン発3人組ポップパンクバンド・ネヴァーストア。
飽和気味であったポップパンクシーンで、間違いなくモダンであり圧倒的に蒼いエネルギー、見た目もスタイリッシュかつポップパンクの肝を抑えたパワーメロディーは、オールドなポップパンクファンも’おっ’と腰を浮かす、ストライクゾーンのド真ん中を居抜いた途轍もない原石感はえげつなかった。
「凄いバンドを俺は見つけてしまった」というありがちな衝撃的な出会いから10年近く経ちつつ、今やほぼ活動はしていなくとも未だにフェイバリットなバンドの一つとして植え付けられている。
大好きな街で出会った個人的に大好きなバンド。
「居たねそんなバンド」くらいのフレーバーかもしれないが、僕は忘れないし懐かしくもない位バリバリで聴いてるし、耳をすませば僕の心のどこかに引っかかってるアツい存在感のバンドなのだ。
Neverstoreに想いを馳せて。
 
 

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初期衝動の衝撃力 'Stay Forever'

聖蹟桜ヶ丘のタワレコ、割りと良い位置の試聴機のコーナーに彼らのデビューアルバム'Sevenhundred Sundays'が入っていて、その一曲目がこの'Stay Forever'だった。
ナニコレ超かっこいい。
導火線に火を着けるような攻撃的でアグレッシブなベースラインに駆け抜けるメロディックなギター、ギラギラしてるけど暑苦しくないフックの効いた爽快感
わかりやすいほどGREEN DAYビリー・ジョー・アームストロング直系のセクシーでエッジーなボーカル。
そしてわずかに引っかかるほどの蒼く暗い北欧らしい感情の轟き。
 
バンドのオープニングトラックとして途轍もなく起爆的で最高のクオリティーだったし、彼らも僕らと同じベクトルで憧れていたとわかるポップ/メロディックなパンクバンドと地続きのサウンドは抜群の聞き馴染みと親しみを産んで、数秒でファイバリットなバンドにバキッと確定する完璧な出会い。
聖蹟とも相まってなんか神聖な想い出として心に深く残ってしまっている。
時が経っても聴いた瞬間ヘッドホンしながら目を見開いて驚いてる聖蹟桜ヶ丘の20歳の僕を俯瞰で思い出せる、そういう光景毎切り取られたアンセム'Stay Foever'は個人的には一つの文句もない、至高のメロディックパンクナンバーであるのだ
 
当時こそやっと見つけた宝石の様に輝く新しいバンドだったからカラッカラになるまで聴いたけど、それでも今想いを馳せても想い出深いのは、ポップパンクとしての着火性はもちろん、彼らのルーツであるスウェディッシュパンクのタフな骨太さ、蒼く深い影の色合いの自然な艷やかさが、いいバランスでオルタナティヴな聴き心地となって爆発的なインパクトを下地にして今もなお響くからである。
 

スウェーデン出身パンクバンド ネヴァーストア

そもそもスウェーデンという国は音楽処である。

国が音楽を志す者にジャンル分け隔てなく支援し、安価でスタジオや機器を借りれるなどの制度がある。
英語にも馴染み深く世界のメインストリームの音楽も消化しやすいし、先鋭的な物を好む国民性もあり、一度メインストリームの音楽を噛み締めた後スウェディッシュ・ポップ、スウェディッシュ・メタルも一つのジャンルとして確立した歴史もある。
それはパンクシーンも同じで、ストリートカルチャーは北欧でも根強く、No Fun At AllMillencolinRandyなど世界のスケートシーンでもヘヴィに流される'本物感'溢れるバンドを多数輩出してるのだ。
 

 

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2000年、スウェーデンのストックホルムで彼らが高校の時に結成されたネヴァーストアも、その流れを汲むバンドなのだ。
Green DayやNOFXやBad Religion、Weezerの90sのパンク・オルタナシーンを聴いて育った生粋のパンクキッズであり、スウェディッシュパンク勢も身近に感じるホームの北欧感。
更にはSUM41やGood CharlotteやNew Found Gloryなど当時世界のメインストリームで鳴っていたポップパンクにも影響も受ける、超ハイブリットな環境。
だからこそ、王道も突き・オルタナティヴであり・モダンであった超新星的な存在だったのかもしれない。

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ボーカル/ギターのジェイコブ、ベースのオスカー、ドラムのエリックの3人共実に甘いルックス。
ストリート&モダンな、そこはかとないタレント感を感じる見た目である。 
 
2007年、前述の1stアルバムでデビューし地元スウェーデンでも評価を上げると、当時世界最高クラスの評価を得ていたGood Charlotteの北欧ツアーの前座を射止め、世界のパンクキッズの目に留まりワールドワイドに広まった人気が、聖蹟桜ヶ丘まで届いたという事だ。
その後もSUM41のデリックがアルバムのプロデュースに名乗りを上げるなどシーンで大きく注目されつつ、デビューから3年で3枚のアルバムを出しポップパンクシーンを駆け抜けた。
MTVのベストスウェディッシュアクトを2度受賞し、スウェーデンの顔のロックバンドになった彼らは、2010年に一度休止を挟んだ後も、アルバム制作のために森篭りするなどバンドの前進を進め、ストリートのカルチャーを受け継ぎつつ表現力に磨きをかけたロックバンドとしてスケールを大きくしている。
と言っても、このブログ調べでは2015年に出したシングルが最後の音源になっていて、今はちょっとペースを落としていると行ってもいい。
ポップパンクを超えたロックバンドとしても壮大なサウンドにシフトチェンジした音の良さも好きだが、今でも僕の中ではスウェーデン×聖蹟桜ヶ丘×ポップパンクのハイブリットな存在として今活動してなくても心の記憶の箱に仕舞われてる大切なバンドなのだ。
 

彼らの音楽 ソングレビュー10

あまりにも〇〇っぽいとか言うと、彼らのアイデンティティーが無いように聞こえてしまうから嫌なんだが、それでもGREEN DAYに染められた僕らOVER30ポップパンク直撃世代にとっては断トツの耳馴染み。
絶対シュガーカルトも好きだろ、サムっぽさもブリンクっぽさも感じる香り。
ポップパンクファンには、あまりにも重要なツボを抑えたメロディックなサウンドと性急なリズムが大きなベースになっている事が、どのトラックからもわかる。
3ピースらしくシンプルに、アクセントの強い音をソリッドに鳴らせるバンドサウンドに、ボーカルのジェイコブはロックシンガーとして稀有な歌声を持っているし、セクシーでスモーキーな艶やかさをもってポップパンクを彩れる。
何かドキドキするようなスリルとアグレッシブさを前面に出したメロディックなサウンドは若くありつつタフだった。
おおげさに言えば、かもしれないが、Green Day・Offspringから続く90年代~00年代の魂まで千切れそうなPop Punkの系譜として、全てのポップパンクバンドに影響を受けた世代として、シーンのアンサーバンドとして存在してると捉えても、間違いではないのかもしれない。
 
それでいて北欧・スウェーデンの香りと、厳しくタフなリアリズムが彼ららしさを醸す重大なエッセンスになっているとも感じるのだ。
思うのは、どんなにハイなメロディーでもピーカンの晴れ晴れしさは感じないどこか常に側にある影。
陽性なエネルギーと背中合わせに、よりドープで潤った神秘性もある陰がコントラストを作り、そのままドライヴしていくサウンドデザインが、美しいメロディーと渦巻くように作用して深い鮮やかさを出している。
行った事がないからきっとだが、僕らの知ってる世界より昼は澄んでいて夜は深いんだろう。そういう感性も彼らのナンバーの聴き応えを唯一な印象にしている一端なのだ。
 
1.'Stay Forever'

彼らの初期衝動にして最大のアンセム。この必殺技くらった様なパンチ力はなかなか出逢えない。

性急なリズムに刻まれる烈火の如き爽快なリフは、アグレッシブに走り切れるスケートパンク的なスピード感+メロディアスなフレーズのリフレインで強靭な聴き応えがある。

エネルギッシュな暴風感がメロディーとしてまとまる快感、アンニュイなコーラスとボーカルの儚い影が黄金律的なバランスで美しく響くのだ。

ここぞで聴くエネルギッシュなアンセムは劇的にスイッチを入れられる、全ポップパンクバンドの中でも結構有数しかないポップパンクアンセムだと思う。

 

2.'So Much Of Not Enough'

ストイックに炸裂するタイトなギターのエモーショナルなロックチューン。

ステイ~に続きアンセミックな位置づけで人気の曲は、エモーショナルシーンの哀愁疾走感と彼らがナチュラルにもつ憂いが重なる良的なキラーソング。

ダイナミックなボーカルがクールなサウンドにドラマチックに映える、そういうロマンチックな声の魅せ方も彼ららしさ。

ノイジーでストイック、そしてポップな疾走感の陰陽のバランスが良く、心地よい扇情感は曲全体の美観を崩さない。

 

3.Racer
ポップでパンクに振り切った、彼らきってのパンキッシュなキラーチューン。
飛び跳ねる様なバウンシーなリフとビート、軽やかに轟くメロディー。
字余り気味のボーカルの節回しも、どこまでもキャッチーでハッピーなリズムで僕らに届く。
ポップでキャッチー、少しセクシーという完璧なフォルムで、親しみやすさNo1のキラーチューンである。
 
4.'Rejected All Along'
グルーヴィーなベースラインからスピーディーでタフに滑るメロディックパンクナンバー。
王道まっしぐらのストレートな雰囲気に、パンキッシュなエネルギーと甘いロマンチシズムを交差させる眩いキャッチーなデザイン。
バシッと決まるサビの決め手の良さもパーフェクトな収まり。
キャッチーな疾走感は最後の瞬間まで続くビックなナンバーだ。
 
5.'Nanana'
ポップでロマンティックそしてメロウなミドルチューン。
キラキラしたメロディーが大流星群の様に降り注ぐ壮大さと、ストレートで飾らない素朴さ。
ポップパンクバンドのこういう曲は、どうしてこうも親しみ深いのか。
ライトで繊細、重なってもナチュラルな聞き触りで決して無駄に厚くない音は染み入りやすい。
北欧の夜を想像したくなるようなどこまでも透明に伸びやかな一曲。
 
6.L.Y.D
タイドなメロウチューンであり、彼らの美しさの面が炸裂するような一曲。
抑え気味のメロディーラインを歌う時点で既に美しいが、それがエモーショナルに弾けても、ブレない芯の力強さも感じて、よくある構成のドラマ性もより深く聞き入らせる。
どこまでも表情豊かでサウンドの高鳴りに併せても、わざとらしくなくナチュラルな聞き心地を実現できる澄んだノスタルジーは劇的に好き。
後にシンガーとして強烈に輝きを放つのもわかるアイコニックな声だ。
 
7.'Another Sentimental Argument'
Another Sentimental Argument

Another Sentimental Argument

  • Neverstore
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

おそらく、Green Dayの'Worry Rock'の出だしの歌詞から取ったタイトル。

新たなセンチメンタルな喧嘩、みたいな意味。

グリーンデイはポップ・ロックだったが、こちらはギザギザのマイナーなギターに染められたエモーショナルチューンだ。

ダークでクールな印象のコーラスを振り切るようにパッショナブルなボーカルのジレンマ感が良い感じの崩壊感。

アコースティックverになっている程メロディーは美しくトリッキーな印象もあるけどストレートに音のいい一曲。

 

8.Count Me Out

キャッチーなポップパンクは彼らの’カッコよさ’が前面に出たソリッドなナンバー。

男臭いセクシーさが濃縮されたパンキッシュさ、こういうの待ってたっていうシンプルな豪速球。

マイナーなサウンドが、タフにソリッドに鳴らされるシンプルでアツいナンバー。

途中の遊び心ある転調がまたかっこいい。プロモが日本の映像でそれも好き。

 

9.Shallow Beautiful People

3rdアルバムはSUM41のデリックがプロデュースに携わった。そのアルバムのキラートラック。

分厚いベースラインと迸るエモーショナルなロックサウンドは、余計なもの無くガツンと殴られる様にミニマムにメロディアスで、少しセンチメンタル。

メロディックで攻撃的なデリックらしい瞬間も、艶やかな音空間は完璧に彼らのもの。

凄く短いレコーディング期間で撮ったことにも起因するスリル高い衝動的なパワーも上手く内包される良曲だ。

 

10.'For The Rest Of My Life'

決意のセルフタイトルアルバムのタイトルトラック。

森篭りして制作したアルバムの肝の一曲は、ダイナミックでメロディアスなサウンドが、光と影を入れ替えながら疾走的にドラマティックに響く。

緩急と陰陽がより一層巧みで、暗い部分はダークでも鮮やかに、光の部分は抜群に眩く優しい。

よりストイックながら表情は豊かに、よりスウェーデンらしい壮大なロックバンドに近づいた一曲。

 

ポップパンクと聖蹟桜ヶ丘とスウェーデンとネヴァーストア

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好きなバンドの話は合いそうな、親近感たっぷりの隣人的友達的ヒーロー像がポップパンクには欠かせない。
それがキレのある音楽大国スウェーデン人ってなると、俄然興味が湧くってもんだ。
あの初期衝動から10数年たっても、彼らは絶妙な親近感で付かず離れずずっと聴いてきた。
人間30年以上生きるとお気に入りの何かを持ちたくなるもんだ。
聖蹟桜ヶ丘で初めて聴いたポップパンクバンド、ネヴァーストアはそういう壮大な掛け算の元、僕の心に定着している。
なんなら行ったことないがスウェーデンも好きになりそうだ。
 
それではまた別の記事で。 

エルレとビークルとアジカンと、時々、B-DASH【00年代J-Rock/Punk Bandのまとめ】

00年代のインディーJ-rockシーンを振り返るレビュー!

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もう誰にも塗り替える事の出来ない僕らの時代

2004年頃から2009年くらいのJ-Rock、すなわち日本のインディー・ロックシーンの話、タイトルの通りのバンド達の音楽のまとめレビューである。

早い話が1987年生まれの僕の青春時代の話だ。タイトルを見て、東京タワーが浮かんだ人はもれなく同世代だ。

まずはそういう人に目に入ってほしい記事でもある。
 
あれから15年、そう短くはない時間である。
僕らの時代がずば抜けてすごい時代だったんじゃないかという自負は、思い出の特権である。
それでも歳を経て、振り返って考えてみても、オルタナティヴなロックを軸に多様な音楽性のバンドが幅も深さも備えて揃う面白い時代だった。
ハイスタから脈々と受け継がれたメロディックなパワーと、海の向こうから風にのって届いたオルタナの香り
その二つがミックスされて、ロックの不屈のロマンと、感受性豊かなモダンな感覚があの頃の僕らの『今』となったのだ。
それぞれのバンドが、邦洋問わず広がる憧れの世界から受け継いだ音を、自分たちの音に潜ませる
それがもう楽しかったし、メジャーとかインディーとかいう言葉が入り乱れ、若い聴き手が売れているものでは無い何か新しいものを求めた時代に、それらの音がポップミュージックとの境界を絶妙に突く絶妙なバランスを作り、ヤングカルチャーのど真ん中を貫いた。
日本のオルタナティブなロックの在り方が弾けた時代と言ってもいいのかもしれない。
メロコアもオルタナティブもポップパンクもブリットポップも、全てを再解釈する大いなる時代であったと僕は最近思うのだ。
 
洋楽は憧れだったけど、彼らは僕らの活力と血肉になった。
ミュージシャンでありながらも、僕らと同じ目線を持って、手の届く場所だけでいい、と彼らが始めた音楽が大きなうねりになって、僕らを包んでいった時代。
何回も言うがメジャーとかインディーとかいう言葉が入り乱れるシーンの境目の時代、どれだけ売れてるとかは関係なかった。
確かに売れてる方が僕らの耳には届きやすい、それでも彼らの比較に数字は何にもない。
僕らが子供の頃のまま何かの魅力に取りつかれていく様に、手のひらいっぱいのキラキラしたインスタントな魅力でいっぱいで、何ともロマンティックなロックシーンとなったのだ。
 
 
あの頃は完成された黄金の時代で、僕にとってはいつ聴いたって金ピカなのだ。
後輩にあたるワンオクロック大好きな大学生にこの時代のアツさを語ってたら、鬱陶しそうにしてたので引っ叩きつつも、年を取った事を思い知る。
きっとずっとそういう事だ。
僕らの時代の前だってハイスタがあってハスキンがあってブラフマンがいたし、その前はブルーハーツでもっと言えば頭脳警察とかで、今はワンオクなんだろう。
インディーなロックの灯は消えないんだ、それぞれもちろん大好きだ。
それでもやっぱり、僕らが最も恋に落ちたその時代の熱量を語り継ぐ事は大切である。
僕に引っ叩かれた奴も、多分好きになれるはずのバンド達。
もちろん死ぬほど聞いてた同世代もたまに一緒に振り返りたいし、先を行く諸先輩方にも是非聞いてほしいのだ。
 
そんなバンド達を振り返り想いを馳せるレビュー。
自分の備忘録としても、同じ世代の人にも。
そして知らない世代の人にも是非読んでいただければ幸いです。
 

Spotify Playlist

 

1.ELLEGARDEN

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もしも世代に名前をつけるなら、きっと彼らの名前が冠されるだろうシーンの象徴的なバンドだった。

肥大化気味だった人気の中、次のアルバムへのモチベーションの方向性を見失っての活動休止は僕らの心に大きな穴を空けたし、2018年の復活は僕らの胸にずっと足りなかったアツさを取り戻させてくれた。
センス抜群のメロディーラインだったからこそ間口も広く、あらゆる人の初期衝動を起こし、リスナー個々が彼らに対してかつてない確信と出逢えた喜びを持てる、最も影響力のデカイバンドだった。
 
 
ポップパンクのカラッとした元気の良い爽快さと、オルタナティブでインディーな擦れた格好良さのバランス。
日本のメロコアと洋楽のオルタナティブロックの交点的サウンドを実現した事で、どこか玄人感すら感じるギター主体のバンドアンサンブルは、時代の顔に相応しい音圧を持っていた。
シンプルな構成にドラマティックさが加わるバンドの音と細美の無二の美声が、もう一つネクストレベルの音楽を感じさせ続け、時代と歯車が噛み合うような絶対的さすらあった象徴的バンド。

セルアウトを嫌う姿勢、ストイックでアツい心意気も魅力だった。

 

My Favorite Songの様なギターロック全開の初期のサウンドから、Supernovaみたいなパワーポップとパンクの融合したメロディックなサウンド、休止直前のFire Crackerの骨太のロックサウンドまで、ロックを基軸にオルタナティブで多彩なサウンドを鳴らしたエルレ。
ナードで後ろ向きなメッセージを、カラッとしたメロディーに載せて届けるダメな俺たちの爽快さは、世代の誰もが今まで感じた事のないものだった。
乾いたギターサウンドとハイトーンで美しい細美の声、全体的にちょっとドライな感触が今までにないスタイリッシュな音楽だった1stアルバム'Don't Trust Anyone But Us'は一生モノの名盤だ。
2.BEAT CRUSADERS

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お面をつけた天才たちのバンド。
オオカミとか、能面とか、マシュマロとか、たくさんのお面が今も音楽シーンを賑わせている。
でも僕らの原風景で、覆面バンドと言えばビークルってのは絶対的なアンサーなのだ。

彼らの中で特筆すべきは、ソングライターでフロントマンのヒダカトオルは、キャッチーでモダンな曲を作る天才だったこと。
キラキラしたポップネスとロックのラフなパワー、そこにキーボードが加わりマジカルな旋律のポップロックを作りあげる。
拙すぎて逆に聞きやすい英詩を、独特の声のパワー溢れるヒダカトオルのボーカルも強烈なアイデンティティーであり、カラフルで眩しい音圧は他のバンドにはないハイブリットな魅力だった。
 

音楽ファンの間でも一世を風靡したバンド漫画、BECKのアニメのオープニングに抜擢されたりと、割かしメジャーなインパクトも持っていた彼ら。

数々のバンドに留まらず、つじあやのとかポップ畑のアーティストともコラボするなど積極的な活動も目立った。

ありえないくらい奇跡

ありえないくらい奇跡

  • つじあやのとBEAT CRUSADERS
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

ポップなメロディーに力点を置く事に注力し、ポップを恐れないロックサウンドは確実にオルタナティヴなもので、この方法論とそれをバキッと提示できるセンスが、多岐にわたるミュージシャンとしての活動にも表れている。

ファーストインパクトだけかと思っていたチープなお面も、そういうサウンドのフィルターを通してみると、ぐっとミステリアスでアイコニックになる不思議。

 

マジカルなサウンドと強烈なロックボーカル、そしてやっぱりお面のケミストリーがビークルの最大の魅力なのだ。

ISOLATIONS

ISOLATIONS

  • BEAT CRUSADERS
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

3.ストレイテナー

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当代きっての実力派バンドで、オルタナティヴに幅広いレンジで真っ直ぐなロックを鳴らしたクールなバンド。
甘くメロウなポップロックもエモーショナルな跳ね上がる様に鮮やかに彩られて、そうかと思えば濃いめのギザギザロックチューンで踊り狂わせる。
メジャー的なサウンドレンジの広さもありつつ、単なる流行歌では終わらない芯の太さをもったロックなメロディーは、甘くそして上手いと唸らせるセンスがあった。

スタイリッシュでロマンチックな雰囲気をもって、それでも観客が女子だけじゃなかったのは、そこにおもねらず楽曲の強さがあった確かなロックバンドだったからだ。

オーソドックスなロックサウンドも、色彩も濃淡も自在なアレンジと演奏でモダンなメロディーを作り上げる。

常に21世紀のロックバンドであろうとするバランス感覚が、常に時代を捉えた音楽性・世界観となって、現在でも聞かれ続けるアーティストとなっているのだ。

ギラついた曲でもセクシーな感じを失わないところも好き。

KILLER TUNEは死ぬほど聴いたロックチューン。

 

4.ACIDMAN

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聴かせる系?えーっとアシッドマンみたいな?の様な会話が蔓延っていた当時。

アートでエモーショナルでスタイリッシュなバンドの姿のプロトタイプが彼らだった。

人生観まで踏み込んだ文学的なテーマも、透き通った炎の様な隙のない音で浸透させられる。

ものすごく遠くから距離を越えて聞こえてきたような、難しそうなテーマでもすんなり僕らに届く、柔らかくて鋭く響く声がアシッドマンにはあった。

アートなロックを聞けるかどうかの分水嶺みたいなバンドだし、彼らが描いたアートに、大きく影響されたバンドも多いはず。

がならなくても叫ばなくても伝わるクールなアツさ、静と動の緩急、ロックとアートの類似性を、限りなく感じさせてくれた彼らは唯一無二だった。

気取ってないスタンスみたいなものも、僕が僕らの音楽という意識すんなり持てた要因でもあった。

 

5.ASIAN KUNG-FU GENERATION

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’ソルファ’が世に出たのは2004年、僕らにとっても既にメジャーなバンドだった。
あの広がり方を生で見ていた僕ら世代が自信を持って言えるし、日本のロックの分岐点で、彼らの初動から時代が動いた。
ストレートなギターロックで純粋にいい歌のポイントを突いて来る上で、独特の日本詞の言い回しと淡い描写で、日本らしい世界観のロックを築いてきた功績はえげつないほどデカイ。
僕らの見てきた風景に、いつでもどの光景でも合う音は常にアジカンだった。

バンドの生音が主体のロックの迫力と、シンプルなギターサウンドが生む衝動感。

表示上豊かなメロディーを淡々と心地いいファルセットを交えながら届ける。

未来永劫残るだろう全員が認めるパイオニア的バンドである。

アルバム’サーフブンガクカマクラ’は至高の名盤だった。

ほんとに江ノ電乗りながら聴きたくなる、光景にロックが追いついたような名曲揃い。

文学作品の様に、何年先も誰かの手に渡って欲しいと切に願う1枚。

6.B-DASH

 

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2017年解散。

自分の故郷でよく遊んだ馴染みの公園が無くなっちまったような悲しさで胸が締め付けられた。

アジカンと並んで彼らの様な存在がメジャーなシーンで多くの目に触れた事はロックシーンにとって大きい。

日本のメロディックハードコアを我流で継承したトリッキーでその実純朴なパンクロック。

めちゃくちゃな単語の羅列の歌詞も、キャッチーなリフも、メロディアスなサウンド。

ポップパンクらしい澄み切ったバンドサウンドは青い空の入道雲が眼に浮かび、田舎っぽい爽やかさが僕らにはカリフォルニアの風にも思えた。

意味不明な歌詞に隠れて、ストレートで優しいメッセージが胸の隙間を埋めていく様な暖かい感覚。

郷愁的でホッとする優しさが、ごんごんの声にはあった。

 

 

7.10FEET

 

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いまや日本のパンクシーンを背負うあまりにも重要なバンドになった彼らは、この時代からフルスロットルで稼働し続けてきた。

地元京都で巨大なフェスを主宰し、毎年のように新曲を出し、恐ろしいペースで迫力のライブをこなしつづけてきた。

そのむき出しのストリート感と、となりの関西の兄貴感で、どのフェスに行ってもラインナップに名前があり、それは時に安心感に繋がった。

良くしなるパンクサウンドにミクスチャーらしいフックの応酬、王道を突きながらファンキーな彩りも失わない。

ファットマイクばりのパンクな地声と、だみ声とデス声のコミカルでオンリーな歌い方も世代を越えてキッズを魅了し続ける理由だ。 

 

良く喋るMCに、よく泣き感情をあらわにする関西のお兄ちゃん達がステージの上ですげぇかっこいい音楽をやってる。

斜に構える事は金輪際ない、リスナーと同じ目線の日本のロック代表として、現役第一線で先頭を走れるのもパンチ力のあるアンセムの数々とその明快なキャラクターだからだ。

それを20年くらい続けてきた。そうやって積み重ねてきた圧倒的に暖かい人柄と楽曲がにじみ出る、凄く日本人情的なバンドだ。

英詞、日本語詞問わずキラーチューンは多いが、だれもが持つ童心を掴む日本語詞の使い方は秀逸。

 

 

8.GOOD 4 NOTHING

 

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どストレートなジャパニーズメロディックパンクバンドとして象徴的だったのは彼らの事だった。

速めのビートにカラッとしたギターに甘いコーラス、楽しい掛け合いに男らしい声に少しナヨってひねた英詞。

これは何だ?と思考も必要ない、音と直結で心が弾む、ヤングカルチャーに沿ったシンプルでラウドな音。

近年ではアジア圏でもドえらい人気を誇る。

ライブハウスでみんな汗だくびしょびしょで、海の家にいそうな恰好したお兄さんたちが同じくビショビショで全力の笑顔で音楽をやってる光景は、ボクらの時代の青春のハイライトになる強烈に楽しい光景だった。

大雑把で男臭い感じも、思い切り良くブン投げてくる分、親しみやすいキャッチーなサウンドとなって、難しい事考えなくていい全力で前向きな音楽になる要素を創る。

軽快さもありながら、野太くてラウドに爆発するようなワイルドさも、グッフォーの魅力だ。

当時のアルバム’Stick With Yourself’’Kiss The World’は今でもライブを彩る名曲が多い。

 

9.Locofrank

 

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今やレジェンド的な位置づけながら海外までツアーを回り、インディー精神を持ち続けあらゆるライブに顔を出す第一線のバンド。

ハイスタが時間を止めた後、何かが変わったパンクシーンでも変わらず、彼らが先頭に立って地道に音を鳴らし続けたからこそ今のシーンはあるのかもしれないのだ。

3ピースらしくシンプルながら、真摯さまで伝わってくる様なストイックでストレートなサウンド。

漢らしいエッジが効きつつ疾走感のあるスケーターボーカル、スムーズに流れ込んでくる無駄なく野太い音も、僕らにストレートに重く響いた。

何て事のない平凡なメロディックパンクでも、ロコがやるそれを僕らは求めていたのだ。

数々のバンドが自分たちの着色を試行錯誤する中、衝動的で強靭なメロコアを突き詰めつづけた楽曲達。

先行世代が大御所過ぎるメロコアシーンで、真似だなんだと言われようが、強烈な憧れからスタートした物語には間違いはなかったのだ。

間違いなく僕らの世代の耳にはロコのサウンドが染みついてる。

 

10.Northern19

 

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メロディーセンス溢れるキャッチーなパンクアンセムを生み出し続けたメロコアバンド。

純度の高い甘さを持つメロディックなサウンドとボーカルを、クリアかつスピーディーに響かせる、ただ勢いだけではない透明感と疾走感を同時に感じさせるメロディーセンスが溢れていた忘れがたい存在感。

ノーザンの描くカラフルでメロディックな世界は、スウィートでもメロコアの熱もしっかりと持っていた。

どこか口ずさむような歌いたくなるようなメロディー。

’いい歌’の基本になるようなメロディーがどの楽曲にも散りばめられていて、彼らのアルバムはまるで宝石箱を空けたみたいにキラキラしていた。

こういうスウィートなポップネスと、ロックのロマンの融合は00年代のロックの進化論のド真ん中なテーマであり、ノーザンはその中心で輝き続けた。

’FROM HERE TO EVERYWHERE’’EVERLASTING’の2枚は大名盤。

 

11.Dustbox

 

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埼玉県出身、音楽界のサッカー好きとしてもレジェンド。

速さは当代随一のメロディックパンクバンド。

ハイスピードとハイトーンが鮮烈に弾ける流星の様に速く美しいサウンドは、とにかく中毒性が高い。

重量感は失わず決して軽くない畝りのあるメロディーは、光の粒が弾けるような凄い光量で襲う眩しいメロコアサウンド。

アルバムのジャケットのアメリカ風の謎のイラストも好きだった。

 

12.Hawaiian6

 

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ハイスピードにグッドメロディー、そして漂わせる哀愁こそがジャパニーズメロディックハードコアの方程式だが、彼らの楽曲の’泣き’要素の強さは随一だった。

ややメタリックなベースラインが香らせる深い哀愁を、加速度的に解き放つ星のようなメロディーと琴線を刺激しまくる歌詞。

もうほぼ泣いてんじゃないかってボーカルも、あっという間に童話の様に美しく切ない歌世界に惹き込んでいく引力があって、そのナイーブな歌詞を自己投影しその先の美しい力強さへと完結する物語性を感じさせてくれる。

TBSのドラマが許可なく勝手に使う程、誰にも刺さる強烈なキャッチーさとメッセージの透明性が光っていた。

'MAGIC''PROMICE''FLOWER'はこの時代から語り継がれてきた日本のメロコアシーンの重要曲だ。

 

13.フジファブリック

 

「フジファブリック 2006」の画像検索結果
2009年12月24日にボーカルの志村正彦が死去した事も、未だ昨日の様に思い出せる。
それぐらい影響力も存在も当時から大きいバンドだった。
特にこの時期のフジファブリックは精力的に楽曲を作成し、大規模なライブを敢行し、僕らの耳にも目にも届く場面が凄く多かった。
作家性すらあった歌詞が聴き手ひとりひとりの心で物語になっていくような浸透性は随一で、そういう詩的なストーリーを変幻自在なロックメロディーと融合させられるサウンドデザインが実に鮮やかだった。
’若者のすべて’の揺らぐような歌詞とメロディーは彼らの真髄。
また’MONSTER’みたいなシャープなテーマの曲も独特の表現でスキだった。
 

14.DOPING PANDA

 

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奇才感の漂うダンスロックはこの時代の特異点だった。

ロックスター・フルカワユタカに率いられそのオルタナな魅力は時に沸点に達し、熱狂的な支持を得た。

エンターテイメント的なフロアの一体感をロックミュージックで創り出せるその音楽性は飛び抜けて異質で唯一無二だった。

もちろんエレクトロなバンドも多く世に出ていたが、ダンスとロックを黄金比で混ぜた最高にハイなサウンドはそのシーンとも一線を画したものだった。

ロッキン史上の最高の瞬間だと語り継がれる2006年の彼らのステージだというのは、同じ時代を生きてきた誇りである。

インディー時代の名曲'Hi-Fi'、超弩級のダンスロック'MIRACLE'の名のもとに、ハイな奇蹟を起こした伝説のバンドだった。

 

 

15.9mm Parabellum Bullet

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Punkspring2007だった。

余り耳の早いファンではなかった僕は、パラモアかなにかの代打で急遽出演した彼らを見て衝撃を受けた。

やせっぽちな見た目からはウソのように狂った様に暴れまわるバンドパフォーマンス、エクスタティックな艶やかさと攻撃的でハードなサウンド。

日本的な叙情的炸裂感を伴いながら、圧倒するスタイルと音圧で雷に打たれたような衝撃だった。

その後の活躍も何ら疑問の余地もないファーストインプレッションに未だに引きずられている。

ささくれ立つどころかギザギザのキラーチューン'Discommunication'に切り裂かれた傷跡は、きっと一生モノの予感がビンビンしているのだ。

 

16.チャットモンチー

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徳島出身の女性3ピースバンド。

シーンの紅一点的な存在というだけで注目される中、素朴かつキレキレのロックサウンドの実力でド真ん中で華開いた。

メンバーチェンジや脱退を経て、2018年活動を終了させた。

もちろんそれは残念でならないが、数多くの仲間が彼女たちを支えたいとサポートし、熱狂的で分厚い支持を受ける存在のバンドとして、永久に記憶に留められる終わり方だった事は幸せだ。

チャーミングでありつつ心臓を掴まれたように赤裸々なメッセージは、心の無防備な部分でいつしか知らぬ間に鳴っている、少女らしい無垢さと女性らしい柔らかさに満ちていた。

どこまでも心に刺さるのに、痛くない。

 

 

 

17.ASPARAGUS

 

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エモいエモいって流行りに乗って乱発する奴らに、これがエモだって叩きつけたいバンド。

メロコアを主体にしながらも、コズミックで轟くような音の広がりがあって、ハスキンにも通じるエモーショナルな音の震え方は唯一無二だった。

跳ねるキラキラした音とエモい轟音ギターに、宝石みたいなピュアな声がワクワクする世界観を生み出す。

曲ごとに全然違う表情でも、醸し出すスマートさとグッドメロディーが根底にある眩しいバンドだった。

ビークルとの合作の'Faliy Tale'はコズミックでファンタジーな魅力に溢れた名曲。

 

 

 

18.The band apart

 

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天才的技術をベースにした美しくスタイリッシュな都会的ロックの最高峰。

もっともっと大人になったら聞くもんだと思ってた音楽を、バンアパは僕らに教えてくれた。

クールなグルーヴ、ジャジーでブルージーなエッセンスが染みだす都会的な音。
ハイトーンのコーラスも眩いばかりのアルペジオも全てが気高い音。

自然と夜を彩れるネオンサインの様な煌々としたロマンチシズム、こういう頭からつま先までオシャレなロックが、この時にあって良かった。

 

 

僕たちのステイゴールド

いかがでしたでしょうか?

まだまだ紹介しきれないバンドもいるし、もっともっと書きたいバンドもいるけど、それはまた別の記事で触れようと思います。

未だに火照った感覚が残る熱中時代の余熱。

そこには火種みたいなものが残っていて、僕たちがこの頃の音楽を聴くたびに電撃的に音楽細胞のスイッチを入れ、瞬く間にタイムスリップを起こすのだ。

どんどんヴィンテージになる寂しさもありながら、時代の流れに簡単に持って行かれない強靭なパワーと勇気を得たような、変な自信にも繋がるのだ。

いつまでも聴いていたい音楽の時代は皆様にはあるだろうか?

 

それではまた別の記事で。

僕のiPodからハイスタが消えた日【音楽雑記】

加速する時間の流れに想いを馳せてる音楽雑記

「ハイスタ 夏」の画像検索結果

僕のiPodからハイスタが消えた。
Ken Yokoyamaもだ。
多分もっと探せばもっと聞けないバンドはあるだろう。
 
スマホでも音楽が聴けるけど、どうしてもiPodはiPodで使い続けたい、だからサブスクリプションサービスとそうじゃない音源がこんがらがって、聞けなくなった。
同じような事は何年も前に何千人が悩まされているので、もし解決策を求めてる人は違う所で丁寧に解説されているのでそちらを参考にして欲しい。

www.masa10xxx.com

 

ハイスタが聞けなかった瞬間、なんかぽっかり穴が空いて、すげぇ楽しかった場所に入れない様な気持ちになった。

昔の原っぱの秘密基地が有刺鉄線で囲まれちまうとかじゃなくて、毎年夏になったやる
サマーウォーズに出てくるバグみたいなやつに邪魔されてる感じだ。

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だけど解決するのだ。
上にも貼らせてもらってように、オフィシャルなHP以外にも、たくさんそういうブログがある。
嬉しいし便利だ。
だけどそのスピードについていけてない気がしている。
 
 
どういうことか。
もちろん聴けるようになって嬉しいし、多分10年位前なら何日もかかってた問題解決が一瞬で、ってのは今の時代だから成せるわけで途轍もなく便利だし、世の中の無くなった方がいい不備がこうやって瞬時に解決していくのは素晴らしい世界なんだろう。
だけど、一回空いちまった穴、そしてそれに対して感じて浮かび上がってきたフワフワしたものが、急に無かった事になったみたいで、どっか無機質で寂しい。
それは嫌だから言葉に残したいと思ったのだ。
ピザオブデスもサブスクリプションやってねって事では決してないのだ。
 
 
これは僕の中の折り合いの問題だ。
全てのスピードが早くて色んな事が効率よく進む。
調べる事で自分が何でも出来るような気になる。
なんかそういう世界をうまく活用している人ほど、なんかAIと喋ってるみたいで、しなくていい回り道はダサい、みたいになる。
これは音楽だけに限らず、むしろ自分にとってバカデカい存在のハイスタで知らしめられた何かのサインだったのかな?と思った。
 
 
こっからはその時に思った僕の妄想の話。
例えば夜中の帰り道、工事中で迂回させられて、ついてねーなってなる。
でも普段通らない、この道も意外といいなって思えて、なんか合う曲をシャッフルで探したりする。
たまには自販機で飲み物でも買おうかな。
なんて思ってる事がまとまりかけた所で、工事中の看板の前まで時間が巻き戻されて、看板も工事も、そして少しだけ違ったいい夜も無かったことにされちまったみたいだ。
 
ちょっと怖い。
きっと大げさだけど。
ハイスタが聞けなくなって困った、でもその回り道とか違う道で浮かんだ思いは意外と凄く大切なんだろうなと思った。
きっと情報進化に伴ってそんな時間どんどんなくなってく。
それはそうだ、すぐにでも改善しなきゃいけないことだらけだ世の中は。
社会が良くなるためには必要な人間の進化でありITの進化だ。
でもだからこそ、こういうオルタナティブな想いは自分の中に残しておきたい体験だった。
 
 
もし、時間がある時なら、ストレートに解決しようとしないで、感傷に浸るのもいいのかもしれない。
僕は家帰ってCDで速攻聴いたよ。
きっとそれが正解な気がした。
 
こんな雑記みたいな文章、読んで頂いた方有難うございました。
皆様にいい週末が訪れますように。
それではまた別の記事で。

夏に合うオルタナロック/パンク 陽の35曲【Best Summer Hot Rock Song of 1987 Born】

1987年生まれが選ぶ夏に合うサマーロックソングサウンドトラック!陽の 35曲編!

 

2019.07.23 リライト

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不快指数が倍々ゲームで日に日に増していく梅雨がいよいよ明けそうである。

皆様はどうお過ごしだろうか?

今年もまだまだどこへ行ってもインスタ映えを求めてスマホ片手に彷徨ってる人が、昨年比2倍くらいいるんだろうか。熱中症には気をつけてね。

悪くはないと思うけど、僕的にもこのブログ的にもタピオカよりミュージックな生活をおすすめしたいのだ。

 

夏の音楽、サマーソングは他のどの季節のものより特別だ。

夏のロックソングのうだる様な暑さも、熱気に変えて空高く吹き飛ばしていくような陽性のエネルギー。

強烈な引力を持っていて、誰もが自分だけの’あの頃の夏’を想わずにはいられない。

夏ってのはそれを感じられるやつもいるし、ただ暑いって言ってるだけのやつもいる。

夏を感じる絶好のコンテンツはインスタグラムよりも彼らにあるはずだ。

 

そんな夏のROCKなキラーソング達を集めた、個人的暑中お見舞い的サウンドトラック。

メロコアにスカパンクからオルタナティブロックにポップパンク。

エルレ・アジカンからWeezer、GreenDayそしてBeckにガガガSPまで。

1987年生まれの僕的に集めたベストサマーソングまずは陽の選。

今回は保存版です。気になるバンドがあればその付随した記事も貼ってあるのでそちらもよろしければお楽しみください。

是非、聴きながら読んで頂き、素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

1.ELLEGARDEN 'Surfrider Association’

思わず手をかざしてしまうド真夏の陽射しの様に眩いELLEGARDEN必殺のサマーソング。

我々の青春であって、バンドと言えば彼らを差してこういう事だったと言える、そのもの、なバンド。

徐々に高鳴る大振りのボルテージの波に、軽やかに乗る音速のギターメロディーの鮮やかさと絶妙なノイジーさ。それが巧みに混ざり重なるバンドサウンドの妙。

'暑すぎんぜ…'って心をこじ開けてあっさりと僕らを跳ばせる細美の声は、夏ド真ん中に聞くと一段とクリアで眩しくて、彼らが帰ってくるまで僕らの夏を彩り続けた。

www.footballsoundtrack.com

2.Weezer 'Surf Wax America’

心のバンドWeezerからブルーアルバム屈指のサマーソング。

彼らのトラックの中でも屈指の疾走感のパワーポップは、白く目映いキラキラしたギターリフが歪んで疾るウィーザーサウンド王道の展開。

超爽やかな曲かと思いきや、サーフィンだビーチだの陽キャラの夏に軽く毒づいてるリバースらしい陰もある。

とはいえ完成度は絶対的な陽性のサマーチューンには間違いなくて、憂鬱なブルーと何処までも高い青空の青は実は一緒で、この季節お守り的に聴くには間違いない一曲だ。

www.footballsoundtrack.com

3.HI-STANDARD 'Summer Of Love'

夏は恋だ。HI-STANDARDの彼らNo.1のファニーサマーパンクチューン。

トロピカルでエッジーなキラーパンクメロディーにコミカルな掛け合い。

涙が乾くほど疾走し、陽性のビートにぐちゃぐちゃに飛び跳ねながら本当の恋だった夏のあの子を思う。

センチメンタルさは内包しながらファニーに笑ってみせるやり方、これで男は強くなると学んだ最高の夏が詰まったサウンド。

アイスクリームの様に溶けちゃっても、暑くなきゃ始まんないもんもあるのだ。

www.footballsoundtrack.com

4.Beck 'Hotwax'

天才オルタナ王子Beckのグルーピーなサマーファンクナンバー。

うだる様に暑さでアスファルトが歪むような景色の向こうで、不思議な踊りでライムを刻むベック。

雑多なデジタリズムと、生々しいロウなベックの声が最高にカッコいいし、摂氏40度超えで聴けるのは意外とこういう曲だけかもしれない。

気だるくて超絶スタイリッシュ、あっついなー、って溶けそうな日に聞きたいクールな陽性ファンク。

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5.The Offspring 'What Happened to You?'

現代パンク最強バンドThe Offspringの必殺スカソング。

説明不要&問答無用の圧倒的ダンサブルな、最強のリズム&グルーヴそしてコールアンドレスポンス。

オーソドックスに夏!という王道を、恐れること無くタフにエキセントリックに鳴らせるオフスプのビックスケールはこの季節こそ映える。

夏の高い空の様な突き抜けたハイトーンのボーカルは世界一夏に響きやすい。

硬派に腕組んだパンクスが最後は踊っちゃうような、無敵の多幸感はオフスプならではだ。

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6.New Found Glory 'It's Been A Summer'

ポップパンクキラーチューンファクトリーのNew Found Gloryからサマーポップパンクチューン。

テンション爆発系の即効性を持ちつつ、がっちり心を掴む歌心がまさにNFG節。

間違いなくガツンと来るが焦ることなくじっくりと心に噛み締めつつ、ギラギラに気持ちを持っていける夏のポップパンクの理想形だ。

一生大切にしたいと想えるポップパンクのフェイバリット感は、この季節こそ色濃く映える。

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7.Jack's Mannequin 'Holiday From Real'

彼を知っている誰もが再始動を望む圧倒的支持を受けたアンドリュー・マクマホンのそろプロジェクトJack's Mannequinの1曲。

限りなく透明ながらドラマチックに広がっていく美声と、この世のどの夏の光景よりも爽やかな風が吹くサウンド。

伝説のバンドってのはこういうバンドを言うのだ。

この曲だけでワンランク上の夏にしかねない、圧倒的な一曲。

 

8.311 'Hey You'

伝説的なサマーミクスチャーバンド、311のグルーヴィーなナンバー。

レゲエのダブさはベースに漂いつつ、ギターのエッジの重力がかかり、そこを泳いでるかのようなニックのボーカルがタイドに乗る。

サマーグッドメロディの一つの間違いない必殺の型は、この夏いつでも聴けるようにしといた方がいい。

 

9.Smash Mouse 'Why Can't We Be Friends'

90sレジェンドのミクスチャーダブバンド、Smash Mouseのキラーチューン。

入り乱れて誰もが踊るサザンオールスターズ的なロックサマーパーティーチューンは、僕より一世代上のおじ様達を直撃した。

絶対的なダブでポゴなリズム感は、どこまでもキャッチーで今クラシックに鳴るのも頷ける夏の定番チューン。

 

10.Sublime 'What I Got'

こっちも伝説のスカパンクバンド、SUBLIMEのホットチューン。

ヒップでホップなリズム、タイドに流れるアコギのグルーヴに味のあるサマーレイドな声。

ブラッドの声は完璧に夏を体現していた。

非業の死で時を止めてしまったバンドだが、全く夏ってのが変わらないからこそ、どこまでも自由に響き続けられる。

 

11.Sugar Ray'When It's Over'

世界屈指のビーチバンドSugar Rayのサマーチューン。登場人物かなりみんなセクシー。

この曲をサマソニのビーチステージ、夕暮れ時で聞いた時の光景は一生モノで毎夏思い出す強烈な絵だった。

超滑らかなナチュラルな肌触りの優しく降り注ぐグルーヴ。

ダヴなボーカルで音に乗りやすい陽性なビーチチューンは夏のエロスもほのかに香らせるアダルトな魅力。

 

12.Fauntain Of Wayne 'Stacy's Mom'

世界一のメランコリックパワーポップバンドFountains of Wayneのリードトラック。

友達のお母さんがエロ過ぎるんだ…!という煩悩にまみれた少年の心を赤裸々過ぎる程に描写した最高の歌詞。

これまた夏らしい光景だし、ビタースウィートなギターサウンドとチルな歌声がセンチメンタル&ポップネスを保って混ざるサウンドも実に名曲。

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13.The White Stripes 'Hotel Yorba'

セブンネーションアーミーでサッカー界にも永遠に残りそうな世界最高のガレージロックバンド、The White Stripesのホットチューン。

全く気合の入ってないメグの顔で分かるように、超絶ラフなカントリーサウンドが無邪気にかき鳴らされるナチュラルな鮮やかさは味わった様で味わっていない類のオルタナさ。

カラッとしながら、吸うだけで焼け付きそうな空気も感じさせつつ、どこまでも爽快な聴きざわりは彼らの妙技だ。

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14.Red Hot Chili Peppers 'Give It Away'

現代ロックの王者のひとつ、Red Hot Chili Peppersのキラーチューン。

夏らしいトラックばかりで難しいけど、空間を歪めるほどの暑さ溢れるこの曲に。

ピーカン照りの元ビンビンに弾け、ねじれまくったファンキーなグルーヴがめちゃくちゃに絡んで拳を突き上げたくなる。

暑さで頭がおかしくなりそうなら、なっちまえばいいじゃねーかって解決法がレッチリ流だ。

 

15.Third Eye Blind 'Semi Charmed Life'

 

オルタナティヴロックの金字塔を作ったThird Eye Blindの誰もが知るアンセム。

いや、夏に限らずどこにだって合うだろ。

でもやっぱりこの何百年経っても色褪せない爽やかなグルーヴは夏にこそ映えさせたい。

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16.The Libertines 'Don't Look Back Into The Sun'

2000年以降の最高のロックアイコン、The Libertinesのド名曲。

夏ってのは酒にも、それ自体にも酔わないと楽しくない。

ヨレヨレでも途方もなくロマンチックなギターと、酩酊してるピートの声で生まれる至高の陶酔感は、夏のギラギラと相まって危ないぐらいハイになっちまう。

めちゃくちゃになりたい夏におすすめ。

 

17.ASIAN KUNG-FU GENERATION '藤沢ルーザー'

多分一生夏が来ると想い出すだろう忘れられない恋の思い出のあるASIAN KUNG-FU GENERATIONのロックナンバー。

ディストーションの効いたギターはロックにクールに渦巻くアジカンギターの粋。

ゴツゴツとラフに刻まれたロックサウンドが、デカい音塊になってこっちに放り込まれるような爽快感。

趣き深い歌詞の味わいが情景を思い起こさせるのを助けるのも日本語詞のいい所。

神奈川県を誇る名曲は日本屈指の夏の光景に抜群に合うサーフパンク。

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18.Descendents 'One More Day'

イーストベイパンクの伝説Descendentsの鮮やかなパンクチューン。

ボードウォークを吹き抜ける潮風の様に爽やかで、吸い込まれそうなくらい眩しいメランコリックなパンクサウンド。

まるで自分を癒すかのように穏やかで優しく言葉を紡ぐマイロの声は、夏の宝物みたいな光景に出くわした時涙が出そうなくらい心を震わせる。

 

19.MONOEYES 'Two Little Fishes'

MONOEYESのこの曲は、きっと一生モノになる予感がビンビンだ。

ドライヴィンでアンセミックなギターメロディーが空高く溶け合い、キラキラした水面に飛び込むような最高の爽快感。

魔法的なポップネスなメロディーと、ロックサウンドの引力は、穏やかに夏を感じさせながらぎゅっと心の琴線を締め付けるのだ。

この夏はこの曲と過ごすと何度も決めた、間違いのないアンセム感は僕の人生にも残った。

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20.All Time Low 'Damned If I Do Ya (Damned If I Don't)

ポップなパンクをシーンの最前線で昇華しつづけるAll Time Lowのポップロックナンバー。

どイケメンで陽性のキャラクターで、あざといくらい格好良くても、どうしても抗えないキラッキラのポップネス。

アレックスのボーカルの見事なアイコンぶりも、ここまで一体感のある潤ったサウンドも彼らのスタイルが結実したようなビックロックチューンだ。

バカみたいに高い空をどこまでも染める、伸びやかでド陽性のポップネスは夏を彩るにふさわしい。

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21.No Use For A Name 'Dumb Remiders'

どこまでも青く、その色は永遠になったパンクバンドNo Use For A Nameも夏は必聴。

突き抜けるようなメロディアスなパンクサウンドに、柔らかく馴染む暖かいトニーのボーカル。

サラリと肌に馴染む爽快感と、淡く心に染み入るメランコリーの両面性を持ったメロディーだから、いつどんな夏の光景にも優しく寄り添うのだ。

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22.Bodyjar 'One In a Million'

オーストラリアンポップパンクバンドBodyjar

恐れること無くまっすぐなポップパンクサウンドは抜群の信頼感を伴って青空に映える。

虹がかかったような鮮やかなメロディーラインはポップパンクのロマンチシズムをまるっと体現してて、夏の情景にもぴったり。

 

23.Sugarcult 'Stuck In America'

大好きなSugarcultのアツいポップパンク。

キャッチーさ漲り文字通り突き刺す様な、このくらいのわかりやすさがポップパンクの夏には必要。

劇的に爽やかなクリアバンドサウンドには、暑い夏にスーツ着てようがバシッとキマるだろうスタイリッシュさがある。

彼ららしい、程良く混ざったスモーキーなエッジの濃さも、ちょうど良く爽やかさを際立たせる。

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24.Yellowcard 'Miles Apart'

バイオリン擁するメロディックパンクバンドYellowcardのポップパンクチューン。

オレンジ色のギターサウンドに眩いライアンのハイトーンボーカルと美しいコーラスにトドメのバイオリンの旋律。

美しくもポップパンク的なインスタントな魅力も抜群で、どこか賑々しい火を点けられるナンバー。

 

25.Sum41 'In To Deep'

バンド名の由来すら夏のSUM41からキラーチューン。

サマーもあったけどこっちが夏に映えて良く聞く。

冒頭からフリーキーなバンドサウンド、あちこちで火がついて、小さな波が大きくなってく様に巨大に盛り上がるサビと引っ掛かりやすいキャッチーな展開。

スイング気味のギターサウンドはキャッチーでもささくれてる彼ららしさ。

飛び跳ねる様なリズムに太陽の様なデリックの声が懐かしく眩しい。

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26.The Ataris 'The Boys of Summer'

ポップパンク界で最もエモく、圧倒的な人気があったThe Atarisの代表曲。

ドン・ヘイリーのカバー曲でありつつも、彼らのエモーショナルを完璧に弾けさせた力強くアツい熱風は迫力満点。

夏には哀愁多めかもしれないが、こそ汗が迸るような疾走感はジャストだ。

 

27.NoFX 'Bob'

インディーでパンクな世界の中心にいるNoFXのダヴなパンクナンバー。

アグレッシブにロウに屈指のパンクソング。

暴力的な熱量もありながら、フリーキーにダブに転調する西海岸らしい痛快な自由さ。

トランペットが実に涼しく響くのが、夏らしい。

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28.Rancid 'The 11th Hour'

生涯パンクスを貫くRancidのキラーナンバー。

パンクスの夏の過ごし方はこれがきっと正しいと思わせるオーセンティックなパンクスタイル。

湿度ゼロの風通しのいいパンクメロディーに、ザラつきがクセになるパンクボーカル。

ラフに小気味良く、畳み掛けるような痛快なサマーパンクチューン。

 

29.Simpleplan 'Vacation'

僕らのポップパンクバンド、Simpleplanのレアサマートラックチューン。

映画内で本人役で出た時のトラックで、ライブアルバムのボーナストラックに入っていた。

曲名通り夏のバケーションを彷彿とさせる夏らしい溌剌なポップパンクナンバー。

映画がコケて、日本での公開がなくなったというレアっぷりも、シンプルプランが走り続けている今絶妙に鳴る。

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30.B-DASH '平和島'

夏の匂いに溢れるB-DASHのサマーチューン。

この土っぽさ田舎っぽさとゴンゴンの優しくファニーな声の不思議と暖かいグルーヴ。

加速してからも透き通った夏の香りを感じるメロディーがコアに残って、心に突き刺さる。

アスファルトなんかじゃない道を歩きたくなる、シンプルで眩いメッセージは、きっと何年経ってもいつまでも心に残る。

 

31.ガガガSP '線香花火'

個人的にあんまり青春パンクは好きではないがそれでも当時を強烈に思い出し、とてつもない夏の力を感じるガガガSPの名曲。

一生耳に残る系のガリガリとささくれだった甲本ヒロト的な日本パンク情緒あふれるボーカル 。

一切振り返らないと決めたハイスピードなパンクサウンドに、実直でナードで暑苦しい歌詞が、実にいいじゃないか。

僕ら世代にはたまらなく懐かしい一曲。

 

32.THE HIGH-LOWS ’夏なんだな’

日本のパンクレジェンド、THE HIGH-LOWSの直球サマーパンク。

伸びやかなギターサウンドのポップなパンク。

キラキラしていた夏の日本の田舎風景を無邪気で純粋な日本語で描くレトロでタイムレスな世界。

ロックンロール的なリズムがそんな野山の風景に丁度よくハマる。

聴き終わったとき少し切ない心地とちょうど歩き出せそうなエネルギーが残る。 

 

33.Sandy Beach Surf Coaster 'SOS'

知る人ぞ知る女性ボーカルメロコアバンドSandy Beach Surf Coasterのサマーナンバー。

陽光に包まれるような眩しいギターメロディーが、十分にエッジの効いたメロコアビートに引っ掻き回される。

一見似つかわしくないくらい耳に鮮やかなチルなボーカル、これは心を掴むに絶好のファニーさだ

知らない人は是非知ってほしい夏らしいバンド。

 

34.Ken Yokoyama 'Summer Of '99'
Summer Of '99

Summer Of '99

  • Ken Yokoyama
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

KEN YOKOYAMAのパンクサマーソング。

1999年。僕は小5だ、サッカーしながら1つ上の女の子に恋をしてた頃だ。

そういう光景を思い出すスイッチを押される郷愁パンクサウンド。

熱い渦を起こすギラギラのダイナミックなパンクギター、すぐケンのギターとわかる記名性はアツい夏にこそ信頼感持って心を預けられる。

儚げな声、アツい熱風の向こうにあるノスタルジーが滲むのもケンならではの味。

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35.Green Day ’Nice Guys Finish Last’

最後は永遠のポップパンクヒーロー、Green Dayからニムロッドのキラーチューン。

思えば底抜けに明るい瞬間があるわけではないけど、最初から最後までマキシマムに走り抜ける淡々とした圧巻のパフォーマンス。

メロディアスなフレーズを散りばめて、可能な限りレイドバックしたファストなサウンドは、彼らの巧みさに他ならない。

湿度ゼロの、どこまでも青い空が似合いのグリーンデイサウンドの一つの型だ。

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陽性の35曲 次は涼の曲

以上35曲の陽性のロックソング。お楽しみ頂けていれば幸いです。

夏は想いを馳せるというか、昔を思い出す再開の季節でもある。

クリスマスの甘い想い出より、ほろ苦い夏の想い出の方がなぜ色褪せないんだろうか。

多分、それが夏の良い所、あんまり昔と香りも光景も変わりがないからなんだろう。

素晴らしい音楽とともに、今年も8月がはじまった。

皆様の夏が少しでも素晴らしいモノになりますように。

 

それでは次は涼のサウンドトラックで。

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【洋楽コラム】いつだって僕を救うのはGREEN DAYだ

GREEN DAYとブロッコリー

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皆様はストレスが溜まった時、お決まりの解消方法はありますか?

 

どうしたって、どうすりゃ良いかわからない時がある。
やる事やってるだけなのに、妬みとかやっかみが降り掛かってきて過敏になってストレスで鼻血が出る。
体動かして忘れようと思って、ボール蹴ってもまだ50%くらい晴れない。
腹減った。
どうせなら、なんて思って’ストレスにいい食べ物’なんて初めて検索してみた。
緑黄色野菜を生でかじりつくのがいいらしい、特にブロッコリー。
ココらへんで、ヤバイなオレ、と思いつつ最寄り駅についたので、家帰ってグリーンデイを聞こうと思った。
'Warnig'からがいいな。
 

Warnig

 
パニック障害だったりセックスだったりマスターベーションだったり、もっとどうしたら良いかわからないボーディーな日常を、ゆるくも反逆的に、ポップでパンクに歌った彼らグリーンデイ。
その身近なヒーロー感で誰にもフェイバリットなバンドとなり、僕らを救ってきた。
硬軟使い分け、ドラマチックにもナチュラルにもなる、ビリーの声は他のどのボーカルよりも内省的に刺さる。
3人の叩き出すサウンドは、真っ先にどんな姿で彼らが演奏し歌っているかが目に浮かぶアンセミックでシンボリックなものだ。
1回聴いても爆発的な衝撃なのに、もう何万回と聴いても色褪せず、単純明快なメロディーは全く違和感のない親しみやすさとして、ある日突然口ずさんだりしてる。
そんなグリーンデイは、苦しい時にこそ彼らに立ち戻りたいと思える心のバンドだと言っていい。
 

Basket Case

 

本当に凄いバンドだ。
ちょっと最近大人しいけど、十年以上前からロック界のアイコンであり、きっと僕みたいなフォロワーは世界中にいる。
1994年’ドゥーキー’の時は7歳だが、2000年’ウォーニング’で12歳、2004年’アメリカン・イディオット’で16歳の僕も十分グリーンデイ世代って言っていいだろう。
最大の真骨頂のポップなパンクも、サーフなムードも香らせるポップ・ロックも、フォーキーでオルタナティヴなメロディーも、余りにも簡単に僕を踊らせインスタントな瞬間着火式にロックンロールを香らせる。
めちゃくちゃどうしようもない内容でも、センチメンタルでエモーショナルな歌声は荒んだ心にダイレクトにヒットするし、必ず何処かにあるユーモアが笑顔にしてくれる。時に哲学的ですら有るからもちろん油断できない。
こうやって僕の世界がグリーンデイで染まるまで、何曲もかからない。
それも僕は知っていたからこそ、今日こそそうだと思った。
毎日聞こうがそりゃ響くが、そいう話はちょっとずるくて、もっと深くのめり込ませてくれるのは、自分がやられちまいそうな時だ。
いつだって僕を救うのはグリーンデイなのだ。

Waiting , Good Riddance

1987年から生きてれば、好きなやつもぶっ飛ばしたいやつも大勢出て来る
ぶっ飛ばしたいやつが良く頭に浮かんでくる時はウォーニングな時期だ。
グリーンデイの身近さの本質は、きっときっと彼らもおんなじ様なテンションの反骨の思いでこの曲達を作ったんだろうなって思えるとこにある。
でも彼らはそれを音に載せ、いつの間にかそんなおんなじ環境のやつを、あっさりと前向かせてる。
そこが格好いい。 
凄いことなんだけど、その身近さで彼らのようになりたいとかイメージしやすい、心強さも同時にある。
自らギター持ってとかでもいいけど、それぞれがそれぞれなりにグリーンデイの歌に自己投影して、何かやりゃいいのだ。
少なくともこんなこと考えてる間は、僕の部屋の中と頭の中はグリーンデイで一杯で、それはそれは幸せな時間だった。
 

ちょっと緑色の僕は、無敵

 
サブスクリプション全盛の昨今、データ通信環境もギガモンスター級で、どこでも何時でも流しっぱなしで音楽が聴ける。
意外とじっと、聴いたことは少ないかもしれない。
まっすぐ向かって、その音楽の事にだけ没頭する。それこそストレスゼロの瞬間だったのだ。
死ぬほど野菜食べるより、ちょっと今の僕は緑色だろう。
このラッキカラーで身体が覆われてる限り、多分無敵だ。
 
想いにふけるままに書いたコラムシリーズ。
お読み頂きありがとうございました。
それではまた別の記事で。
 

The Raconteurs 'HELP US STRANGER'とロック音楽に想いを馳せる【ラカンターズ】

ディスクレビュー!ジャック・ホワイト、ブレンダン・ベンソン率いるロック界の巨星ラカンターズが11年ぶりの3rdアルバムは、盤石で圧倒的なロックアルバム❕

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White Strypsで彗星の様にシーンに表れ、革新的で伝統的なロックを鳴らし天才の頂きでロック音楽を牽引し続けるジャック・ホワイトと、穏やかで甘い唯一無二の歌声と、オルタナティヴでナチュラルなメロディーを武器に活躍しているブレンダン・ベンソン

アメリカ南部、デトロイトが同郷の2人が、同じくデトロイト出身のGreen Hornsのリズム隊と結成したオルタナティヴロック界きってのスーパーバンド'The Raconteurs'

数十年前から瀕死だったロック界において、初期衝動的でありつつ異様な程のクオリティのロックを叩き鳴らし、2006年1stのリリース直後からそのオーセンティックさで圧倒的な支持を獲得する伝説のバンドに瞬時になった。

2008年2ndの名盤ぶりも今でも記憶に新しいロックファンは多いが、その後は各々の活動に戻り、その2枚のアルバムを残しラカンターズはもう伝説のまま額縁に入れられたのだと思っていた。

当時ライブに行きそびれた僕は、また一生見れないバンドが増えてしまったと、ヘヴィにラカンターズを聴きつつ悔やんだ10年間を過ごしていた。

 

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そんな2019年初め。

突然シングル曲をリリースし、更には単独公演決定&NEWアルバムも制作というニュースが飛び込んできた。

声にならない声を上げ、嬉しさを抑えきれない日々を過ごし、圧巻のライブを会場で見れた事は早くも今年1番の思い出だ。

そのライブでも何曲かこの3rdアルバムからの楽曲も演奏していて、このアルバムのリリースもめちゃくちゃ待ち遠しかったが、ついに6/21にリリースされた。

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超強力なロックアルバム。

その強烈であり味わい深い印象は1stとも2ndとも何も変わっちゃいない。

彼らのルーツであるアメリカの南風に乗せた、荒野の真ん中でどこまでも空気を切り裂く様なギターは、一発でこれがロックなんだと分からせるアジテートだった。

まるでロックの無い世界の荒野で彼らだけで鳴らしているようで、都会の真ん中でAir Podsで鳴っている事に全く違和感のない、超越的本物感。

ロックが終わっちまうんじゃないか、と不安になる昨今、このアルバムは大いなる勇気をあまりにユージュアルにくれたのだ。

そんなロックアルバムに想いを馳せます。

 

 

The Raconteursの2ndアルバムに想いを馳せた記事はコチラ

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The Raconteurs 'HELP US STRANGER'

 


The Raconteurs - "Help Me Stranger" (Official Music Video)

あまりにもナチュラルに聴きやすく、それでいてロックならではの鳴りと揺れのグルーヴを醸すタイトルトラック'Help Me Stranger'は、日本の千葉のレトロな街でMVを撮ったらしい。

このメンバーに街で会ったら顎外れるくらい口が塞がんないだろうな。

そんなチープな想いを馳せたくなるくらいナチュラルに、ロックのアンナチュラルが響くから、このアルバムはモダンで全時代的なのだ。

 

ロックが終わるかもしれない時、救世主は人知れず現れる。

それが彼らと言ってしまうのは簡単だけど、それさえ彼らの的を射てないんではないか。


The Raconteurs Perform 'Bored And Razed'

確かに、無骨さとモダンさを同居させたオープニングトラック'Bored And Razed'の様に、引力は抜群。

無骨なほど即興的でありながら、激しく甘い。

彼らの表現力の高さとカリスマ性が、余りにレベルの高いアーティフィカルなものになって、ド迫力の音圧と同時に耳を掴む。

この堂々としたロックのパワーを、彼らはあまりに自然に慣らしてみせるのだ。

 

ロックが瀕死だとか、そういう切迫感はない。

アメリカ南部のデトロイトでロックを聴いて育った彼らには、余りにも普通で世界でロックが終わろうと、俺達はこれを選ぶけどね、っていう超自然発生的な余裕がある。

元々ラカンターズというバンドもそういう側面がある。

ジャックとブレンダンの気ままな創作から、あらゆる事が形になっていく初期衝動的な楽しさ。
だからこそお互いが火が点いた時の振れ幅はとんでもないし、ラカンターズをそういうバンドだと初期衝動・2ndを経てわかっているからこそ、ジャック・ホワイトはソロの曲作りの際にラカンターズの為に残した曲もあったらしい。
 
ロックの楽しさが詰まったリフに、着いてこい歌おうぜっていう挑発的でセクシーなボーカル。
穏やかに破顔的な展開の中で、サイケに燃え盛る瞬間を自然に盛り込むバカ格好いいメリハリを産むシングルトラック'Sunday Driver'の様に、時代に背きすぎて奇を衒う事なんか一切なく、堂々と圧倒的に制されてそして自然と捻られたロックが鳴るのだ。 
 
耳に飛び込んでくる鮮やかなツインボーカルは挑発的で絡みつくセクシーさ。
お茶目なブレンダンと、ちょっとぶっ飛んだジャック。
どのメンバーも千葉の町中にいたら、えっ?と振り返るオーラ。
曲に合わせて姿を変えるギターサウンドとの、美麗なハーモニーの音楽的興奮と爽やかさはここにしかないと確信できる。
オーセンティックなレトロな趣向があって、泥臭くも鮮やか。
決してポップではなくとも、ドンっとパワーのあるメロディーになる。
彼らの魂が、本質がロックにあるのだ。
それをこの達人達が、カントリーもブルースもプログレもサイケも、ギターもピアノもコーラスも、あらゆる深みを使って、ストレートにロック方向に混ぜ合わさった至高の1枚。
今回も冴え渡ってる途轍もないケミストリーは、ロックがこの世から無くなろうが、こここそロックの宿る場所として残り続けるのだ。
 

ロックとは

何回目かのリピートを終えてふと思うに、ロックは酒みたいなものだ。

組み合わせたらカクテルになるし、そこは甘いも激しいも自在だ。
独創的な料理の元になることもあって、でもどんなに形が変わっても、それを感じることが出来る。
そして通な奴ほどそのまま飲むのだ。
国が禁止しようが、誰もが隠れて飲んでいた。
 
それこそジミヘンが、ジャニスがそうだったように、そんな魅力とシンクロするような色気が、このアルバムにもあるのではと思うのだ。
是非聴いてみて下さい。酔えるぜ。
 
それではまた別の記事で。
 
HELP US STRANGER

HELP US STRANGER

 

 

雨に合うロックソング20選-20rock songs for a rainy day【雨に唄えば】

雨とROCKを結ぶ20曲 2019年6月リライト

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梅雨である。雨の季節である。

という事でブログのテーマになる企画、音楽とサッカーの橋渡しfootballsoundtrack番外編、雨に唄えば編をお送りします。

 


Creedence Clearwater Revival: Have You Ever Seen The Rain?

 

数々、雨をテーマにしたロックな名曲がある。

雨って言っても種類は色々だ。

土砂降りから小雨まで、或いはもっと広く光景を捉えれば雨上がりの表情や虹だってだって一部だ。

雨のお陰で、何か想いを馳せられる事も多い。

そんな雨とロック音楽。

鮮やかに雨の情景を描いた美しい曲、雨を見つめながら物思いに耽るような思慮深い曲、雨でも変わらず明快にバカやりたい曲….雨をどう捉えるかもバンド次第。

雨の日外を歩きながらだったり、窓の外の雨を眺めながらだったり、雨の中で傘差さないで踊りながらだったり、雨上がりの匂いを感じながらだったり。

そんな雨に映えるオルタナティヴなロックソングを1987年生まれ的に厳選しました。

TravisもOasisもFoo FighteesもBeckもWeezerもNUFNも、ELLEもアジカンも斉藤和義も美しい曲で雨に唄ってみるソングリスト。

是非聴きながらご覧頂き、素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

  • 雨とROCKを結ぶ20曲 2019年6月リライト
    • サッカーに合うロック音楽❕フットボールサウンドトラックはコチラ!
    • 1.Travis 'Why Does It Rain On Me'
    • 2.Oasis 'Champagne Supernova'
    • 3.Weezer 'Say It Ain't So’
    • 4.Red Hot Chili Peppers 'Naked In The Rain'
    • 5.Green Day 'Brain Stew'
    • 6.Beck 'The Golden Age'
    • 7.Eric Clapton 'Let It Rain'
    • 8.Hi-STANDARD 'Have You Ever Seen The Rain'
    • 9.Foo Fighters 'Everlong'
    • 10.Nirvana 'Polly'
    • 11.MXPX 'Rainyday'
    • 12.Blind Melon 'No Rain'
    • 13.the HIATUS 'Ghost In The Rain'
    • 14.ELLEGARDEN 'Raindrops’
    • 15.ASIAN KUNG-FU GENERATION ’或る街の群青’
    • 16.斉藤和義 '破れた傘に口づけを'
    • 17.the pillows 'ハイブリッド レインボウ'
    • 18.The Swellers 'Rain Check'
    • 19.No Use for a Name 'Chasing Rainbows'
    • 20.Audioslave 'Shadow on the Sun'
    • 雨に唄えば。

 

サッカーに合うロック音楽❕フットボールサウンドトラックはコチラ!

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1.Travis 'Why Does It Rain On Me'


Travis - Why Does It Always Rain On Me? (Official Video)

僕らの世代が、未来に誇るイギリスロックの良心Tarvisの伝説のレイニーチューン。

フジロックでもグラストンベリーでも、まさに曲が始まろうかと言う時に雨が降り出したという、寓話みたいな伝説を持つ1999年発表のこの曲の内容は、そんな凄みとは対照的に優しく穏やかなユーモアに満ちている。

柔らかいテンポと物憂げなメロディー、そしてノスタルジックに広がるフランの声。

元々はボーカルのフランが自身の雨男っぷりにうんざりした所から生まれたリリックも、まるで自分にだけかのように振り続ける雨を、ため息付きながらテンダーに見つめられる温かさがあるからこそ、自然と溶け合うのだ。

心が弱くなっている時、一生晴れないのかもしれないという孤独な想いと、薄明るい雨の情景を見事に歌いきった稀代の名曲。

何十回と雨の日に聴こうが、また雨が降れば聴きたくなる奇跡の一曲である。

 

2.Oasis 'Champagne Supernova'


Oasis - Champagne Supernova

Oasisの中でも指折りの名バラードも雨に合う。

1995年の2ndアルバムに収録、それ以降彼らの曲の中でも特別な曲で有り続けてきた。

最初に聴いた時はこんなメロディーのいい曲、伝説の誰かのカバーに違いないと思った、というオアシスあるあるの1つでもある。

まるでスローモーションで雨粒が落ちていく光景を浮かべられる、アンニュイさを濃密に醸す、でもどこか自然体に美しい浮遊感を持つ。

オアシスの空間を染め上げるレベルのグッドギターメロディーは支配的で、その中央で1ミリもブレないリアムのボーカルに掴まれ、降りしきる雨の中、この世界に彼らと僕らしかいない様な空想に包まれる。

こういういつの間にか全ての景色が、鮮やかに色づいていく様は名曲にしかない特権だ。

全くの造語だと言う’シャンパン・スーパーノヴァ’が空に、というフレーズもどこか雨模様とリンクさせても面白い。

 

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3.Weezer 'Say It Ain't So’


Weezer - Say It Ain't So

WeezerのNo1キラートラックは、くもり空にこそ映えるのだ。

1994年1stのブルーアルバムに収録されて以降、オルタナティヴパワーポップの金字塔として愛され続けるナンバー。

世界一物憂げでメロウなギターリフが流れれば、溺れる程のメランコリアに包まれるウィーザーワールド。

そのリフを中心に、メロウでポップな瞬間を散りばめつつも、曇った憂いを伴いながら妖しく進むサウンドは、切なすぎるフックを持つ。

曇天を裂くような雷鳴の様なノイジーなギターカットに頭の中のコードを外され、不安定さを孕んだ心模様と雨雲の曇天がリンクする様で胸が熱くなる。

もちろん、雨じゃなくても映えるが、Weezerサウンドという特性が活きる、暗く気分を落としそうな雨模様の時にも聴きたい1曲。

 

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4.Red Hot Chili Peppers 'Naked In The Rain'


Red Hot Chili Peppers- Naked In The Rain

トンデモグルーヴィーなRed Hot Chili Peppersのレイニーソング。

1991年の名盤ブラッド・シュガー・セックス・マジック収録。

立体的で複雑に絡み合う情熱的なサウンドラインと、強力なフックの聴いたメロディー。

雨の中でもいつもと変わらず裸になって狂った様に踊る、ハチャメチャな衝動感は終始曲を彩る。

どこか何時ものカラッとした音だけでなく、湿度の高さを入れ込めるのもレッチリの表現力ならでは。

 

5.Green Day 'Brain Stew'


Green Day - Brain Stew/Jaded [Official Music Video]

Green Dayの初期のオルタナティヴなロックチューンも降りしきる雨の中で聴きたいと思える。

4thアルバム’Insomniac'から1995年にシングルカットされた、’Jade’とのメドレーナンバー。

ローファイに歪ませたギターリフとビリーの声で’眠りたいけど眠れないんだよ’と始まるタイドな1曲。

ぐちゃぐちゃの脳みそ、というタイトルの通り、頭の中が整理できないままベッドの上で怠惰に時間が過ぎていく様子を歌ってる。

キャッチーなサウンドが武器でありながら、時折みせる深い陰りこそ彼らの魅力の真髄で、混乱した頭の中をオルタナティヴなロックサウンドで見事に表現し切る。

雨の中、一歩も外に出たくない日に、ずっと家で聴きたい1曲。

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6.Beck 'The Golden Age'


Beck - The Golden Age

オルタナ宇宙人Beckのアコースティック・フェイズの名曲。

Beckの創作パターンでミクスチャーパンク的な作品とアコースティック的な作品を交互に発表するというパターンがある。2002年発表のこの曲は、そのアコースティック的側面の最高峰だ。

アコギの自然な音が漂う穏やかなフィーリングに、浮遊的で幻想的なエコーをかけるデジタルな味付け。

コズミックに宇宙的な聴き心地は、普通の雨だって違うように見えてきてしまう音楽の力。

ベックの声は非日常を彩る大事なファクターなのだ。

 

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7.Eric Clapton 'Let It Rain'


Let it rain- Eric Clapton.

人類の誇るギターレジェンド、Eric Claptonのギターポップ的名曲。

1970年、もう50年前の曲とは思えないほど完成されたメロディー。

ビートルズかと思うほどキャッチーに跳ね上がるポップネス。

クラシックな曲ほど、雨を楽しむ余裕を感じる。

雨を愛に例えるあたりがニクい。多分一生そんな事僕には言えない。

魔法にかけられたように羽根のように軽やかで浮遊感あるドライヴィンなギターは、カラフルに雨の色を変えていくのだ。

 

8.Hi-STANDARD 'Have You Ever Seen The Rain'


Have you ever seen the rain

CCRの名曲はHi-STANDARD得意のカバーでパンクになった。

数々のバンドやアーティストにカバーされる雨の名曲、1997年の'Angry Fist'収録このカバーも名カバーだ。

パンク色も色濃い中、抜群のメロディックセンスでしっとりとした感触もきっちり残す職人技。

相変わらずロックへの深い愛を感じるリスペクトに溢れたパンクカバーだ。

彼らの陽性のオーラはカバーにおいても変わらずに、雨だけど晴れやかにするパワーも持っている名曲。

 

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オーストラリアのロックバンド11選-世界の中心でRockを叫ぶ-

世界の中心から鳴るロック

楽園的なイメージと洗練的なイメージが共存するオセアニアの大っきな島・オーストラリア

世界第6位の面積の国土には、最近パソコン開くと出て来る「気に入りましたか?」みたいな壁紙にいつか出てくるだろう、美しいグレートバリアリーフと巨大なエアーズロック、最先端のスタイリッシュ建築まで揃っていて、雄大な自然と多様な文化が混ざり合う大陸らしい独特で強靭な風土の国になっている。

豪州という呼ばれ方が国名の略称の中でもトップクラスに心地いい。

だから行ったこと無くても凄く存在感がデカイ外国なのだ。

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オーストラリアといえば何を思い浮かべるだろうか?

行ったことがない1987年生まれの僕からしたら、ベタにコアラだカンガルーだから始まり、長澤まさみが世界一可愛かったセカチューのエアーズロックだ、テニプリがビームとか出す前の超初期のオーストラリアンフォーメーションだ、水曜どうでしょうの縦断だ、中田がPK外した黄金世代のシドニー五輪だ、と色々浮かんでくる何かと気になる国。

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そしてロック音楽大国なのだ。

地理的に文化の結節点となり、あらゆるミュージックカルチャーが大胆に吸収され大陸的であり、独自のロックカルチャーの流れを自然と汲むバンドたちは、絶妙な存在感で僕の心に刻まれる。

一見するとわからなくて、あのバンドそうなんだ、と思うこともあるクオリティの遜色の無さもありながらも、大陸的なオルタナティブさが雄大に作用して世界のロックシーンを引っ張るバンドが出て来る事もしばしば。

今回はそんなバンドを1987年生まれロック好き的に11個選んでみました。

雄大さと自由さが上手く醸造されて、実に味わい深く力強いロックのキレの良さ、フジロックも御用達でアップルがiTunes関係のCMでも乱起用したりと世界もほっとけない輝きを放つのだ。

行ったこともないが、何かと僕らの目に耳に飛び込んでくる巨大なオーストラリア。

こういう音楽の聞き方もある、今回はオーストラリアという地域に区切ってのロックコラムだ。

素敵な暇つぶしになれば幸い。

 

 

その他のバンド・カテゴリー集はコチラ!

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1.AC/DC

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オーストラリアンロック最初の開拓者にして、世界的なレジェンドになった超巨大バンド。

1978年のアルバム'Back In Black'は世界で5000万枚を超える天文学的な売上で、その上を行く売上は歴代でもあのマイケル・ジャクソンのスリラーしか存在しない。

つまり史上最も売れたロックアルバムを作ったのは、オーストラリアのバンドなのだ。

もじゃもじゃ半ズボンのアンガス兄弟のリフを中心にした音は、無骨で強力なハードロックサウンドでありながら、エネルギッシュで色気があって実にキャッチー。

かなりパンクなバンドのバイオグラフィーの中で、メンバーチェンジが多くともブレないぶっといロックスタイルは大きな自信に満ちていた。

パンクロックビックバンをデコピンで弾き飛ばす程の、桁違いのロックパワーでロック界で最もオルタナティヴ=パーフェクトなまま頂点に居続け、ロックのオーソドックスさを強靭に叩き上げる精神とパフォーマンスは世界中のバンドの敬愛を集めてきた。

'Back In Back'の人類史上最強のロックリフに電撃を浴び続ける限り、きっとこの世からロックは不滅なのだ。


AC/DC - Back In Black (Official Video)

 

2.The Vines

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そのAC/DC以来、オーストラリアのバンドとして20年ぶりにローリング・ストーンズ誌の表紙を飾った純度100%のロックアイコンThe Vines。

Nirvana meets Beatlesと称された、今にも壊れそうな荒々しさと今にも壊れそうな美しさが、爆発寸前で同居するサウンドがどこまでもナチュラルに鳴っていたパンクさ。

オーストラリア史上最高にパンクなフロントマン、クレイグ・ニコルズのキャラクターに大きく左右されたバンドは、不安定で破天荒で、そして苛烈で世界で一番カッコ良かったのだ。

再びオージーロックから世界を制すと共に、00年代ガレージロック・リバイバルの大陸からの担い手として、ロックそのものを救ったんじゃないかという稀代の評価を得る時代性を越えるバンドだった。忘れたくない大好きなバンド。

'Ride'はipodのCMでも使われたキャッチーで攻撃的なギターロック。

'Outtathaway'の緑のパーカー姿は一生目に焼き付いているほどアイコニックだ。


The Vines - Ride

 

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3.Jet

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’え?これカバー?’と頭が考える前に身体が動き出す華麗なロックンロール、快楽度合いは天井知らずなそのビートをモダンに蘇らせたJETは、オーストラリアから世界にロックンロールの灯をつけた。

2003年アルバム'Get Born'の衝撃は強烈で、ガレージロックリバイバルとはこういう事か、ロックンロールが蘇るとはこういう事か、と瞬時に理解できるロックンロールの原初を鮮烈に色付けしたサウンドは、大げさでなく当時世界を席巻していた。

フジロックにはデビュー前にすでに出演していて実に親日なバンド。

オージー・インベイジョン・ツアーというツアーを前述のヴァインズと一緒に行っていた事もある近代オージーロック最重要バンドの1つ。

数々のタイアップと表彰を受け、ゴキゲンなロックンロールサウンド・似すぎとまで言われたクラシックへのオマージュとセクシャルなパフォーマンスで彼らの代表曲'Are You Gonna Be My Girl'は誰もがその再点火に歓喜した時代を彩るキラートラックとなった。


Jet - Are You Gonna Be My Girl

 

4.Living End

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現代のオーストラリアの国民的バンドで2000年代オージー・インヴェイジョン三銃士の1つにして最初のバンド。

1994年結成され、GreenDayのオーストラリア公演のサポートから火が点いたバンドで、パンクロックのアティテュードにロカビリーのエッセンスを取り入れたスタイルが抜群にキャッチーでオルタナティブだった。

ポップパンクブームとも少し一線を画される、クラッシュとかイギー・ポップ寄りのオリジナルなパンクのリヴァイバルに近い音、それも抜群の技術でタイトに鳴らされる彼らにしか出来ない=オルタナティブに繋がるバンドの理想形が彼らだった。

'Roll On'は彼らの味わいの詰まった看板の一曲。


The Living End - Roll On (Video)

 

5.5 Seconds Of Summer

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何故か毎回彗星の様に現れる今最前線を走るポップロックアイコン。

元々はYouTuberという現代らしい経緯もポップパンクの間口の広さ・裾野の広さを象徴する進化の証でもある。

ボーイズグループと勘違いされがちだが、ポップバンドとしてきっちり演奏するイケメン4人組だ。

ポップソングをカバーできる鮮やかなポップセンス、本人達もカバーしてたがAmerican Idiotが最初に買ったという世代が脈々とポップにパンクに時代の先頭に立つのは、イケメンだから、と腹が立つ前に普通に嬉しい。

億超えの再生回数を誇る曲も多いがやっぱりアメリカン・イディオットのカバーが彼らを象徴していて好き。


5 Seconds of Summer Covers "American Idiot" On The Howard Stern Show

 

6.DMA's

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2012年にシドニーから出現した3人組、天才オルタナティブロックバンド。

オアシスの再来と言う「またまた…」という触れ込みの斜め上を行く、超独自路線のオルタナ的ソングライティングセンスと、全く異質の良さながら触れ込みに存分に比肩しうるグッドメロディーぶり。

超メロディアスでタイドで、マッドチェスター?いやブリットポップ?あれREM?とさ、まざまな香りを香らせながらスルスルと掴みどころ無く雄大に鳴る不思議なポップ・ロック。

雄大過ぎるオージー屈指の素朴な才能のデカさは、初めて聴いた時からちょっと只事ではない感がずっとつきまとう。

'Your Low'は超絶タイドなグルーヴにマジカルなポップネスの絡んだキラーチューン。

ちなみにライブの時はバンドの人数が倍になる。


DMA's - Your Low (Live) - Vevo UK @ The Great Escape 2015

 

7.Silverchair

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1979年に生まれカート・コバーンの死で揺れた1994年に結成したオーストラリアの伝説的なバンド。

グランジを引きずる世界のド真ん中を撃ち抜くアツく重い曲を15歳にして作り、あっという間にオージーで世界で大成功を収めた。

サウンド・ガーデンやパールジャムや、もちろんニルヴァーナのアルバムと共に彼らが15歳で作ったアルバム’Tomorrow’はグランジ・ロック史に残る事になった。

こういう唐突もない突出した才能ってのも底の見えないオーストラリアらしい。

2011年の活動休止までグランジからポップネスを昇華した独自のサウンドデザインも賞賛を浴びたが、やはり'Tomorrow'のピュアで鈍く眩しいグランジの炎のような燦めきは何年たっても聴き続けたい。


Silverchair - Tomorrow (Video/Australian Version)

 

8.Bodyjar

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メロコア/メロディックパンク好きには外せないオージーパンク界の大物バンド。

世界中の数々のバンドが芽吹いたメロコアパンク旋風で、こうやってオーストラリアのバンドと出会えたのは嬉しい限り。

キャッチーでファストでメロディックなパンクサウンドは、どこか他のバンドより大らかで途轍もなく聞きやすかった。

きっとオーストラリアのパンクキッズが、こっからバンドやろうぜ、ってなるのが余りにも自然なロールモデルたる純然なポップパンクサウンドは確実に時代を紡いでいる。

'Not The Same'のキラーチューン辺りは世界的にクラシックスとして広まる、仮に知っていなくとも頭振れる超キャッチーなポップパンクソング。


Bodyjar - Not The Same

 

9.Local Resident failure

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オーストラリアのストリート・パンクシーンから世界に飛び出したパンク界隈では噂のバンド。

超気になっていたYouTuberのバンドなのだ。

ドラマーのKye Smithは元々ノーエフやブリンク、サムにグリーンデイと言ったパンクバンドからBECKやフーファイまであらゆるドラムをメドレー形式で叩きまくり大人気のYouTuberだった。

そんな彼のバンドもファットレック直系DIY精神に溢れるストリートなパンク。

Kye SmithのドラムカバーYou Tubeチャンネルも一見の価値あり。


Local Resident Failure - Around the World [Official Video]


Green Day: A 5 Minute Drum Chronology - Kye Smith [HD]

 

9.Wolfmother

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モジャ毛のロッカー、アンドリュー・ストックデイル率いるハードロックバンド。

70sを思い起こさせるエレクトリックでサイケに’魅せる’音でギンギンのハードロックを鳴らし、世界中から絶賛を浴びグラミー賞まで獲った。

寝かさられ良い感じに醸造された抜群のオーセンティック感はずば抜けてエロかった。

オリジナルメンバーはもうアンドリューしか残っていない。

'Love Train'もオージーロック大好きAppleのCMで使われ全世界で死ぬほど流された。


Wolfmother - Love Train (Official Video)

 

10.Tame Impala

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各方面から絶賛を浴びる現代最高のサイケデリック・ロックバンド。

70年代ラブ・アンド・ピースの時代だからこそ花開いたサイケデリックロックを、モダンに昇華させる神業的な音創りで、今世界最高にアーティスティックなバンドの名をほしいままにする。

陶酔感の深さとか、ドリーミーな世界感の支配力では現代では比肩するものがいない、魔術的で究極の自然的な’体験’となって身体に浸透していく。

凄すぎて怖くて、まだ深く聴いていない自分もいる。そんな自分も納得できる飲み込まれそうなほど深くデカイ時代を背負ったバンド。


Tame Impala - Feels Like We Only Go Backwards

 

11.John Butler trio

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オーガニックギターの神様ジョン・バトラーを中心に結成された神業ジャム・トリオ。

サーフ・ファンクを独自にミックスさせ、超絶技巧によって成る究極的にナチュラルなグルーヴは人類の財産。

ギター1本でコレだけの人を静まり返らせ、全く同時に心を動かせるのは今この人しかいないのかもしれないと思わせる、音楽の力を最も感じる人物は雄大なオージーの文化から生まれた。

フジロックのヌシでもある。


John Butler Trio - Ocean Live @Fuji Rock Festival '10


John Butler Trio - "I'd Do Anything" Live from Red Rocks

 

地球のへそで、ロックを叫ぶ

あらゆる音楽が混ざりあい、醸造されたからこそ独特の香りになって花開いたオーストラリアのロック。

或いは、だが、きっと世界の中心たる場所でなる音楽はこういう事をいうのかもしれない。

世界中を巡り巡って、時代を超えてきた音が、雄大な大地の元に帰るように。

天の川がそのまま落ちてきた様な燦めきも雄大な大地はしかと受け止め、再び新たな流星を空に流していく。

そんなロマンチックな光景すら浮かぶ、オーストラリアのロック。

これからも是非、注目していきたい。

 

それではまた別の記事で。

曲の中にバンド名が出て来るロックソング11選 【音楽ファンを悶絶させるバンド間の浪漫飛行コラム】

溢れる思いを歌詞に載せて 曲の中にバンド名が出てくるロックソング特集

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曲の中の歌詞に、他のバンドの名前が、単語として出て来る事がある。

こういう曲のジャンルに、誰か格好いい名前をつけて欲しい。

聞いてて分かるとドキッと心が躍り、その関係性にゾクゾクしてくる音楽ファン悶絶の瞬間。

彼らも、あの彼らを聴いてたのか。

大体想像通りのバンド名が出てくると、感動の電流が流れじわーっと胸に幸福感が広がる。

バンド名というワードだけで音楽ファンにとっては一般的なワードより多くの情報量を詰めることが出来るし、’ロックバンド’という単語が何よりもロマンのあるモノなのだ。

横の繋がり、縦の憧れ、たまにディスり、彼らもあの時聴いてたあのバンド、単純に強い意味を込めた単語として使用する、色んな形で出て来る。

曲の中にバンド名が出て来る、それだけでスペシャルに鳴るロックソングの11選。

今回は歌詞も覚えてて、思い入れのある曲を1987年生まれロック好き的にピックアップしました。

きっとまだまだあるはずなので、見つけ次第追記していきます。

音楽ファン垂涎の浪漫飛行コラム。

素敵な暇つぶしになれば幸いです。

 

 

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1.Simpleplan 'Grow Up'


Grow Up

永遠のポップパンクアイドルSimple Planの1stの最後の曲に収録され彼らのライフアンセムになったナンバー。

'This is Who I Am and This Is What I Like.GC,SUM and BLINK and Mxpx Rock'n My Room.'とキャッチーでロールなリフに載せて、その瞬間は冒頭から訪れる。

「これが僕の好きなモノ、グッドシャーロットにサム41にブリンク182にMXPXが僕の部屋でなるのさ。」

と、憧れのポップパンクバンド達の名前が、小気味よく畳み込まれる。

彼らより少しだけ先輩のポップパンク旋風のド真ん中にいたヒーロー達。

それが鳴り続ける暮らしを選ぶのだ。
親や教師が眉をひそめる事に気を配って、その部屋から出る、ライブハウスに行かなくなるっていうあんたらの言う成長はクソだ。

ポップなパンクの蒼いエネルギーが純度100%でキャッチーに鳴り、シンプルプランならではのファニーな朗らかさが満点、それを相乗して加速させるパワーワードのバンド達には、’そんな生活最高だよな’って途轍もない説得力が有るのだ。

 

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2.Mxpx 'The Way We Do'


MxPx - "The Way We Do"

今度はMXPXからSimple Planへ向けて。

'When Face To Face destroyed our van Our freezing balls, crossed Canada with Simple Plan Or stealing third, from Bad Religions dressing room''とメロコアパンク神バッド・レリジョンの名前も出てくる。

クラウドファンディングで制作費を募り実現した、2018年のモダンなパンクアルバムに入った一曲。

彼ららしい爽やかなスケートサウンドのMXPX版これが俺の生きる道。

リフとビートとボーカルが箒星の様に火花引きつつ流れていき、ナチュラルに枯れた良いムードがポップになりすぎずどこまでもリアルで、ほんの少しだけ立ち止まり振り返る事の出来るベテランならでは味わいすらある。

こんなに年取ってちょっと弱音が溢れそうだけど、 でも今これだけ爽やかに高らかに宣言できるポップパンクライフストーリーは間違いなく本物で、絶対に自分たちだけじゃ出来なかった。
数多くのバンドがきっといるはず、もちろんシンプルプランとの関係性は飛び抜けて良くても、このお互いたくさんの年を過ごしたタイミングで名前が出てくる事は両バンドのファンとしては嬉しいし、どこか上のGrow Upに対するお返しみたいな想像までしてしまう。

 

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3.Green Day 'Amy'


Green Day - Amy [Unofficial Video]

27才の若さでこの世を去った稀代の歌姫Amy Winehouseへ捧げるグリーンデイのバラッド。

ポツリポツリと鳴るアシッドで艷やかなギターメロディーに優しく抱きしめる様で大きな愛情に溢れる声。

パンクシンガーの攻撃性を脱いだナチュラルな姿、これぞビリー・アームストロングのシンガーとしての本領だ。

'Amy Don't You Go.I Want You Around'

グリーンデイより年下の後輩シンガーでありながら、その死に大きなショックを受け自らの公式サイトにいち早くこのリリックを載せた。

圧倒的な存在感の清涼な歌声を持っていつつ、パンクな姿勢でオルタナティブな存在だったエイミーと、パンクなアイコンでありながら稀代のロックシンガーであるビリーは、どこかシンパシーのある存在だったのかもしれない。

そう思わせるには十分な程優しいし、純粋な音楽家同士の愛が華麗なレトリックで彩られ降り注ぐ音は心に残る。

 

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4.Weezer 'Heart Songs'


Weezer - Heart songs + lyrics

Weezerのソングライター、リバース・クォモに影響を与えたハートソング「心の歌」を自伝的に振り返った1曲。

指の滑る音まで暖かく聞こえるギターのしらべに乗せた全キャリアにおいて最高のアコースティックバラッド。

穏やかなレイドバックからパワーポップビートを帯びてついに彼らの曲がハートソングとなるのだ。

アバからアイアンメイデン、ジューダスプリースト、プリンスマイケルに、ニルヴァーナと幅広くボーダーなど無い音楽愛に満ちた名前達。

焚火の前でCDラック眺めてるような、優しくオーガニックな浮遊感はリバースのメロディーセンスが冴えるし、徐々に熱を帯びるハードなサウンドも彼らの真骨頂的で、音的にもライフストーリーを彩るよう。

'Michael Jackson's in the mirror' 'Had a baby on it, he was naked on it'

「マイケル・ジャクソンは鏡の中に」「そこには裸の赤ん坊が映っていて」

こういうリバースらしい奥ゆかしい表現も凄く好き。

 

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5.Bowling For Soup '1985'


Bowling For Soup - 1985

アメリカを代表するポップロックバンド、Bowling For Soupの代表作となったキラーチューン。

もともとは同年代に活躍したちょっと先輩のSR-71というバンドの曲で、その曲の世界観に心を打たれたカバーを頼み込んで了承をもらったらしい。

デビーという名のしがない主婦を主人公に、彼女が1985年に青春時代を懐かしみ現実を嘆く姿を明快でちょっと切ないポップパンクサウンドに乗せる。

ブルース・スプリングスティーンマドンナニルヴァーナがMTVを席巻する少し前の時代。

U2ブロンディーワム!モトリー・クルーと、アメリカン・ロックの当時がわかるストーリーも僕らの知らない世界。

もう途轍もなく良いポップメロディーセンスと鮮やかにザラつくギター、そこにストーリーの相乗効果でセピアな色彩が信じられないほど鮮やかに広がり、それこそパーソナルな想いも投影し涙が出てくる様なエモーションが迸る名曲。

 

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6.NoFX 'I'm Sorry Tonny'


NOFX - I'm So Sorry Tony - with Lyrics

最もパンクを貫く現役最強パンクバンドNOFXが贈るNo Use For A Nameのボーカルで2012年急死したトニースライへの献歌。

’お前より凄いソングライターにあったことない’

’トニーの悪口を言ってる奴にあったこと無いよ。アイツが作った歌みたいだろ?’

いつも吐き捨てる様な中指立てまくりのリリックとは違う、本当に真っ直ぐで純情な友情は、社会のはみ出し者のパンクス同士だからこそ美しい何かがある。

ファット・マイクの涙も枯れた様な語りから、まるでNUFNの様な爽やかなポップパンクサウンドに乗せて、トニーへ届けと歌う。

残された子供達への描写や、自分も怖くなったって赤裸々な言葉、更には最後にもっと話したかったという後悔の念で、I'm Sorryという言葉になっている。

そういうマジな思いを言葉にするのも、パンクスならでは。

 

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7.ELLEGARDEN 'Cuomo'

Cuomo

Cuomo

  • ELLEGARDEN
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

ELLEGAREDENのボーカルでありソングライターの細美武士が敬愛してやまない、Weezerのボーカルギター、リバース・クォモへ捧げたショートチューン。

事ある毎にWeezer愛を語る細美にとって、最高級のリスペクトを結晶にしたこの歌は、クォモやウィーザーというワードこそ出てこないものの、ファンであれば心から頷ける鮮やかなトラック。

泣き虫ロックだ、弱虫だ、と言われてるけど、それは唯一無二で貴方だけしか持ち得ないめちゃめちゃ素敵なマインドだ。

ファンとして、そしてミュージシャンとなった時、ますます深まる愛を曝け出したメッセージ。

王道なんか無くてもいい、と教えてくれたのはWeezerであり細美武士だったのだ。

ざらつくギターと呆気にとられるほどのポップさ、Weezerっぽいパワーポップサウンドを凝縮したサウンドデザインも素敵。

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8.Sugar Ray 'Under The Sun'


Under the Sun - Sugar Ray

誰もがうっとりするサーフロック・バンド、シュガー・レイの夏にピッタリのレイドチューン。

Run DMCだったり、Culture Club,The Crash,Men Without Hatsといったレジェンドの名前が出てくる。

海沿いの道路に車を停めて、夕日を眺めて、その車から流れてくる美しいロック達。

あの夏の情景というテーマで歌わせれば、シュガー・レイは多分歴代最強かもしれない。
あらゆる人のパーソナルな情景にもリンクする、鮮やかなソングライティングは圧巻。

 

9.SR-71 'Axl Rose'


SR-71 - Axl Rose

上のボウリング・フォー・スープの'1985'の原曲を作った、SR-71のナンバー。

'1985'でもそうだったけど、あの頃に強烈な想い出を残してきた、という郷愁的・懐古的なテーマが得意なバンドなのだ。

まさしくガンズ・アンド・ローゼスのアクセル・ローズがタイトルになっていて、80年代に黄金期を迎えていた歌の主人公が、”アクセルはどこへ行った?”と、取り残された現状を嘆き、そして強がる一曲。

The VinesThe White Stripesについていけない、というワードも出てくる。気付いたら僕もそんな事言ってるかもしれない。
そんなセンチメンタルさを絶妙に倍増させるメロディーワークが伝えていきたい一曲。

 

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10.椎名林檎 '丸の内サディスティック'


丸の内サディスティック - 椎名林檎(フル)

日本のロック界を震撼させた、シンガーソングライター椎名林檎という存在を、歴史に刻みつけた最強の1曲。

ベンジーことBLANKEY JET CITYのボーカル/ギター、浅井健一が登場する。

どこまでも赤裸々で容赦のないワードの飛ぶ椎名林檎的シティロック、その象徴となる’そしたらベンジー、あたしをグレッチでぶって’というワード。
どこまでも淫靡でリアルで、衝撃的でロック的な愛情が、色んな人の目を覚まさせた「誰か」の歴史を動かし続ける驚異的な一曲だと思う。

11.斉藤和義 '僕の見たビートルズはTVの中'


「僕の見たビートルズはTVの中」斉藤和義

日本の誇るシンガー・ソングライター、斉藤和義の古き良きレトロな名曲。

ビートルズの名前が、怠惰で冴えない生活の対比、TVの中という憧れの先で出て来る。

「おじさんは言う。あの頃は良かったな。解る気もするけど、タイムマシンはない」

多分死ぬまで後100回くらいは思いそうな事、ズバッと鮮やかに言ってくれるじゃないか。

胸を締め付けつつ、爽やかに感情を煽る、斉藤和義の声は日本のシンガーとして後世に残したい。

 

バンド名に単語以上の想いを込めて

きっと、恐れ多くて、リスペクトが強すぎて、そのバンド名を使えないって事もあるだろう。

まとめながらそんな事も思った。

ただ、ここに出てくるバンド達も、並々ならぬ思いをそれぞれ言葉と音にしている。

それが僕らの耳にも、さり気なく届いた時、こっちも並々ならぬ幸福感で満たされるのだ。

 

それではまた、別の記事で。